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大沢夏男 さんのレビュー一覧 

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     2023/02/14

    他の演奏にくらべ快速なのは、バロック本来の舞踊としての姿を具現したもので、本CDには未収録ながら、とりわけ第4番にそれが顕著に見てとれる。そのパフォーマンスには驚きのほかない。圧倒的な音と技巧は作品の正確な表現のためだけに捧げられており、あまりのみごとさに、これまで聴いてきた数十種類の演奏が過去のものとなってしまった(とはいえ、同曲異演を聴くのが、クラシックの楽しみでもある)。チェロの旧約聖書とも呼ばれる本作の演奏史に欠かすことができないカザルス以後に現れた、まさにエポックメーキングな記録といえるだろう。また、とびきり優秀な録音がもたらす生理的快感は感嘆のほかない。こんなすばらしい演奏家を世界は喪ったのだ、と感慨をあらたにせずにいられない。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2023/01/27

    ブルックナーの交響曲はさんざん聴いてきたけれど、さまざまな演奏にそれぞれの魅力があり、同曲異演にふれるのはいつも楽しい。ラッセル・ディヴィスの本演奏もまた魅力に富んでいる。まずは録音のすばらしさに頬がゆるむ。ボックス・セットになりレーベルがArte NovaからSONYに変わったけれど、音質に変化はなさそうだ。演奏もまたみごと。聴き慣れた版ではないものも含まれているから、よけいに耳をそばだてずにはいられない。こんなメロディがあったのか、こんな音型ははじめてだなどと作品を再発見しながら、なんて美しいんだろうとうっとりし、なんてダイナミックなんだろうと興奮する。愉悦の境地、ここに極まれりだ。入門用と評している方がいるけれど、ブルックナー通に評価される演奏と感じられた。ひとことでいえば、絶品!

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     2023/01/24

    予約を見つけたとき、うれしくて小躍りした。そして、ついに落掌。SACDシングルレイヤーによる望みうる最良の再生音では緻密でなめらか、アナログっぽいというか暖かい。すーっと尾を引き消えてゆく残響がなんとも心地よく、つい耳をそばだててしまう。分解能が高くなっているのだろう、それもあって演奏がいちだんと魅力を増していることはまちがいない。ズスケとメンバーが奏でる美しく清潔な音は、あるときは艶やかでたおやかに、またあるときは力強く激しく、またあるときはさびしく悲しく、聴き手にせまってくる。徳間の従来盤でこれまで音に不満を感じたことはなかったけれど、アナログレコードの音をめざしたというリマスタリングをほどこした本盤と聴きくらべると、従来盤はあきらかに大味で雑味が感じられる。CDの登場以降、アナログレコードは聴いていないので音の記憶はないけれど、愛聴する真空管アンプから出てくる本盤の音は、熟成したまさに馥郁たるワインの豊かな味わいやコクとでもいったらいいだろうか、飲みはじめたら、いや聴きはじめたら止まらない、もう虜だ。異次元の音によるズスケ四重奏団によるベートーヴェン弦楽四重奏曲全集の決定版である。

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     2020/07/11

     東京のライブでこのカルテットの演奏にはじめて接し、あまりの巧さと美しさにショックを受けて以来、かれらの演奏を注視し、追いかけてきた。古典もジャズも分けへだてなくプログラムでとりあげる新世代カルテットである。技術レヴェルの高さは過去のすべてのカルテットを凌駕する。第一ヴァイオリンはそのカルテットのカラーを左右するものだけれど、コロンベは過去のズスケや原田やピヒラーなどに勝るとも劣らぬリーダーであるばかりか、テクニックも表現力も至高であろう。いや、コロンベだけではない。ライブ(およびリハーサル)でここまで緊密で完璧なアンサンブルが実現できるカルテットの技量は恐るべきものというほかない。奏者のブレス音が象徴するすさまじい気迫は背筋をブルっとさせずにいないし、音色の美しさは尋常ではない。ときに蠱惑的であり陶酔的でさえある。硬軟あわせもつ表現力の豊かさたるや瞠目するばかりで、全編が歌にあふれ、シルクのような柔らかな肌触りを見せるかとおもうと嵐のような激しさに唖然とする。古くはベルリン四重奏団、東京カルテット、アルバンベルク四重奏団、近年ではゲバヴァントハウス四重奏団やタカーチ四重奏団、ベルチャ四重奏団、ミロ四重奏団などの名演、美演がカタログをにぎわせているけれど、この作品集をここまで再現できた例を寡聞にして知らない。クラシック歴、約半世紀にしてめぐりあった奇跡的な演奏の記録である。「アラウンド・ザ・ワールド」の副題どおり、ウィーン、東京、パリ、サンパウロ、メルボルンなど世界各地でライブ(およびリハーサル)収録されていながら、会場の差異がわずかに感じられる程度に調整されているのはプロデューサーとエンジニアの功績であろう。左右のスピーカーいっぱいに展開される音場で音像は近め、各奏者の配置は明瞭で、豊かな低域からさわやかな高域までみごとにとらえた録音はじつに美しく、演奏ともども欠点のない最高の全集である。

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     2014/05/23

    圧巻である! とろけそうなほど官能的なピアノの美音が作品をつむいでいく、そんな音の織物をおもわせる蠱惑的な演奏。ディナースタイン以外のだれからも聴いたことがない個性的な表現に圧倒されてしまう。このバッハやシューベルトの演奏に、ぞっこん惚れこんでしまう人も出てきそうだ。わたしはもう熱愛状態。

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     2014/03/10

    コンツェンをはじめて聴いた。なんと艶やかなヴァイオリンの音色だろう。技巧も見事であり、おもわず耳をそばだてた。バックをつとめるゲーベル&バイエルン・カンマーフィルともども、軽やかで愉悦にみちた美しい演奏だ。イタリア語のCDタイトルにいかにも似つかわしい。この曲集の愛聴盤になりそうな予感がする♪

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/12/22

    ワイセンベルクの硬質で宝石のようなピアノの音とキレのある運指とタッチがみごとだ。ことに聞き物は9番だろう。耳の快感である。録音もS/Nよく実に美しい。傑作CDだ。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/03

    この爽快感はどうだ! 圧倒的な切れ味が生理的な快感を呼びさます。聴き慣れた曲集がじつに新鮮に迫ってくる。いまこの演奏に夢中だ。毎日、聴いているけれど、そのたびにゾクっとくる。エマーソン四重奏団、おそるべし!

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/02/26

    すっかり聴きほれた。4曲とも、みごとに尽きる。この敏感で柔軟な、鮮烈でデリケートな、力強くなめらかな演奏はどうだ。内声部をたくみに響かせながら、いま音楽がうまれたかのような新鮮なよろこびを、聴き手にあたえる。つややかでみずみずしいオケの、色彩ゆたかでいきいきとした音色が、愉悦にあふれたシューマンの世界を構築している。暗さとは無縁の、こんなシューマンもめずらしい気がする。録音も美しい。オラモの最高傑作だ!

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     2009/09/07

    きら星のような20世紀の巨匠たちの、まるでお祭りのような華やかで聴きごたえのある充実したセットだ。バックハウスやゼルキン、ギレリス、グルダなどの大御所はいうにおよばず、ベルマンが聴けるのがうれしいし、チェルカスキーにアンダ、カニーノなどそれほど聴く機会の多くない演奏家のつむぎだす豊かな音楽にふれていると、時がたつのをついつい忘れてしまう。これからの秋の夜長には、実にふさわしい。モノラルとはいえ、録音は十分に伸びやかで美しく、不満はない。価格の点でも、多くのリスナーの期待に応えられるはずだ。

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