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Ichirokagawa さんのレビュー一覧 

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     2021/09/03

    エラス=カサド指揮によるチャイコフスキーの作品集。曲目は、交響曲第1番「冬の日の幻想」と幻想序曲「テンペスト」。オケは、セントルークス管弦楽団である。1番の交響曲は、民謡風のメロディーが全曲を通じてベースにあり親しみやすい作品だが、第4楽章は別のテーマも出現し、対位法的には後期の交響曲にも引けを取らない。セントルークス管は室内オケらしいが、音響的には全く普通のオケと変わらないし、表現力の面でも第4楽章は圧倒的な印象を残す。ただ、表現力からすると次の「テンペスト」の方が凄みがある。シェークスピアの作品からインスピレーションを作品だが、セントルークス管にかかると、一大叙事詩を聴く様ですっかりハマってしまった。エラス=カサドにはチャイコフスキーの後期の交響曲等の録音にも期待したい。

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     2021/09/01

    エラス=カサド指揮によるメンデルスゾーンの作品集。オケはフライブルク・バロックオーケストラ、協奏曲のフォルテピアノがベズイデンホウトという万全の体勢。曲目は、交響曲第1番、ピアノ協奏曲第2番、そして『美しいメルジーネの物語』。
    どの作品も比較的聴く機会が少ないが、メンデルスゾーンの天才ぶりを実感するのには十分な演奏の出来である。特に交響曲第1番は作曲家15歳の時の作品だが、冒頭からの躍動感や、この後のメンデルスゾーンの作品のモティーフになっているような箇所が随分とあり、非常に興味深い。ピアノ協奏曲第2番は、最初のほの暗い雰囲気から一気に引き込まれる。ベズイデンホウトとオケの掛け合いが聴きもの。『美しいメルジーネの物語』はロマンティックな作品だがダイナミックなところも十分にある。

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     2021/09/01

    ベズイデンホウトがフォルテピアノを弾き、エラス=カサドがフライブルク・バロックオーケストラを指揮するという、想像するだけでワクワクするような組み合わせである。果たして、躍動的な理想的な演奏が実現した。「皇帝」は、従来の感覚からすると鍵盤楽器が小ぶりな印象を拭えないが、まさしく現代のベートーヴェン演奏という感慨はある。2番の方が、曲想からしてジャストフィットで、非常に小気味良い演奏。オケは、殊更にピリオド楽器というところを強調しないが、要所を締めるパーカッションの一撃は効果的である。両曲とも現代のスタンダードとして薦めたい。

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     2021/08/27

    ベズイデンホウトがフォルテピアノを弾いたモーツァルトの協奏曲集。当盤の録音が2012年で、この後2014年に第11番からの3曲を録音している。ここに収録されているのは、第17番 ト長調 KV.453、ロンド イ長調 KV.386、第22番 変ホ長調 KV.482の3曲。オケは、フライブルク・バロックオーケストラで共通だが、当盤は弾き振りで、後のは指揮者を立てている。曲目が異なるので単純な比較は出来ないが、当盤の方が表現が繊細な印象を受ける。オケの響きもしっとりとしていて、殊更にピリオド楽器を意識させないところがあり、この辺りはベズイデンホウトの好みによるものだろうか。それでも、第22番冒頭のトゥッティの響きは鮮やかで、初演当時もこの様な音楽が響いていたと思うと、胸がワクワクする。ピリオド楽器による演奏も全く違和感がなく、モダンオケやモダンピアノでモーツァルトを聴く気がしなくなってしまった。

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     2021/08/25

    実は、ベズイデンホウトのフォルテピアノの音色があまり得意でなく、このアルバムも不安な気持ちで聴き始めた。最初の一音から、その心配は無用となった。実に深みのある良い音である。この音色であれば、このアルバムの成功は決まったようなものだ。フライブルク・バロックオーケストラも絶好調で、モーツァルトのピアノ協奏曲演奏の常識を打ち破る名演が誕生した。

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     2021/08/25

    宮沢明子が弾いたブルグミュラーの25の練習曲作品100と18の練習曲作品109の全曲である。まとまった形でのアルバムが実は少なく、実際の練習のお手本として有用で、かつ鑑賞用としても十分に楽しめる演奏である。初心者用と考えるが、イマジネーションも豊かで、宮沢明子の人柄が偲ばれる。余白に、ベートーヴェンの”うつろな我が心”の主題による6つの変奏曲、クーラウの”ドン・ジョバンニ”からのロンド、フンメルのロンド、ディアベリのソナティネ、クーラウのソナティネを収める。どの曲も比較的聴く機会が少ないが、実に楽しく聴ける。特にクーラウのロンドは無類の楽しさで、ディアベリのソナティネも傑作といい得る作品である。練習曲以外の作品によって、このアルバムの魅力が一段と増していると思う。

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     2021/08/24

    組曲《時間》と組曲《光と影》は1967年4月15日にスタジオ収録され、LP盤でリリースされているが、ピアノソナタはLP化もされず、このCDが初リリースになる。ソナタのほうは1969年1月18日のスタジオ収録。中田喜直のピアノ曲は初めて聴いた。組曲に関しては、1曲毎にタイトルは付いているものの、特にタイトルに固執することなく、純粋に音楽を作り上げる喜びに満ちたものである。宮沢明子の演奏は、中田喜直が依頼したとのことだが、作曲家のイメージを具現化することにおいて、打って付けであったことは明らかである。ソナタは1949年の音楽コンクールの出品作で2位を受賞したものの、第2・第3楽章が気に入らず、書き直しをして出版に至るまで20年を要した労作である。このあたりはライナーに中田喜直本人の文章が載っていて興味深い。演奏については、組曲と比較して、作曲家の真剣な想いがひしひしと伝わって来るようで感慨深い。宮沢明子でなければなし得なかったであろう演奏である。音質は、録音年次を考慮に入れなくても良好である。

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     2021/08/03

    第12回トゥレーヌ音楽祭における、1975年6月26日のGrange de Meslayでのリサイタルのライヴ録音で、ピアノにベヒシュタインを使用している。録音場所とピアノが貴重ということのようである。収録自体かなり怪しい感じだが、隠し録りではなくプライベート録音の類だと思われる。この日のミケランジェリはリラックスして弾いていたのか、各曲ともテンポはかなり遅めで、同曲他演奏に比較して随分雰囲気が異なる。ベートーヴェンの12番のソナタは、開始からしてゆったりと弾かれている分、味わいは深い。シューベルトの4番のソナタもテンポは遅いが、リズム取りからして特徴的で、骨太な感じの全く別の曲のようにさえ思える。ドビュッシーは映像からの3曲。他の曲ほどは遅くは感じないが、それでもしっとりとした味わいが印象に残る。ショパンの2番のソナタは、いつもどおりの開始だが、どこかミケランジェリの中で何かの葛藤がある感じで、ミスタッチが散見される。第3楽章の葬送行進曲は実に重く、また最終楽章にかけての演奏には一層凄みを感じさせる。
    音質については余り期待しない方が良いが、聴き苦しいという程でもない。ピアノの響きは良く拾っている方で、ベヒシュタインらしさも何となく分かる。
    この録音に関して、SACD化されたものがリリースされているが、どれほどの改善がなされているか、興味はある。

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     2021/07/30

    ミケランジェリのライヴ録音で、1967年6月28日、イタリア、トスカーナ州のプラトのメタスタシオ劇場で催されたオール・ショパンのリサイタルである。第1曲目(収録順)の幻想曲op.49から絶好調で、第2ソナタも安定の出来。よほど調子が良かったのか、バラード第1番はノリノリの演奏で、最後の「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」も感興が大層乗って、終演後の拍手も凄まじい。音質は、ステレオの表記はあるがプライベート録音そのものでお世辞にも良好とは言えないが、ミケランジェリの調子が良いので、最初こそ「あら!」と思ったが、ほぼ気にならないレベルと言えよう。

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     2021/07/28

    ミケランジェリの1965年の初来日時のライヴ録音で、先ずは良好な音質で記録されていたことに感謝しなくてはいけない。ライナーノーツを見ると、当時の記事が掲載されていて、ミケランジェリのピアノのことより、本人の人となりに関することがクローズ・アップされていて面白い。肝心の演奏評もアップされているが、何故か意味不明。
    モーツァルトの20番のコンチェルトは、オケの入りから陰鬱な雰囲気を醸し、ミケランジェリのピアノは精妙そのもの。読響も長時間のリハの成果が偲ばれる出来栄えである。ベートーヴェンの「皇帝」は開始の一音から鮮やかな音楽が繰り広げられる。音質は、やや音場の狭さを感じるさせるものの、ライヴ録音の制約を考慮すると良好と言える。なお、終演後の拍手の部分ではテープに起因すると思われる揺れがあるので、本編においてはエンジニアの手がかなり入っていることは想像に難くない。収録は1965年3月13日で、東京文化会館における来日公演のライヴ録音である。

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     2021/07/28

    宮沢明子のショパンは、最初のバラード第2番を聴けば大体分かった様なものだ。完璧な構成とダイナミクス、そして語り口の上手さ。わずか10曲だが、バラード、マズルカ(4曲)、幻想即興曲、ワルツ(2曲)、ノクターン、そしてスケルツォを配する巧みさ。「ショパンの世界」とはよく名付けたものだが、この1枚でコンパクトにショパンのピアノ音楽を楽しむことができる。演奏の素晴らしさからしてもおすすめのアルバム。いちばん凄いのが最後のスケルツォ第2番で、ほぼ同時期に収録されたアルゲリッチの演奏に比較して、演奏のダイナミックさはやや劣るが、詩情の美しさや語り口の上手さはアルゲリッチの敵ではない。最早孤高の表現と言って良い。

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     2021/07/27

    プーランクのオーボエソナタが聴きたくて求めて、勿論良かったのだが、他の曲も素敵なものばかりで、すっかりプーランクのことが好きになった。特に管楽器の扱い方が巧みなようで、ホルン、トランペットとトロンボーンの三重奏などはとても洒落ている。奏者は、皆んな達者なので安心して演奏を楽しむことができる。何より、プーランクらしいソノリティは室内楽がいちばん良く味わえるのではないかと思った。文句なしに楽しめるセットであり、おすすめ。

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     2021/07/21

    宮沢明子のこのアルバムの注目点は、ピアノにグロトリアン・スタインウェイをつかっていることである。1曲目、シューマンの「クララ・ヴィークの主題による変奏曲」。聴いたことのない輝きのある重厚な音色。普通のスタインウェイとは全然音色が違うので、是非聴いておいた方が良い。ショパンのワルツ第3番と即興曲第2番は、このピアノの音色を最大限活かした圧倒的な表現に脱帽するしかない。バルトークの「組曲」は珍しいレパートリーだと思うが、打楽器的な性格を帯びた作品に対して無類の適性を見せる。ベートーヴェンの3番のソナタは4楽章からなる大規模な作品で、このアルバムでのメイン・イベントだが、宮沢明子の集中力は半端でなく聴き手をひきつけて止むことがない。このアルバムの録音は1975年4月3日で、入間市市民会館ホールでの収録である。

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     2021/07/21

    宮沢明子のアルバムで、収録されているのは、ドビュッシーの「子供の領分」、ハイドンのピアノ・ソナタ第52番、シューベルトのピアノ・ソナタ第14番、ドビュッシーの「月の光」の4曲。録音は1975年5月31日で、都市センターホールでの収録。宮沢明子が34歳の時で、最も旺盛に録音をしていた時期に当たり、当盤も僅か1日で仕上げていることから、演奏にも活力がみなぎっている。
    ドビュッシーは宮沢明子が最も得意とした作曲家のひとりだが、「子供の領分」は一気呵成に弾いている印象。作品の運動性に重点を置いている点で、世評高いミケランジェリの演奏とは方向性を異にする。ハイドンの52番は再録に当たる(あいにく前の録音は聴いていない。)が、さすが世界初の全曲録音をやっただけの余裕を感じさせる骨太の表現である。シューベルトの14番は、やや陰鬱な感じの作品だが、宮沢明子はそのなかでも快活さは失わない。「月の光」はロマンチックで非常に美しい。

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     2021/07/19

    リシエツキ5枚目のアルバムのテーマはメンデルスゾーン。毎度、意外性のある組み合わせで楽しませてくれるが、今回も大成功。ピアノ協奏曲が2曲入っているが、第1番の方が快活な感じで、第2番はグッと響きに深みがあり、第2楽章などはなかなか聴かせる。リシエツキもデビューから5年というものの、収録当時は23歳とまだまだびっくりするほど若いが、音楽の深みが一段と増しているのが分かる。ジャケット写真も大人の男の雰囲気でカッコいい。協奏曲に挟まれたかたちの「厳格な変奏曲」は、テクニック的にも高度な作品だと思うが、非常に鮮やかに弾ききっている。「ロンド・カプリチョーソ」はとてもチャーミングな演奏。オーケストラについてもひとこと。オルフェウス室内管は指揮者がいなかったと思うが、アンサンブルのうまさは抜群で、サウンドも曲調にぴったり。このアルバム、実際のコンサートではなかなか実現しそうにない組み合わせだが、もし聴けたなら絶対に大満足なものになるだろう。さしずめ、最後の「ヴェネツィアの舟歌」はアンコールで。

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