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HMVインタビュー:Radiots2

Friday, August 28th 2009

interview

Radiots

正直、過去の目で見ないでくれっていうのもあったよ。ここからもう一度フラットな目で俺を見て欲しかった。リアルに自分の現状と答えが知りたかったから。

---実際、2つバンドをやっていて、お休みなんてあるんですか?

HIROMITSU:ある時はあるんですよね。ないときは一切ないけど。でも、家で腐ってたり、一人でいるのが好きじゃないから、逆に外に出てクラブとかライブハウスに行きっぱなしの方が良かったりする。寝不足でツアー回ってライブやったりで大変なんだけど、意外に曲が思い浮かぶのはそういう時間だったりする。体力的にも辛いし寝不足なんだけど、そういう時間が自分にとって一番いい時間なんだなと思えるようになってきて。とにかく家に一人でいるのが大嫌いなんですよね(笑)。

---休みがあっても外に出ちゃうんですね。

HIROMITSU:そうしたいんですよね。

YOSHIYA:今、HIROMITSUも言ってたけど実際俺もそうで。曲や歌詞って、最初から家で篭って考えてもあまり良いのが生まれなくて、1週間考えても良いのが出なかったりする。でも、ライヴに遊びに行ったり、クラブに遊びに行って酒を飲んだりして友達と騒いだ帰りの歩いてる時なんかに浮かんだりするんだよね。そのまま歩きながら携帯で録ったり、メールで書いたりしてさ。机に向かってる時よりインパクトのあるものが生まれたり、歌詞のキーワードになるものが出たりする。もちろん、机に向かって煮詰める時間もあるよ。イメージは刺激がある時に一番舞い降りるからね。

さっきのスケジューリングについても言えるんだけど、メンバー各自の中での、OKラインやギブラインがあった方が分かりやすいんだよね。これ以上はキツイ!って相談される方が楽。一番困るのが、無理に難しくて厳しい事やってメンバーそれぞれが落ち込んじゃう事なんだ。苦手なスケジューリングをやらなくちゃいけなくて、HIROMITSUが精神的にガタンと落ちたら、それこそ嫌なんだ。だったらそんなの俺がやるし。そのかわり、HIROMITSUしかできないRadiotsにとって大切な事に集中してもらうからね。自分にないものはメンバーの誰かが持ってる可能性があるし、逆にメンバーが持っていないものを俺が持っている自信もある。そういうのを自然と出し合って交換していけばいいんじゃないかな。もちろん、皆エゴはあって、バンドって皆でやっている事だから、どっかで無理が生じてきたりするじゃん。その無理が生じた時に、誰がどうするかっていう事を4人いたら4分割出来るわけじゃん。

バンドが上にあがろうってのはさ、夢や目的・・・超える対象や辿り着く対象がある場合がほとんどだと思うよ。そこに向かってバンドが確実に一つのチーム、組織として上がっていこうとするわけじゃん。イクとこまでイクには、そこが絶対にバンドライフってとこになってくるからね。活動始めて3年目の半ばってとこだけど、いわゆるバンド活動ってやつの5、6年は俺等はヤッテる自信がある。思い返してみれば、まだ丸2年しか経ってないんだなって。Radiotsというバンドを頭で描き、常に動いてきて、想像したものには近づけてるし、形にできる自信がメンバー皆にあるからさ。だからRadiotsはスゲエ面白い!凄く真っ直ぐで気難しいシビアなポイントもあれば、天才・天然のブッ飛んだ部分も持っている。どうしようもねえ馬鹿さ加減を皆それぞれが持ってるんだ。人間味があって、人としても大好きだよ。このメンバーで何ができるんだろうって事を思い描くのがリアルに楽しくてさ。毎回同じようなライブは絶対やりたくないから、その日しかないライブをやってるし。そこもRadiotsの強さだね。そこを魅せつけれる力は、それぞれのキャリアがRadiotsとしてうまく弾けてる!我ながら本当に最狂なバンドを作れた!と思います。まぁ、ライブ観てくれたら分かると思うけどね。

Radiots

---ライブ、本当凄いですよ。最初観た時、後ろでのんびり観ようかと思ってたんですけど、すっかり入り込んじゃってて、ハッ!と気が付いた時には思いっきり笑顔でその中にいましたもん。ライブ、本当にいいです。

YOSHIYA:見た目もこんなトンがっちゃってるからね〜でも、もう何十年もずっとこれでやってきてるから、今更変わるなんてねえし、俺にとってはこれが普通、いつもの俺なんだよね。それがカッコ良く映る時もあれば、恐く映ったり、危険に映ったりしてバンド自体やサウンドに入り辛かったりもあるかと思うけど、そういう固定観念や、パブリックイメージをも超えちゃえると思うんだよ、ライブの凄みってのはさ。それが本当に凄いバンドだと思う。最初に、エー?と思ってた人が気が付いたらノッてたとかって、マジで凄いじゃん!俺もそういう時あるしね。

HIROMITSU:やっぱり、こういうパンクというか派手な格好をしてる事から固定観念で見て欲しくないところはあって。例えば、タトゥー入れて、髪を立たせて、そんな派手なパンクの格好をしてるけど、俺等が表現したいのは暴力的な事では決してない。ああいう格好じゃなければ好きかも知れないけどね・・・って言われたりもするけど、そこにも反抗したい部分がある。俺等はこんなに真剣に音楽をやってるわけだから、格好なんか関係ないじゃんって思う。聴いてくれている人には格好に関しての固定観念は棄てて見てもらいたいなって思う。

YOSHIYA:これはずっと好きでやってきてる事だからね。

HIROMITSU:俺等は自然に、こうなだけだから(笑)。

YOSHIYA:皆も好きなようにやってるでしょ。それがその人達にとっての正解で、いつもの自分。それと同じだよ。これが俺等のいつもの自分なんだよ。そこに触れられない人にだって、俺等は楽曲でその壁を超えてやろうと思うから、絶対的な楽曲のセンスや、クオリティ、アレンジは意識してるよ。こうだからこそ、ナメられたくない!絶対に言われる事が、「あ、パンクでしょ?ガチャガチャうるさいんでしょ?恐い!(笑)」。それだけで曲の細かいフレーズまで聴かない、完全にシャットアウトする人もいるじゃん。でも俺等にとっては、それだって餌にもなっちゃう。へぇ〜じゃあ、ヤッちゃうよ!?みたいな(笑)。またカッケエ曲作っちゃうぜ!ヨロシク!ってね。やっぱ、俺等は楽曲を良くしたいって強く思ってるな。俺だったら絶対耳に残る歌メロを考えたい!印象付けたい!HIROMITSUだったら、いいギターフレーズをドンドン生みたい!最高なサウンドで刺激したい!わけだしさ。そういうベクトル感もメンバー皆が同じ方向を向いてる。だから、メンバーがどんな格好してようが否定してきてないし、それでもまとまってしまうのがまた不思議なとこ。それを越える何かを4人が持ってるみたいなね。

今回の作品はメンバーチェンジ後、初のアルバムなんだ。最初のベースが2008年11月頭で辞めていて、その月の中旬からは早速、現ベースのANTONがプレイしてる。その後すぐツアーやって、皆の体に叩き込んでいった。

---いきなりツアーから始めたんですか?

YOSHIYA:加入後すぐ通常ライブが2本あって、その後12月にLAUGHIN’ NOSEとのVSツアーが入ってたんだよ、全国5箇所。これは絶対にやりたいから、LAUGHIN’ NOSEのポン君に速攻会いにいって、「俺等メンバーチェンジをするんだけど、辞めるのが分かってるメンバーとツアーに行くのは後ろ向きなツアーにもなりかねないから、思い出にできたとしても、沁みったれた思い出ツアーには絶対にしたくない。俺等にとっていきなりのチャレンジで、リスクもあるかもしれないけど、次の自分等へ価値あるものとして新メンバーでツアーしたいです。まだバタバタしてるし、噛み合っていない可能性もあるけど、これで行かせて欲しい、Radiotsが今どうしてもやりたい答えがこれで、ライブも絶対キャンセルしたくないし、それでカッコ悪かったらそれがRadiotsでいい。でも絶対カッコよくする自信があるから!だからツアーお願いします!」って言ったら、「間違いない!それが正解だよ、それでいきましょう!」ってポン君も言ってくれて。

VSツアーを今の4人でやって、そこでまた新しい刺激をもらって、俺等も魅せて、絶対的に獲れた答えがあった。俺はRadiotsでは結成当初から曲によってギター持ってたんだけど、そのツアー名古屋からギターを下ろして、昔やってた完全なメインボーカルスタイルに戻したんだ。結成当初は、過去やってたバンドでの俺のイメージを変えたくて、どうしてもギターを持つ必要が俺にはあった。もう一回、1からバンドってのを始めたかったからさ、もう過去の自分じゃないんだ・・・っていう。正直、過去の目で見ないでくれっていうのもあったよ。ここからもう一度フラットな目で俺を見て欲しかった。人気があろうがなかろうがそんな事じゃなくて、リアルに自分の現状と答えが知りたかったから。Radiotsの答えは、まずそこから作ってくからそうしたいって。メンバーにもギターを持たない今までのYOSHIYAのスタイルで見てみたいって言われたけど、そこはまだゴメン・・・と。過去の自分にまず今は違う形で喧嘩をさせて欲しい、完全にガチでヤリ合うのは、まだ今じゃない。だからギターを持ったスタイルでそれまで続けてたんだけど、LAUGHIN’ NOSEとのVSツアー初日の仙台と次の名古屋のリハの時まではギターを持ってたけど、名古屋ライブ本番では一切持たなかった。

そこから、完全に過去の自分に対峙してガチでぶつかって、この俺のまんまで超えてやろう!ってところに行けた。潔く行けた!それをメンバー皆が全面的に賛成してくれて、俺はこれで行く!って決意した。過去と同じに見られたら嫌だなっていうのがあったんだけど、俺がメインボーカルで過去の自分と同じスタイルでやっても、バンドが違えばきっとそこも違って見えてくるし、メンバー全員の存在感がドンドン出来上がって、立ってきたからこれでいける!と。Radiotsは絶対的にブレないバンドですね。だからやっていてて凄く面白い。楽曲作る中でのちょっとした試行錯誤はどうしてもあるけど・・・な〜HIROMITSU。

HIROMITSU:はい。

YOSHIYA:楽曲に関して、作曲やアレンジでのHIROMITSUのセンスを凄く認めてるよ。HIROMITSUがやりたい音を聴くのが楽しみになっちゃってるからね。曲はもちろんメンバー全員で仕上げてくけど、HIROMITSUの引き出しのキャパと多さ、後は早さには驚かされる。その分、HIROMITSUが持ってきたフレーズに対しては、どこまでメロディを高めて、歌の雰囲気を作ってくかっていうのが俺の仕事になる。俺が作った曲に対しては、HIROMITSUに好きなフレーズをまず重ねてもらって、ソロを好きに入れてもらう。好みが凄く似てるのか、そのフレーズはどうかな?っていう疑問がないんだよね。おぉ!それ好きだな!ばっかりだよ。フレーズの細部まで気になるなら、そこは作った人が考えやイメージを素直に言えばいい。ここはどうしても、こうやりたいって。こだわりをね。皆、曲作りに対しては凄く柔軟でいて、余計な事や無駄な事を余りしないよ。決定ラインをそれぞれが持ってるんじゃないかな。やりすぎてもダメだし足りなすぎてもダメじゃん。世の中全ての事に対しても言えるけど、OKラインっていうポイントが大事なんじゃないかな。それで決断する選択肢や時期なんかが色々決まってくるでしょ。

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