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Spangle call Lilli line 【インタビュー】

Monday, November 17th 2008

 インタビュー

 



text : NEGISHI (HMV)


--- Spangle call Lilli line(以下SCLL) 結成10周 年 おめでとうございます! まずは10年を迎えた現在の率直な感想を教えて頂けますか?

大坪加奈(以下大坪):これだけ続けてこれた事に驚きと喜びを感じます。でも10年 経った感覚が全くありません。3、4年くらいな気分です。

笹原清明(以下笹原):つづくことがあたりまえのことのようでもあり、そうではないようで もあり不思議な気分です。

藤枝憲(以下藤枝):ここから更に10年、続けることが大事だなと改めて思います。

--- 06年のベストアルバム『since』、オリジナル作品では 05年『TRACE』以来3年ぶりとなる新作ですが、 この間の SCLLとしての活動、もしくは個々の活動を振り返って 頂けますか?

大坪:私は結婚したり、CMの仕事や友人の作品に参加したりしていま した

笹原:黙々と日々暮らしていました。スパングルでは数曲世に出ていない曲 を作りましたね。

藤枝:デザイナーとしての仕事が猛烈に忙しかったです。

--- マイペースな活動で知られるSCLLですが(笑)、 10周年のメモリアルイヤーに『ISOLATION』『PURPLE』 2枚のアルバムのリリースというのは、あらかじめ計画されていたので しょうか?

藤枝:最初から2枚作る事は決めていました。勿論メモリアルイヤーという 事で、可能な範囲で頑張りました。

--- 『ISOLATION』『PURPLE』の2作品は全く違った 時 間軸で制作されたものなのでしょうか? それとも同時期に平行して制作 されたのでしょうか?

大坪:同時期に平行して作成しています。

--- 今回の2作品とも『or』以来となる吉田仁(サロ ン・ミュージック)さんプロデュースですが、 SCLLにとっ て吉田仁さんとはどんな存在?

笹原:頼りがいのあるお兄さんです。

--- SCLLの作品で毎回楽しみなのがジャケット写真なのです が、 『ISOLATION』のジャケ写の油絵、モデルは大坪さん のように思 われますが、あれはどなたの作品なのでしょうか? そして 『ISOLATION』のジャケットに選んだ理由は?

藤枝:部分的には大坪さんで、部分的にはファッションモデルさんで、最終 的には僕のディフォルメがかなり入ってます。クラシカルで、でも今っ ぽいニュアンスのアイコン的な絵画にしようと思って、描きました。実 際にはその絵をスキャニングしてマックで更に加工しています。

--- 『ISOLATION』はピアノの音色とエレクトリックな電子音を フューチャーしたコンセプトアルバム的な作品でしたが、 このアルバム で特にこだわった所は?

大坪:アレンジにしてもピアノの美しさを最大限に活かせる形にするため、 極力シンプルに努めていったところでしょうか。

笹原:余計なギターを弾かない。

--- 『ISOLATON』は「roam in octave」のPVのよう に 映画のサウンドトラックを聴いているかのような印象の作品 でしたが、 実際に何かの映画をイメージされて制作されたのでしょうか?もしく は、どのような映画のサントラとして機能しそうでしょうか?具体的な 作品タイトルがありましたら挙げてください。

藤枝:どちらかというと、脳内にある色んな映画のシーンの断片を積み上げ ていくようなイメージです。なので、特にこの映画!というのは無いの ですが、とにかくサウンドトラックの様に、映像やストーリーを喚起さ せる構成にしています。

--- 『PURPLE』はあの暗闇をほのかに照らし出す薄暗い照明がア ル バムのイメージにぴったりに感じられましたが、こちらの ジャケットコ ンセプトは?

藤枝:写真家でもある笹原くんに「デヴィット・リンチの映画みたいに、ア メリカの片田舎の夜の風景みたいな写真」というリクエストをしたら、 この写真が上がってきました。とてもイメージにピッタリで驚きまし た。この風景は実際には日本ですが、非常にSCLLっぽいなと思い ます。

--- 『PURPLE』はアルバム全体を通してスロウでメロウな楽曲でま とめられていますが、曲順などは相当悩まれたのではないでしょうか?

藤枝:そうですね、相当に悩みました。基本的に、アッパーな音楽ではない ので、微妙なアップダウンを通して気持ちよくなれるようになったかな と思います。

--- 「Cast A Spell On Her」のPVを拝見しましたが、凄 く 美しい映像で楽曲のイメージをさらに膨らます素晴らしい PVですね!PVのコンセプトや撮影時のエピソードがありましたら 教えて ください。

大坪:前作の「roam in octave」に続いて、写真をコマ撮りして PVを作ろうというコンセプトがありました。どちらのPVも全て笹 原くんのポラで出来ています。撮影時、日中はかなり温かく乾燥してい たため、約1名相当へばっていました。砂の感触がとても良かったで す。

笹原:メンバー3人とスタッフ1人だけで浜松まで撮影に行きまし た。天気がすごく良くてくて絶好の撮影日和でした。帰りにうなぎを食 べたりとちょっとした小旅行気分で楽しかったです。

--- 「Cast A Spell On Her」のPVの中で3本のバラが出 て きますが、『ISOLATION』のブックレットにもプリント されています。この3本のバラはメンバーを象徴しているのでしょうか?

藤枝:10年も音楽を続けてこれたことへの、3人からの感謝というこ とで。

--- これまでのSCLLはお洒落でクールな楽曲イメージを持ってい る 人が多いと思いますが、今回の『PURPLE』に収録され ている曲は どれも音数を抑えたシンプルな構成ながら、これまで以上に甘美なメロ ディが引き立ち、大坪さんの低温の歌声の奥底にも熱い情熱を感じとる ことができました。この楽曲の深み、厚みはこれまでのSCLLでは なかった感覚だと思うのですが?

大坪:おそらく、初期段階での曲の作り方が今までと違っていたからだと思 います。一度骨格が出来たものを私が持ち帰り、じっくりメロディライ ンを考えて作れたんですね。今まではスタジオで即興で作っていく事が 多かったので。あとは、やはり久しぶりにアルバムを作れる幸せが滲み 出たのかと思います。

笹原:自分ではあまり実感はないけれど、今まで意味のある回り道を経て やっとシンプルな表現にたどりついたのではと思います。あとはやっぱ り今回サポートしてくれたミュージシャンのみんなと仁さんの力が大き かったですね。

藤枝:確かに今回の大坪さんの声は今までより、大人っぽいと思います。

--- 個人的には肌寒い今の季節、ゆっくり、じっくりと聴き込んでもら い たい2作品だと思いますが、皆さんのこの時期に聴きた い、聴きたくなる(もしくは、最近のお気に入り)のアーティスト、作 品があれば教えてください。

大坪:sadeのI Couldn't Love You Moreですかね。雪景色を感 じます。

藤枝:この時期に、街に出るとクリスマスっぽい音楽があちこちから聴こえ てきますが、そういうシチュエーションでベタなクリスマスソングを聴 くのが結構好きです。

笹原:渡辺美里の「悲しいね」がこの季節に聴きたいです。

--- 年明け1月からは10周年を記念したライブツアーが控えていま すが、どのようなLIVEになりそうでしょうか?

大坪:10周年なので、皆様に楽しんでもらえるにぎやかなLIVE にしたいと思っています。ぜひお楽しみに。お待ちしてます。

笹原:とてもhappyなライブになりそうです!

藤枝:今回はお祭りだと思っています。なので、普段より楽しいライブにな ると思います。

--- あえて聞かせて頂きます!今後のSCLLの野望を教えてくださ い!!

大坪:野望ではないですが、次は祝20周年ですね。

--- SCLLと同じくHMV SHIBUYAとHMV ONLINEも今年 10周年を迎える事が出来ました。HMVへのメッセージと ONLINEをご利用のお客様へコメントをお願いします。(HMVへの お祝いコメント、HMVとのエピソード、イメージ、要望、苦情 等々、何でも構いません!)

大坪:10周年おめでとうございます!HMVと言えばシャープな 印象の店内で入ると気分がちょっと上がるんですよね。私達の音楽も、 聞いてくれた皆様が気分が高揚したりリラックスしたり幸せな気持ちに なって頂けると嬉しいです。これからもスパングルを宜しくお願いいた します☆

笹原:僕は普段写真を撮るお仕事をしているのですが、2002年に初め て雑誌の表紙を撮ったときに、HMV渋谷店でその雑誌が平置きで ずらっとならんでいたことが今でも忘れられません。1階下りエ スカレーターのわきの雑誌コーナー。そこに行くと当時のことを思いだ します。ONLINEを利用のみなさま、spangle call lilli lineです。この音楽を傍らにおいてもらえると嬉しいです。

藤枝:HMVのONLINEは充実しまくりで、よく拝見させて頂いて います。渋谷店もよく行ってます〜。

--- 以上、ありがとうございました!!


Spangle call Lilli line、2ヶ月で新作!

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08 an