serial TV drama インタビュー

2008年7月1日 (火)

無題ドキュメント
serial TV drama インタビュー

text : HOSAKA & HORITA(HMV)

※インタビューを最後まで読んでくれた方に、素敵なプレゼントがあります! 必読!


serial TV drama 新井弘殻(Gt)&伊藤文暁(Vo)
interview
新井弘殻(Gt)伊藤文暁(Vo)

ポップな楽曲でポップな演奏をするのであれば
恥ずかしくて出来ないと思うんですけど
如何にそのポップなものがウケるというか。
シュールな感じに響くようなモノを作れば
成立すると思っているので。
メロディー自体がポップなことであることは
プラスのものとして捕らえていますから。



--- まずはバンドを結成したいきさつを教えてもらえますか?

新井弘毅(以下、新井) そもそも僕がバンドを演っていまして。そのバンドのヴォーカルがいなくなって。高校が一緒だった伊藤に、“一緒に演ってみないか?”と誘って。最初は2人ではじまったんですよ。その後、色々とメンバーが入れ替わって、活動が定まらず、メンバーが集まらない時期があったんですけど、大学の同級生やその友達とか。友達と友達が繋がって、今のメンバーになったんです。

--- 最初組んでいたバンドからヴォーカルが抜けたとき、何故伊藤さんを誘おうと思ったんですか?

新井 なんか、“こいつ歌が上手かった気がする!”みたいな(笑)。バンド仲間の中から選ぶというよりか、“歌を唄えそうなやつ”という感じで誘ったんですよね。

--- デビュー当時、東京と埼玉を拠点として活動していたということですが、具体的にどこで活動なさっていたんですか?

新井 東京は下北ですね。今は拠点とか特になく色んなライブハウスに出ているんですけど、一時期は、下北沢ERAでよくライブを演っていましたね。埼玉で言うと、北浦和KYARAとか、今は無き大宮ハーツで演ってましたね。

--- そのような活動を経て、2007年に1st Mini Album『ginger』をリリースしたと。

新井 そうです。

--- あの、今回インタビューをさせていただくにあたって、1st Album『シリアルキラー』を聴いてから『ginger』を聴かせてもらったんですけど、たった1年の間でこれほどまでに音楽的志向が変わるバンドも珍しいなと思ったんですが…。

新井 そうですね。でも、『ginger』を作ったころと、軸となるところは今でも変わっていないんですよね。オケに対して歌メロがあるというスタイル。メロディーがまず飛び込んできて、その後にオケの面白さが滲み出るというものは変わらなくて。
  でもこの一年間で、面白みを出すというか、付加価値を付けるというか、曲やメロディーに寄って来るものの処理の仕方というか。曲に対するアプローチの仕方が変わってきましたね。『ginger』のときは、曲やメロディーやオケに寄って来る要素を取り合えず入れ込んでから、シンプルにするように削ぎ落としてたんですよ。
  だけど、今回は、入れた要素を如何に発揮するか? 削ぎ落とさずにそれを生かす方法は無いのか? というところをぐんと突いてやったという感じです。だから基本的なものは変わらないんです。敢えて言葉にすると、アプローチが変わったということで。作り方が変わったとか自分達の意識が変わったとかという大きな変化は無かったですね。

--- なるほど。その軸がぶれていない、という部分の大きな要素としてメロディーの力がまずあるのかなと思うんです。『シリアルキラー』を聴いたときに真っ先に飛び込んでくるのがメロディーの力強さ、ポップさですからね。

新井 まあなんか、ライブやっている時期とアルバムを作る時期というのが、僕たちには川の流れのように移り変わってきていて、今回その流れがアルバムを作る方向に来たということっすね。

--- ちょっといじわるな質問になってしまうのですが、メロディーが秀逸なものって、下手すると軽薄なポップスに成りかねないと思うんですけど、そのあたりへの怖さというものはあったんでしょうか?

新井 いや、全く無かったですね。ポップな楽曲でポップな演奏をするのであれば恥ずかしくて出来ないと思うんですけど、如何にそのポップなものがウケるというか。シュールな感じに響くようなモノを作れば成立すると思っているので。メロディー自体がポップなことであることはプラスのものとして捕らえていますから。

--- その意気込みというのはすごいと思うんですよ。それこそ、スピッツやミスチルなどと比較しても引けを取らないようなメロディーの強さがあると思っているので。そこに果敢に挑戦するということは、大衆に向けてかなり挑戦的にならないと出来ないと思いますから。

新井 まあ、普通に僕ら、スピッツもミスチルも好きなので。そう言われるのは、嫌じゃないし、逆に光栄ですし、そういうバンドになれたらいいなとも思っていますからね。

--- では、『シリアルキラー』についてもっと突っ込んだ質問を…。あの、もしかして、ビートルズ、好きですか?

新井 はい。

--- ビートルズの何のアルバムが一番好きですか?

新井 (ニヤリとして)えっと、逆に何が好きだと思います?

--- 『サージェント・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』?

新井 まさにその通りです(笑)!

--- やはり(笑)。アルバムの最後に収録されているギミックの引用とか。楽曲の多種多様性から行くと、やはり、『サージェント〜』なのかなと。

新井 今回アルバムを作るときに、濃いものというか、重たいものを作りたかったんですよ。聴く度に新しい発見があるほうが長く聴いてもらえるんじゃないかと思って。耳にすーっと入ってすーっと出て行って、一回聴いてCDラックに入れたら中々手に取らないようなものではなくて、ちょっと重たいなって思っても、噛み砕いていくうちに好きな部分が増えていく作品っていうのはまた聴きたくなるものなんですよね。またそういうアルバムというのは聴くたびに常に新しい発見があるから。常に新鮮な状態で聴けると思うんですよ。それって、色褪せない感覚だと思うんです。
  そう考えると、ビートルズで言えば、『サージェント〜』の感覚に似てるなって思ったんです。あのアルバムって色んな要素が入り乱れていて。一聴しただけだとすごく重くてどーんと来るんですけど、聴く度に色んな要素が入っているから何度も楽しめるし。なんかわからないけど聴きたくなるという…。実は、『サージェント〜』を聴いて自分が何を感じたか? 何を学んだか? というものをそのまま作ってみたかったのが今回の作品なんですよ。『サージェント〜』が持つ魅力。何回も聴きたくなる魅力を追求してみたくなったんです。

--- いやいや。でもほんと、“聴けば聴くほど味が出る”というのと、“聴いているうちにはまってしまう”という感じですよね。ほんと。聴く度に新たな引き出しを発見するというか。

新井 ありがとうございます!

 


続く…

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【Other Contents】

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NEW ALBUM!!

 CD  『シリアルキラー』

1 ガーネット
2 赤いパーカー
3 まえぶれ
4 フィクサー
5 シーフード
6 The Dance
7 さよなら
8 そして誰も知らない
9 哀愁の逃走劇(カーチェイス)
10 宿り
11 ベイマニーブルース
12 歩いて行こうぜ


 CD  『Ginger』


1 Igel
2 Yellow
3 インターフォン
4 Drop
5 B-101
6 ハッピーリパッキング
7 Ginger


 Members

伊藤文暁(Vo)
新井弘殻(Gt)
稲増五生(Gt)
近藤太(Ba)
岡田翔太朗(Dr)


 Profile

 2004年1月結成。5月よりLIVE活動開始。メンバー交代を経て、現メンバーとなる。
  東京、埼玉を中心に活動し、今までにデモCDを1000枚手売りにて販売。
  エモ、オルタナティブ、ポストロック、はたまやハードロックを彷佛させる楽曲に懐かしい日本人好みの馴染み易いメロディを奏でる。
  ボーカル伊藤の伸びやかで、透明感溢れる歌声は観るものを魅了し止まない。
  2007年UK PROJECT内 RX-RECORDSにてRIDDLE、BIGMAMA、L.A.SQUASHに続くレーベル第4弾アーティストとして3月21日に7曲入りミニアルバムを発表。