HMVインタビュー： Pete Rock

--- ニューアルバム完成おめでとうございます。アルバムを作り終えての感想を教えてください。

Pete Rock　　素直に嬉しいよ。行くところ行くところ、NYでもカリフォルニアでも、どんな地域に行っても、みんながサポートしてくれるから 本当にありがたいと思ってる。ただNYのラジオDJはメインストリーム寄りだから、俺の曲をかけてもらうのは難しいね。

でも、今回のアルバムは、一緒に仕事をしたいと思っていたアーティストを集めて理想としていた作品が作ることができたから 本当に満足しているよ。

--- タイトルが『Soul Survivor III』ではなく『Ny's Finest』にしたのはどうしてですか？

Pete Rock　　『Soul Survivor II』から期間が開いてしまったし、このアルバムは見ての通り、NYで最も重要だと思うアーティストを集めて 作った。そういうコンセプトがあったから『Ny's Finest』というタイトルの方が適してると思ったんだ。

--- 参加ゲストが多彩ですよね。彼らを起用した理由は？特にJim Jonesの参加は驚きでしたが。

Pete Rock　　『Ny's Finest』に参加してもらったアーティストは、もともと仲の良かった奴もいれば、自分から声をかけた人もいるんだ。 俺から声をかけたのは、Jim Jones、Redman、Little Brother、Chip Fu、Doo Wop･･･かな。 後は親交のある人たちを集めたよ。

Jim Jonesは若いアーティストだけど、凄い素質があるよ。それに自分と絡むことによって、彼をちょっとでも良い方向へ バックアップできるだろうと感じたから声をかけたんだ。

--- 個人的に気に入ってる曲は？

Pete Rock　　3曲目（「Tiill I Retire」）かな。

--- 「Ready Fe War」という曲の冒頭に、Peter Toshのインタビュー（『Stepping Razor』）で「Bonboclaat」を連発している部分を使っているのが印象的でしたが、これはどういう意図で使ったのですか？

Pete Rock　　そんな深い意味はないんだ。Peter Toshが最後に言う「Move Your　Bonboclaat!!!」って 部分が面白いから使おうと思ったんだ。スラングだし、ウケ狙いかな（笑）。

（Bonboclaat：英語でいうSh*tでカースワード。但しToshの言う「Bonboclaat」はスピリチュアルなもの。Toshは幼少期、荒廃したキングストン市のスラム街トレンチタウンに移住。酷い貧窮生活の中、ある日悪霊にとりつかれ金縛りに会う。その時、天の創造主から悪霊を取り払うために「Move Your Bonboclaat」（どけ、愚か者！）と叫ぶように教わり、命拾いをした。Toshはその経験を踏まえた上で、Bonboclaatの意味をインタビュワーに答えているが段々ヒートアップし支離滅裂に･･･。最後に「私を唯一解放してくれる言葉は「Move Your Bonboclaat!!!」」と叫ぶ。）

--- アルバムからリスナーに何を感じ取って欲しいですか？

Pete Rock　　今の自分の音として受け止めて欲しいね。