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Radiohead 『In Rainbows』 インタビュー

Thursday, January 17th 2008

無題ドキュメント
Radiohead
レディオヘッド・インタビュー

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『In Rainbows』の内容に関して
(・・・続き)


--- トムはRADIOHEADとしてのアルバム発売前に自身のソロアルバム制作を経験しましたが、その経験が今回のアルバム制作に生かされたと思う部分はありますか?

トム あまり生かされてないと思う(笑)。

ソロ・アルバムはすごい速さで出来たんだけど、あの簡単さはにせもので、6年ぐらいの間ずっとコンピューターであれこれやってたものの中から、うまくくっつくものをくっつけて作った作品だからね。たくさんの曲がスタート地点から好調だったし、手早く楽に進んだんだ。

でバンドに戻って仕事を再開してみると、いきなり人間が5人いて、
どこへ到達するんだかわからないことをやっているわけで、ちょっと足をすくわれたよ。 手早いスタジオ作業に慣れてしまったところだったからね。

エド たしかに、リハーサル・ルームに戻るのはけっこう大変だったんじゃないかと思うよ。 僕自身もそうだったんだ、5人がいるリハーサル・ルームに久しぶりに入ってみて。 今まで何回こういうことやったんだ?っていう気分になるんだよね。

そういう、慣れた場所だとか方法論だとかを脇に置けないとだめなんだ。
もしそういうものにとらわれてしまうと、すべてが一気に意味を失ってしまう。見慣れた空間で、何年も何年もやってることをやっているわけだから。

そういった部分を乗り越えていかなければならないようなところが、今回はあった。しかも、アルバムにとりかかるにはあまりいい立場にいなかったんだ。

自分たちの信念を疑った瞬間もあったよ、正直言って。
だって、ツアーをやって、もう何十回となく曲を演奏していて――

トム 飽きちゃって。

エド そう飽きちゃって。
どの曲も一回こっきり演奏してそれで終わりにしたかったよね。

トム プロデューサーのナイジェルに、どうして今のじゃだめなんだよ?って。で、だめなものはだめなんだよ、って言われて。でもそこは勢いの問題もあった。

休みを入れて中断したからね。
バンドのようなクリエイティヴなユニットがうまく機能して、 プロデューサーとも一緒に仕事していくには、あれこれ議論せずにただやってるときが一番うまくいくんだよ。

でもそれが起きるには勢いが必要なんだ。いつもやっていないとだめなんだよ。いったん離れてしまって勢いがなくなると、ありゃ・・・って感じになってしまう。

若手バンドに聞けばわかるよ。なぜ彼らが休みなしに続けるか、
まぁそれでしまいには耐えられなくて全部やめたくなっちゃうんだけど、

とにかくなぜ若手バンドがツアー、ツアーまたツアー、仕事、仕事って続けるかといえば、そういうことやってる間はなぜ自分がやっているかもわからない、ただひたすら続けてる状態になるんだ

ま、どこかで止まらないとならないんだけどね。でも僕達の場合は、あまりに考えることに時間を使いすぎたよな。

エド そのとおり。

--- アルバム全体のイメージ、構成などはいつ頃から考えていたのですか?

トム アルバム作りって必ず、一体どこにたどり着くのか わからない時期というのがあるんだ。そのうち、何かオーラが見えてきて・・・変な表現だけど。

でパニックになって、そこから何か出てくる。たぶん5人それ ぞれそのタイミングは違うし、曲によっても違うけど、どの曲かがうまくはまって、あ、これか、ということになる。あまり構成がしっかりとあるものではなく て、ただ、漠然と構図が見えてきて、どこかに到達するって感じかな。
おまえはどうだった?

エド 全過程の中でいくつかのポイントがあったと思うんだ。

最初が“ボディスナッチャーズ”のセッションで、あれは全く絶望的ってわけでも なかった。

同じ年、2006年の暮れには“ビデオテープ”もそういう感じになっていて、でもそれ以外の曲はまだ端にも棒にもという感じで。いつも、何かほ んのちょっとだけ希望の光が見える部分があるんだよね。

で今年の初めに再開したときには“15ステップス”もうまくいって。
そして“アルペジー”が上がっ た頃には・・・覚えてるだろ?

トム 悪夢だったよな、あれ。

エド 巨大な、一体どう取り組めばいいのかわからない曲でね。

それが仕上がったときには、よし、これは到達地点が見えてきたぞ、と。
これが やれたんなら、あとの曲も大丈夫、ただ一生懸命やれば、って思えて。

それが、今年の3月ごろだったかな。僕にとってはあれが確信のもてた一点で、あとは綱 にしがみついて登っていくって感じで。

トム “ビデオテープ”だったな、僕の場合は。 いや、“レコンナー”かもしれないな。すぐさま、こりゃだめだって言ったんだけど。ハハハ。

エド でもそれこそ曲が進化していく過程だし。

トム ま、そうか。こんなんじゃ、なーい、ない、ない、って。

エド 個人的にいえばこのアルバムのどこか好きかっていうと、暗いムードになってもあまり恐くなかったってことなんだよね。

破綻するんじゃ ないかって心配もしなかったし。というか破綻するものはするさ、と思っていたよね。僕としては、みんなの意見が合わなかったり、そういう瞬間も楽めたよ。 恐れていていなかったから。

トム 僕はびびりまくってた。そして、思いっきり暗く落ちこんだ。

エド うん。そうだね

(終わり)

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  レディオヘッド バイオグラフィー
1985年頃、イギリスのオックスフォード郊外にある全寮制男子校・アビンドン・スクールで、のちにレディオヘッドを結成するメンバー達は出会った。その5人はトム・ヨーク(vo,g,key /1968年10月7日生)、コリン・グリーンウッド(b/1969年6月26日生)、エド・オブライエン(1968年4月15日生)、フィル・セルウェ イ(ds/1967年5月23日生)、ジョニー・グリーンウッド(g, key /1971年11月5日生)。当初トムはTNTというバンドを・・・

バイオグラフィーの続きはこちら!

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