Radiohead 『In Rainbows』 インタビュー

--- タイトルの『In Rainbows』の意味するところとは何でしょうか

トム 申し訳ないけど僕にもわからないんだよね。

いろいろ話をでっちあげることはできるし、そういうのは得意なんだけど、
そんなことしてもあまりいいことないと思うし。

とにかくポジティヴなニュアンスにした かったのと、音楽、アルバムそのものがとても鮮やかな色を帯びたものだっていう・・・

アルバム制作中に、とても強烈な色がたくさん見え続けてたんだ。
“オール・アイ・ニード”っていう曲なんて、３分の２ぐらいまでいったところで曲がわっと広がっていろんな音 が入ってきて、大きな雲を作って、色が爆発して、まさにそのイメージっていうか。

僕達の場合、音楽を作ってる間にアートワークも平行して出来てくるんだけど、スタンリーと僕とでいろいろなアートワークのアイデアを作ってはスクリーンに流し続けていて、それを見てみんなの反応がすごくあったのが、混沌として鮮烈な色の集まりだったんだよ。
『イン・レインボウズ』っていうのはそこからもきてるんだ。

--- 今作の音楽的コンセプトとは？

トム 最初にどんなコンセプトを掲げても、途中で放棄されちゃうんだよね。 　　　

このアルバムの制作中に断念したコンセプトは40ぐらいあったんじゃないかな。 バンドで仕事するっていうことはそういうことでもある。

結局、みんなで集まったときに起きることに従っていくほうがいいんだ。
最初からアイデアを固定してても意味がないし、むしろアイデアが固定されるほど、 時間のかかる苦しいプロセスになるんだ。なるにまかせるのが一番。僕にはとっても苦手だけど。

エド　それってこのアルバムの大きなポイントだったと思わない？
自然に展開させるっていうのが。

はじめは今作にそぐわないんじゃないかと思っていたものが、
意外な結果を生み出したりして。いくつかそういう例があったよね。

トム ていうか、どの曲もそうだった。

エド いえる。

トム どの曲も、僕達にはおかまいなしに進んでいった・・・

ナイジェルがいてくれたおかげだな。
たとえ僕達の頭の中にあることは起きてなくて、それ以外のことが起きていても、どんどん先に引っ張っていってくれて。

・・・続く