池田正典＆高宮永徹　対談インタビュー

例えば自分の曲のリミックスを依頼して、
それが戻ってくる時“どんな感じになったかな？”って、
ものすごくドキドキするんですよ。
だからそちら側の気持ちがすごくわかるので、
今回はかなり責任重大な役回りをしてしまったかなと思います。

--- フロアで聴いている人間としても、やはりVINIYLの音とCDの音の違いがわかってしまうこともありますしね。

高宮　うん。後ね、CDだけで長時間聴いていると疲れがきます（笑）。これ意外に思われるかもしれませんが、わかるんですよ。で、ブースを覗いて見たらそのDJがパソコンを開いていたので、MP3なのか何なのかはわからないけど、デジタルを流していたという。とはいいつつも、VINIYLだって箱のチューニングが悪くて耳が痛くなることもあるし。

池田　やっぱりブースの振動が激しい箱だとVINIYLが良く鳴ってくれないときがあって。そういう時は逆に振動に強いCDをかけたほうが良く聴こえることもある。だから最近は、同じ曲でもCDとアナログ両方を持って行くことにしています。

高宮　やはりね。どうあれいい音で鳴らしたいというのがDJの願望なんですよ。

池田　本当に皆さんそうですよね。

高宮　でも、なかなか今の究極の音の出しかたというのを見つけ出せないですね。

池田　前はレコード針のケーブルを差替えたりしたりして色々、音の差をつけたりしたこともありましたけど…。

--- だいぶ作品の話から離れてしまいましたが(笑)、こういうDJとしての視点、現実的にリアルタイムに今活躍している方から話を聞けるのは、例えば初心者のDJの方にしてみたらすごく貴重なインタビューになっていると思います。ありがとうございます。

高宮　いやいや。作品のことを話さなくちゃ（笑）。

池田　そうだね。ただ、リスナーの人はここまで知る必要は無いと思うんですよ。僕らアーティストがどうしているかとか。出てくる音を感じてもらえればそれでよし、というか。工程とかは僕らの仕事ですからね。

高宮　そうですね。例えば、ご飯を食べに行って美味しかったら美味しかった、それでいいと思います。その店の厨房に行ってどういう料理法をしているのか？どれだけ大変な仕込みをしているか？とか、そこまで知る必要は無い。そう考えるとこの『SILENT DREAM 2』に対しても、ここまで大変だった話をする必要は無かったのかもしれませんね（笑）。

全員　（笑）。

池田　そうそう（笑）。気持ちよく楽しんでもらえればいいんです。大変だったとかそういうのは僕らの話ですから。とにかく皆さんに聴いてもらいたいです。とても気持ち良い作品なんでね、ってなんか僕、上手くまとめていますね、話を。

全員　（笑）。

池田　ジャケット含めていいですよね。気持ちよくて。山系のアートワークで、作品に収録されている楽曲とリンクしている部分もあるなぁと思って。

高宮　でも波の音が入っているけどね（笑）。

--- （笑）。では最後にHMV ONLINEのこのインタビューを読んでくれた方に最後に改めて、この『SILENT DREAM 2』の紹介をして頂きたく思います！

池田　先ほども言いましたけど普通のMIX CDとは違う、自分の理想に近いMIX CDを出せたかなと思います。リエディットということをしたおかげで。場所によっては何処から何処までが同じ曲なのか、迷路みたいにわからないくらい。そいうところも聴きどころかも。さらにリエディットの感想を聞いてみたいですね。フラワーファンの方に。

高宮　一度完成されたものが、世に出たものを一度またノリ君が手をかけて変えたものが詰まっているというアルバムで。それをMIXしたものですから。それを楽しんでくれれば嬉しいですね。

池田　さらにこれでフラワーレコーズの良さが伝われば嬉しいですよね。

高宮　そうだね。これをはじめて聴いて元曲を知ってもらえれば嬉しいし、コアなファンの人にはコアな聴き方をしてもらえればいいかな。それと、元々ある楽曲をMIXするのに、編集者の腕の振るい方によって全然変わってくるというのを実感できる作品になっているので、これからプロを目指す人やDJの方に聴いてもらえたらすごく参考になる作品になっていると思います。まあ、楽しんでもらえれば。

池田　そうそう。それが一番。エンジョイ・ユア・セルフ。

高宮　そうだね。

池田　ていうか、意外に気持ちいい作品になったよね。

高宮　“意外”ってなに？元々最初から気持ちいい作品にしようって話をしたでしょ？

全員　（笑）。

池田　はい、そうでした（笑）。でも本当に、納得のいく気持ちいい良い作品が出来たと思うので是非聴いてみて下さい。
　 聴いているとジャケのオーロラが部屋に現れるかもね（笑）。

全員　（笑）。

終わり…