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今回のアルバムは、まさに待望!の1stフルアルバムですね。本当に素晴らしい作品でした。結成から6年目にして今回フルアルバムを作ろうと思った経緯などがあれば教えてください。
小宮山純平(Dr以下 小) いままでは6曲7曲のミニアルバムのリリースしかしていなくて、やっぱりもっとしっかりした作品性の高いモノを作りたかったんやと思う。
林周作(Ba 以下 林)そやね、カットマンは毎年目標を決めていて、2007年の目標でやっとフルアルバムを作ろうという話になった。たしか2006年はboosoul(cutman-boocheの主催イベント)とFUJIROCKの出演やったよね。
金佑龍(Vo,Gu以下 金)あとは、やっぱり一年に一作は出したいと思う中で、やっと一年にアルバムを作れるくらいの曲を書けるようになったていこともあると思う。自分たちの曲を作るやり方とか要領が出来てきたっていう物理的な部分も実際あるんやろうし。
小 そやね。年々、沢山の人に聴いてもらいたいっていう欲求が強くなってきていて、その為にやはり一つのカタチが必要やった。
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アルバムタイトルについてお聞きしたいです。『Permanents』(永続的な/永久的な)。とても力強い意志を感じます。このタイトルに込められた想いなどを教えてください。
金 これはですね。1st ミニアルバムの『cutman-booche』(2004年)をリリースした時に、何人かのアーティストさんにコメントを頂いたんです。その中でflex lifeの青木里枝さんから頂いたコメントの中に「初めてライブを見た時にパーマネントなアーティストだなと思いました」という一節があって、その言葉が感覚的にとっても嬉しかったのを覚えていました。
もともと、cutman-boocheは永く続けようという目標を持っていて、そこを目指している自分たちにとってはとても嬉しい言葉で、今回のタイトルをみんなで考えてる時にその話をしたら、みんな「ええやん」ってなって。「s」を付けて複数形になってるのは、この作品も、バンド自体ももちろんやし、それ以外のいろんな事にその気持ちを持ってたいっていう想いを詰め込みました。
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フジロック出演や度重なるライブ、そして作品リリースを経てのバンドとして成長を感じつつも、メンバーさんの「個人」としての成長や心境の変化が、本作に大きな影響をもたらしていると思いました。何と言うか、今までの作品よりも「大きく」なったと思うんですが、、。
金 スケールがでかくなったとかかな?
小 うん。でもそれぞれ成長は絶対してると思うけどね。やっぱりずっとステップアップしていきたいっていうのはあるから。
林 この一年、言うても色々あったしな。
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作品を重ねる毎に新しい側面を見せてくれるので、毎回音源を聴かせて頂く時にワクワクします。今回も、PLAYボタンを押したら、曲を追う毎に引き込まれ、気がついたら通して聴いてしまいました。そしてもう一度PLAYボタンを押しちゃいました(笑)。つまり、「次は何が出てくるんだろう?」というワクワク感が以前に増して大きな作品だなあと。アレンジの幅も格段に広がっていますね、今回はフルアルバムという事もあるのでしょうが、その辺りはやはり意識しましたか?
小)はい。そう言ってもらえるのは、むしろ「してやったり」っていう感じですね。
金 そうやな、バリエーションはめっちゃ大事にしてますね。今回は、『Permanents』っていうタイトルにも表れている通り、飽きずにずっと聴いて欲しいのあるから、可能な限り毎日聴いてもらっても楽しめる様にはしたよな。一曲一曲に向き合ってそれぞれの曲の表情を大事にした。
林 あと、曲のアレンジ自体は結構シンプルに考えたな。アルバム全体通してのアレンジというか。
小 うん。やっぱり俺らの雑食性みたいな所って一つのチャームポイントやと思うし。いろんな事やりまっせみたいな。
金 曲も厳選したし。最初17曲くらい候補曲あったもんな。
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音楽的に、かなりのこだわりを感じつつ、一方でPOPさの強度を増しているのも、本作のチャームポイントかと思いました。芸術性と大衆性。相反する2つの要素を同居させるのはとても大変な作業だったと想像しますが、いかがでしょうか?
金 まず自分らが頭の中で鳴った音を表現出する力がついたんやと思います。作り方の幅も広がったしな。俺と周チャンの歌詞書く順序とか、先にジャムったり弾語りからやったり。
小 おれはPOPさっていうのを「伝わりやすさ」って考えてて。俺らがもし音楽趣向的にマニアックやったりハイセンスな事やったりを出来てたとしても、それが伝わらんかったら意味ないと思うんです。それを伝わりやすい様に突き詰めていく事がPOPにしていく事な感じがして。作業的にはシンプルにしていく事が多かったよな。
金 やっぱ名曲はどっかシンプルやもんな。
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プレス資料に「ロック」という言葉がありましたね。確かに「ロック」を感じました。今までの作品にも感じていましたが。「ロック」に対する想いを聞かせてください。
金 ジャンルじゃなくて、体がしびれたり、心が揺さぶられたり。ギターで(ジャカジャカ)エッジが効いてるんもロックやけど、戦前のジャズとかブルースにもある様に体や心で感じる音楽がロックっていうか。その感じは自分たちにも出せると思うし、そこには向き合った。
林 音楽性でのジャンル分けとかも大事やけど、今周りを見渡した時に「ロック」って括られているバンドが多くて、それやったらそこに飛び込んだろみたいな。
小 ギター歪ましたらロックかって言ったらそれだけじゃないと思うし。いわゆるロンクバンドの人らも音だけじゃなくてそこには何らかの精神も乗っかっててそこを俺らも習おうって。
林 ロックスピリッツやな。
金 俺ら色々やるから、みんなに伝える時にとっかかり的としてロックって言う方がいい様な気がすんねん。ソウルヒップホップとかでも間違ってないけどそれだけじゃないし。
林 でもこんだけ今回自分らで「ロック」って言ってるからそれについてもどんどんなんか言って欲しいけどね。「こんなんロックじゃない」とか。俺らはそれに演奏で答えていくし。
小 尖ってるねぇ〜(笑)
林 尖ってるよ、俺ロックやもん。
小 頭、丸まってるけどなぁ。
金 それカッコ笑付けといて(笑)
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本作では、歌詞が今まで以上に心に入ってきます。以前は周作さん(Ba.)が多くを手掛けられていたかと思いますが、本作は佑龍さん(Guiter,Vocal)が手掛けた曲も多いですね。お二人の歌詞の世界観の違いも印象的ですね。また、歌詞の内容がよりメッセージ性を帯びましたね。歌詞作りにあたって意識した事などありますか?
金 今は、それが歌いたいとかあると言えばあるけど、歌詞に対してはまだまだ手探りですかね。今回も日記の中から言葉のかけらを拾って来たりしてて、どっちかいうと自分の中にあるモノを掘り下げてる感じというか。自分に対して叫んでる事とかが多くて、まだまだ色んな事を上手く書きたいな。周チャンの情景描写とかも上手いなぁって思うし。
小 変化してる途中って感じちゃうの。でも歌い手と書き手が違うっていうのも難しいよな。先にメロディーがある時もあるし。
林 せやねん。佑龍のメロディーに乗せる何となくの方程式みたいなんはあるけど、メロディーと言葉が上手くハマるって言うのは中々難しくて、そこを探す作業はそら大変やで。自分がボーカリストとして書いてる訳じゃないから。でも「意識した事」って言う問いに答えたら、メロディーの良さと言葉の良さをどう引き立たせ合うかって事はどっちが書いたリリックもかなり意識したんちゃう?
金 そやな。
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CDをリリースしたら、ツアーやフェスもスタートしますね。やはりcutmanといえばライブ!!ですが。本作リリース後のライブは期待も大きくなってしまいますが、ライブへの意気込みを訊かせてください。
林 今年はホンマにもっと多くの人に見てもらいたいですね。
小 ライブはその場所でやり取りされる空気感とかがとても大事で、それはライブでしか感じられへんから。
金 あと、もちろん『Permanents』の曲も楽しみにして欲しいし、けど俺らはホンマに色んな曲をやり続けたいです。「cu-po-la」みたいにライブのごとにどんどん進化していく曲もいっぱいあるし。俺らはやり続けるから、お客さんは目をはなさんと見続けてもらえたら嬉しいですね。
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気が早いですが、フルアルバムをリリース後、これからのcutman-boocheとしての展望、野望などはありますか?
金 これはずっと言うてますけど、賞味期限が無い良い音楽を創り続けていきたい。そうして音楽を続けていきたいですね。聴いてくれる人から色んな事も教えてもらうし、そうして成長し続けていきたいですね。毎日、一日一日を大切に生きたいですね。運命なんてモンはどうなるか分からんし。まぁあと小ちゃい目標はいっぱいあるしな。
小 せやな。海外でライブとかな。いうてもファーストフルアルバムって新しいスタートじゃないけど、コレがフルとしては初めてやし、これからセカンド、サードって出していきたいし、まだまだやりたい曲いっぱいあるし。前に佑龍が言ってたけど、「何々やりたいっていう事が沢山あるバンドでいたい」って。
金 うん。歌いたいから歌うし。
林 『Permanents』ってファーストに相応しい言葉やなって想ってて。それを実現するのは今後の俺ら次第やし、ある意味コレ自体が目標というか。
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ありがとうございました!これからも最高の音楽を作り続けてください。そして最高のライブも期待しています!!!
全員 こちらこそ、ありがとうございました!!これからもよろしくお願いします!
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