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セルジオ・メンデス、新作を語る(3)

Friday, February 15th 2013

無題ドキュメント
Sergio Mendes

セルジオ・メンデス・インタビュー

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新作『Encanto』に関して(・・・続き)


--- セルジオさんの長年のファンにとっては最も楽しみな7曲目の「Dreamer」でのHerb AlpertLani Hallとの共演です。

セルジオ そうだね、一周してまた帰ってきたという感じだ(笑)。

--- あなたの昔からのファンにはたまりませんね。

セルジオ そうだね、一緒にやらないか、と彼らに呼びかけたら、「本当に?」とびっくりして喜んでくれたよ。それで、マリブのスタジオに集まり、ほぼライヴ録りだった。まさに魔法のように、ワンテイクで録音した。ラニーは僕の最初のシンガーだったからね。

--- 他にレコーディング時のエピソードはありますか?

セルジオ とにかく、また3人で会えたことをお祝いしたよ。でも、面白いのは3人で一緒にプレイするのは実はその時が初めてだったんだ。ハーブともね。彼は自分のTijuana Brassがあったし、レコーディングで一緒になったのは初めてだったのです。ラニーを彼に紹介したのは私ですが(笑)。

--- アルバム・タイトル曲「Morning In Rio」Toninho Hortaによる作品ですが、このアルバムの為に用意された曲ですか?

セルジオ そうです、このアルバムの為に書かれた曲です。ロスにいる時に彼に曲を依頼したら、すぐに2、3曲送ってきてくれた。でも、もっといい曲を頼むよ(笑)! インストでもいいからハッピーな曲が欲しいんだと注文したら、トニーニョは「分かった!」といってすぐにこの曲を書いてくれた。彼は素晴らしいギタリスト、作曲家です。

--- アルバム前半のドリカムの曲あたりまでは若いファン向け、そしてこの「Morning In Rio」あたりからはオールド・ファン向けの内容となっている気がしますが。

セルジオ そうだね。「Morning In Rio」のパーカッションはリオのカーニバル風のものを入れたんだよ。

--- 特に9曲目「Y Vamos La」Gracinha Leporaceさんの10曲目「Catavento」Vanessa Da Mataの11曲目「Acode」への流れがすごく好きです。

セルジオ ありがとう。「Catavento」は僕の妻が歌っていて、とても美しい曲です。最も(日本語で)「シ・ブ・イ」曲だね(笑)。Guingaという僕にとっては一番好きな作曲家の曲なんだ。知っているかいGuingaを?

--- 知ってます。歯医者だったという・・・。

セルジオ そうそう。素晴らしい曲を書くのです。そういえば「Guinga」って日本語でどういう意味だっけ?

通訳 Galaxy(銀河)という意味です。

セルジオ そう。それを彼に伝えたんだ。君の名前は日本語でGalaxyという意味なんだぜと(笑)! 彼のニックネームらしいよ。

--- 「Acode」で共演されたVanessa Da Mataですが、若い世代のシンガーですね。

セルジオ そう、若いシンガーで、美しい声をしている。一緒に曲を書いたんだ。これもまた今風なダンサブルな曲であると同時に、ブラジル風のスウィートな感じです。今回のアルバムで誰かブラジルの若いシンガーを入れたかった。

--- セルジオさんが自らオファーしたのですね?

セルジオ そうです。

--- 13曲目、Zap Mamaのマリー・ドルヌによるフランス語による「Waters Of March」ですが。

セルジオ そう、前からこの曲をフランス語でやりたかったんだ。昔僕が英語で歌ったのですが、その頃Georges Moustakiがフランス語で歌ってヒットしていたのです。これはあまり知られていなかったそうで、この話を友達としていたら、Zap Mamaが今度ここロスに来るよ、というので連絡して彼女に歌ってもらうことになった。

--- 前後してしまうのですが、ドリカムに関してです。ここに来る前にうちのスタッフが気付いたのですが、78年のあなたのアルバム『Magic Lady』「Dreams Come True」という曲が入っているのですが、何か運命的なものを感じませんか?

セルジオ ノー、入ってないよ。いや、僕が間違っているかも、僕の妻が知っているかも(笑)。どういう曲かわかる? 歌ってみて(笑)!

--- いやぁ〜! 僕も知らなかったのです。若いスタッフがさっき気付いて。

セルジオ ちょっと待って・・・・・・(しばし考える)。

<そこに偶然奥様のGracinha Leporaceさんが入ってくる。>

セルジオ ねぇ、『Magic Lady』「Dreams Come True」という曲入っていたっけ?

Gracinha Leporace(以下グラシーニャ) ・・・・・・。Dreams Come True・・・・・・?。

--- こちらの見間違いかもしれません。

グラシーニャ そのアルバムの曲の中にひょっとしたらそういう歌詞があったかも・・・。時間があったら調べてみるわ。買い物に行ってくるわ。(部屋を出る)

--- では、最後に今リオのラパ地区で起こっている、Roberta SaSeu Jorgeらによる、いわゆる「新世代サンバ」ムーブメントについてどう思いますか?

セルジオ 詳しくは知らない。新しい動きがあることは知っているが。Seu Jorgeの名は知っているよ、曲も聴いたことある。でも、Fergiewii i amJohn LegendJill ScottJuanes、 美和さんなら良く知っているよ(笑)!

--- (笑)ありがとうございました!

<そこに奥様Gracinhaさん再登場>

グラシーニャ 確かに『Magic Lady』「A Dream Come True」という曲があるわよ!

セルジオ 本当に?

グラシーニャ 「Can't Hardly Wait」というサビで(口ずさむ)。

セルジオ Wow!

グラシーニャ 最初は「Can't Hardly Wait」という曲だったのが、後から「A Dream Come True」という曲名へと変わったのよ。

セルジオ なるほど!

--- ありがとうございます!

セルジオ (奥様に)これでショッピングに行けるね!


■取材協力:ユニバーサル・ミュージック/ブルーノートジャパン
■通訳:丸山京子
(テキスト構成:

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   セルジオ・メンデス バイオグラフィー
誕生:1941年02月11日 Niteroi, Brazil生まれ。ボサ・ノヴァ/ブラジル音楽を世界に広めたアレンジャー/ピアニスト。 10代の頃からジャズに親しみ、21歳のときジョビンやジョアンらと共にカーネギーホールでの歴史的なボサノヴァ公演('62)に参加・・・

バイオグラフィーの続きはこちら!

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