「アフガン ドキュメント」穴沢健郎&村山達哉インタビュー
Friday, February 8th 2008
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「アフガン ドキュメント」
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「本当のアフガニスタンは?」(1/2)
村山 3本目(「偽装結婚の果て」)は、ある種の再現ドラマにもなっているので、あれ自体には演出を加えてますが、1本目(「生計をたてる人々」)と2本目(「刻の中の女性」)に関しては、一切演出はしてません。 --- 3本目は、「この作品は、ドキュメント・フィクションです」とテロップが出ますもんね。偽装結婚ということはあるけれど・・・。 村山 はい、それは一つの類型として、その時にタリバンで行われた偽装結婚とは何かっていうのを、ジャーナリスティックな目で見て行くっていう、そういう感じなんですけどね。 このドキュメンタリーの一つの見どころでもあると思うんですけど、当時、同じカブールを取材しているカブール大学の先生の3班なのに、視点が全く違うんですよ。例えば1本目は、本当に仕事ないし、パキスタンの建設会社の不満とか、田舎に帰れって言ったって、農業もできないし・・・って不満ばっかりを伝えてるじゃないですか、あれも1つの現実なんですよ。だけど2本目は、非常にこう、明るくなかったですか? --- はい、そうですね。全然違いました。 村山 大統領選挙もできて、女性にも初めて選挙権が与えられて・・・という風に、彼はアフガニスタンはやっと民主化されて、これからバラ色だって、見てるんですよ。同じ事象が起きている中でも、彼らの中だけでも視点を変えると、全く見え方が違うっていうのは、このドキュメンタリーのおもしろいところだと思うので・・・。 穴沢 2作目のムサ・ラドマニッシュ監督は、ご自身の映画事務所をタリバンに砲撃されて、一切の機材を失われたけど、今まで撮ったフィルムだけは焼かれないように穴を掘って、その中に入れて隠し通したってくらい、生粋の映画人なんですよね。 --- 希望しか見ていないんですかね、未来というか・・・。 村山 小さなつまずきはあるだろうけど、もうアフガニスタンは元が彼らにとっては民主国家だったんだから、元に戻るだけなんだと。むかしはちゃんと機械もあって、女性の弾圧もなかったし・・・っていうのが彼の考えなんですよ。 --- その作品の違いを見比べるのが、おもしろいかもしれませんね。 村山 僕からすると、日本で報道されているものは、さらに全く別な訳ですから。事実って、その場所に立ってその目線で見ないと、一つのことを事実だって言い切るのって、間違ってると思うんですよ。それが「カブール・トライアングル」の一つの見どころだと思います。 --- 私が観た印象では、大人も子供が同等に生きているんだなって思いました。日本だと、ああいう小さい子供たちは、働くってことをしませんし、学校に行って、友達と遊んだりして、彼らの日常があると思うんですけど、カブールの子供たちは働くことが普通で、「生活費」って言葉を口にしたりしていたので、日本だったら考えられないですよね。 村山 そうですよね。日本でニートが通用するのってやっぱり、デフレの国だからですよね。どんどん生活費が安くなってるような現状があって。 --- 精神面でもすごくエネルギッシュですか? 穴沢 そうですね。日本みたいにソフィスティケイトされていないので、何かうわーっとなってるっていう(笑)。確かに、パワーはありますね。 村山 高揚しているというかね、社会全体が。 穴沢 夕方の喧騒なんかも、みんながしゃべりまくってるみたいな感じで(笑)。 村山 話すことも、それまでは危険なことも話せなかったような時代だったから、話したいこと腐るほどあるぞみたいな。お茶飲みながら、4時間でも5時間でも、ずーっとしゃべってますしね。 続く…
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