ガーシュウィン(1898-1937)

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CD 輸入盤

『ポーギーとベス』全曲 アーノンクール&ヨーロッパ室内管、レマル、カバトゥ、他(2009 ステレオ)(3CD)

ガーシュウィン(1898-1937)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
88697591762
組み枚数
:
4
レーベル
:
RCA
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

アーノンクール/ガーシュウィン:『ポーギーとベス』全曲
2009年6月29日、グラーツ。その時だれもが耳を疑った・・・。
ニコラウス・アーノンクール80歳記念リリース


【最もあり得ない組み合わせ、アーノンクールのガーシュウィン】
アーノンクール80歳記念リリース第2弾は、ジャズとクラシック音楽のイディオムを融合させたアメリカの作曲家、ジョージ・ガーシュウィンの代表作で唯一のオペラ『ポーギーとベス』の全曲録音CD3枚組。アーノンクールとガーシュウィンという組み合わせは誰にとっても非常に意外なものですが、アーノンクールにとって『ポーギーとベス』は、子供のころ両親の家で楽譜やレコードを通じてそのメロディに親しんで以来、最も愛するオペラとなり、実際に自分が指揮することを長年にわたって夢見てきた作品でした。80歳を迎える記念すべき今年夏、グラーツで自ら主宰するシュティリアルテ音楽祭において初めてこのオペラを取り上げた時のライヴ・レコーディングしたのが当アルバムです。これはまた、2008年ウィーンでのストラヴィンスキー『放蕩者のなりゆき』に続く、アーノンクールによる20世紀オペラの上演でもありました。アーノンクールが20世紀の音楽作品を取り上げることもきわめて珍しく、ほかには、バルトークの『弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽』『弦楽のためのディヴェルティメント』、ベルクのヴァイオリン協奏曲や歌曲『ワイン』くらいしかなく、その意味でも上演は大きな注目を集めました。

【20世紀オペラの革新作『ポーギーとベス』】
1935年に完成し、同年ボストンで初演された『ポーギーとベス』は、アメリカ南部の貧民街に住む黒人たちの生活を描いたデュボーズ・ヘイワードの小説『ポーギー』をもとに、ヘイワード自身と作曲者の兄アイラ・ガーシュインが台本を書いたもので、黒人霊歌の旋律やジャズの手法をふんだんに取り入れているという点で、オペラ史上に独自の地位を築いています。純情な黒人ポーギーは、ならず者クラウンの情婦ベスをかくまって以来恋仲となるのですが、ベスを取り戻しにきたクラウンと争ったすえに彼を刺殺してしまいます。ポーギーは警察に連行され、絶望したベスは麻薬売りの甘いことばに従ってニューヨーク行きの船に乗ってしまう。そして、釈放されたポーギーもベスの後を追ってニューヨークに旅立つというストーリー。全編親しみやすい旋律に彩られ、『サマータイム』『いつもそうとは決まってないさ』『ベス、おまえはおれの女だ』『おお、おれにはないものばかりだぞ』などの名曲揃い。

充実のオール黒人キャストをそろえ、作品の核心に迫る解釈
今回のアーノンクール盤では、ポーギーを歌うジョナサン・レムラウを筆頭に、マリアを歌う大御所のロバータ・アレキサンダーに至るまでオール黒人キャストを揃えています。また、ガーシュウィンのオリジナル版によっているのもアーノンクールならではのこだわりです。
『グルダとともにモーツァルトにスイングを持ち込んだアーノンクールが、同じことをガーシュウィンで成し遂げたのだ。アーノンクールは、ガーシュウィンのスコアに色彩感やリリシズムをもたらすとともに、緊密に張り巡らされたライトモティーフをも明らかにしたのである』(ディ・ヴェルト紙)
『ヨーロッパ室内管の緊密なアンサンブルによって提示される作品の冒頭からしてすでに、音の色彩感が幾重にも重ねられていることが明らかにされ、ガーシュウィンのポリフォニー技法の見事さや新奇な和声が、同時代のヨーロッパの作曲家の最先端のモダニズムのみならず、1960年代のアヴァン・ギャルドな作曲家たちの技法に酷似したものであることが証明されたのである』(新チューリヒ新聞)など、その作品の核心に迫るアーノンクールの解釈が絶賛されています。
 1951年の同オペラ初録音(コロンビア)、完全全曲盤となった1970年代のマゼール/クリーヴランド盤(デッカ)とヒューストン・グランド・オペラ盤(RCA)、映像も作成された1980年代のラトル盤(EMI)などと並び、『ポーギー』上演史に残る鮮烈な録音の登場です。(SONY BMG)

【収録情報】
・ジョージ・ガーシュウィン(1898-1937):歌劇『ポーギーとベス』全曲
 ポーギー:ジョナサン・レマル(バス・バリトン)
 ベス:イサベル・カバトゥ(ソプラノ)
 セリーナ:アンジェラ・ルネ・シンプソン(ソプラノ)
 スポーティン・ライフ:マイケル・フォレスト(テノール)
 クラウン:グレッグ・ベイカー(バリトン)
 クララ:ビビアーナ・ヌウォビロ(ソプラノ)
 マリア:ロバータ・アレクサンダー(ソプラノ)
 ジェイク:ロドニー・クラーク(バリトン)
 ミンゴ、ロビンス、ピーター、蟹売り:プレヴィン・ムーア(テノール)
 刑事、アーチデール、警官:デイヴィッド・マクシェイン(語り)
 アルノルト・シェーンベルク合唱団
 ジョージ・ダーデン(ピアノ)
 ヨーロッパ室内管弦楽団
 ニコラウス・アーノンクール(指揮)

 録音時期:2009年6月29日〜7月7日
 録音場所:グラーツ、ヘルムート=リスト・ハレ
 録音方式:デジタル(ライヴ)
 2009年シュティリアルテ音楽祭での演奏会形式上演のライヴ・レコーディング

収録曲   

ディスク   1

  • 01. Porgy and Bess, opera: Act 1. Scene 1. Introduction
  • 02. Porgy and Bess, opera: Act 1. Scene 1. Summertime and the livin' is easy
  • 03. Porgy and Bess, opera: Act 1. Scene 1. Seems like these bones don't give me notihin' but boxcars tonight
  • 04. Porgy and Bess, opera: Act 1. Scene 1. Lissen to yo' daddy warn you... Oh, a woman is a sometime thing
  • 05. Porgy and Bess, opera: Act 1. Scene 1. Here's the ol' crap shark!... No, no, brudder
  • 06. Porgy and Bess, opera: Act 1. Scene 1. Here comes Big Boy!
  • 07. Porgy and Bess, opera: Act 1. Scene 1. Six to make!
  • 08. Porgy and Bess, opera: Act 1. Scene 1. Jesus, he's killed him!... That you, Sportin' Life?
  • 09. Porgy and Bess, opera: Act 1. Scene 2. Where is brudder Robbins?
  • 10. Porgy and Bess, opera: Act 1. Scene 2. Come on sister... Overflow, overflow
  • 11. Porgy and Bess, opera: Act 1. Scene 2. Um! A saucer-buryin' set-up, I see
  • 12. Porgy and Bess, opera: Act 1. Scene 2. My man's gone now
  • 13. Porgy and Bess, opera: Act 1. Scene 2. How de saucer stan' now, my sister?
  • 14. Porgy and Bess, opera: Act 1. Scene 2. Oh, the train is at the station
  • 15. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 1. Oh, I'm a-goin' out to the Blackfish banks
  • 16. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 1. Mus' be you mens forgot about de picnic... Oh, I got plenty o' nuttin'
  • 17. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 1. I got plenty o' nuttin'
  • 18. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 1. Listen there what I tells you
  • 19. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 1. I hates yo' struttin' style
  • 20. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 1. Mornin', Lawyer, lookin' for somebody?
  • 21. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 1. Boy! Come here, boy!
  • 22. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 1. Buzzard keep on flyin' over

ディスク   2

  • 01. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 1. 'Lo, Bess, goin' to de picnic?
  • 02. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 1. Honey, we sure goin' strut our stuff today!
  • 03. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 1. Bess, you is my woman now
  • 04. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 1. Oh, I can't sit down
  • 05. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 2. I ain't got no shame doin' what I like to do!
  • 06. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 2. It ain't necessarily so
  • 07. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 2. Shame on all you sinners
  • 08. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 2. Crown!... You know very well dis Crown!
  • 09. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 2. Oh, what you want wid Bess?
  • 10. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 3. Honey, dat's all de breakfast I got time for
  • 11. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 3. Well, if it ain' ole Peter!
  • 12. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 3. Oh, Doctor Jesus
  • 13. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 3. Oh dey's so fresh an' fine
  • 14. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 3. I'm talkin' about devil crabs
  • 15. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 3. Porgy, Porgy, dat you there, ain' it?
  • 16. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 3. If dere war'nt no Crown
  • 17. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 4. Oh, de Lawd shake de Heavens an' de Lawd rock de groun'
  • 18. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 4. One of dese mornin's you goin' to rise up singin'
  • 19. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 4. Oh, dere's somebody knockin' at de do'
  • 20. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 4. You is a nice parcel of Chistians
  • 21. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 4. A red-headed woman make a choo-choo jump its track
  • 22. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 4. Oh! Jake's boat in de river upside down!
  • 23. Porgy and Bess, opera: Act 2. Scene 4. All right, I'm goin' out to get Clara... Oh, Doctor Jesus

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ピリオド楽器による古楽器奏法などで名を馳...

投稿日:2010/06/12 (土)

ピリオド楽器による古楽器奏法などで名を馳せた老匠アーノンクールが、近現代のアメリカ音楽の旗手であるガーシュインのオペラを指揮するというのは、いかにもアンバランスな組み合わせのような印象を受けたが、ライナーノーツのアーノンクールによる解説の中で、ベルクの「ヴォツェック」との親近性や自筆譜や演奏資料などを参照した上でのオリジナルへのこだわりが触れられており、それを読んで、漸く、アーノンクールがこのオペラに挑戦した意味を理解した。そして、実際に聴いてみたところ、大変感動したと言わざるを得ない。ポギーとべスには、マゼール&クリーヴランド管弦楽団という今や古典的とも言える超名演があるが、それとは一味もふた味も違った名演に仕上がっていると言える。リズムやテンポ切れ味の鋭さはアーノンクールならではのものであるが、このオペラ特有の、場面毎の音楽が、ジャズ風になったかと思うと、繊細な音楽になったりという、その変遷の尋常ではない激しさを、アーノンクールは、見事に描き分け、全体の造型をいささかも損なうことなく、しっかりと纏め上げた手腕はさすがという他はないと考える。歌手陣には、すべて黒人歌手を起用したとのことであるが、これまたいずれ劣らぬ名唱を披露していると言える。アルノルト・シェーンベルク合唱団による合唱も見事であり、本名演に大いなる華を添える結果となっていることを見過ごしてはならない。録音も、ライブとは思えないような鮮明で、総じて素晴らしい出来栄えであると言えよう。

つよしくん さん | 東京都 | 不明

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ガーシュウィン・ファンを自負する一人であ...

投稿日:2010/01/11 (月)

ガーシュウィン・ファンを自負する一人であるが、正直なところ「楽しめない」演奏であった。「オリジナル版」ということだが、「現行版」とはずいぶん異なっている。たとえば「原稿版」で冒頭からサマータイムまで4分半ほどはかかるが、ここではわずか1分半ほどである。が、この「3分」は初演時、この部分に必要なセットを組めなかったため省略された、と聞いた事がある。それが正しければ何が本当の「オリジナル」かわからない。演奏はハイレベルには違いないが、なにか妙なノリ(?)である・・・オラトリオでも聴いているような感じ、とでも言うのだろうか。最初に聴くべき全曲版ではないだろう。ただ、現行版を良く知る人には大変興味深いことは確かだ。

ひろととろ さん | 神奈川県 | 不明

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