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スノードロップ さんのレビュー一覧 

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     2019/02/21

    2曲とも凄まじい熱演。ジュリーニ/BPOのライヴ、しかも時期は1973年。悪かろうはずがない。チャイコフスキーはスケール極大のジュリーニの伴奏に決して負けない、芯のある熱烈なキョンファのソロが素晴らしい。彼女の十八番であるが、このライヴ盤は他の盤と比べても個性が発揮された素晴らしい出来だと思う。ドヴォルザークはより凄い。まず冒頭から唸る低弦のものすごい厚みに驚く。他盤にはない異様な緊張感が支配するが、ジュリーニならではの歌も健在。ややゆったり目で美しく歌わせながら、コンセルトヘボウ盤よりも引き締まっており、オケの性格もあって全く弛緩しない。そして何と言ってもティンパニ(フォーグラー)がもう凄いのなんの。同時期のクーベリック盤でも妙技を聴かせたが、迫力ではその比じゃない。第1楽章から高速トレモロで存在感を示すが、第3楽章以降が特に凄い。ホールの反響音と相俟って狂乱状態、スケルツォの独自のクレッシェンドや終楽章冒頭の落雷のような打ち込みなどファンには堪りません(笑)。録音は古いですが鮮明で十分聴けます。

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     2019/01/17

    黄河協奏曲をメインに、中国のポピュラーなピアノ作品を集めたアルバム。まず黄河は、作曲メンバーの代表格にして初演者でもある殷承宗の最新盤となる録音で、オケはリーパー率いるスロヴァキア放送響。殷承宗の黄河といえば凄まじい気迫の漲る1970年の世界初録音盤が印象深いが、当盤はそれよりもずっと落ち着いた、聴きやすい演奏となっている。劇的な演奏を求める向きには肩透かしかもしれないが、例えば第3楽章における深く凄みのある打鍵など、他では聴くことの出来ない表現。なお、第3楽章においてはオーケストラに独自の改変がされており興味深い。併録は定番のピアノ曲集だが、これが大変素晴らしく、正直メインの黄河協奏曲よりずっと良い。「魚美人組曲」の「水草舞」等における繊細に煌めくタッチは息を呑む程のデリカシーだし、「山丹丹開花紅艶」「梅花三弄」におけるスケール感は見事の一言。殷には各曲とも複数回の録音があるが、録音も考慮すると当盤こそがベストと言えるでしょう。

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     2018/07/24

    ハイティンク/BPOマーラーシリーズの最高傑作がこの第3番。CD版もいいが、この映像版は実演ならではの熱気と高揚があり更に素晴らしい。演奏はオーソドックスだが、当時のBPOの重厚なサウンドを最大限に引き出し、スケールの大きな名演を繰り広げる。映像なので名手たちの演奏姿も見応えあり。両端楽章ではフォーグラー&レンベンスによるティンパニの迫力技、中間楽章ではツェラーやライスター、シェレンベルガーら木管セクションの妙技を堪能できる。ハウプトマン率いるホルンセクションの朗々たる響きも圧倒的。ちなみにコンマスはシュタブラヴァ、トロンボーンはゲスリングで、それぞれ見事なソロを聴かせる。画質はさすがに古いが、音質はフィリップスならではの優秀録音で、分厚い低音から輝かしい高音まで余すことなく拾っている。

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     2018/07/22

    黄愛蓮による中国ピアノ名曲集。お馴染み「黄河」や「二泉映月」をはじめ、隠れ名曲「青年協奏曲」などを収録している。まず「黄河」は全体的に角の取れた女性的な表現で、特にピアノはあえて柔らかく弾いているようで迫力を求める向きには物足りないかもしれないが、叙情的な味わいが魅力で、緩徐楽章におけるたおやかな美しさは他では聴けない。フィナーレも荒々しさにはやや欠けるものの、最後の東方紅の部分は美しく歌い上げており感動的。オケはお馴染み中央楽団で、各楽器ともよく鳴らしつつピアノと同様にどちらかといえば柔和な表現だが、これもまた美しく魅力的。「青年鋼琴協奏曲」はピアノと民族楽器オケのための協奏曲で、民族的な旋律とリズムに彩られた名曲。これが素晴らしい名演で、ピアノは黄河と同様に柔らかい表現だが、色彩的かつ歌謡性に満ちた演奏を繰り広げており楽しく聴かせる。伴奏の中央民族楽団も熱演で、各楽器を存分に鳴らした厚い響きで濃厚な歌に溢れており聴き応えがある。「二泉映月」は珍しいピアノ協奏曲版。原曲の二胡版に比べてより叙情的で、後半における情感の昂りが胸を打つ。ピアノ独奏曲には「百鳥朝鳳」や「平湖秋月」などの定番小品や汪立三の「ソナチネ」などを収録。いずれも美しくロマンティックな演奏で聴きやすい。録音状態も非常に良好。

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     2018/06/29

    名曲「梁山伯と祝英台」の代表的名盤。同曲を十八番とする西崎崇子のソロと、樊承武率いる上海音楽院交響楽団という万全のコンビによる演奏で、中国においても非常に高い評価を得ている。全体にゆったりとしたテンポを採って、美しい旋律をたっぷりと存分に歌わせておりロマンティック。西崎のソロは流石に堂々たる表現であり、芯の太い力強い節回しと中国風の艶やかなヴィヴラートを駆使し、ここはこうあって欲しいというツボを見事に押さえている。オケも熱演で、技術的にもほぼ不足なく速いパッセージもしっかりと鳴り切っており、冒頭のフルートの囀りから壮麗なトゥッティまで、まさに大陸的なスケールの演奏を繰り広げる。余白の小品集はなかなか接する機会の無い作品だが、梁祝と同様に、分かりやすく美しい中国の旋律に彩られた佳作揃いで楽しく聴ける。1992年、上海でのセッション録音で音質は上々。

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     2018/06/26

    中国クラシック音楽の2大名曲のカップリングで、「梁祝」は音源の少ないピアノ協奏曲版を収録。独奏は中国ではなかなか人気の若手女流奏者・陳潔、管弦楽はキャロリン・クァン指揮のニュージーランド交響楽団。演奏は2曲ともに激情を抑制した比較的穏やかなスタイルで、ソロ・オケともに安定したテクニックであり耳あたりは良いが、曲の持つ荒々しい一面(特に黄河)がやや削がれてしまっている感も否めない。そういった点では、梁祝の方が曲に合った解釈と言えるか。滑らかな弦楽セクションと、叙情的な陳のピアノ奏でる主題は官能的ですらありひたすら美しい。ただし、曲想が激しくなる「抗婚」の場面などはやはりもっと踏み込みと緊迫感が欲しくなるところ。黄河は遅いテンポでじっくりと歌う演奏で悪くは無いが、小綺麗にまとまりすぎており、もう少し個性が欲しい。少々辛口になってしまったが、クセのない演奏で、オケも中国の各団体よりも安定しており、加えて録音状態も良好なので、初めて作品に接する方には十分お薦めできる。

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     2018/06/24

    このシューマン、あまり話題にならないが数ある音源の中でも屈指の名演と思う。特に第2番は冒頭の和音から尋常でない気迫と情念が感じられ、圧倒的ですらある。ヘルシャーのヴァイオリンは男性的で幾分荒々しく、音色の美しさよりもこの曲の持つほの暗い情念の表出に重きを置いており、第1楽章や第4楽章のアレグロの部分では特にそれが顕著である。緩徐楽章におけるロマンティックな情感も十分。ベロフのピアノも素晴らしく、いつも通りのクリスタルなタッチで力強くも繊細、存在感を存分に出しながらもヘルシャーにぴったりと寄り添う好演を繰り広げる。第1番も同傾向の演奏で個人的にはかなり好みだが、第2番とは曲想の違いもあってか、ちょっとパワフルに過ぎるかな?とも思ってしまう。シマノフスキのロマンスと神話は、シューマンよりも繊細で官能的な美演。録音はシューマンが1975年のアナログでシマノフスキは1982年のデジタルだが、シューマンの方が芯がしっかりしており質感が良い。

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     2018/06/23

    隠れ名盤。ベルリン・フィル八重奏団のフィリップス録音はどれも中庸の美というか、際立った個性は無いがしっとりと落ち着いた音色に何ともいえない魅力がある。中でもブラームスの作品集は屈指の美演。当盤には弦楽六重奏曲とピアノ五重奏、クラリネット五重奏曲が収録されており、ピアノは名手ヴェルナー・ハース、クラリネットは当時の首席奏者ヘルベルト・シュテールが受け持つ。何と言ってもピアノ五重奏曲が名演。数ある同曲の音盤の中では目立たない存在だが、演奏・録音ともに最高水準にある。マレチェクやゲルハルト、シュタイナーらベテラン奏者による力強くも緻密なアンサンブルとハースの重厚なピアニズムによって、理想的な名演に仕上がっている。全体的に速いテンポで引き締まっているものの息苦しさは皆無で、冒頭からしっとりとした歌が溢れる。クラリネット五重奏曲、弦楽六重奏曲もさすがBPhメンバー達による演奏、力強く美しい。フィリップスによるアナログ円熟期の極上録音が名演に華を添える。

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     2018/06/12

    ラフマニノフはベストとはいかないが、力強いタッチと華麗なオケとでなかなか楽しい。それよりも余白の黄河協奏曲が好演。中国以外では殆ど見向きもされない作品で日本でも評価は低いが、華麗な中国風メロディが次々と溢れ出てくる愉しい曲。音源は探してみると意外と多いが、当盤は中でも特に華やかな演奏だろう。エプスタインなるピアニストと、オーマンディ率いるフィラデルフィア管による、まさに絢爛豪華な音絵巻が展開する。肉厚の弦楽によって、赤面してしまいそうな程流麗に歌い上げられる第2、第3楽章は特に絶品。ラストの「東方紅」も、これでもかといわんばかりの輝かしさ!個人的にはやはり中国勢による土臭い演奏をより好むが、西洋勢による演奏としてはおそらく当盤はトップといえるでしょう。録音状態も良好。

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     2015/06/04

    ブレンデルとアバド/BPOのそれぞれの持ち味が見事に発揮された名演。往年の名手たちがまだまだ残っていた頃の分厚いBPOが、アバドの棒の下でしなやかかつ朗々と歌っており大変心地よく響きます。弦楽の厚く包み込むような響きも印象的ですが、管楽器もしっかりと鳴らしつつ煩くない理想的なバランスです。そして理知的ながらダイナミックなブレンデルのピアノも冴えていて爽快。透明感のある明快なタッチで適度に引き締まっています。他の方も仰っているように、確かにオケもピアノもちょっと整いすぎで陰影不足な感じがしますが、この明朗で深刻さの無い、それでいて軽くならないところが当盤の魅力と思います(ポリーニVPOと組んだ盤よりも角がとれて聴きやすい)。録音も素晴らしく、ブレンデルの澄みきったピアノ&重心の低いBPOサウンドもしっかりと捉えており、何の不満もありません。

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     2015/05/31

    カラヤン時代の重厚なサウンドが色濃く残るBPOを存分に鳴らし切った熱演。シャウシュピールハウスで収録された第4番は、弦楽の厚みに圧倒されます(特にツェペリッツ率いるコントラバス)。シュピーラーやザイフェルトのソロも見事。また、第1楽章及び第3楽章のクライマックスはBPOの底力を見せつけるような凄絶な音響で圧倒的です。ハイティンクの解釈はオーソドックスですが、オケを隅々まで鳴らし、旋律を実にふくよかに歌わせていて素晴らしい。少し儚さを感じさせるマクネアーの独唱にも惹かれます。同様に第7番もどっしりと構えつつしなやかさも十分な名演。特に両端楽章における凄まじいまでの機動力はBPOならではでしょう。ちなみに主要メンバーは第4番とほぼ同じです。画質は古いビデオ録画なので粗いですが、音質についてはフィリップスらしい優秀録音で不満ありません。

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