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禅済 さんのレビュー一覧 

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     2024/07/26

    哀惜!ヤネチコヴァさん。25歳という若さでとは。オランピアを歌う彼女に魅せられて以来、来日公演が実現する日を心待ちにしていたのだが。調べた限りでは、彼女の歌声を聴くことができるCDはこの一枚だけのようだ。ユーチューブでは何曲か聴けるが、それらの音源・映像を商品化して市販してほしいものだ。最後になったが、オーボエの音色を存分に楽しめるアルバムとしても推奨する。

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     2021/07/26

    たまたまテレフセン(ショパンの弟子)のCDを探していてこのディスクを見つけ、ボルグストレムという作曲家を初めて知った。商品説明に「ノルウェー・ロマンティシズム音楽の復興…」とあるのを読んで、「最近よく聴く北欧の作曲家だ」という程度のことで入手したが、これは掘り出し物だった。商品説明の通り優しさに満ちたロマンティックな曲が並ぶ。どれを聴いても心温まる、春の日差しのような音楽だ。こんな素敵な曲を書いた作曲家を知らなかったって、北欧の音楽はまだまだ奥深い。

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     2021/07/25

    生涯に9曲の交響曲、15曲のヴァイオリン協奏曲など数多くの曲を書いたシュボア。弦楽四重奏曲は36曲もある。私は一時期シュボアにはまり、MARCO POLOで弦楽四重奏曲を1枚、また1枚と買っていたら36曲全部揃ってしまった。36曲全てについてレビューを書くのは野暮なのでこのディスクに限ることにする。第19番は第1ヴァイオリンのソロに弦楽伴奏がついたヴァイオリン四重奏曲とでもいうべき作品で、文字通り華麗なメロディーにあふれている。この曲、コンサートでやれば映えること間違いない。私はどちらかという第22番ののように短調の、静かな雰囲気の曲の方が好きだが、それは聴く人の好みによるだろう。しかし、これらの弦楽四重奏曲をコンサートで聴いたことがない(シュボアは複弦楽四重奏曲を「珍しい編成の曲」という感じで一度聞いただけ)。なぜだろう、不思議だ。シュボアはもっと評価されていい作曲家だ。

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     2021/07/25

    私の知る限りでだが、上林裕子さんの曲だけを1枚に収めた最初のCD。タイトルにもなっている1曲目の「ミゼリコルディア」はキリスト教で慈悲、情け、幸運などの意味らしいが、なんて軽やかで清々しい音楽なのだろう。
    弦楽伴奏を背景にして浮かび上がるフルート、至福の時間だ。2曲目の「時の外で」は朝霧の中に光が差してくるように始まり…、などとありきたりな知ったかぶりはやめにしよう。ただただこの美しい音楽に身を任せるがいい。

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     2021/07/25

    フィルハーモニア管弦楽団のメンバーだったプーニェ(Vn)リドル(Va)ピーニ(Vc)によるLP(モノラル)を繰り返し聴いていた。ゆったりとしたいい演奏だったが、その後お蔵入りしてしまったらしく、バリリ四重奏団やウィーンコンツェルトハウス四重奏団などのウェストミンスター盤が国内でまとめてCDで発売された時も、その中に入っていなかった。残念だが仕方がない。さて、手元にはアマデウス四重奏団、ウィーン・ムジークフェライン四重奏団、グリュミオー・トリオ、そしてこのクレーメルらと4種のCDがある。いずれも良い演奏だが、このディスクが最高。3人の名手が個性をぶつけ合うのではなく、ゆったりと間合いを取りながら音楽を進めていく、この名曲の魅力満開、絶妙だ。

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     2021/07/24

    選曲がいい。5人の作曲家の単なる寄せ集めではない。独立した各々の曲が互いに干渉することなく、フルートの魅力を存分に聴かせてくれる。プーランクから始まってダマーズで終わる曲の配列もいい。名手上野さんの演奏も当然ながら申し分ない。フルート好きの方は必聴です。

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     2021/07/24

    第1集はピアノソナタと幻想的ソナタがメインで、小品集に癒される私には少々とっつきにくかったが、第2集は演奏時間も数分の曲ばかりで、起きぬけのお茶を飲みながら一日を始めるのにうってつけだ。夢のすまい(タイトルからしてロマン的だ)、夜想曲と続いていく、なんて爽やかな朝だ。ゴダールは数多くの曲を残したそうだが、見直しが進んで埋もれている作品が世に出ることを期待している。

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     2021/07/24

    いつのことだったか忘れたが、フルートのリサイタルでダマーズの曲を聴かせてもらった。それまでフルートの曲は、ルイーズ・ファランクのフルート三重奏曲以外は積極的に聴こうとはしていなかったが、ダマーズには魅了された。それからぽつりぽつりとCDの入手に努め、このアルバムにたどり着いた。寺田愛さんのフルートの軽快で自在なこと、ダマーズの魅力を十二分に引き出している。特に2曲目のコンセールによるソナタが素晴らしい。是非一度ライヴで聴きたいものだ。

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     2021/07/24

    ブレイナーという作曲家は最近まで知らなかったし、その曲を聴くのもこのCDが初めてだが、なんて心地よい音楽なのだろう。どの曲も単純な音階、メロディーの繰り返しのようだが、全く退屈しない。古寺の縁側に座って枯山水の庭を眺め、時が移ろいゆくのを肌で感じているようだ。日々の生活に疲れた方、このディスクで暫しの安らぎに浸るのもよいだろう。

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     2021/07/24

    現代音楽が苦手な方は最初の第1番で閉口してしまうかもしれない。しかし、そこはちょっと我慢して第3番まで聴いてみよう。狩りの情景描写だが、ここには仕掛けがある。でも、ここで種明かしをするのはやめておこう。この曲はライヴで体験して初めて面白さが分かる。私は2回ライブで聴いたが、1回目は驚き、2回目は他の方の反応も含めて楽しむことができた。機会があれば、このディスクで予習をしてからコンサート会場に行かれるとよい。

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     2021/07/23

    冬の旅。ゲルハルト・ヒュッシュもフィッシャ―=ディスカウもヘルマン・プライもいいが、やはりホッタ―だ。冬の旅の世界にはホッタ―の深みと奥行きのある声、歌唱が一番ふさわしい。1969年来日時のライヴも素晴らしいが、何種かあるホッタ―の冬の旅の中では絶頂期にあった時のこれが一番。個人的な思い出になるが、小遣いを2000円貯めてレコード店へ行き「冬の旅ありますか」と尋ねたら、このホッタ―=ウェルバ盤を出してくれた。しかし、LP2枚組3600円でとても手が出せない。よほどしょんぼりしていたのだろう、店員さんが「分割でいいですよ」と声をかけてくれた。今では考えられない古き良き時代、半世紀以上も前の話だ。それだけに思い入れのあるLP、擦り切れるほど聴いたし(はまり過ぎて一時軽い鬱状態になったっけ)、CDもあの時、この時と何度も何度も聴いた。とにかく今後どんな歌手が歌ってもホッタ―を超えることはできないだろう、でもそんな歌手が出てきてほしい、と今日もこのディスクを聴きながら思っている。

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     2021/07/23

    辻彩奈さんの演奏は彼女が十代の頃から宗次ホールで何回か聴いている。光るものを持っているヴァイオリニストだと思っていたが、コンクールで優秀な成績を収められたのは実に喜ばしい。それに、デビューアルバムにあまり知られていないであろうベリオを選ぶなんて、なかなかのものだ。彼女の美しい音色がベリオにぴったり、特に軽やかに歌う第7番が特筆ものだ。より一層の飛躍を期待している。

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     2021/07/23

    近年交響曲のリリースが続いているカリヴォダ。戸川ひよりさんが弾く「ロマン派のヴィオラ・ソナタ集」というアルバム(NAXOS 8.573730)に収録の6つの夜想曲Op186がなかなか良かったので、このディスクを買った。商品説明に「モーツアルトの後継」とあるように、古典派の佇まいの中にロマンの香りが漂う。これから注目していい作曲家だ。演奏もよく練れている。だだ、この紙ジャケには大いに文句を言いたい。紙質が粗悪で角がすぐにすれてしまいそうだし、封入されている厚い解説書を出さないとCDを取り出せず実に面倒で、数回も出し入れしている間に破れてしまいそうだ。ジャケの裏面、背、中と日本語で表記されているので国内で作ったものかもしれないが、メーカーはユーザーのことをしっかり考えるべきだ。曲と演奏は星5つだが、このイライラする紙ジャケで減点。

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     2021/07/23

    生年順に5人の女性作曲家の作品が収録されている。先ず冒頭のファランク、原曲のフルートのパートをヴァイオリンが奏でている。軽快なフルート版が春なら、ほのかに哀愁を帯びたヴァイオリン版は秋の田園風景だ。フルート版のトリオ・カンタービレ盤(THOROFONレーベル CTH2079 残念ながら廃盤らしい)を長らく愛聴しているが、このヴァイオリン版も愛聴盤リストに入れることにしよう。他の4人の作品もなかなかいい。

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     2021/07/23

    好企画アルバム。タイトル通りヴァイオリンが子守歌を歌う。有名な曲だけでなく名前を聞いたことのない作曲家の作品もあるが、いずれも美しく優しい。オフの日の午後、母の懐に抱かれて眠った日々を想いながら、しばし微睡むといい。

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