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フリッチャイマニア さんのレビュー一覧 

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/07/23

    ロストロポーヴィチの芸風がそうなのか、オケがフランス国立管だからなのか…、例えば2番冒頭みたいな、限界を超えた熱さを求めたい部分でも熱くならずに演奏するのが、やや物足りなさも感じるわけだが…。
    それでも、プロコフィエフの交響曲の魅力を知るには十分な演奏だと思うし、4番の両稿収録もうれしい。ファーストチョイスとしてお薦めしたい、「派手さはないが、端正な演奏で録音もいい」お買い得盤。

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  • 13人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/06/17

    2008年に国内盤で出た240枚組DG全集を所有していましたが、こちらのセットに魅力を感じて買いなおし。  国内盤全集のときは、基本的に録音年代順で、1枚あたりの収録時間にこだわったために「ボレロ+ブルックナー9番」「ブルックナー8番4楽章+マーラー6番前半」みたいな違和感のあるカップリングが目立ちましたが、こちらのセットは「基本的に発売時のカップリングに沿っている」ので、一枚一枚をしっかりとした作品として堪能できるのがありがたい限り。  改めて彼の音楽に向き合うと、「商業主義」というレッテルとは実は遠く、どの曲に対しても(ドイツ行進曲集みたいなアルバムでも…)端正にスコアを読み解き、聴衆に対して一番おいしいところを聴かせようとする「誠意のマエストロ」の顔が見えてくるのが何よりおおきく、久々に全ディスクに向き合っています。  このセットの残念な点をいくつか。  まず、「基本的に発売時のカップリングに沿っている」というものの、例外が散見されること。 個人的に盤歴の一番最初に買ってもらった「70年代の運命」の、『マッティスの青空台座の5』が、4番と併録のうえ『青白い4』にあわされてしまったことは、このセットの価値を半減させる(言いすぎ?)もので、ブックレット等にも割愛されたジャケット写真が出てこないのが残念です。  また、DECCA録音は、オリジナルカップリングではなく、以前出ていたDECCAの9枚組ボックスに沿ったカップリングになっています。  それから、国内盤全集にも収録されなかった「オペラ・チャリティ盤の運命の力序曲」。著作権が寄付対象団体にあるから仕方ないのかもしれませんが、いまだに未CD化の演奏を何とかして入れて欲しかったのです…。寄付対象団体にも改めて寄付がいけばプラスになるんですけどねぇ…。  ここまで枚数が多いセットなら、あと数枚増やしてでも「完全オリジナルカップリング」を目指してほしかったなぁ…、と思いつつ…。  それでも、このセットが「DGとDECCAのカラヤン録音」の全貌を理想的な形で与えてくれる永久保存盤であることを評価して、星5つとしたいと思います。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/05/01

    分売ボックスを一からそろえるよりもはるかに安く、十分な手ごたえ(重量だけでなく、聴きごたえも!)のあるセット。

    今まで、いくつかのレーベルから出ていたシューリヒトの「大地の歌」など、正規音源ならではの音質の良さで、初めて演奏の素晴らしさ・重さがわかったほど。

    何よりも嬉しいのは、「コンセルトヘボウ管の日常」がそのまま収められたような選曲。

    今はどうだか知らないが、一時期、オランダでは自国の現代作曲家の作品の上演に助成金を出す制度が充実しており、これによってコンセルトヘボウ管も多数の作品の上演を行った。
    そうした一面が、(大手のレーベルの商業ディスクでは)知られてこなかっただけに、半世紀以上、変わらず「現代の作品」を取り上げてきた成果を聴くことができるのは、このオケの姿を知る上で非常に重要なことだと思う。
    もちろん「誰得?」な「ゲンダイオンガク」ではなく、聴いて理解できる範囲の、「後世に残りうる作品」を中心にセレクトされているので、こうした作品との出会いも大きな財産になるだろう。

    画像のような大箱(それぞれ厚紙の紙ジャケット76枚組)2つからなっており、橙色に古い時代のもの、赤に比較的最近のものをまとめて収録している。

    橙色の箱の中のフォトブックは、歴史的価値の高い写真(初代音楽監督ヴィレム・ケスの写真からはじまり、マーラー、メンゲルベルク、ベイヌム、モントゥー、ヨッフム…、お宝沢山!)から、楽員の日常、さらにはホールの外観の今昔比較まで、見飽きることがない。

    赤色の解説書は、オケに関する説明と、「作曲家」「指揮者」「ソリスト」「合唱団」それぞれの作品索引。
    トラックごとの曲目リストは紙ジャケ記載のもののみで、別冊解説書には書かれていないが、実用には支障ないはず。

    なお、声楽作品の歌詞は付属していない。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/10/14

    収録内容は、デッカのアナログ・ステレオ時代を代表する音源が揃っており、前回の赤青箱とあわせて、このレーベルの黄金時代をかなり網羅するものと思う。
    ただ…。
    CD1のデュトワのサン=サーンス作品集。ライナーのトラックリストとジャケットのトラックリストが異なるという、印刷ミスが…。
    (ジャケットの方が間違っている)
    こういう細かい点まで万全を期してほしかった。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/06/24

    DGイタリア盤の「アバド・シンフォニーエディション」で収録されているのと同一演奏のようなので、それを前提に。


    アバドは、ブルックナーの交響曲の中でも特にこの第1番を好んでおり、過去にも録音を数回行っていたが、それらが「リンツ稿」であったのに対し、今回のルツェルン盤は「ウィーン稿」を採用している。

    ブルックナー晩年の「第2次改訂期」のさなか、第8番(第2稿)より後に改訂をしたこともあり、充実した響きが楽しめるのだが、「第1番は、若書きのイメージでなければ…」という理由でリンツ稿ばかり演奏されてきたことを不満に感じていた筆者にとって、今回のアバド/ルツェルン盤の登場は、何よりもありがたい。

    アバドは、現在の手兵であるルツェルン祝祭管の性能を完全に活かしきっており、ハイパワーのエンジンを積み思い切りふかしながら、ふとした美しさに感銘する余裕を感じさせる演奏(変なたとえだが、それこそが「ウィーン稿」のポイントである…)で、「ウィーン稿」の素晴らしさを見事に音化させている。

    近年のアバドは、生来の「旋律美」に加え、こうした構築の巧みさが感じられる真の巨匠になった、と感じることが多く、ここでも、彼の今のベストフォームの演奏が楽しめる。


    過去に「ウィーン稿」の演奏は、
    1. ヴァント/ケルン放送響
    2. ロジェストヴェンスキー/ソ連文化省響
    3. シャイー/ベルリン放送響
    の3種が知られている。

    「ウィーン稿」の最大のポイントとなるのが、第3楽章のトリオからスケルツォ主部への回帰だが、欄外の注意書きを参照してスケルツォ冒頭に戻ったヴァント(この点でヴァント盤は貴重!)と異なり、ロジェストヴェンスキーやシャイーと同様「ブリッジ」を経由して主部の主題に回帰する方を選択している。

    その部分に関しても、「リンツ稿」との差異を十分に理解した処理がされており、この点だけでも「ブル1指揮者」としての、アバドの価値を十分に感じさせるものである。


    筆者はアバドはあまり評価してこなかったが、この演奏に関しては、無条件に素晴らしく、万人にお薦めすべきものと評価したい。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/02/11

    フリッチャイのファンならば是非購入すべき1点。

    注目は、2種類目の「ブラ1」。以前出ていたロマンドとの演奏も白熱した名演だったが、その2年後、病魔に侵されて陰影が出てきた時期のフリッチャイならではの、より濃厚な表現が楽しめる。北ドイツ放送響の持っていた、渋く重い音もフリッチャイの解釈に有益に作用している。

    フリッチャイとメニューインは、1949年に初共演(チャイコフスキーの協奏曲の放送録音)して以来、久しく共演しなかったが、1961年に集中的に共演を重ねている。その最後の共演が、ルツェルン音楽祭でのこのチャイコフスキーである。この12年の年月を、新旧比較しながら聴くことで、フリッチャイのひとつの到達点、メニューインの深化が感じられる。
    この日、コダーイの交響曲の世界初演を行っているのだが、これも是非とも発掘してほしいものである。

    モーツァルトの「フルートとハープの協奏曲」は、Andromeda等で1952年3月17日のライヴ録音が出ており、もしかすると同一音源の可能性があるが、今までのディスクが音質に恵まれなかっただけに、Tahraのリマスタリングで新鮮さを取り戻すことに期待したい。

    「ハイドン変奏曲」は、1953年4月6〜7日のRIAS響の演奏会の演目だが、このコンビの常で、ダーレムのイエス・キリスト教会で放送録音を行うことがあったので、恐らくその音源だろう。

    この直後の4月19日には、コンラート・ハンゼンとピアノ協奏曲第1番を演奏会で取り上げ、10月13日には交響曲第2番をイエス・キリスト教会で放送録音するなど、1953年はフリッチャイにとって「ブラームスの年」であった。
    この時期のフリッチャイらしい、直線的だがドライにはならない、絶妙なバランスの解釈が楽しめる、充実した演奏である。

    なお、フリッチャイの「ハイドン変奏曲」は、1957年9月17〜18日にイエス・キリスト教会で行った録音が、DGから出ており、その演奏の一部は生前のフリッチャイが人生を語った「Erzähltes Leben」(DGオリジナルマスターズの9枚組に収録されていた)でも使用されていた。
    現在廃盤となって久しいが、各変奏を的確に描き分けた見事な演奏であり、モノラル末期の録音も美しい。こちらの再発にも期待したいところである。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/19

    西ベルリンに新しく建設されたベルリン・ドイツ・オペラのこけら落としの際に収録された映像。ただし、本映像は前日のドレス・リハーサルのもので、Golden MelodramのCDがこけら落とし当日のものである、というのが正確らしい(演奏の細部に違いがあるので、同一ではない)。

    第1幕冒頭の三重唱など、部分的にアンサンブルが怪しくなるところもあるが、歴史的に貴重な公演のドキュメントとして、多少の瑕は仕方のないところであろう。

    エーベルトの演出は、ダ・ポンテの台本に実直に従ったもので、これといって変わったことをするわけではないが、「かくあるべし」と思わせるだけの説得力を持っており、「観るオペラ」としても、申し分ない舞台となっている。

    声楽陣も、フリッチャイが長く起用してきたメンバーが揃い、「ドイツ語上演ならではの、ベルリンのモーツァルト」を堪能させてくれる。

    なにより、フリッチャイの指揮が素晴らしい。オーケストラが出るべきところ、歌うべきところを熟知し、自然に呼吸させている。そこに「解釈」とか「指揮者の姿」が感じられないレベルまで昇華しているので、「モーツァルトの音楽」という以外の何も感じずに、2時間半のオペラを聴き通してしまう。

    映像は、ごくごく標準的(?)な、オペラの撮り方で、特別なものではないが、舞台上で注目すべきところに視点がいくつくりで、実際にオペラを観る方であれば、さほど不満なく観られるかと思う。

    「4:3、モノクロ、モノラル音声」というだけで敬遠されるのはもったいない。
    「正統派ドン・ジョヴァンニの決定的名盤DVD」と、広くお薦めしたい。

    8人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/08/12

    ほとんどがDGとAUDITEから出ている音源を収録した10枚組。
    若き日の切れ味鋭い演奏をたっぷりと堪能できるのが魅力である。

    音質も、従来発売されていたDGやAUDITEのディスクと比べてそん色ないもので、フリッチャイの若き日の演奏を堪能するのに何の支障もない。

    と、いいつつ、本セットの魅力は別のところに。

    3枚目に収録されている「フィガロの結婚」序曲は、今までに市販されたことのない音源が採用されている。

    フリッチャイの「フィガロ」は、51年のケルン放送響盤、60年のベルリン放送響盤の2つの全曲録音があるが、どちらも当盤に収録されたものよりもゆったりしたテンポで序曲を演奏しており、明らかに異なる。

    他に録音された可能性があるのは、1952年9月20日の放送録音と、1958年6月13日のバイエルン国立歌劇場でのリハーサル、および翌日のオペラ上演である。
    (バイエルン国立歌劇場でのリハーサルは一部がmedici artsのDVDに収録されている。)

    バイエルン国立歌劇場での演奏テンポに近似するものを感じるが、当盤は音質が古めかしく、むしろ52年9月20日の他曲の録音の音質に近く感じられる。

    54年というのが本当であれば、フリッチャイの演奏活動歴に今までなかったデータになるが…。

    録音の出処と、正確なデータがわからないのはもどかしい限りである。

    8人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/08/23

    今まで一連のマーラー・ツィクルスでは、一見「正攻法」に見せかけつつ、ところどころで意表をついた「タメ」や「あおり」を駆使するMTTの変幻自在な解釈に驚いたものである。
    この8番でも、第1部の冒頭回帰の瞬間に拍の感覚が狂うようなタメを使ったり、第2部の最後合唱が終わった後のドラの瞬間にパウゼを入れたり、と、相変わらずやりたい放題。
    この解釈を余裕を持ってライヴでこなすのだから、このコンビの充実振りがよくわかる。
    ここまで書くと、異端だと思われるかもしれないが、(最初に聴くとびっくりするものの)聴き慣れると説得力のある解釈として聴こえてくるので、決して「トンデモ」ではない。
    サンフランシスコの合唱はピッチもかなりよく揃っており、安心して聴くことができる。8人のソリストも充実。
    8番の「よりスタンダードな解釈のSACD盤」としては、コリン・デイヴィス盤を薦めるが、演奏の燃焼度、聴後の充実感でMTTをとりたい。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/07/17

    「新録音」ではなく「リマスタリング」なのだが、十分な自然さを保ったマルチ層の音質にまず感心した。黙って聴かされたら21世紀に入ってからのマルチ録音だと感じる方も多いのでは。
    肝心な演奏だが、文句なしに「ブライトコプフ版旧全集による最高級のベートーヴェン」だと思う。
    管楽器の「楽器の質」に起因すると思われるオケの力不足が感じられる部分もあるものの、そのひなびた音色が武器となる部分も多く、第4番の第2楽章や第9番の第3楽章などでは木管楽器がいい味を醸し出している。
    ケーゲルの内声重視の解釈は、時折思いがけないような、ユニークな効果をもたらすが、ベートーヴェンの「正統的解釈」から逸脱しないギリギリの範囲であり、ノリントンやジンマンを中心とする「批判校訂的演奏」を聴きなれた耳にはどことなく懐かしく感じられるものである。
    オーケストラを決して豪快に鳴らすのではなく、「室内楽的アプローチ」を求めており、奇数番号では「力不足」と感じる部分があるが、逆に「細部まで丁寧に彫り込んだ音楽の力」で納得させてくれるあたりはケーゲルならでは。
    国内盤の1000円シリーズのCDや、レーザーライトの格安ボックスではここまでクリアな演奏とは感じられず、「普通の指揮者が普通のベートーヴェンをやっただけ」という印象だったのだが、ここまで違うとは…。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/05/21

    いかにもこのレーベルらしいと、セットのチョイスに感心。
    バボラークのバッハは、演奏・録音とも文句なしに素晴らしいもので、これが含まれていることが、このセットの価値をさらに高めていると思う。
    デ・ワールトのR.シュトラウスは、精緻な曲作りで定評があるもので、「オーケストレーションの見本市」の影に忘れられがちな、シュトラウスの叙情性が存分に引き出された名演と評価したい。
    マーツァルのマラ5、アルブレヒトのブル6、ズヴェーデンの「ロマンティック」、ジークハルトのブラ4と、ここまで名演が揃っていれば、「買わぬは損」

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