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笛吹き同人 さんのレビュー一覧 

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     2011/07/19

    これは貴重なディスクである。故吉田雅夫大先生が、フルートの芸術的演奏はモイーズから始まるような宣伝をなさっていらしたが、それは「現代のコンサートホール向けのフルート演奏」のことであって、モイーズ以前にも、トゥルーからゴーベールに至る豊かなフルート演奏の歴史があったことを、このディスクは教えてくれる。ゴーベールによる「ハンガリー田園幻想曲」など、唖然とするほど上手い。しかも力が抜けた、とびきりお洒落な演奏である。SP録音のデジタル化にあたって、できうる限りの音質改善がなされているのもうれしい。フルートを演奏する人、フルート演奏の歴史に興味がある人々のすべてにお薦めしたい。

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     2011/07/19

    魅力的な小品を集めた「小さな友人たち」のためのディスク。ゴールウェイにとって、友人たち=クラシック音楽を愛する人々であるから、いかにも子供向けで大人が聴くのにはちょっと、というような半端な曲は含まれていない。ちょうど、フルート音楽を愛し、演奏する大人の友人たちに捧げた盤(HMVproduct693475)と対をなす。演奏だが、フルートはもちろん、伴奏者、小編成のオーケストラ、皆がすばらしく上手い。録音も新しいので、1000円はお買い得である。

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     2011/07/19

    目立った省略もなく、SP盤に刻まれた音をつないで、立派なモーツァルトフルート協奏曲全集のディスクに仕上がっている。1000円に下がった今、フルートを吹くすべての人、フルート演奏の歴史に興味のある人にお薦めしたい。モイーズの演奏の特徴は、コンサートホールに響き渡る太く輝かしい音と、完璧な指の技巧を誇示して、楽曲の内容を聴衆に熱く語りかけるスタイルにある。今回同じく1000円均一でカタログ入りした盤で聴くことができる、ゴーベールやル・ロワらのサロン的な演奏スタイルと比較してみていただきたい。ゴーベールらは楽器を鳴らしまくることなく、洗練された技巧で軽やかに曲をなぞっていく。「曲の内容は、サロンに集う教養ある紳士淑女であればおのずと聴き取れるはず」とでもいうような控え目な表現である。こうした比較をすれば、モイーズが現代フルート演奏の祖と呼ばれる理由がよくわかる。特に2番の協奏曲は、故吉田雅夫大先生が1980年代に至っても「これまで録音された最高のディスク」と絶賛し続けた名演である。SPのCD化にあたって、入念な音質向上処理がなされていることも付言しておく。

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     2010/10/14

    ベザリーという人、単に世界トップの数名に入る技巧の持ち主であるだけでなく、音楽IQの極めて高い人と見た。この曲集を録音するにあたって、自身でスコアの全パートに入念にペンを入れたと思われる。各パートのフレージングがこれほどソリストの演奏と一体化した演奏は他に類を見ない。技巧と音楽IQの高さが相俟ったフルーティストとして思い浮かぶ、ルーカス=グラーフの吹き振りの録音でも、パユがアバド、ベルリンフィルという最高の共演者を得て行った録音でも、このベザリーの録音ほどにはソロと管弦楽の音楽的な統一感は達成されていない。カンガスの手腕、オーケストラの各奏者の熱意もあっただろう。しかし、それを引き出したのはやはり、ベザリーがカンガスの前に差し出した、細部まで考え抜かれた指示の記されたスコアだったはずだ。この録音については、アホの書き下したカデンツァの新奇さ、モーツァルトとの違和感ばかりが話題になってしまうきらいがある。たしかにカデンツァが始まるなり、曲想は突然150年を飛び越えてカルク=エーレルトのような表現主義の世界に入ってしまう。クレメルのベートーヴェンで聞きなれたとはいえ、首肯しかねる変貌ぶりである。しかしカデンツァにさえ目をつぶる(耳をふさぐ?)ならば、数多のモーツァルト「フルート協奏曲全集」の頂点に君臨するディスクと評して差し支えないだろう。中でも、ロンドK.Anh.184は条件抜きで最高の演奏として推奨したい。この曲のカンデンツァだけは、背後に弦楽群の和声が鳴っているせいで、珍奇な転調を繰り返すことなく力強く歌い上げられ、非常に感動的である。全曲を通じて少し残念なのは、随所で行われるソロ・フルートの即興的な装飾が、完璧に用意された譜面に対する自信と比べると、いくぶん押しが弱く自信無く聞こえることだろうか。

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     2010/01/10

    このディスクをお持ちのレビュアーお二人をうらやましく思う。現在このディスクは海外のダウンロードサイトで各楽章の冒頭50sec.を聴くことしか叶わない。(全曲ダウンロードはイギリス在住者限定のため。)冒頭を聴いて演奏のすばらしさの一端に触れることしかできない私にとって、お二人の絶賛は心強い。ぜひ再販を望みたい。実際、このディスクの人気は高いらしく、某巨大通販サイトの「マーケットプレイス」とやらでは、中古盤にHMV価格の3倍近い値が付けられている。もうひとつ言えば、私のような笛吹きにとって、このディスクは特別な価値がある。それは、ジェームズ・ゴールウェイが主席フルートを受け持っていることだ。しかもこの録音は、カラヤンが指揮したどの録音にも増して、木管群を前面に出したミキシングになっている。アバドの歌心とゴールウェイの歌心の麗しい出会いによって、美しい木管群と、その中でも一頭抜きんでたフルートの音色がディスクに刻まれた。そのことは、第1楽章冒頭の試聴だけからも明らかに聴きとれる。評論家木幡一成氏が「何とあのブラ2をフルート協奏曲に変えてしまった」とまで評したのもうなずける。対照的に、アバドがベルリンフィルのシェフに就任した後の88年録音のブラ2では、年老いて音がヨタヨタになったカール・ハインツ=ツェラーのフルートが聴こえてくる。新全集の他の3曲はツェラーが主席ではないので安心して聴けるのだが、2番だけは彼のふるえる音が気になってどうしようもない(あれは断じて「表現としてのヴィブラート」などではない。)ベルリンフィル時代のゴールウェイの金字塔としても、このディスクが定価で入手できるよう再プレスを望む。

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     2009/12/27

    「テレマン 協奏曲集」(HMV product92466)に収められた「フルートと弦楽のための組曲」を唖然とするようなバカテクで吹き切ってみせたウェンツ(アメリカ人だから、このページの「ヴェンツ」より他盤の表記のほうが正しいだろう)が、幻想曲も録音していると知って即座に購入した。結論を言えば、ロカテッリのソナタ全集(product1492694)の絶賛付き「特選」、ブラヴェのソナタ全集(product1352345)の条件付き「推薦」とは程遠く、「トラヴェルソという楽器がどれだけ正確な音程を保ちつつppからffまで鳴らせるかの記録」として持っておこうか、という評価に落ち着いた。ウェンツ自身の手になる解説文を読むと、彼は12の幻想曲それぞれを「様々なタイプの曲からなる小組曲」ととらえて演奏したこと、テレマンはこれらの曲をドイツ的語法で書いているので、演奏に際しフランス風の繊細さではなく、より荒々しく土俗的なユーモア(気質)を追求したとある。その着眼は良いと思うのだが、何度聴いても、彼が各楽章の性格、組曲としての全体構成を捉え切れていないように感じられてならない。有田正弘の名演奏(product1439690)が、自在なダイナミックの変化と微妙なテンポの揺らぎで魅了しつつ各曲の統一感を見事に聴かせるのと比較するなら、ウェンツはトラヴェルソを現代フルートに負けない力強さでひたすらまっすぐに鳴らすばかりで、その技術には圧倒されるが、肝心の音楽がどこへ向かっているのか聴いていて不安になる。不安が続くと疲れてくる。付け加えておくと、録音は割合とオン・マイクで生々しい(これもウェンツの要望によるらしい)。

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     2009/12/27

    95年「ロカテッリ フルート・ソナタ全集」(HMV product1492694)で古楽界にそのバカテクを知らしめたウェンツが、10年後にブラヴェに挑んだ。ソナタ全曲に加えフルート協奏曲、ブラヴェがリュリ、クープラン、ラモーら同じフランスの作曲家の有名作品をフルート二重奏用に編曲し自作の前奏曲を冒頭に置いた3つの組曲を網羅する。演奏技術はあいかわらず完璧、録音はロカテッリより若干残響少なめか。フルート二重奏の録音レベルだけやけに低いように聞こえるが、ウェンツ自身が「テレマン フルートのための12の幻想曲」(product2567327)の解説で、ブラヴェの二重奏を録音した際には意図的にダイナミックレンジを狭く演奏したと書いているので、そのせいだろう。さて10年の研鑽を経ての音楽的成果だが、どうもブラヴェのような陰影の濃い短調曲の多い作曲家とは、ウェンツらの演奏スタイルはしっくりこないようだ。師であるクイケンの演奏や有田正弘の演奏(product1215872)と比較すると、作品本来の姿に迫れていない感じがある。逆に言えば、私のようにバロック音楽はなるべく楽しく聴きたいという人間にとっては、クイケンらの演奏よりも聴きやすく、有田盤よりついこちらを聴いてしまう結果となっている。よって★5つはあくまで「私にとっては」という評価である。

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     2009/12/27

    フラウト・トラヴェルソ界にもついに「バカテク系」が現れた!出身はアメリカ。もちろんトラヴェルソの巨匠バルトルド・クイケンに学んでいるし、最近はオペラの指揮も手掛けているのだから、ただのオタク的テクニシャンではない。だがやはり彼の明るい音楽性には、ロカテッリのような躍動感のある長調曲が多い作曲家がぴったりだ。実際、このディスクには本場ヴェネツィアの財団から「1995年イタリア音楽ベストレコーディング賞」が与えられている。完璧に吹けているどころではない。急速楽章をin tempoで疾走しながら「耳にもとまらぬ」速さで装飾を入れて聞かせる。彼が組織した団体だけに、バックも名手揃い、アンサンブルも余裕でバッチリ。全18曲言うことなし。残響多めの録音だけが好みの分かれるところだろう。(彼のバカテクをたしかめたい人は、彼の名でググッてHP「jedwentz.com」へ行き、左列サイトマップ「Musical examples」を選び、現時点で最上段にあるバッハ作Vnパルティータの編曲版を聴いてみてほしい。下のほうにはこのロカテッリからの1楽章全曲もあるので、演奏だけでなく録音の感じもたしかめられる。)

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     2009/12/20

    モーツァルトのフルート協奏曲の全曲、すなわち1番、2番、ハープとの二重協奏曲の3曲が1枚で聴けるCDは数多くあり、廉価盤も多い。クラシックファンすべてに楽しいくつろぎの時を与えてくれる長時間収録のお買い得盤である。なかでも万人にお薦めできるのはパユ/アバド盤(product/2715874)、ゴールウェイ/マリナー盤(product/187196)の2種である。しかし、このColes盤は、独奏フルート奏者こそ無名だが、録音に参加した全奏者、指揮者、録音スタッフが作品の楽しさ、美しさを表現し記録している点で、聴く人の好みによってはベスト盤とさえ言えるかもしれない。Colesの演奏はゴールウェイ、パユほどの技術の冴え、音の魅力を備えてはいない。しかし、ソロパートを十分正確かつ音楽的に表現している。「ソリストはヴィルトゥオーゾしか聴く気はない」という人でもない限り、不満を感じることはないだろう。吉野とEcoの技術と音楽性は言うまでもなく世界最高水準にある。そして、この盤で特筆すべきは、Ecoの全員が実に積極的にセッションを楽しんでいるのが聴こえてくることである。好々爺メニューインが「こんなにすばらしい作品をこんなに優れた奏者と演奏できて幸福でしかたがない」とでも言いたげに、軽やかにスウィングして曲全体の雰囲気を創っている。こまかいことは奏者まかせだ。奏者たちは与えられた自由のもと、「このフレーズの締めはベースの下降音型をバッチリ響かせて」「ここはヴィオラが主役でしょ。おい皆で前へ出るぞ」「いやそこへホルンのこの音をちょいと強めにからませれば、ほらもっと面白くなる」等々、良い意味で「やりたい放題」の自発性を発揮する。録音も独奏フルート、ハープを強調しすぎず、そうしたオケパートの動きを明瞭にひろっている。(マリナー、アバド指揮の上記2定盤でもオケの演奏は見事だが、それらはすべて「マリナーの指示で前に出ている」「もっと出たいのを抑えてアバドの好みのバランスに整えている」といった、指揮者の統率感を意識させるものだし、録音もスター独奏者をできるだけ前面に出したものだ。)メニューインの音楽家としての懐の深さ、彼に対する奏者全員の敬愛の念。そんなものが伝わってくる。「曲のサロン音楽としての屈託のなさ、華やかさを、現代のコンサート演奏の高い技術水準で表現した」小さな奇跡の記録なのかもしれない。

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     2009/11/15

    同じ録音が、Avex Classicsから500円で発売された(product/2619015)。私はこの盤でのガロワの演奏には、ジンジャーエールさんと同様の肯定的評価を抱いている。一方で、この演奏が、多くのクラシックファンに対して、風雷暴さんがお書きになっている「違和感」を与えるであろうことも否定しがたい。第1Vnが聴衆から見て右、第2Vnが左という配置(モーツァルト時代にはそういう配置の演奏もおこなわれていたという資料があるのだろう)、通奏低音のチェンバロの入ったオーケストラ(これはモーツァルト時代にはむしろ普通)、ピリオド楽器の奏法を大胆に取り入れたガロワの遊び心・・・これらの要素に興味をお持ちになった方は、Avex盤で聴いてみてはいかが?(Avexから正規盤として発売されたからにはNAXOSが権利を売ったのだろうから、この商品のページでAvex盤の宣伝をしても問題はあるまい。)

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     2009/11/15

    特価なら1000円ほどで買えるNAXOS盤(product/1922792)が原盤で、NAXOS盤でも十分に安価だが、国内盤でこの値段で発売されたのには驚いた。モーツァルトのフルート協奏曲の全曲、すなわち1番、2番、ハープとの二重協奏曲の3曲が1枚で聴けるCDは数多くあり、廉価盤も多い。クラシックファンすべてに楽しいくつろぎのひとときを与えてくれる長時間収録のお買い得品だ。なかでも万人にお薦めできるのはパユ/アバド盤(product/2715874)、ゴールウェイ/マリナー盤(外盤はproduct/1871966、国内盤は2598620)の2種である。さて、このディスクで聴けるガロワの演奏だが、NAXOS盤の各氏のレビューをお読みいただければおわかりのとおり、ピリオド楽器奏者の研究を大幅に取り入れたかなり斬新なもの。技術的レベルはソロ・オケとも一級品だし、録音もすばらしいのだが、これら3曲にこの盤だけで触れるのはお薦めできない。この安さで買えるようになったのを機に、パユかゴールウェイの定盤と聴き比べて楽しむ2枚目、3枚目の候補としてぜひどうぞ。

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