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eroicka さんのレビュー一覧 

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/24

    OP15は50分を超える遅めのテンポで丁寧に演奏されている。梯剛之が2位になった98年のロンティボーの覇者、ティベルギアンは粒だった美しい響きと優れたテクニックに裏打ちされたデリケートな表現力で理知的で熟した音楽を聴かせる。クールなだけでなく、ポーカーフェースの裏に隠れた感情の迸りが時にあらわになるのが魅力的だ。指揮のビエロフラーヴェクはN響での手堅いだけで印象に残らないイメージが個人的には強かったが、ここではスケールの大きさと若いソロを包む包容力に加え、BBCsoという地味なオケから美麗なサウンドを紡ぎだしている。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/20

    中庸の美、生ぬるさといったレッテルで語られがちな東独時代のマズアだが、それはいささかズレていると教えてくれる一枚だ。LGOの繊細で銀色のような輝きのある響きを武器に、意外に熱い演奏を展開している。確かに1番はもっと派手さが欲しいところだが、2番以降は素晴しい。構成を重視しているだけでなく、自然な情念の発露も感じられる。当然2番が白眉なのだが、3番は意外にダイナミックであり、4番は自然な呼吸で滔々と旋律が流れる上品な演歌のようだ。教会の長い残響を生かした録音も特筆すべきものだ。旧フィリップスにはアッカルドとの協奏曲など廃盤になっているマズアの名盤が多く、是非復活してほしいものだ。

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     2011/10/10

    ロストロポーヴィチの無伴奏といえば、極論すれば結論的に、この55年ライヴさえあれば、90年代のEMI録音はもはや要らないとさえいえる。EMI録音の枯淡の味わいもまた高邁な精神に満ちているのは理解するし愛好者の方々には申し訳ない言い方だが、それほどまでにこのライヴはエネルギーに満ちあふれ、この巨匠の真骨頂を伝えている。ロストロポーヴィチは50年代半ばに第2番、第5番をヴァンガード(メロディア音源?)から出しているが、それによく似たスタイルだ。歴史的名盤のカザルスやフルニエに並ぶ無伴奏の名盤であることは間違いない。もはや古楽器による演奏は主流ではないためなのか、レビューの書き込みが少ないのが本当に残念でならない。もっと注目されてしかるべき名盤だ。

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     2011/10/10

    西側で有名になりはじめた50年代末〜60年代初頭当時のリヒテルらしく、細かいミスをものともしない激しい演奏を繰り広げている。有名なカーネギーホールライヴなどと同傾向のもので、ファンは是非とも持っておくべきだ。モノラルライヴ録音だが、思いのほか聴きやすい音だ。比較的ピアノの音が綺麗にとれている。特に「熱情」の終楽章は暴走気味のテンポで、手に汗握る烈しさだ。これに比べれば、一連のRCAやEMIのスタジオ録音やDGのヨーロッパライヴ盤はまるで借りてきた猫だ。ただ、難をいえば、聴き手にも緊張感を強いるためか気楽な気持ちでは聴けず、一度聴けば満腹感に持たされて、何度も繰り返し聴きたいとは思えないというのも偽らざる感想だ。

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     2011/10/04

    透徹しきった音の美しさはまるで極上の吟醸酒の味わいのようだ。高い技巧に裏打ちされた思えぬ落ち着きはらった表現、響きの繊細さにも好感が持てる。ミニ・ポリーニともいうべき素晴しいクオリティだ。ルックスも相まってファンも増えるだろう。だが、しかし、何か物足りないのも確かだ。胸がわくわくするようなときめき感が薄い。若くして老成しているためなのか、18歳のポリーニ(勿論、ヴンダーは既に25〜26歳で単純比較できないが)にすら強く感じられた情念、パッションが薄いのが惜しい。最近は、ポリーニやアルゲルッチ、アシュケナージのいわゆる御三家のようなピアニストが出てきにくいのは、何か今のピアノ教育界に問題でもあるのだろうか。

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     2011/10/03

    フルヴェン時代の渋いベルリンフィルの音色、木管ソロの巧さ、内声部が明確に響く厳かな聖歌隊の歌声など、何度聴いても深く感銘させられる演奏だ。クレンペラーですら70分以内で演奏しているのだが、ケンペは76分もかかる遅いテンポでじっくり歌い上げる。地味なモノラル録音であることがここではむしろプラスに作用し、深い深淵から湧き上がる漆黒の悲しみをにじませている。清純なグリュンマーの歌声とFDの巧緻な語り口がこの演奏の特色であることも言うまでもないだろう。ベルリンフィルと聖ヘドヴィヒ教会合唱団のコンビはほぼ同時期に早世した名指揮者、フリッツ・レーマンともドイツレクイエムの名盤を残しているが(DG,独唱はシュターダーとヴィーナー)、テンポの遅さなど演奏傾向が実に似ているのが興味深い。さらにカラヤンの64年の演奏(DG,独唱はヤノヴィツ、ヴェヒター、合唱はジングフェライン)と比べるとその後のベルリンフィルの音色の変化をしのぶ楽しみも味わえる。著作権を持つレコード会社には、ケンペの名演を廃盤としないのは勿論、レーマン盤も是非ともカタログに復活してもらいたいものだ。それが貴重な文化財を持つ社会的責任というものである。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/03

    フルヴェン時代の渋いベルリンフィルの音色、木管ソロの巧さ、内声部が明確に響く厳かな聖歌隊の歌声など、何度聴いても深く感銘させられる演奏だ。クレンペラーですら70分以内で演奏しているのだが、ケンペは76分もかかる遅いテンポでじっくり歌い上げる。地味なモノラル録音であることがここではむしろプラスに作用し、深い深淵から湧き上がる漆黒の悲しみをにじませている。清純なグリュンマーの歌声とFDの巧緻な語り口がこの演奏の特色であることも言うまでもないだろう。ベルリンフィルと聖ヘドヴィヒ教会合唱団のコンビはほぼ同時期に早世した名指揮者、フリッツ・レーマンともドイツレクイエムの名盤を残しているが(DG,独唱はシュターダーとヴィーナー)、テンポの遅さなど演奏傾向が実に似ているのが興味深い。レーマン盤もカタログに復活してもらいたいものだ。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/27

    洒脱さ、高邁さ、粋などという陳腐な言葉でしか説明できないのがもどかしいが、あらえびす先生の時代から親しまれたレコードの「古典」だ。SP復刻の収録曲に関しては、OPUS蔵に生々しさという点では及ぶべくもないが、このレーベルとしては悪くない音に仕上がっている。ティボーのつややかな響きをしのぶには十分な音だ。余白に収録のドイツ録音も素晴しい。

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     2011/09/26

    「皇帝」は、いつものポリーニのスタイルよりも自由な情熱の現れた演奏で面白い。オケもうまくなく音もそれほど良くないのだが、後年のベームやアバド盤と比較すると同一人物と確認できるが、ポリーニらしからぬ?16〜17歳の少年らしい青臭い情熱やカッコつけを感じるのが面白い。プロコフィエフは演奏云々を評する以前に、音質がひどくヒストリカル音源好きの小生ですら聴きとおすのが辛い。

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     2011/09/26

    ショパンコンクール優勝当時のスタジオライヴのようだ。(拍手が入っているが、咳払いがなく不自然だ。)以前も別レーベルから出ていたので既知の音源だが、改めて聴いてみて後年のスタイルがすでにすべて完成しているのを強く再認識させられる。ここでは、EMIに録音したコンチェルトに感じた青春の情熱の高揚感よりは18歳にして既に大家の風格を持った逸材という側面が目立つ。LPからの板起こしのようでノイズ軽減が強すぎてタッチの輝きが減退し、テープの回転ムラがあるような録音だが、貴重であることには間違いない。ポリーニを愛してやまない人には不可欠な一枚だ。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/25

    チャイコフスキーはマゼールの山っ気ある指揮に、若く覇気あふれるアシュケナージが余裕をもったテンポ運びで挑むといった趣。血沸き肉躍る激しさはないが、理知性と情動のバランスがとれた名演だ。70年代のシューマンは情に流されないような落ち着いた表現となっているが、セーガルの指揮もあいまって、もっと楽想に隠れたファンタジーの飛翔や喜怒哀楽が見えてきてもよいような物足りなさも感じる。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/25

    LP発売当時「これ以上何をお望みですか」と、かの吉田秀和氏に言わしめた一枚。確かなテクニックをベースに、センチメンタリズムを排し和声の構造を明快に解きほぐす知的なスタイルは、ショパン演奏史にも一石を投じたものだ。内声部を浮き彫りにした情報量の多いきらびやかな響きとなって聴こえてくるが、圧倒的な輝きだ。60年にショパンコンクールに優勝したときのライヴやEMI録音の協奏曲第一番を聴くと、すでにスタイルは完成しているが、ここまで透徹した理性は貫かれていない。だが、70年代初めDGに移籍してからは、こうしたクールなスタイルを武器にこのエチュードをはじめ、「ペトルーシュカの3楽章」やシューマンの幻想曲やソナタ、シューベルトの「さすらい人幻想曲」と数々のヒットを飛ばし、独自の世界を築いている。60年から68年のブランクには、彼は演奏活動を縮小し、ミラノ大学に進学し物理学を学んでいた。一度音楽から離れ数理の世界を探求したことがプラスに作用したのだろう。今の若い演奏家はそうした充電が許されなくなっているのだろうか、テクニックはポリーニを超えても、30代〜40代で独自の透徹した境地を貫くところまで育っていけるのか心配なところである。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/24

    星5つでは足りず7つつけたくなるようなアンソロジー。この内容でこの値段は安すぎる。柱となる素晴しいクリュイタンスの交響曲9曲は別項で書いたので触れないが、ジュリーニのミサソレミニス、カラヤンのフィデリオ、オイストラフ・クリュイタンスのヴァイオリン協奏曲など歴大家の名盤がメーンだが、室内楽、器楽曲はハイドシェックのピアノソナタ全曲、フェラス・バルビゼのヴァイオリンソナタ、トルトウリエのチェロソナタ全集、ハンガリー四重奏団の全弦楽四重奏曲などフランス系の渋い演奏家が目白押しだ。一つケチをつけるなら、ピアノ協奏曲は3、5番だけ虫食い状にゲルバーとせず、全部ギレリスで統一すべきではなかったか。ギレリスにはEMI音源が他にもあり(3番は1954年にクリュイタンス指揮と68年にセル指揮で、5番は1957年にレオポルト・ルードヴィヒ指揮と68年にセル指揮で録音済み)、ゲルバーも素晴しいのが、統一感という点での違和感は拭えなかった。今、挙げた音源はEMI ICONの「エミール・ギレリスEMI録音全集 」で聴けるので、不満の向きはそちらも入手してもよかろう。有名曲を中心に半分以上はだぶって所有する音源だが、無名の曲を楽しく聴けることは請け合いだ。ジュリーニのミサソレ(74年)は盤暦30年以上もある癖に今回初めて聴いて感動した。ともかく室内楽好きもオケ好きも満足させられるアイテムであることは間違いがない。

    8人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/23

    「未完成」は原譜の「<、>」記号を、従来の「クレッシェンド・ディミヌエンド」(ワルター、ベーム、カラヤンなどほとんどはこっち)という理解ではなく、「アクセント」と解釈する演奏の走りとなったものだ。今ではアーノンクールら古楽系指揮者では普通にみられるスタイルだが、このLPが出た1980年頃には驚きをもって受け止められたことを覚えている。ウィーンフィルの美しいサウンドが懐かしいが、ここでのカルロスはむしろ、そのグラマラスな響きに頼るメロドラマ的な予定調和を拒み、鋭角的なサウンドで挑発的に仕掛けてくる。一見、明暗のコントラストがはっきりしたテンポの速い爽やかな演奏という風に思えるが、何度か聴きこむうちに、軽やかな装いの下に、どす黒く暗い情念があるのに気づかされる。この一枚がなければアーノンクール・コンセルトヘボウの名盤も出てこなかったかもしれないと思わされる画期的な1枚だ。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/23

    「未完成」は原譜の「<、>」記号を、従来の「クレッシェンド・ディミヌエンド」(ワルター、ベーム、カラヤンなどほとんどはこっち)という理解ではなく、「アクセント」と解釈する演奏の走りとなったものだ。今ではアーノンクールら古楽系指揮者では普通にみられるスタイルだが、このLPが出た1980年頃には驚きをもって受け止められたことを覚えている。ウィーンフィルの美しいサウンドが懐かしいが、ここでのカルロスはむしろ、そのグラマラスな響きに頼るメロドラマ的な予定調和を拒み、鋭角的なサウンドで挑発的に仕掛けてくる。一見、明暗のコントラストがはっきりしたテンポの速い爽やかな演奏という風に思えるが、何度か聴きこむうちに、軽やかな装いの下に、どす黒く暗い情念があるのに気づかされる。この一枚がなければアーノンクール・コンセルトヘボウの名盤も出てこなかったかもしれないと思わされる画期的な1枚だ。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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