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harekazuya さんのレビュー一覧 

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/05/08

    この世に生きる悦びや哀しみをそのまま音にしたモーツァルトを聴く楽しみは様々です。このメロスの演奏は胸に迫るものがあります。感傷的というのでなく、また知性で圧倒すると言うものでもなく、音の合間から切々と訴えるものがあります。そんなものは余計でうっとおしいという人もいて当然でしょう。
    多くの人が真摯に音楽に立ち向かい、それでもごくごく稀にしか到達できない音楽の魔法が現れる瞬間。ここにはそれがあるよう感じられます。それにしてもメロスは五重奏が好きで(もしかしたらレコード会社の都合かもしれませんが)ことごとく成功しているのは興味深いものがあります。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/04/19

    私にはとても難しい本でした。文章間の飛躍が大きく、間だけで本が一冊書けてしまうのではと思わされます。一文一文追っているうちに、半ページ前には何が書いてあったか忘れてしまいます。しかし内に秘めた情熱の炎の力は強く、読む者を現代の文明の問題に深く向き合わせます。決して行動への示唆を語ろうとはしません。むしろそれを拒絶することで私たちの背中を押そうとしているよう感じます。ゴルフやリゾートなどに感じるいかがわしさの根を、イリイチは見事に解いて見せてくれます。また今の世で幸せになる唯一の方法は、感傷にひたることと言い切ります。ジェンダーで世の無理解と誤解を受けながら、決して言い訳せず、屈せずに探求を続けたイリイチの厳しさと純粋さが私たちを打ちます。私のような平凡な人間には読む進むのに難儀な本でしたが、読み終わった後、世の中が全く別のものに見えると言う得難い体験がありました。圧倒的な知性に頭を少し鍛えてもらったような感じでした。だれにでもおすすめできる本ではないのですが、これが忘れられていったらまた世界から一つ灯が消えると思います。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/04/19

    ベートーベンの響きに浸るには、これ以上はないと思える充実した音が紡がれています。他の方も指摘されている通り、第12番の充実ぶりには目をみはるものがあります。創作の悦びと精神の高揚が結びついて、この曲の、いやもしかしたら全ての四重奏曲のベストかもしれないと思わせるものがあります。全体からすると私には後輩格のゲヴァントハウスのよりダイナミックな表現に惹かれるものがありますが、このゆったりした時の流れには必ず帰って来るだろうと確信します。ノスタルジーとは違う、故郷や原点を見つけたようです。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/04/18

    ショッキングなタイトルですが、やらなければならないこと、今の世の中の必然として求められていることとして、戦争もまた一つの仕事と示されています。自由主義経済、共産主義経済どちらでも、経済の発展と進歩を前提としている以上は、戦争も避けられないことであることが分かりやすく説明され、世の仕組みが仕事を通して読み解かれています。具体的な行動の示唆はありませんが、それだけに私たちに考えさせるものが多くあります。現代の一見明るさに充ちた、しかし内実を伴わない平明にいたたまれない感覚を持っている若い人たちに、ぜひ読んで欲しい本だと思います。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/04/18

    本書は、キツネにだまされなくなった理由を解読するためのものではありません。1965年を境としてそうした現象が報告されなくなってきたという事実を通して、いかに人間が環境や人間関係で精神構造が作られるかを明らかにしています。個人と社会の関係を問うているともいえます。そうした意味で、著者の今までの著作で、例えば仕事を通して社会の構造を読み解いた「戦争と言う仕事」、日本人の精神構造の源流を明らかにした「清浄なる精神」などの延長にあるものです。読みやすく納得できるものが多い本ですが、他のものを読んでからの方が分かりやすいと思います。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/04/13

    ピアノ三重奏曲第1、2番は、ロマン派の巨匠としてのシューベルトではなく、今ここに生きる若者のみずみずしい生の賛歌として共感できる演奏です。ドイツの伝統で築き上げてきた重さや深みはないかもしれませんが、生まれたての新鮮な歌を作る人として、新たにシューベルトに出合わせてくれました。「ます」はそれに比べると中途半端な印象を持ってしまいます。「アルペジオーネ」は、故小島芳子さんのピアノも素晴らしい鈴木秀美の演奏により親しみを感じています。それでもこの価格なら許容範囲でしょうか。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/04/13

    最初の一音で鳥肌がたちました。基本的には決定盤というものは世の中に存在しないと思っている私ですが、カザルス等のいくつかの経験しかないにもかかわらず、これは決定盤だと思わせてしまう凄みと深みがあります。弦楽四重奏13番、14番の新盤でも素晴らしい演奏を聴かせてくれたメロスの読みの深さには痺れます。目の前に異次元からの穴が開き、そこかに光やなにやらいろいろなものが垣間見えるようです。インマゼール、ビルスマたちのピアノトリオがこの世の喜びを極めた演奏なら、これはあの世に近いのかもしれません。こちらの存在の意味までを問う名演と思います。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/04/10

    地味で渋く特徴がなさそうでいて、聴くうちに、柔らかく、少しくすんだ響きが私たちを知らない世界に誘います。音色の表面の変化でなく、響きによって聴くものの内部を照らすような演奏です。ギーゼキングにはじまり、フランソワ、ベロフ新・旧、アース、ハース、ミケランジェリなどいろいろな演奏を楽しんできましたが、やっと安心して音の流れに身をまかせらる演奏に出会いました。まだまだ世の中には知らないものがあるのだなと再認識しました。一見は平凡でも、中身は創意とひらめきにみちています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/04/07

    「絶妙」の一言に尽きます。
    ペルルミュテやブレンデルなどで親しんできた曲が、初めて全貌を私の前に現したようです。どこにも余分がなく、不足もありません。ここにこれがなければにらない所に、おのずからある必然を感じます。柔らかくとたゆとうようで力強く、渋いようで輝かしく、こんな気品があるシューベルトは他に(ケンプを除いては)知りません。出会いにひたすら感謝します。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/04/06

    強すぎないが、明確でゆるぎない光と知性に彩られた、美しい演奏です。シューベルトの歌謡性と音の運動性を両立し、起伏をたどる間に渦の中にまきこまれているのを感じます。特にグレートの後に未完成を持ってくる作曲年代順の曲順によって、未完成の未完成である必然が始めて理解できた気がしました。単体の交響曲としてはこれ以上の演奏はあるかもしれませんが、この配列によってシューベルトの巨大で圧倒的なものへの憧れから、終息への美学への軌跡を感じさせてくれるという意味で最良の演奏と思いました。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/04/06

    ベートーベンのソナタ、ブラームスの弦楽六重奏などで素晴らしい録音を残しているので興味を持って購入してみました。フルトベングラーとのべートーべンは昔から馴染んでいた演奏ですが、懐かしさ以上のものは感じられませんでした。目玉はケンプとのブラームスでした。こんな明朗で深い歌のブラームスは初めてです。全ての瞬間が美しく輝き、愛おしい時が流れます。十数種類はあるだろう私のコレクションの中でも一番のお気に入りになりました。天才少年の成れの果てではなく、真摯に音楽に向かい合ってきた人の強く深い音楽への愛情と、謙虚に歩みをすすめる成熟した大人の真実の声を感じます。ケンペもベストパフォーマンスを繰り広げて伸びやかな音楽に貢献しています。これに出会わせてくれただけで私には十分な収穫でした。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/04/03

    弦楽四重奏は老後の楽しみと思っていましたが、最近はまって聴いています。厳しい時代の心のよりどころにはこれ以上のものはないかもしれません。ジュリアード、ブタペスト、そして好きなバリリとこれだけあれば大丈夫かなと思っていたのですが、グァルネリを聴いてこんな温かで透明なアプローチがあったのかと驚き、メロスの革新性にベートーベンの覇気を再確認し、ズスケの響きにドイツの伝統を感じ、さらに追い討ちがこのアルバムたちで、全てを兼ね備えていると思いました。他のものは全て棚にしまいこみ、ひたすらこの音の流れに身をまかす楽しさに浸っています。初期の音の深さも特筆ものですが、後期の有機体のような構造がなんとも素晴らしく感じます。微妙なタメや表情付けが随所にありますが、それが音楽の流れを起伏のあるものにし、美しいだけでなく全てが必然につながり、確信に充ちているのを感じます。音と響きを両立して、使い分け、完全な世界を作り上げます。残念ながら私にはこれ以上に音楽を表現する言葉をもちませんが、こんな完璧な芸術作品はそう多くないと思います。素朴と洗練、情熱と知性、主張と謙虚、これらが見事にバランスしています。そしてこの価格は凄い。今後のこのグループのいっそうの活躍を心から願います。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/04/03

    今回廉価盤発売されたため購入してみました。溌剌とした音の流れにアバドの美学が早くも感じられ、近年の充実の芽をみるようで楽しめました。ウィーンフィルの音の美しさが生かされながら、そこに活気を注ぎ込む、まだ力感あふれる汗を流しながらのアバドの力強い指揮振りが見えるようです。7番だけでなく、小さいほうの8番も素晴らしい演奏です。私にはクリュイタンスに匹敵する好きな音です。それにしても信じられない安さです。ただ序曲は蛇足と思えました。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2012/04/03

    磨かれた美しい音たちです。各声部で異なる響きを達成し、微妙にリズムも変えて音楽に立体感をもたらしています。けれど私には少し「濃い」感じです。カスタードクリームをたくさんのせたデザートのような感じなのです。特にフォーレのレクイエムでは、死者を悼むというよりは、生の賛歌を聴いているようです。静かにひそやかに音楽に浸るというより、濃密で豊穣な命の燃焼を楽しんでいるようです。一度なじんでしまうと全てが一つのアプローチで演奏されているようで意外に変化に乏しく感じます。若い力が、より陰影を獲得していくことを期待します。4枚目のクリスマスの音楽を集めたものがそうした若い芽の勢いにあっているようで楽しめました。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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