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月詠紀行 さんのレビュー一覧 

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     2016/05/30

    とにかくマルチchによる全集完結を喜びたい。演奏者の人数・パートが多い第9では、このレーベルのマルチch録音が大きな威力を発揮しやすいと思っていた。演奏は、基本的には第8までと同様に素晴らしい。とはいえ、今回のマルチchについては、単純に大成功とは言い難いかもしれない。このレーベルのマルチchでは、このベートーヴェンシリーズだけでなく、聞き手を囲むようにパートを分けて配置する場合が多いのだが、今回は少しやりすぎたかも。ほかのディスクでは、それが音楽性ごと高めるような効果を発揮することもあれば、ときとして演出過剰に陥るケースもあったのだが、本ディスクは微妙なところ。あまりにも細かく分けた結果、音楽的な印象が散漫になったり、そもそも再生側でバランスをうまくとること自体が難しかったり、機器の性能にも左右されやすいように思われる。2ch録音も今回は上出来だけに、必ずしもマルチchの方が素晴らしいとは言い切れないかもしれない。それでも、2chを聴くと、残響を含めてすべての音が前から聞こえるということの不自然さを改めて感じさせられるとともに、今回のマルチchも鮮烈だったと再確認することになったりもするのだけれど。

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     2014/06/20

    伊福部昭生誕100年ということで今年は何枚ものディスクが発売されているが、単なる編集もの・再発ものや、資料的価値しかないものが多いのが実情。その中でこの1枚は、文句なしに充実した内容で傑出している。どれも気合が入ったハイレベルな演奏であり、伊福部特有の重厚なサウンドやリズムの躍動感などが存分に表出されている。加えて、どの組曲も音楽だけで十分に楽しめる構成になっており、その点でも満足度が高い。「国鉄組曲」は、のちのSF特撮映画で登場する動機がたくさん登場しており、特撮系のファンは必聴。とにかく、この調子でVol.2以降も発売されるのが待ち遠しい。なおライブ録音となっているが、会場のノイズは少なく、拍手も入っていない。

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     2014/04/05

    国内盤(SICC-1696/7)を買ったのだが、音質が良くない。といってもリマスタリングによるものではなく、使われたテーブの経年劣化のせいだと考えられる。ぼやけるような部分が多く、サウンド全体のバランスも変な感じになり、音楽を聴くことに集中できない。「ガイーヌ」だけではなく、他の曲も同様である。ゆえにオリジナル・マスターの劣化とは考えにくいので、何とかしてもらいたい。ちなみに、95年に発売された、「ガイーヌ」全曲だけの国内盤中古品を購入してみたのだが、そちらは問題のない音質になっていた。もともとは優秀録音の部類に入ると言ってもよいだけに、今後は音質を向上させた上で、この名演奏を購入しやすくしてほしいものだ。

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     2013/05/06

    録音は、この時期のマーラー演奏の中では極めて良好。演奏の完成度も素晴らしく、マーラー演奏史を考える上でも不可欠のディスクと言えよう。まずオーケストラの技量に感心させられる。テンポが基本的に速めである上、かなり激しく動かされているにもかかわらず、余裕を持って演奏している。十分な練習がおこなわれ、曲に対する理解も深まった結果、自らの演奏に確信を持っているように思われる。ロスバウトの指揮は、スコアの細部まで明晰に表現する一方、ときにはポルタメントを多用するなど、現代的な面と古風な面を併せ持つ。そして、熱い。明晰ではあっても、冷徹ではない。とにかく、この年代にこれほど見事なマーラー演奏が存在していたことに、驚かざるを得ない。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/08/06

    内容は「デンマークの演奏家による20世紀以降の作品集」。各奏者が出した「小品集」を10枚集めた、「寄せ集め」ボックス。作曲家の多くはデンマーク人だが、武満・新実・ヒンデミット・プーランクなどまで含まれていて、作風もバラバラ。ただし、かつて前衛的とされたり極度にシリアスだったりする曲は、ほとんどない。ジャンル不明なものまである。結構ゆったりと、気楽に聴き通せた。演奏のレベルは、どれも非常に高く、その点ではかなり充実したボックスと言える。作曲史的な視点ではなく、何も考えずに演奏を楽しむという姿勢で聴くのがよいかも。10枚中4枚で金菅が主役になっているので、特に金菅を好む人に薦めたいが、加えて木管・オルガン・合唱も好きな人なら、意外な掘り出し物になるかも。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/03/28

    慣れない曲に戸惑っている奏者がいる一方、マーラー演奏における自己のスタイルを既に確立している奏者もいるなど、さまざまなタイプの演奏を聴くことができた。最も鮮烈な印象を受けたのは、ロスバウトと南西ドイツ放送響による第7・第9。細かいところまで実に明晰に、躍動的なリズム感で、軽々と演奏しきっている。彼らにとって、マーラーは古典にすぎなかったようだ。南西ドイツ放送響というと、ずっと現代音楽を得意とすることで知られてきたが、これらの演奏の頃の「現代音楽」は今とは違って、尖鋭的で活気に満ちていた。ここでの演奏も、因習にとらわれずに新しい道を進もうとする気概・情熱に溢れている。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/18

    どのBDプレーヤーを買うか思案中のため、SACDのみについてのレビューになります。曲調を大まかに表すと、「明るく神秘的」といったところでしょうか。ホルストの「惑星」における金星や海王星をもう少し明るくしたような感じ、と言えるかもしれませんし、クラシックとイージーリスニングの中間に位置するタイプの曲とも言えそうです。いつもながら、このレーベルの録音・音質は見事です。さまざまな楽器が登場することもあり、オーディオ・チェック用ディスクとしても広く薦められます。独特な効果を味わえるマルチchが特に素晴らしいのですが、2chでも問題なく楽しめます。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/08

    今回も360°を効果的に使ったマルチch録音により、独特の魅力を持ったディスクになっている。基本的な演奏スタイルは、いわゆるピリオド風と言えるだろうが、ただ疾走するのではなく、旋律をたっぷりと歌わせる傾向もある。SACD2chとCD層でも少し聞いてみたが、やや残響の中に埋もれる感じで、並みの録音になってしまい、演奏の良さはそこそこ感じられるものの、マルチchで聴いたときのような鮮やかな印象は得られない。

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     2009/06/07

    一つ一つは小さな違いであっても、きわめて数が多いため、従来の稿とは全体的に大きく異なっている。演奏の方も、ヴィブラートをかけない奏法をはじめ、因習に囚われない内藤の見事な指揮により、示唆に富んだものとなっている。そうしたことにより、この曲が第4番第1稿に続くものであるとともに、この先に第8番第1稿が待っているという流れを、自然なものとして把握できた。ただし、この版を楽員が十分に消化しきれていない箇所が散見され、その点で完成度が高いとは言えないのが惜しまれる。

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