HMVインタビュー: I Am Robot & Proud

2008年9月18日 (木)

無題ドキュメント
I Am Robot  &  Proud

I Am Robot & Proud インタビュー


「音楽を作っているときは、あまりいろんなことを計画しないようにしてる。「正しく」鳴っているなと思うまで、サウンドや作曲で遊ぶだけなんだ。」


--- まずは自己紹介からお願いしてもよろしいですか?    

I Am Robot & Proud 僕の名前はショウハン・リーム。カナダのトロントに住んでいて、I Am Robot And Proud名義で音楽を作っているよ。

--- 「I Am Robot And Proud」の由来を教えてください    

I Am Robot & Proud その名前を付けたときはまだ高校生で、特に深い意味があったわけじゃないんだ。ただ言葉の響きが気に入っただけでね。でも、おかしなことに、今では僕が作っている音楽のタイプにぴったりなんだよね。テクノロジカルでありつつ、人間的な感情があるっていう。

--- トロント王立音楽院で10年間クラシック・ピアノを学んでいたそうですが、現在のようなエレクトロニックなサウンドを作るようになったキッカケとは?    

I Am Robot & Proud 10代のときに、クラシック・ピアノをやめて、パンク・バンドでベース・ギターを弾き始めたんだ。何年間も育った町のそこら中でプレイしたよ。そのころ、コンピューターにも興味を持って、ソフトで作曲をするっていう実験を始めたんだ。UKのWarpやRephlexといったレーベルのエレクトロニック・バンドや、アメリカの“ポスト・ロック”にも影響を受けていたんだけど、同時に、The BandやJoni Mitchelといったアーティストのようなクラシックなソングライティング・スタイルも大好きだったんだ。

I Am Robot And Proudとしての最初のリリースは、自分で作ったカセット・テープで、たしか20枚ぐらいだったかな。近所の友達のみんなにあげたんだ。ほとんどパンクをやってる連中ばっかりだったけど。そうしたら、そのうち何人かの友達がリミックスをしてくれって言ってきてくれた。そのリミックスの1つが、2001年にUKのCatmobileレーベルの耳にとまって、コンタクトをとってきて、リリースしないかって言ってきたんだ。それが『The Catch』だよ。

--- 毎回、可愛らしいジャケットアートワークが非常に印象的なのですが、これは全て同じ人が手掛けているのでしょうか?    

I Am Robot & Proud 僕がほとんど自分で手がけてるんだ。たまにイラストレーターとコラボレートしたり(2006年のアルバムのペンギンは、フランスに住んでる友達のアーティストに書いてもらったんだ)、なにからなにまで全部自分でやったりもする。音楽ってとてもパーソナルなものだから、僕自身がやるのがいいと思うんだ。僕が決してすごいヴィジュアル・アーティストじゃないとしても、僕の音楽には合っていると思うんだ。最新作『Uphill City』に関しては、全部自分でやったよ。

--- 新作タイトルの『Uphill City』とはあなたの住む町のことでしょうか?    

I Am Robot & Proud そう、それがこのタイトルにした理由の1つだね。前作を出してから、いろいろ旅行もしたし、世界中をツアーして、いろんな町を訪ねたんだけど、みんな違う文化の中で生活しているにも関わらず、共通するところがあるっていうのは面白いよね。英語では、“Uphill”っていう言葉には2つの意味があるんだ。「状況が好転している」っていうポジティヴな意味にもなるし、「Uphill Battle(苦戦)」っていう言葉みたいに、とても難しい、という意味にもなるんだ。町っていうのは人生の中で起こる数々の挑戦を象徴するものだと思うんだ。

--- あなた自身が作品を作るうえで一番こだわりを持っていることとはどんなことでしょうか?    

I Am Robot & Proud 音楽を作っているときは、あまりいろんなことを計画しないようにしてる。「正しく」鳴っているなと思うまで、サウンドや作曲で遊ぶだけなんだ。でも、最高の音楽って、何かを感じさせるものだと思うんだ。エモーションかもしれないし、ダンス・ミュージックみたいにフィジカルなフィーリングかもしれないし、音楽のかけらから心の中に映像を思い浮かべることかもしれない。音楽を作るときは、そういったクオリティを持ったサウンドを産み出せるよう頑張ってるよ。

--- まず一番初めに手にした電子楽器はなんでしょうか?そのときの思い出があれば教えてくれませんか?    

I Am Robot & Proud 最初のツールは普通のデスクトップ・コンピューターだね。安くてシンプルな機材で、ホント色んなことができるんだよ。今ではもうほとんどの人がコンピューターを持ってるからね。ということは、皆が自分の家に小さいレコーディング・スタジオを持っているようなものなんだよ!最初にエレクトロニック・ミュージックを始めたとき(90年代半ば)、Fast Trackerっていう古いDOSのプログラムを使ってた。シェアウェアのね。最近は作曲用にたくさんのプログラムが次々と出てくる。でも僕は古いスタイルのプログラムを長い間使ってるから、新しいのはとてもややこしいんだよね!

--- YAMAHA「TENORI-ON」のモニターアーティストとして参加されていますが、「TENORI-ON」を使ってみての感想を教えていただけますか?    

I Am Robot & Proud 僕は岩井俊男さんの大ファンなんだ。彼はいつも音楽やビジュアルのデザインに関係した面白い仕事をしているよね。Tenori-Onは、サウンドとインターフェイスとヴィジュアル・アートが一体化したツールの素晴らしい例だと思うよ。岩井さんと彼のパートナーである西堀さんと会えて、とてもハッピーだよ。2人とも本当に賢くて面白い人達なんだよ!

--- DE DE MOUSEのアルバムにはリミキサーとして参加されていますよね    

I Am Robot & Proud 僕は他の人のリミックスをやるのがすごく楽しいんだ。僕にとっては、新しいアイディアを聴いて、違ったスタイルの音楽について考える良い機会なんだ。。

--- 今後の予定について教えていただけますでしょうか?    

I Am Robot & Proud 日本ツアーに向けて、新しいバンドとリハーサルに入るんだ。そのツアーのあとは、カナダやUSでいくつかショウをやる予定。他にも、トロントの友達とビデオ・ゲーム用の音楽を作るプロジェクトもやってる。そして、もう次のアルバムを作ることにエキサイトしてるよ!

--- こちらのインタビューをご覧の方へメッセージをお願いします    

I Am Robot & Proud 日本に行くと、いつもすごく良い体験をさせてもらえる。だから、多大なる助力をしてくれている日本の音楽コミュニティの皆にとても感謝しているよ。2006年の日本ツアーは、僕の今までの人生の中で最良の音楽体験の1つだったよ。ホントに皆にはありがとうと言いたいね!10月にはまた日本でツアーをするし、これまでに行ったことのない町にも行けると思う。知らない場所で知らない人達に合うってことはとても興奮するね。僕は日本語を上手く理解したり話したりできないんだけど、でも、なんとか、ゆっくりとだけど、勉強してるんだ…勘弁してね!    

I Am Robot & Proud プロフィール
カナダはトロントで活動する中国人shaw-han liem (ショウハン・リエム)による1 人ユニット。トロント王立音楽院で10 年間クラシック・ピアノを学んだ後、コンピューター・サイエンス科の学位を取得しながら、2000 年よりアイ・アム・ロボット・アンド・プラウド名義で活動を開始する。2001 年に1st アルバム『The Catch』、2003 年に2ndアルバム『Grace Days』を、Catmobile Records よりリリース。2006 年にDarla Records に移籍、3 月に3rd アルバム『Electricity In Your House Wants To Sing』をリリース。その独自の温かみのあるポップなエレクトロニクス・サウンドが世界中から高く評価されている。

>http://www.robotandproud.com/
>I Am Robot & Proud 作品一覧



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