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『たみおのしあわせ』 岩松了監督インタビュー2

Monday, June 23rd 2008

無題ドキュメント 『たみおのしあわせ』 岩松了監督インタビュー
 

『たみおのしあわせ』 岩松了監督インタビュー

7・19(土) しあわせってなんだっけ?シネスイッチ銀座、新宿バルト9ほか、全国順次ロードショー!




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第2回 「誰かを好きになるのは、"視野が狭い"から」


---『たみおのしあわせ』では、結婚が一つのテーマになっていますが、そのもっと根底にあるのは、人間の"視野の狭さ"とありました。監督ご自身、どんな時に、人間の"視野の狭さ"を感じますか?

岩松 例えば、今ここに、3人しかいませんよね。だけど、3人しかいないと思って油断してしゃべると、それを客観的に見てる人がいるって仮定すれば、我々の中に起こる怯えた感じっていうのは、ありますよね。「あ、聞かれてたの?」っていう。

それはやっぱり、常々我々が、"広い視野では暮らせない"っていうことの表れだと思うんですよね。だから、どんな状況にあっても人間は、十分に広く視野を持つことが出来ない。

"家庭"という構造の中で、ケンカしたり、喜び合ったりしますけれども、それも全部、この範囲の話しでしょ?それがもうちょっと外に出れば、違う基準になってしまうし・・・。

例えばね、「宝くじが当たった!」って喜んでる次の時間に、番号が1つ違ってたっていう事実があったとしますよね?だけど、番号が1つ違うって知ってる人がいるとすれば、やっぱりこの喜びは、"視野の狭さ"に他ならないわけでしょ?そんなことはもう、普遍的にあるわけじゃないですか。

それは、恋愛もそうだと思うんですけど、誰かが誰かを好きになるっていうことも、"視野が狭い"からでしょ?もっと視野が広ければ、「そんな女と付き合わない!」っていう、男の場合もしかり、そういう事実になってしまいますよね(笑)。

そういう意味で、完璧な人間はいないから、不完全なものの中に、完全なものを見ると思うんです。だからそこにまず、誤解があり、何年か経つとわかってくるわけですよ、そういうことが。それはその瞬間、視野が狭かったわけですよ。

それで、「わかった」って思った瞬間もまた、"視野が狭い"んですよね・・・っていう風に、完全に人間は、引いて考えることが出来ないっていう定めにある。なので、まさに、この神埼親子が今言ったことをみなさんに教えてくれるという映画なんですよね、この『たみおのしあわせ』は。


第3回へ続く・・・

 

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 岩松了 プロフィール
1952年長崎県生まれ。劇作家、演出家、俳優と、多岐に渡る才能で活躍。

89年『蒲団と達磨』で第33回岸田國士演劇賞、94年『こわれゆく男』、『鳩を飼う姉妹』で、第28回紀伊國屋演劇賞個人賞受賞。98年『テレビ・デイズ』で、第49回読売文学賞、映画『東京日和』(竹中直人監督)では、第21回日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞。

近作に『船上のピクニック』(作)、『シェイクスピア・ソナタ』(作・演出・出演)、『死ぬまでの短い時間』(作・演出)、『恋する妊婦』(作・演出)と立て続けに公演をこなす。

TVでは、人気ドラマ『時効警察』『帰ってきた時効警察』に監督及び出演。映画監督作に、89年『バカヤロー!2 幸せになりたい』、93年『お墓と離婚』がある。

映画出演作に、05年『亀は意外と速く泳ぐ』(三木聡監督)、07年『となり町戦争』(渡辺謙作監督)、『図鑑に載ってない虫』(三木聡監督)、『転々』(三木聡監督)など。

2008年7月5日(土)〜27日(日) 東京下北沢・本多劇場にて、『羊と兵隊』の作・演出・出演が控える。

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