Annekei インタビューA
Tuesday, April 22nd 2008
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Annekei インタビュー
Annekei デンマークの人たちは、ジャズに対してとても理解力があるわ。シーンにも活気がある。たくさんの大きなジャズ・イベントやフェスがあるのと同様、優秀なプレイヤーもいっぱいいるわ。逆に、アメリカの音楽市場が、ジャズを見下していることを実感した時は、正直驚いたわ。むしろ悲しかった。私が最初ここに来た時は、「ジャズ」という言葉は、レコード・レーベルの間では、NGワードだったの。特に、ブロンドのデンマーク人の女の子がやるなんて、って感じで。 だから、私は、バンダナで頭をかくして、アンダーグラウンドや実験的なジャズ・ミュージシャン達に交じって、アポロ・シアターなんかでギグをやり始めたの。いつもは、ありのままの自分でいようと頑張っている。たとえ、そうすることでチャンスを失うようなことになってもね。幸い、最近では、何人かビッグなジャズ・アーティストたちが出てきて、アメリカのコマーシャルな市場でジャズは再び定着しているわ。 ニューヨークのすごいところって、ビジネス的なものとは関係なく、いつもソウルがそこにあるの。ジャズのスピリットが街中に充満しているのよ。人々の心の中にも、街角にも、小さなクラブにも、もちろん偉大なレジェンド達が生まれた歴史のある場所にもね。 --- 2003年、アポロ劇場アマチュア・ナイトの決勝ステージでのパフォーマンスが、デビューの大きなきっかけとなりましたが、その当時のことは、今でもよく覚えていらっしゃいますか?あなたのHPへのアクセスがすごかったらしいですね。 Annekei 確かに、アポロでのショウ・タイムは、私のキャリアにおいて重要な出来事だったわ。ニューヨークでは、完全に新人で、シビアなビジネスの競争世界でやっていけるか正直不安で恐かった。ただ、私がそこいらのブロンドのオンナのコじゃなくて、アフロ・アメリカン・ソウル・レジェンド達と同じステージに立てるソウルフルなシンガーだということを世界に証明したかったの。白人として、実際に述べた内容の曲を歌う勇気が、国中の人の心を動かしたんだってことにすぐ気付いたの。 アポロでのショウの後、ファンの人達からたくさんのメールを頂いたわ。人生で初めて、どうすれば人生を切り開いて、私の歌を通して、勇気や希望を届けることができるかというのをわかるようになった。それ以来、その考え方は、ずっと私にあるわ。くじけそうになったり、投げ出したくなっても、その考え方のおかげでいつも乗り切れることができているの。 --- おそらく全米を含め、多くのレコード会社がデビューのお話を持ってきたかと思いますが、最終的に日本のレーベルとディールを結んだのはなぜだったのでしょうか?ちなみに、それまでは、日本という国の音楽シーンにどのような印象をお持ちでした? Annekei アポロのショウの後、アメリカのレーベルのプロデューサーがアプローチしてきたけれど、結局、契約などはしなかった。なぜ、そうなったかは今でもよく判らないけれど、少なくとも私は、人生において物事は、適切なタイミングと適切な場所が全てと思っているわ。 2006年に初めて日本を訪れた私にとって、全てが新鮮で、とても圧倒されたの。その時、自分の音楽のキャリアがちゃんとしたスタート地点に立ったと感じたの。この日本の国を知ると、本当におとぎ話のような過去2年間だったって(笑)。だから、日本に来れたことに、そして私をフックアップしてくれた全ての人にいつも感謝しているわ。 --- 1stアルバム、2ndアルバム共に、ディメンションがバックを務めた日本録音になり、タイトルや歌詞などにも日本語が使われていますよね。日本の地や文化に、もともと興味がおありだったのでしょうか?アンナケイさんから見て、日本の文化の素晴らしいところとは? Annekei あっさりと日本と恋に落ちたって感じね(笑)。落ち着くしね。日本の全部が大好き。寿司だけじゃなくて(笑)。皆親切だし、歴史や文化、礼儀作法から、人を敬う心、日々への感謝の心、深い思想・・・全てね。一番初めに日本を訪れた後、日本語を勉強し始めたの。まだ、発展途上中だけれどね(笑)。 ディメンションとの仕事では、多大なインスピレーションを受けたわ。それで、最初の2枚のアルバムをサポートしてもらったの。知っていると思うけど、増崎孝司さんは、レコーディングやライヴでのミュージカル・パートナーになってくれて、私の持ち込むマテリアルのコンポーズやアレンジなんかも手掛けてくれたの。あと、全国ツアーのオーガナイズもしてくれたし、さらに、勉強にも付き合ってくれて、日本文化についてもたくさんの事を教えてくれたわ。彼には、本当に感謝している。また、彼と日本や世界をツアーすることができたらっていつも思っているの。 彼は、私の考えや、どんなものにインスパイアを受けるのかをよく知っているわ。「Tsuki」はとてもクリエイティヴだったわ!夜に、箱根の山の頂上まで連れてってくれて、満月の光を見ることができたの。瞬間を切り取ったものが、音楽にとっていかに大事な要素かということを彼は判っているのね。実際、それが、アルバム全体のテーマになったしね。日本を愛することや、そこで出会った美しいものが、作品の中で、間違いなく素晴らしいものとして表れているの。
Annekei ジャックとは、彼がボブ・ジェームス&エンジェルス・オブ・シャンハイでツアーをしていた時に、ニューヨークで初めて会ったの。素晴らしいライヴだったわ!数ヵ月後に、私がゲスト・パフォーマーとして呼ばれていた韓国・ソウルでのディメンションのショウに偶然来ていたの。ショウの後、ジャックはニコニコしながら私のところに来て、ちょっと前に着手し始めた今回のプロジェクトで、正式なシンガーを探しているから、もし興味があったら、ってアプローチしてきてくれたの。私の声やパフォーマンスをとても気に入ってくれたのよ。その後、東京で再会して。六本木のコーヒー・ショップで、さらに詳しいアイデアを話してくれて、何曲か入ったデモをくれたの。私もこのプロジェクトの方向性やその選曲を気に入って、今回のコラボレーションが実現したってわけ。 --- アンナケイさんから見た、ジャック・リーのギタリスト、ミュージシャンとして、または人間的な部分での魅力を教えていただけますか? Annekei 彼のギター・プレイ、そしてアレンジメントで、まず私の心を捉えたのが、繊細で温もりがあって、さらにエナジーに溢れ返っているところね。私はシンプルなオーケストレーションが好きで、やりすぎた感じのオーヴァー・プロデュースなものは好きではないのだけれど、彼が作り出すものは全てが洗練されているの。私のヴォーカリストとしてのクリエイティヴな面や、それまで割りと楽しんでやることだけが多かった私のシリアスなジャズの面をオープンにして引き出してくれたわ。彼とは、好んで聴くソングライターやミュージシャンが共通している部分が多くて、これは私個人の意見だけれど、今回の『Letter』は、そういった部分がうまく結実して、こんなに美しく素晴らしいものになったんだって感じているわ。 --- ボブ・ジェームス、トニーニョ・オルタ、ネイサン・イーストといった大御所も参加されていますが、レコーディングでは、さぞやエキサイティングな経験をしたのではないでしょうか?ボブ・ジェームスや、ネイサン・イーストとは、すでにニューヨークでのお知り合いだったのでしょうか? Annekei そうね。彼らのような素晴らしいミュージシャン達と仕事ができたことは、とても光栄だった。ビッグ・ファンだったしね!ボブは私に数え切れないほどのインスピレーションを与えてくれたわ。そんな時、日本とアメリカを行き来して活動できている自分は、なんてハッピーなんだって思う!初めてで、彼とこんな素晴らしい仕事ができただけで満足よ。 ネイサンとトニーニョには残念ながら直接会ってなくて・・・。現代のテクノロジーに感謝してるわ(笑)。だって、折り紙みたいに地球を半分に折って、世界中から素晴らしいミュージシャンを一堂に集めることができるんだもの(笑)!
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アンナケイ
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デンマークの7人の音楽一家の中で育ったアンナケイは、自ら歌い、曲を書き、プロデュースをするだけでなくピアノ、ギター、ベースをも弾きこなす才女。2003年から、単身ニューヨークに移り住み、数々のライブハウスに出演しながらデモ楽曲を制作。同年アポロ劇場アマチュア・ナイト、ファイナル・ステージでのパフォーマンスが話題に。そのことがきっかけともなり、全米に先駆け、『Annekei』で日本デビューを果たした。デビュー作同様、Dimensionらがバックアップした2ndアルバム『Tsuki』も高い評価を得た。最新作『Letter』では、韓国を代表するギタリスト、Jack Leeとのコラボレーションが実現。他に、Bob James、Nathan East、Toninho Hortaといった豪華な布陣を迎え、彼女らしいアーバン・コンテンポラリー感覚満載のハイレベルなサウンドを届けてくれる。
Annekei&Jack Lee 来日公演決定!
6月12、13日 コットンクラブ
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