Laila Biali インタビューA

2008年4月2日 (水)

無題ドキュメント
Laila Biali interview

Laila Biali インタビュー


私はアレンジを行うのが好きで、どのように私自身を表現するかという部分で重要な要素なの


--- アルバム『From Sea To Sky』についてお聞かせ下さい。母国のアーティスト達の名曲を歌うというコンセプトは、何がきっかけとなって生まれたのでしょうか?

Laila  少女時代には、主にクラシック音楽と、R&Bを聴いていたの。最近は、色々なシンガー・ソングライター、その多くはカナダ人だったりするのだけれど、優れた才能を持つアーティストを目にするわ。今回の録音については、アルバム・プロデューサーのクレア・ローレンスが、CBCレコードでレコーディングをしないかと、まず私に話を持ちかけてくれて、その後、CBCのスタッフと話し合い決めたの。

CBCは、一般のリスナーに馴染みのあるカナダの作品や、アーティストに関係した録音が望ましいってリクエストを出してきて、そこで、あくまでもジャズを背景とした録音に適していると思われる、私の好きなカナディアン・アーティストによる歌、私が影響を受けた歌詞のある曲を捜してみたの。これがきっかけね。

--- 全曲、アレンジも手掛けているのでしょうか?

Laila  ええ、そうよ。これは、とても「楽しい労働」と言えるわね(笑)。私は、アレンジを行うのが好きで、それは、私が何を行うか、どのように私自身を表現するかという部分で、すごく重要な要素なのよ。

--- とても印象的なジャケットですが、そのコンセプトもLailaさんの発案によるものなのでしょうか?

Laila     いいえ、このアートワークのコンセプトは、美しくて才能あるフォトグラファーのEdith Maybinの発案。同じく優秀なフォトグラファーである彼女の夫が撮影現場に来て、防水ズボンを履いてから、私を肩に担いで、凍りつくような冷たいオンタリオ湖に入り、逆さにしたリサイクルの箱の上に置かれた椅子に、私をそーっと座らせたの(笑)!

--- 唯一のオリジナル曲「Radiance」は、ブラッド・メルドーとウェイン・ショーターの公演を見てインスパイアされたそうですね。

Laila     実際、「Radiance」を書いたのは、そのコンサートを観る前だったわ。だけど、その日の晩に観た彼らのコンサートにとても刺激を受けたのは確かね。だから、この歌は、もしそういうことが言えるならばだけど、「前もって刺激を受けて」書かれた曲なのかも知れないわね。歌の中間部にあるワルツは、その翌日に書いたの。


Laila Biali


--- ジェーン・シベリーのカヴァーも素晴らしいですね。彼女の書く柔らかく美しい楽曲は、あなたの声質やピアノのタッチにぴったりですね。

Laila  現在は、イーサと名前を改めているのだけれど、彼女は、驚くほどにディープでソウルフルな女性よ。彼女の音楽は哀感に満ちていて、そして、粋であり、直接ハートに訴えかけるものがあるの。

--- ジョニ・ミッチェルの選曲は色々と迷ったのではないでしょうか?他の候補曲もかなりありましたか?

Laila  ええ、確かに困ったわ(笑)。選曲リストを書き上げるのにかなりの時間を要したの。でも、きりがないので、既にリストアップした10人のカナディアン・アーティスト(それに加えて自身のオリジナル曲とスタンダードを1曲)に絞らざるを得なかったの。本当は、ダニエル・ラノワなんかの曲も収録したいと思ったんだけれどね。

--- そのジョニの曲「Woodstock」や「枯葉」では、ドン・トンプソンがヴィブラフォンで参加していますね。このレコーディングを通して初めてお会いしたのですか?彼の印象はいかがでしたか?

Laila  ドン・トンプソンとは、私が学生だったトロントの音楽学校時代からの知り合いなの。彼は、私が知り合った人々の中で、最も重要な師であり、教授でもあるの。本当に素晴らしい人で、親愛なる友人だとも思っているわ。

--- イタリアのトランペット奏者ギド・バッソが参加しているのには少し驚きました。かなり広いアーティスト人脈をお持ちのようですね。

Laila  ギドも、私にとっては重要な人よ。2003年のナショナル・ジャズ・アワードの場で彼と初めて会ったの。サウンド・チェックの後に、彼は私のところに来て自己紹介しながら私の音楽を褒めてくれて、私と一緒に仕事をしたいと言ってくれたのよ! 当時、私がリーダーとして組んでいた、オリジナル楽曲を演奏するオクテットについても、彼はいろいろとアドバイスをしてくれたわ。それから4年後に、念願かなって、やっとこのアルバムで彼と一緒に働けることになったというわけ。


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ライラ・ビアリ
1980年カナダは、トロント出身のシンガー/ピアニスト。2005年のナショナル・ジャズ・アワードにおいて「Composer of the Year」、「Keyboardist of the Year」の2冠に輝き一躍注目を浴び、既にN.Y.のカーネギー・ホール、ロッテルダムのノース・シー・ジャズ・フェスティヴァル、リマのインターナショナル・ジャズ・フェスティヴァルといった大舞台でのショーケースを成功させてきた。自主制作となった1stライヴ盤を経て、2007年には初のスタジオ録音作『From Sea To Sky』を完成させた。同郷カナダの先輩シンガー・ソングライター達の名曲カヴァーを中心としたこのアルバムは、カナダのジャズ・シーンのみならず、全米でも高い評価を得た。そして、2008年4月、晴れて日本デビューを飾ることとなる。

最新作『From Sea To Sky: 海、そして空へ』詳細はこちら!

Laila Bialiトリオ 来日公演決定!

2008年5月30(金)、31(土)、6月1日(日)
COTTON CLUB/丸の内
19:00 - start / 21:30 - start
* 2ステージ制
6月1日のみ 17:00 - start / 20:00 - start
¥ 4725(税込)

(問)COTTON CLUB コットンクラブ:03-3215-1555



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