HMVインタビュー： DJ ALEX FROM TOKYO

--- 今回『mi mix』の第一弾を担当した経緯を教えてください

DJ ALEX FROM TOKYO（以下、ALEX）　　 去年の夏にリリース元のレーベルと 10 年前に僕の初のミックス CD となった『deep atmosphere』を担当していた mi mix のディレクターから日本初の世界基準の DJ ミックス・シリーズを始めるのに当たって是非 ALEX に第一弾をお願いしたいと言うオファーがありました。

ちょうどその時に NYC の 205 CLUB でやっていたレジデンシーが終わって、 9 ヶ月間続いていた毎週の金曜日のこのレジデント・パーティは今までの自分の DJ キャリアーの中で最も特別な経験となって、それで、このレジデント・パーティに捧げるかのような現場的なパーティ・ミックスだったらとても面白そうだと思って。

タイミング的にも良かったし、 3 年振りのミックス CD だし、 NYC に引っ越してから初のミックス CD だったし、初の現場的な企画でああって、直ぐにオファーを引き受けました！

--- 作品を拝聴して、 MIX の流れ、展開が現場（フロア）仕様のように感じたのですがそこは意識されましたか？

ALEX　　 全くその通りです ! mi mix のコンセプトは“現場”的な DJ ミックスを基準としていて、 NYC の 205 でのレジデンシーや他に世界で実際現場でプレイする感じで今回のミックスを手掛けました。最近の普段の自分のロングセットから影響されてここで 80 分に纏めたパーティ・ミックスに仕上がっています。

--- 現場の DJ プレイと作品としての MIX において何か違いなどあれば教えてください

ALEX　　 今回のミックスは NYC のスタジオで一発取りでライヴで DJ ミックスされた MIX です。実際にクラブでお客さんの前で録音された MIX ではないので、そこが決定的に違います。同じ選曲でもシチュエーションが違うと DJ をしているコンディション、気持ち等が変わって来ますので、 MIX は単純に違ってきますね。

--- NYC の 205 CLUB でのパーティに捧げた作品とのことですが、そのパーティについて詳しく教えていただけますか？

ALEX　　 205 CLUB は NYC の LOWER EAST SIDE に 2006 年の 9 月に新しく改装された 1F と B1F を持つ中型のクラブで、 1F のスペースは ANDY WARHOL の FACTORY っぽい作りと雰囲気で、 LOWER EAST SIDE の若いお洒落な人達が集まって、 B1F は天井が低いキャパシティー 200 人入る真っ暗でまさにアンダグランドな地下ダンスフロアー・スペースでとても NYC らしいクラブです。

1F は今の LOWER EAST SIDE の若者向けな音楽 (ELECTRO ROCK, HIP HOP, R&B, MASH UP, REGGAE 等 ) がかかっていて、 B1F はみんなが踊れる色々なスタイルのダンス・ミュージック (HOUSE, DISCO, TECHNO, ELECTRO 等 ) のダンスフロアです。そして何よりも B1F に設置された世界のサウンド・システム界を代表する GARY STEWART のサウンド・システムがもの凄かったです！ オープンして直ぐにとても話題になって毎週長い行列が出来ていて本当にクレイジーでした！

僕は毎週の金曜日を担当することになったんです。雰囲気を説明すると、怪しい真っ暗な地下フロアーで GARY STEWART がデザインした最強のアナログのサウンド・システムを通じてミュージック・ボックスの中に入ってるように音に囲まれてオープンからラストまで午後 11 時から午前 5 時まで NYC でしか見られない世界一ミックスされた大盛り上がりする約 200 人の怒れたパーティ・ピープルのためにプレイしてました。

このレジデント・パーティは今までの自分の DJ キャリアーの中で最も特別な経験であったことは間違いないです。最高のスペース、最高のパーティ・ピープル、最高のサウンド、最高のエネルギーによって毎週描かれるストーリは DJ にとって夢のようで最高のレジデント・パーティで、本当に特別なパーティでした！