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「アフガン ドキュメント」穴沢健郎&村山達哉インタビュー

Friday, February 8th 2008

無題ドキュメント
アフガン・ドキュメント

「アフガン ドキュメント」
穴沢健郎&村山達哉インタビュー

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「平凡なサラリーマンがアフガニスタンに」(2/2)
(…続き)


--- 村山さんは、手ごたえなどはありましたか?

村山 うーん、そうですね。僕は昔からアフガニスタンは興味があって、多少堅い話をしますと、ソ連が崩壊して、冷戦が終わって、みんな平和が来ると浮かれていた時代があって。でもいざ壁がなくなったら、一つはボスニアヘルスゴビナ、一つはアフガニスタンで大虐殺が起きた。結局、社会主義を押さえつけていた民族主義を一回自由に取っ払っちゃったら何が起きたかってなったら、惨殺だった・・・っていうのがあって。
  それからアフガンもずーっと混乱していて。うちの父親や母親のもうちょっと上の世代には、バーミヤンに観光旅行に行ったりとか、今の天皇陛下もアフガンには行ってるんですね。本当に観光地だったんです、「中東のウィーン」って呼ばれてるくらい。そんな場所が、カブールがめちゃくちゃになっちゃうわけですよね。そうこうしているうちに、空爆があって、で、いきなりセディク・バルマク監督がカンヌで新人賞を獲って、「はあー?!」っていう(笑)。本当に映画監督がいるのかと思いましたね。やっぱりそれが強烈に興味があって・・・。
 NPOクロスアーツのメンバーでもある私の友人、井上さん(井上春生監督)のお父さんがアフガンに接点があったこともあって、すごく簡単にアフガンに行くことが出来たというのもあったんですが、いずれは行こうと思ってました。
 正直、行った印象は彼(穴沢さん)と僕はかなり違ったんですけど、僕が見た印象は、思ったより復興してるし、街にも活気がありましたね。もっとひどいと思ったんですよ、GDPも世界の下から3番目だし・・・。だけど、普通に車が走ってて、スーパーマーケットにも物がいっぱい溢れてましたし。だから本当に、いざ自分の目で見ないと全く伝わらない情報なんだなって思いましたね。日本にいると全く何も伝わってないし、向こうの状況を知ろうとしないところもあるので。
 その中でも一番驚いたのは、カブール大学の芸術学部が4学学部もあったことですね。タリバン時代に、楽器なんてものは全部燃やされてしまったというお話を聞いていたので、バイオリンを弾いてる生徒さんがいて、「ああ?!」っていうくらい(笑)。

--- カブール大学は、日本の大学で言うと?

穴沢 東大ですね。もしかしたら、東大以上かもしれないです、超エリート。一般の人達と顔つきが全然違うんですよ。格好も、Gパンとか履いてたりして、すごくファッショナブルでした。ケイタイなんかも、普通に持ってましたしね(笑)。

村山 この回に行った時はそういう状態で、その1年半後、2回目に渡航してるんですけど、その時は街にも普通に出て行って、マーケットとか映画館にも行ったりしたんですけど、ごく普通に生活があるんですよね。それで、彼らのたのしみって、結婚式なんですよ。

--- えー、結婚式がたのしみ(笑)。

村山 そうなんですよ(笑)。人の結婚式に出て、毎日毎日パーティーにいろいろ動くんですけど、普通に0時くらいまでパーティーが続いちゃって、披露宴なんかも含めると、6時間くらいずっと。そうすると、その後、女の子同士でパーティーの終わった後、夜道を帰ったりするわけです。逆にこれは、犯罪の危険性があるかなって思うくらい、街自体が活気があったんですよ。結婚式はフルバンドが入ってて、PA屋さんもいるんですよ、業者で、式場で契約してる。
 だから本当に、日常の生活とテロが隣り合わせなのは現実で、2回目に行った時は毎日テロがあって、15分遅れてたら自爆テロに遭遇してたり・・・なんて可能性もあったんですけど。そういう実感はちょっと、伝わらないかなあっていうのはありますね。

--- そうなんですね。実際わたしも、イメージでしかわからないので、こういうお話をお聞きすることでこういったエピソードを知ることが出来て、とてもおもしろかったです。
  先ほど、CDが売れない・・・という状況の中で、それでも商業主義を打ち出すマーケットに対して、嫌気が差すとお話されてましたが(笑)、実際にこのプロジェクトで活動されて、やっぱり違うものですか?

村山 うーん、なんと言うか、昔で言うと、これを自費出版できたかというと、やっぱりカメラ、映像は不可能だったと思いますね。音楽は、自分のノウハウと周りのスタッフで可能だったと思うんですけど、それが身近になったっていうのは、奇跡に近いですね。やっぱり、デジタルになったおかげで、カブール大学の生徒と共作ができるわけですよね、これはすごいことだなあと。
 渡航の時は実は、一つ取り残したシーンがあったので行ったんですけど、それがあの、最後に子供が見つかりますよね、あれはやらせじゃなくって(笑)、本当に発見できたんですよ。行ってる時にだめだったら、あのシーンはなくて、どうなったんだろう・・・っていう、気持ち悪い終わり方で(笑)終わってたと思います。
 それは本当にね、「自分たちでこんなことが出来る世の中になったんだなあ」っていうのは、いいところでもありますよね。

「40代の人に何が出来るか?」に続く…

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