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2013年10月29日 (火)

『音楽のある風景』シリーズ、『チルアウト・メロウ・ビーツ』、『ブルー・モノローグ』、『素晴らしきメランコリーの世界』、USENの大人気チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」の10周年記念作品『Haven't We Met?』、『サロン・ジャズ・ヴォーカル』シリーズ、“架空のFM”をテーマにしたシリーズなど常に良質なコンピレイションを発表し続けている橋本徹さん監修の「アプレミディ・レコーズ」より、2009年にリリースされた『音楽のある風景』四季シリーズの特別編として、HMV限定のスペシャル・エディションが登場です。
今回はその発売を記念して、渋谷・公園通りのカフェ・アプレミディにて、選曲をされた橋本徹さんと、アプレミディ・レコーズの制作担当ディレクターの稲葉昌太さんを交えて興味深いお話を聞くことができました。
抽選で10名様に、オリジナル読本“『音楽のある風景』の愛聴者のために”をプレゼント!
HMV店舗、HMV ONLINE/MOBILEで、『音楽のある風景〜Sunlight to Moonlight』をお買い上げのお客様の中から抽選で10名様に、2009年に『音楽のある風景〜冬から春へ〜』の特典として制作した、橋本徹氏監修・編集によるオリジナル読本をプレゼントいたします。書き下ろしエッセイ、対談、架空スペシャル盤『音楽のある風景〜めぐる季節の中で』ディスクガイドを掲載したカラー28ページにおよぶ貴重な内容の一冊です!

・応募期間: 2013年10月30日(水) 〜 12月7日(土)
HMV ONLINE/MOBILEでお買い上げのお客様につきましては、対象商品の出荷時に、メールにて応募フォームのURLをお知らせいたします。そちらからご応募ください。
* 期間外におけるご購入は応募フォーム・メールが配信されません。ご注意ください。
* 当選の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。
山本勇樹(以下、山本):久しぶりの「特別編」ということで、今回はアプレミディ・レコーズの活動を振り返っていただきつつ、そこと紐づいたシーンについてなど、橋本さんにお話いただければと思っていますので、よろしくお願いします。
橋本徹(以下、橋本):アプレミディ・レコーズがスタートして4年半くらいですが、いろんなことがあったし、流れも変わってきているのは感じますね。個人的にいちばんよかったのは、毎日のように好きな音楽に出会っている中で、3か月に1回くらいのペースで、自分のフィルターを通して、選曲作品として残せる環境を作れたということが大きいなと思っていて。それは、稲葉さんを始め皆さんに助けられてそういう環境があるということですけど、音楽好きとして仕事をしてる中で、本当に幸せなことだなと思って。まあ個人的には毎月でもコンピを出したいんですけど(笑)、他のレーベルからのリリースもありますし、全部買ってくれる人もいるので、じっくり味わう時間がないままに次のコンピがリリースされてしまうよりは3か月に1枚くらいのペースがいいのかなと。
山本:僕が最初に橋本さんにお話をうかがったときに、インターネットの環境が整った状況ではコンピCDを作る方法が従来とはかなり変わって、マイナーなアーティストに直接連絡をして収録の許諾を取るような、今までになかったアプローチができるようになったことを踏まえていると言われていましたね。
橋本:まさにそうですね。パッケージとして後世に残せる価値のあるものを作るというのは前提としてありながらも、選曲内容に関して、90年代から00年代あたまにかけて数々のコンピレイションをやらせていただく中で、メジャーのレコード会社が権利を保有しているような過去の音源については、まあほぼやらせてもらったかなというのが、当時はあって。なので、せっかくインターネットという便利なツールがある時代なら、これからは原盤がマイナー・レーベルのものとか、個人が保有しているような音源にアプローチして選曲してかたちにするっていうのがアプレミディ・レコーズのスタート時の考え方のひとつでしたね。それは実現できているかなと。
制作担当ディレクター 稲葉昌太(以下、稲葉):インターネット環境の整備と進歩が、特にインディーズ音源の使用についてアプルーヴァルをとることを飛躍的に簡単にしたのは本当に大きいと思います。アプレミディ・レコーズからリイシューしたハワイの『Lui』なども、サバービアのディスクガイドでずっと「幻の名盤」だったものが、ネットを通じてルイの息子さんが見つかって、トントン拍子にリイシューが実現したという(笑)。そういうエピソードからも、ネットはレーベルの活動を新たなステージへと導いてくれたのだと感じます。
橋本:だからカルロス・アギーレやシモン・ダルメ、そしてデコーダーズもそうなんだけど、直接アーティストと交流を持っていく中で、日本の音楽ファンに伝えることができるようになったというのは、すごく意義深いことだと思いますね。
山本:アプレミディ・レコーズの活動は、ネットを使って音楽を探すマニアだけじゃなくて、普段そういうことをやらない人たちにとっても大きかったと思います。
橋本:情報が多いからこそ探せないという人もたくさんいると思うので、そこに対して僕なりに提案できたらっていう気持ちは強いかな。
稲葉:今はネットで音楽をひたすら探している人と、そうじゃない人が二極化していると感じます。
橋本:そこまで時間やエネルギーを日常生活で割ける人も限られていると思うしね。
稲葉:昔に比べて音楽に使う時間は減ってきていると思いますし、やはりこちらから、自分たちの美意識の中からいい音楽を提案する作業は重要になっていると思うんですよね。
山本:そういった意味では、やはり『音楽のある風景』の四季をテーマにしたシリーズは、パッケージやブックレットも含め、アプレミディ・レコーズを知るっていう意味ではとても重要な作品ですよね。
橋本:そう言えますね。僕たちのリリースについての考え方、どういう風に音楽を届けていきたいのかっていう気持ちがすごくスマートにかたちになったのが『音楽のある風景』のシリーズかなと思ってます。
稲葉:ディレクターとしても、あの(春夏秋冬)4作の成功によってアプレミディ・レコーズの活動が軌道に乗ったというのは大きいですね。
山本:音楽シーンが成熟したのを通り越して、この先どうなるんだろう、という状況の中で、あの高揚感というのはとても幸せなことだなと思いましたね。
橋本:なにかいい風が吹いてきたようなね。
山本:これまでの数あるアプレミディ・レコーズのリリースの中でも、橋本さんが思い入れがあるのはどの作品ですか?
橋本:やっぱりね、アプレミディ・レコーズというレーベルとしての活動という意味でもそうだし、僕個人が好きな音楽の提案者としてもいつも大切だなと思っているのは、ポップな輝きとスピリチュアルな信頼の両立ということなんですよね。ポップな輝きがある『音楽のある風景』や『サロン・ジャズ』のシリーズであったり『FM』ものだったりがどうしても売れるわけですが(笑)、個人的にはその逆の、スピリチュアルな信頼を求めて作っている作品の方に思い入れがあったり、よく聴き返したりします。そういうものはあまり売れないんだけど(笑)。3つ挙げるとしたら、『ブルー・モノローグ』、『チルアウト・メロウ・ビーツ』、『素晴らしきメランコリーの世界〜ピアノ&クラシカル・アンビエンス』かな。ただ作品は世に問うた時点で送り手を離れるものなので、あくまでいちリスナーとしてはそうだよっていうだけで、優劣を決めているわけじゃありません。むしろ僕も『音楽のある風景』や『FM』シリーズを屈託なく楽しめるような精神状態に早くならなければいけないんだけども(笑)。
稲葉:僕の知り合いですと、音楽好きを自称する人ほど、アプレミディ・レコーズのコンピでは『ブルー・モノローグ』を始め橋本さんが今挙げられた作品が好きです、という傾向があります。
橋本:まあセールスだけじゃないからね。あと、嬉しいことに『チルアウト・メロウ・ビーツ』が評判がいいのはすごく感じますけどね。
山本:共通していえるのは、どれもジャンルを定義していないような、橋本さんの内面が割と出ている、普段のリスニング・スタイルが内容に反映されているコンピ、ということではないかと思いますが。
橋本:そうですね。聴き手としての自分と送り手としての自分がリンクしているというか、いちばん近い状態にあるのはこの3枚かもしれないね。加えて『美しき音楽のある風景〜素晴らしきメランコリーのアルゼンチン』も、自分がそういう音楽に入れ込んでいるときにかたちにさせてもらったっていうのは、すごく幸せなタイミングだったなと。ルス・デ・アグアやカルロス・アギーレと出会った、その出会いの熱みたいなものをそのままかたちにできたものとして。
稲葉:アプレミディ・レコーズが始まってからの4年半にあったことを振り返ると、HMV渋谷店の閉店もありましたね。
橋本:閉店間際のHMV渋谷店の3Fでやっていた「素晴らしきメランコリーの世界」のコーナーとか、もちろん自分はCDの小売りをやっているわけではないんだけど、そのスピリットを選曲というかたちで引き継げたなっていう感覚はあるかな。特に『音楽のある風景〜冬から春へ〜』でメンタル・レメディーで始まりアンドレス・ベエウサエルトで終わるという選曲をしたときに、発売当時のHMVウェブサイトでの対談の結びで、来年はメランコリーな世界だったりアルゼンチンが凄いことになりそうですね、と稲葉さんが言って、本当にそのとおりになったのを覚えてますよ(笑)。
稲葉:本当にこの4年半、日本という国も、アプレミディ・レコーズに関わる我々全員にとってもいろんなことがあって、いいこと悪いことあった中で安定してリリースを継続できたこと、さらに今回の特別編につながったことは励みになりますし、継続できるものの強さを改めて感じます。
山本:僕は特別編が実現できて本当に嬉しいなあと思ってます。
本作の制作にいたった過程
山本:僕はずっとHMV渋谷店で働いてまして、その後配属が本部に変わって最初の仕事がアプレミディ・レコーズの第1弾リリース『音楽のある風景〜春から夏へ〜』だったんですよ。
橋本:それはアプレミディ・レコーズにとってもすごく幸運なことだったよね。
稲葉:あのときの大プッシュがなければ、レーベルのスタート・ラインから違っていましたからね。
橋本:それまではお互いに存在は知っていても、そんなにしょっちゅう話したりする関係じゃなかったから、『春から夏へ』の対談はまだ固かったよね(笑)。それから吉本宏くんとか河野洋志さんとか加わってきて(笑)。そして『夏から秋へ』『秋から冬へ』『冬から春へ』と続いて、最後にそれをまとめた冊子を作れたことも大きかったね。
山本:あれは内容も濃くて、架空のコンピ選曲や書き下ろしエッセイも収録されてますし、今やファン垂涎の一冊ですよ。
橋本:『秋から冬へ』のときに作った特典CD 『公園通りの秋』もそうですが、コンピの世界観を補強できるようなものを、かたちとして残せたのも大きいよね。
山本:最初に稲葉さんから『春から夏へ』のプレゼンをうけて、アプレミディと名のついたレーベルが始まると知って非常にワクワクしたのを覚えているんですよ。コンピのトラックリストを見たら知らない曲もたくさん載っていて。
橋本:まあ特に『春から夏へ』は、あれこそベスト・オブ・ベストじゃないかくらいキラー・チューンで固めすぎてたくらいだからね(笑)。
山本:あのときの気持ちを忘れたくないというか、あの、いちリスナーとしてワクワクした気持ちって、自分の今の仕事でも忘れちゃ駄目だなっていうのがずっとあって。
橋本:1年に1枚くらいは、ああいう感じのパッと華やぐような、ときめくような、幸せを運んでくれるコンピを作りたいなと思っていて。そういう意味では「usen for Cafe Apres-midi」10周年記念コンピ『Haven't We Met?』も大きかったかな。実際そういうものを作ろうと思うと、自分自身のプライヴェイトなリスニング・ライフというよりは、「usen for Cafe Apres-midi」で作っていってる空間に合わせていくような選曲の方が華やぐし、皆がハッピーになれる感じがあるので。そういうものが節目のポイントであるのはすごくいいんじゃないかなと思っているね。
稲葉:僕自身も、橋本さんに声をかけていただいてアプレミディ・レコーズを始めさせてもらって、そこから吉本宏さん、山本さんにつながって、さらにカルロス・アギーレとの仕事につながったわけで、この数年間の僕の仕事の全てはあそこから始まっているんです。なのでアプレミディ・レコーズはディレクターとしての僕にとっての転機だったと心から思いますね。ちょうどそのときに結婚したり子どもが産まれたり(笑)。CDマーケットが縮小していく中で、仕事も人生もポジティヴな変化があった4年間でした。
橋本:『春から夏へ』の1曲目、ジャジナリア・カルテットの「Pippo Non Lo Sa」を稲葉さんが自分の結婚式の入場曲につかったというエピソードはよかったよね(笑)。
山本:マーケットが縮小していく中で、先ほどの『Haven't We Met?』にしろカルロス・アギーレ・グルーポのファーストにしろ、それに対抗するように「ハンドメイド感」を大切にするようになりましたね。
橋本:リスナーとの絆というか、つながりというものに対しては、とても意識的になったんじゃないかな。顔が見える相手に伝えていこうとしているっていうか。CDができました、ポーンと音楽雑誌に広告を出して、さあ買ってください、っていうプロモーションじゃないっていうね。
稲葉:どんな人が買っているのかとてもわかりづらくなったこの数年間で、まずは作り手としての顔を見せていかなければいけないのではという思いが強くなりましたね。それがハンドメイドだったり、CDに思いを込めたりといったことになるわけですが。
橋本:こちらから伝える努力が必要になってるってことだよね。僕はどうしても、20年来の癖というか、コンピを作ったり編集の仕事でも、カフェ・アプレミディのような店舗でもそうなんだけど、普通の人にも届けたいという気持ちがどうしてもあって、伝わりやすいというか、ポップ性みたいなものを無意識に信じちゃっている部分があるんだけど、もしかしたらそういうのは必要じゃない時代になっているんじゃないかと最近よく思っていて。それは越境していくことを諦めるという意味じゃないんだけど、たとえ地味な内容でも、伝えたいことを誠実にかたちにしようという姿に反応してCDを買う人が増えているという印象かな。山本さんとか中村(智昭)くんのコンピなんか聴いてても、こんな地味な曲ばかりでコンピを作っているんだと(笑)感心しちゃうんだけど、でも、伝わる人には伝わってる。僕のコンピは今回もそうだけど、4番とは言わないけど3番バッターがずらっと並んでいるわけで、まだ僕はかなわぬ夢を追っているのかと感じてしまって。だから今後は1枚1枚のコンピのコンセプトは八方美人ではなくて、よりはっきりさせていきたいなと。それは年下のコンパイラーに見習うところなんだけど(笑)。
山本:いえいえ、恐縮です(笑)。でも『ブルー・モノローグ』や『チルアウト・メロウ・ビーツ』もあり、かたや「サロン・ジャズ」シリーズがあったりと、それぞれコンセプトもはっきりしていると思いますよ。
橋本:うん、連続体としてはその感じっていうのは大切にしてるつもりでいるんだけど、『音楽のある風景』とか『FM』シリーズで、ここはちょっと売れたらいいなと思うと、ついポップな曲が入ってくる感じになるなと思って。今回もそのせいか、メロウ・グルーヴとかアコースティック・グルーヴとか、ブリージンで幸福感に包まれる曲がメインになりましたね。
山本:でもリスナー目線では橋本さんのフリー・ソウルは大きいですし、ああいうコンピを作っていただくとやっぱり嬉しいですよ。じゃあ、あれが他の誰にできるかっていうとできないわけで。
橋本:まあ、最近はあまり病んでいないなって皆に伝わればいいなと(笑)。でも、震災以降の落ち込んだ中で、『ブルー・モノローグ』を作らせてもらったのが本当に大きくて。そこからは割とフラットにやれてるかなって気はしているんだけどね。
稲葉:今回の特別編の制作に至った経緯として、山本さんにとって、アプレミディ・レコーズのリリースの中でも『音楽のある風景』四季編っていうのが重要だったということがありますよね。
山本:そうですね。最後の『冬から春へ』が出てから3年以上経ったわけですが、僕も含めてあのシリーズを繰り返し聴いているというリスナーは多かったですし、そろそろ登場してもいいタイミングじゃないかなと思い、今回提案させていただいたんです。
橋本:その提案をしてもらったときはすごく嬉しかったですね。特に、このシリーズを心から好きな人から提案していただいたってことがね。まあ続編なんてこちらから提案するようなものじゃないから、やはりリクエストに応えてというか、アンコール企画っぽくやらないと意味がないしね。
山本:で、まあ少しわがままを言わせていただいて、HMV特別版でお願いできないかと。
橋本:そうですね。『音楽のある風景』を最初の段階から支えてくれたという関係性もあったので、特別版でやるというのも僕と稲葉さんの間では自然なことでしたよね。
稲葉:それはもちろんですよ。山本さんからこの提案をいただくこと自体、自然な流れのように思います。
橋本:あと、僕なんかは普段インターネット環境にいないのに思うんですが、リリースするたびにHMVのウェブサイトで対談や全曲解説をさせてもらっているじゃないですか。あの蓄積は大きいと思うんですよね。それがアーカイヴでありデータベースにもなっていくことに感謝したいし、手元に資料がないときにあの対談記事を遡ればすぐわかるしね(笑)。この曲もうコンピで使ってたかな、とか(笑)。
稲葉:今やHMVのサイトがサバービアのデータベースのようですからね(笑)。あれだけの内容の記事が蓄積されているっていうのは貴重ですよ。
橋本:そうだね。音楽好きにとっては読みものとしても面白いように、好奇心が広がるように書いているつもりだし。ただのCDの宣伝というだけでなくてね。
山本:対談にしろ全曲解説にしろ、記事をアップすると必ずニュースのランキングでも上位に入りますからね。
橋本:それは嬉しいなあ。『音楽のある風景』の対談記事は、2009年のジャズ部門で年間1位をとったこともあったよね。
山本:そうですね。楽しみにしている人も多いですし、初期の記事を今読み返すと、当時のシーンやその年の状況を思い出したり。
橋本:最初の4つは冊子にさせてもらったけど、それ以降の記事も、また機会があれば印刷物になったらいいなと思いますね。あれを今から書き下ろそうと思ったら大変なくらい濃い内容だったと思うんで。3か月に1回やっているからこそ、あそこまでの内容になっているわけで。
稲葉:コンピに収録されたアーティストの中には本当にマイナーなアーティストがいるので、ウェブで検索してもその人に関するテキストがHMVの対談や全曲解説の記事だけだったり。
橋本:例えばカルロス・アギーレが代表的なんだけど、『素晴らしきメランコリーの世界』のときだったら、ランブル・フィッシュが入ったりアンドレ・メマーリやウリセス・コンティが入ったりしていて、それは3年以上経った今でも、こういう音楽が好きなリスナーにとってはエポックなわけじゃない。そうやって幾つも種を蒔いている感じっていうのは、HMVの記事を振り返るとわかるかもしれないね。僕もアーティストをプッシュしていく作業を、もっと的をしぼって継続的にやればいいのかな(笑)とも思うけど。
稲葉:単体アーティストのアルバムをリリースしていくのはアプレミディ・レコーズとしては当初から考えてはいましたが、自信をもって推薦できるものを選びたいという思いが強いので、ついつい基準が厳しくなりますよね。
橋本:でもさっき言ったランブル・フィッシュなんかもその価値があると思うし、今回のコンピに収録させてもらったけど、フランソワ・モランなんて稲葉さんがリリースすべき作品だなと思うじゃないですか。クオリティー的にも充分だし、人脈的にもね、セルジオ・サントスがいてアンドレ・メマーリがいて、タチアナ・パーハがいて。
山本:でもルイ、カルロス・アギーレ、シモン・ダルメ、そして最新のデコーダーズまで、アプレミディ・レコーズからリリースされた単体アーティストのラインナップを見ると、橋本さんの好みが見えてくるというか、綺麗にバランスが取れていますよね。
橋本:まあアプレミディ・レコーズでやるとしたらこれくらい基準値を高くしたいけど、それほどは行かなくてもいろんな人に伝えたいものはあるので、そういうものは稲葉さんにかたちにしてもらえればと思って、会うたびにそういう話はしますね。エリオット・レイニーしかり、サスキア・ブルーインしかり。逆にデコーダーズみたいにネット配信だけで発表していた音源をCD化するという、稲葉さんを通してイタイ・シャピラから提案されたパターンもあったり。アメリカはCDが厳しいという状況もあるからね。
山本:本当にそうですよね。アプレミディ・レコーズからリリースされたデコーダーズのCDにはものすごく詳細なライナーノーツが付いていたり。あれこそパッケージとして橋本さんがめざしている姿なのかなと。
橋本:いろんなことも意味があってやっているということが伝わると嬉しいですね。例えばコンピレイションでは雰囲気を大切にしたエッセイをつけているけど、アーティストのアンソロジーを組むときには資料的な充実をはかるとか。そういうのって全てが案配で、そのCDにとって何が相応しいかたちかを考えるという。
山本:僕はやっぱりシモン・ダルメが好きで。この前も来日しましたが、あの『Songs Remain』は知る人ぞ知る名作ですし、橋本さんのところからリリースされて本当に意味があったなと。輸入盤だけですとほんのひと握りのマニアしか彼の作品にたどり着けないですからね。
橋本:シモン・ダルメのあのアルバムは僕もすごく好きで。そういう、自分で感銘をうけた作品は稲葉さんに伝えるようにしてますね。スコット・マシューズを始め、いろいろありましたけど、まあ全部ニック・ドレイク・チルドレンみたいなアーティストばかりで(笑)。ニックド・ドレイク(ガレス・ディクソン)もアプレミディ・レコーズで出したかったな(笑)。話が逸れちゃいましたが、今回『音楽のある風景〜Sunlight to Moonlight』という作品になったのは、当初「めぐる季節の中で」というような、四季をめぐるというアイディアもあったんだけど、アプルーヴァルがOKになった曲を並べてみたときに、うまく昼から夜へのグラデイションで選曲が組めるなっていう手応えがあったんで、「Sunlight to Moonlight」というコンセプトにしたんですよ。
山本:ジャケットも過去の4作品を彷彿させるような感じでいいですね。
稲葉:そうですね。過去はその季節の代表的な星座をメインにした星図をあしらって、そこに四季ごとの日本の伝統色を配してきたのですが、今回は総集編的な意味を込めて、星図の全体像をあしらい、そこにシルヴァーを配することでスペシャル感を出せればなと。
橋本:すごくアプレミディらしい感じだなって思っていて。カフェ・アプレミディ・コンピもフランスの伝統色と老人の顔っていうデザインだったんだけど、このシリーズは日本の伝統色と星図っていう。
山本:今までの4枚の横に並べて置くと、とても綺麗ですよね。全て揃えたくなるような。
収録曲について
01. Lo Que Mas Me Gusta / Francesca Ancarola
稲葉:イントロのギターのフレーズから幕開け感がありますよね。『音楽ある風景』シリーズは毎回オープニングが楽しみだから、フランチェスカ・アンカローラはそれにぴったりでしたね。橋本:そうそう幕開け感、すごいあるよね。スタート・ボタンを押した瞬間に何かが始まる感じがします。それにカルロス・アギーレ主宰のシャグラダ・メドラの作品から始められたのも、このシリーズに相応しいんじゃないかな。
山本:これは彼女の新作からですよね。サウンドもほどよく洗練されているから、ワールド・ミュージックのリスナーだけではなくて、ジャズ・ヴォーカルや、ジョイスやジョニ・ミッチェルなんかが好きなリスナーも自然に入ってこれますね。
橋本:フレンドリーな曲だよね。『素晴らしきメランコリーのアルゼンチン』の選曲でも意識したことなんだけど、アルゼンチン音楽には高度なミュージシャンシップを感じさせるものやエクスペリメンタルなものなど、いろんな魅力があるんだけど、僕がその中から切りとるときには、“歌心”やオーガニックな“アコースティック感”を大切にして選びたいんですよね。だから今回もこの曲を収録できたことで、そういう思いがうまく伝わるんじゃないかな。
02. Long Days, Short Nights / Kwesi K
橋本:クウェシ・カンカムはまだダウンロードでしか販売していないアーティストで、今回こうしてアルバム・デビュー前のアーティストを収録できたのは価値があると思います。「Long Days, Short Nights」っていうタイトルもこのコンピにぴったりの名曲。稲葉:本当に全然情報がないんですよね。もちろん世界初CD化。彼はアメリカ出身のSSWで、まだbandcampで2枚のEPを出しているだけみたいですね。今回は2012年のEP『Ran Away From Me』に収録されたグルーヴィーな曲です。
山本:マイケル・キワヌーカとか少し洗練されたフォーキーな黒人シンガー・ソングライターが好きな人なら絶対はまりそうですね。ジョナサン・ジェレマイアとか好きな人にも薦めたいです。
橋本:テリー・キャリア―とかラビ・シフレとかに夢中になったリスナーに、「新しいアーティストで誰かいい人いない?」って聞かれたときに薦めたくなるよね。
稲葉:確かにその周辺が好きな人たちが、はじめてこれを聴いてざわつく予感がしますね。
03. I'd Rather Be Flying / Jerome Olds
橋本:冒頭4曲くらいの流れはアコースティック・グル―ヴみたいな部分を意識した並びになっていて、ジェローム・オールズもせっかくリイシューされたから、多くの人に知られるといいな、と思って選んでみました。彼はダニー・ハサウェイとか引き合いに出されたりするけど、この曲は特に疾走感があって、コンピの前半でぐっとスピードをあげてくれる役割かな。山本:フリー・ソウルの大人気曲、ジョン・ヴァンレンティの「Why Don’t We Fall In Love」に通じる跳ねるグルーヴが印象的なブルー・アイド・ソウルですね。
稲葉:オリジナル・プレスはたった100枚の自主制作盤で、AORマニアが血眼で探していたという話もありますね。
橋本:ファビュラス・ラインストーンズのハーヴェイ・ブルックスがプロダクションに名を連ねているのもポイントですね。
04. Start Up A Family / Josh Rouse
橋本:ジョシュ・ラウズもアコースティック・ギターが気持ちよく刻んでいて、よく僕らがフリー・ソウル界隈で言っていたセヴリン・ブラウンの「Stay」やダニー・クーチの「For Sentimental Reasons」のような“白人ゆったり系グル―ヴ”ど真ん中な曲だよね。山本:ベン・シドランの「Chances Are」とかも彷彿させますね。あとネコアコぽい瑞々しさもありますよね。ジョシュ・ラウズはナッシュヴィルで活動をしているそうですが、ヨーロッパでも人気が高いそうですよ。
稲葉:ほのかにジャズやソウルのエッセンスを取り入れていますよね。それに一時期はヴァレンシアで音楽活動もしていたそうだから、彼のメロディーはなんだか地中海の爽やかな風を感じますよ。
橋本:白人がソウル・ミュージックに憧れる清々しい部分がよく出ている曲だよね。他にも僕の好きな「Quiet Town」とかもそうなんだけど、彼の音楽にはキングス・オブ・コンヴィニエンスにも通じるような繊細な感覚があって、聴いていると自然と光景が浮かんでくるよ。ここまでがコンピの導入部かな、午後3時ぐらいまでの感じ(笑)。
05. Make Someone Happy / Angela Galuppo
橋本:アンジェラ・ガルッポもまさに午後のゆったりした時間に聴きたくなるんだよね。いわゆるサロン・ジャズ・ヴォーカルの部類に入る存在感なんだけど、この曲はロック・ステディー的なレイドバックした雰囲気もあるし、スタックス・サウンドのブッカー・T.&ザ・MG'sの「Time Is Tight」の影響を受けているはずで、そういうサロン・ジャズがもつカヴァー曲の選択とかアレンジの気持ちよさが典型的に出た良い例だと思います。山本:『Urban-Resort FM 78.4』に入っていたヘイリー・ローレンのボブ・マーリーのカヴァー「Waiting In Vain」のようなラヴァーズ・ロック的な心地よさもありますね。
橋本:女の子が絶対好きな感じだよね。ドライヴに行ったりしたときに、女性たちが笑顔になれる曲を、という気持ちをこめた選曲かな。
稲葉:アンジェラ・ガルッポもヘイリー・ローレンもカナダ出身だし、あとダイアナ・パントンとかエミリー・クレア・バーロウとか、本当にカナダはサロン・ジャズ系の良質なヴォーカリストが多いですよね。
06. La Que Me Gusta / Los Amigos Invisibles
橋本:それで次はモータウン・ビートをもってきて、ホーランド=ドジャー=ホーランドやファンク・ブラザーズのスパニッシュ版。つまりここはスタックスからモータウンへの流れをイメージしてます。ここら辺の高揚感や躍動感はコンピの起承転結の“承”の部分で、たたみかける選曲だよね。でもアンジェラ・ガルッポからロス・アミーゴス・インヴィジブルなんて、名前だけ見ると、かなり勇み足なセレクト(笑)。山本:いえいえ最高ですよ。でもこれは絶対に盛り上がる曲ですよね。エドガー・ウィンターの「Alta Mira」とかハッピー・ロックにも通じるような。
橋本:そうそう、ビル・ワイマンの「If You Wanna Be Happy」とかね。
稲葉:アーティストの名前だけ見ると正直意外ですよね。マヌチャオ周辺のラテン・ミクスチャー・サウンドを追っかけている人たちに人気があるグループですからね。だからはじめ選曲リストを見たときは「ええっ!」て驚きましたよ。でも聴いてみると彼らにこんなキュートな曲があったんだって。
07. Early Autumn / Clare Foster
稲葉:「Eary Autumn」は『音楽のある風景〜夏から秋へ』でもパトリシア・バーバーのヴァージョンが収録されていますし、もはやシリーズでも欠かせない曲ですね。橋本:当初このコンピは「めぐる季節の中で」というコンセプトもあったので、この曲を入れる予定だったんだけど、上手いタイミングで今回の曲順に映える感じで使えて良かったです。
山本:イギリスのヴォーカリストですよね、そのせいかどこか品格も漂っていますよね。ジェイソン・リベロのピアノ・タッチも知性的ですし、サロン・ジャズ・ファンは絶対気に入るはず。
橋本:これは彼女が2009年に発表したアルバムに収録されているけど、知る人ぞ知るヴァージョンじゃないかな。とにかく「Eary Autumn」はアルバムに入っていれば絶対にチェックするくらい好きな曲なんだよね。澤野工房から出たマリエル・コーマン&ヨス・ヴァン・ビースト・トリオのヴァージョンあたりをきっかけに、「usen for Cafe Apres-midi」では大定番になっています。
08. Corrida De Jangada / Jennifer Scott & Brasileira
山本:カヴァーといえば、この曲も極めつけですよね。橋本:フロア・キラーであり、サバービアを追いかけてくれている人ならおなじみの曲で、すごい吸引力があるヴァージョンだから、いつか入れたいなと思っていたんだけど、今回収録できたのは良かったかなと。これもイントロの瞬間から誰もが歓喜の声をあげそうだよね。僕も聴いた瞬間に「来たっ!」て鷲掴みされたよ。
稲葉:彼らについてはあまり情報がないんですけど、カナダのレーベルから発売されていますね。ジェニファー・スコットもブラジル人ではないはずで、このアレンジを聴く限り、やっぱりエリス・レジーナの『In London』のヴァージョンをすごい意識していることがわかりますよね。
橋本:最近だとアンドレス・ベエウサエルトとタチアナ・パーハのカヴァーも透明感があって良かったよね。
09. Flor De Lis / Melanie Dahan
山本:ブラジルの名曲カヴァーが続きますね。オリジナルはジャヴァンで、メラニー・ダハンはフランス人のヴォーカリストですね。橋本:この曲もさっきの「Eary Autumn」と同じでカヴァー曲を見つけると必ずチェックしてしまうね。それにこれは、ブラジル音楽を好きなフランス人のセンスがよく出ているヴァージョンと言えるかな。ジョヴァンニ・ミラバッシのピアノもエレガントでいいね。
稲葉:この曲のカヴァーは『音楽のある風景〜冬から春へ』でグレッチェン・パーラト、『Twilight FM 79.4』でエレン・Dが収録されていますから、アプレミディ・レコーズの定番曲です。
橋本:実は後に出てくるエヂ・モッタも最初は「Samurai」が候補になってたぐらいで、ああいうスティーヴィー・ワンダーの影響下にあるブラジリアンとAORの中間をいくようなジャヴァンぽい感じは、皆が求めているアーバン・リゾート〜シティー感というか、すごい今の気分だなって思うんだよね。ここ数年はグレッチェンは別格としても、サロン・ジャズ系の女性ヴォーカリストたちがよくこの曲を取り上げるのが目立っています。
10. Naissance / Francois Morin
稲葉:フランソワ・モランはフランス人でリオ在住のアーティストですね。橋本:ミナス・ミュージックのもつたおやかさも感じる曲だよね。アルバム自体もセルジオ・サントス、アンドレ・メマーリ、タチアナ・パーハが参加しているし、最近のブラジル音楽の中では出色の出来だから、単体で日本盤化する価値もあると思います。“Naissance=誕生”という意味のタイトルからしていいですね。
稲葉:去年、僕のRip Curl Recordingsから出た、アンドレ・メマーリ、シコ・ピニェイロ、セルジオ・サントスの『Triz』もすごい話題になったし、bar buenos airesに共感しているリスナーを始め、いろんな人たちが注目している人脈が集まっていますよね。
山本:個人的にはフランソワ・モランは僕たちが好きなパット・メセニーのナチュラル・サイド、という印象なんですよね。
橋本:まさにそうだね。それはきっとアレンジが行きすぎていないからなんだよね。メセニーにしてもトニーニョ・オルタにしても、結局好きなのはそういう“歌心”的な部分だからね。
11. Ondas Sonoras / Ed Motta
橋本:ちょうど昨晩(10/17)ブルーノート東京で彼のステージを観てきたんだよね。そうしたらこの曲を山下達郎の「Windy Lady」のカヴァーからつなげてやっていたよ。デヴィット・T・ウォーカーがギターを弾いているんだけど、今回の新作『AOR』の中ではいちばん好きな曲だな。日本盤だと英語詩だけど、『音楽のある風景』ではポルトガル語がいい思って、このヴァージョンを選んだんだ。山本:70年代後半くらいのソフト&メロウなサウンドをめざした作品ってたくさんありますけど、エヂ・モッタはレコード・コレクターという顔も持っているから、こういうヴィンテージなサウンドをよく研究していますよね。
橋本:そうだね。やっぱりレコード好きがつくる音楽だなって、ステージを観てもそう思ったよ。ある種、箱庭的な部分もあるんだけど、そこにデヴィッド・T・ウォーカーが加わることで魔法がかかっているというか、柔らかい歌心が出ていたんだよね。
稲葉:この辺の中盤の流れの、ブラジルとAORの接点という切り方は今年ならではですね。特にフランソワ・モラン〜エヂ・モッタ〜ファビオ・カドーレという流れは意外だけど、絶妙にバランスが取れていると思います。
12. Viajante / Fabio Cadore
橋本:これは隠れた名曲だと思うんだけど、このあたりはブラジリダージとAORが相まった夕暮れ感をイメージしたパートですね。プディトリウムの『Episode』で歌っているヴァージョンはもっとフォーキーなボサノヴァ調なんだけど、これは2013年のアーバン・ミュージックとしても聴けるヴァージョンだよね。稲葉:韓国のSSW、キム・ジョンボムとの共作ですよね。韓国でツアーもしているみたいなので、その流れで日本まで来てほしいですよね。ちなみにアルバム『Instante』のジャケット写真を撮ったのはダニ・グルジェルで、アルゼンチンではカルロス・アギーレともステージで共演しているそうです。
山本:いろんなつながりがありますね。韓国のボサやソフト・ロックのシーンも盛り上がっているようですし、ルシッド・フォールとか好きなリスナーもぜひチェックしてほしいアーティストですね。
13. Steppin' Out / Chris Schlarb
稲葉:そしてここから夜のパートに入っていく感じで、なんとジョー・ジャクソンのサプライズ・カヴァー。このあたりは『FM』シリーズともリンクする世界観ですよね。橋本:もともとはこの曲が収録された『Psychic Temple II』はスフィアン・スティーヴンスが歌うブライアン・ウィルソンの「‘Til I Die」が目当てで聴いたんだけど、まず先にはまったのがこの「Steppin' Out」だったんですよね。この曲自体が夜に入っていくテーマ曲みたいなものだし、80年代のヒット曲だけど見事に2013年のヴァージョンにアップデートされているよね。ここから次の「Marinheiro So」への流れが個人的にはハイライトかな。
稲葉:この『Psychic Temple II』自体はけっこうサイケデリックで、この曲はめずらしくメロウなテイストですよね。
山本:『Moonlight Serenade For Star-Crossed Lovers』に入っていたエリー・ブルーナが歌っていたラ―・バンドの「Clouds Across The Moon」のカヴァーみたいな、80年代特有のキラキラした香りを残していますよね。
橋本:そうだね。80年代のエレクトリック感が2013年のアコースティックなアンビエンスとかジャズに味付けされている感じかな。それこそライとかインクとか聴いているリスナーにもぴったりのサウンドだと思うよ。
14. Marinheiro So (DJ Mitsu the Beats Remix) / Frankie Valentine feat. Monika Vesconceros
稲葉:そしてこの「Marinheiro So」に流れていく選曲がそれを象徴していると思います。橋本:これはとにかく曲自体も素晴らしいんだけど、フランキー・ヴァレンタインとモニカ・ヴァスコンセロスとDJ Mitsu the Beatsという、それぞれ違うポジションにいるアーティスト三者が集まって、これだけ研ぎ澄まされたメロウネスの結晶のようなヴァージョンが生まれたっていうのがすごいと思います。僕にとって“メロウ”っていう言葉はこういうテイストのことを言うんだよね。夜の帳がおりて、ネオンライトがきれいに輝く時間帯に、こういう曲が流れたらたまんないよね。
山本:またモニカ・ヴァスコンセロスの声も艶があってうっとりしますね。彼女はMPBだけではなくて、ハウスでもエレクトロニカでも自然に溶けこんでいきますね。
橋本:フランキー・ヴァレンタインはピアノがきれいなハウスをつくる印象が強いから、彼女みたいな歌声との相性がいいよね。『音楽のある風景』シリーズを聴いてくれているリスナーに、彼らのような音楽を聴いてもらうチャンスにもなるかなという思いもあったから、ぜひここに入れたかったんだよね。『夏から秋へ』の終盤のバー・サンバ〜ホセ・パディーヤの流れのように。
稲葉:ジョー・クラウゼル(メンタル・レメディー)の「The Sun・The Moon・Our Souls」が『音楽のある風景〜冬から春へ〜』に収録されたような感覚ですよね。この選曲は自然とリスナーにも広がっていくと思いますよ。
15. Lovin' You / Fabiana Passoni
稲葉:ここから距離感がぐっと近くなるようなインティメイトな雰囲気になりますね。夜が深まっていく感じでしょうか。ファビアナ・パッソーニは『Urban-Resort FM 78.4』でマイケル・ジャクソンの「Rock With You」のカヴァーが入っていましたね。橋本:ミニー・リパートンの「Lovin’ You」はもちろん他にも良いカヴァーがたくさんあるんだけど、これはアコースティック・ギターの響きとかが夜にぴったりだなと。灯りを落として、ベッドルームで聴いてもたまんないですよ。
稲葉:ちょっと擦れている感じの歌声がサスキア・ブルーインにも似ていて、ウェットになりすぎていないところがいいですよね。
山本:「Feel Like Making Love」もそうですけど、こういう風にさらっとセンス良くカヴァーされると気になりますよね。
橋本:そう、ビタースウィートとでもいうのかな。それは次のジューサにもいえることなんだけどね。
16. Close To You / Yusa
稲葉:「Close To You」は『音楽のある風景〜春から夏へ〜』にアンジェリタ・リーのカヴァーが収録されて大人気でしたから、これまた必ずチェックする曲のひとつですね。しかし「Close To You」というポップス(カーペンターズ)のスタンダードを、曲のもつロマンティシズムは生かしながら、これだけフィジカルにカヴァーするとは素晴らしいですよね。橋本:ジューサはすごいミュージシャンシップの高いシンガー・ソングライターなんだけど、こういうキューバらしい「Close To You」はナイス・サプライズだよね。
山本:たしかにジャズとかエスニックなエッセンスが融合した、ジューサらしいコスモポリタンな魅力が溢れていますよね。
橋本:「Close To You」のもっている情緒みたいなものを表現したカヴァーはよくあるけど、これは最近の世代らしい感性の仕上がりだと思ったよ。例えばエスペランサみたいな音楽が出てきている時代ならではの感じだよね。オリジナリティーが高いというか。
17. Woyzeck / Lucas Nikotian - Sebastian Macchi
稲葉:これは先日bar buenos airesレーベルからも国内盤が出たアルゼンチンの二人のピアニストのデュオ・アルバムからですね。しかもその中ではちょっと異色だった曲です。橋本:まずこの二人がやっているというだけで嬉しいよね。プエンテ・セレステとルス・デ・アグアのメンバーという、要は僕たちがアルゼンチン音楽の中でもいちばん好きな部分だからね。
山本:この曲は亡くなったスピネッタへ捧げた二人の演奏ですね。モノ・フォンタナとかアレハンドロ・フラノフの浮遊感も感じさせるメディテイティヴなアレンジですね。
橋本:まさに『素晴らしきメランコリーのアルゼンチン』で表現した世界です。僕の中ではフィト・パエズが書いたこの曲は、アルバムの中でも最もメランコリーを感じたんですね。ピアノの揺らぎからSEの使い方まで、ある意味アンビエント・ミュージックにも通じるテイストで。いつもコンピを選曲するときには、しんみりと沁みるパートを作りたいと考えているんだけど、今回はグルーヴィーでブリージンな曲が続いたから、「Steppin' Out」以降の夜編は、心に沁みるようなところへたどり着けたらいいなと思って。そんな逆のピークとしてこの曲を選びました。
稲葉:そういう意味では夜の時間帯の静かな情感を的確に伝える曲でもありますね。
18. A Smile Will Take You Far / Johan Christher Schutz
稲葉:虫の鳴き声のアウトロから小鳥のさえずりのイントロへ、SEもいい感じで繋がっていよいよラストの曲ですね。橋本:『音楽のある風景』といえばヨハン・クリスター・シュッツでしょ、ということで、『春から夏へ』では「Passion」を入れたので、このコンピの締めくくりにまた彼の曲を収録できて僕も嬉しいですね。ヨハンと急激に仲良くなったのも2009年くらいだし、カフェ・アプレミディでもアニヴァーサリーのときに何度もライヴをやってくれたしね。
山本:この曲が収録された新作の『Beautiful Place』は曲作りもアレンジもヨハンの才能がさらに開花した素晴らしい出来映えでしたね。
稲葉:その中でもこの曲はタイトルの意味通り心地よい高揚感があってラストに相応しいと思いますよ。
橋本:コンピレイションではいつも、最後は少し光が射しこめれば素敵だなと思うんだけど、そういう意味でもヨハンの曲はハートウォームで『音楽のある風景』のエンディングに相応しいね。
山本:橋本さんのコンピの魅力ってストーリーができていることだと思うんですけど、そういう意味では今回の「Sunlight to Moonlight」はより伝わりやすかったかなと感じました。
橋本:一日の時の流れを一本の映画や短編小説にしたような感じというのは、曲順にもよく出ているんじゃないかと思います。
稲葉:あと吉本宏さんのライナーもこの『音楽ある風景』シリーズの欠かせないエッセンスですよね。
橋本:今回はミシェル・ゴンドリーの『ムード・インディゴ』が公開されたばかりということで、ボリス・ヴィアンの『うたかたの日々』をモティーフにしていますね。コンピの曲の流れとライナーの流れがとてもうまくリンクできたと思います。それに今回は『FM』シリーズ寄りの選曲ともいえるから、より『音楽のある風景』のイメージを伝えやすいように、ライナーにしてもジャケット・デザインにしても2009年の四季のシリーズを踏襲した形にしたかったんだよね。
稲葉:これを機会にぜひ『音楽のある風景』の四季シリーズも揃えていただきたいですね。
山本:すでに持っている方には改めて聴いてみてほしいですね。ライフスタイルを豊かにする音楽としては、これ以上ないシリーズだと思いますので、ぜひ末長く楽しんでいただければ嬉しいですし、僕自身も楽しみたいと思います。本日は、橋本さん、稲葉さん、ありがとうございました!
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清々しい風に吹かれるようなアコースティック・グルーヴ〜メロウ・ブリーズ、瀟洒でしなやかな多幸感漂うサロン・ジャズ、哀愁とサウダージを帯びたブラジル〜アルゼンチンの至宝……。エリス・レジーナ/ジャヴァン/ジョー・ジャクソン/ミニー・リパートン/バート・バカラック/スピネッタなどの珠玉のカヴァーもちりばめられた、ハートウォームなエンディングまで80分間の音楽旅行。昼から夕暮れ、そして夜へと時の流れを彩る名作群に包まれる歓びと、未知なる音楽との出会いがもたらす深い感動がここにあります!
収録曲
- 01. Lo Que Mas Me Gusta / Francesca Ancarola
- 02. Long Days, Short Nights / Kwesi Kankam
- 03. I'd Rather Be Flying / Jerome Olds
- 04. Start Up A Family / Josh Rouse
- 05. Make Someone Happy / Angela Galuppo
- 06. La Que Me Gusta / Los Amigos Invisibles
- 07. Early Autumn / Clare Foster
- 08. Corrida De Jangada / Jennifer Scott & Brasileira
- 09. Flor De Lis / Melanie Dahan
- 10. Naissance / Francois Morin
- 11. Ondas Sonoras / Ed Motta
- 12. Viajante / Fabio Cadore
- 13. Steppin' Out / Chris Schlarb
- 14. Marinheiro So (DJ Mitsu the Beats Remix) / Frankie Valentine
- 15. Lovin' You / Fabiana Passoni
- 16. Close To You / Yusa
- 17. Woyzeck / Lucas Nikotian - Sebastian Macchi
- 18. A Smile Will Take You Far / Johan Christher Schutz
(SUBURBIA)
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