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橋本徹の『チルアウト・メロウ・ビーツ』対談 【1】 ダンス&ソウル・インタビューへ戻る

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2010年7月22日 (木)

interview

橋本徹の『チルアウト・メロウ・ビーツ』対談


移りゆく季節を感じながら音楽を聴く喜びとまだ知らぬ音楽との出会いに深く感動を与えてくれた、橋本徹氏によるアプレミディ・レコーズの『音楽のある風景』シリーズと、そのスペシャル・イシュー『美しき音楽のある風景〜素晴らしきメランコリーのアルゼンチン〜』に続く、時空を超え宇宙でつながるスピリチュアルでロマンティックでチルアウト・メロウなコンピレイション『Chill-Out Mellow Beats 〜 Harmonie du soir』の発売を記念して、渋谷・公園通りのカフェ・アプレミディにて選曲・監修をされた橋本徹氏と、『音楽のある風景』のシリーズおよびサバービア〜アプレミディのライナーの執筆を手掛ける音楽文筆家の吉本宏氏、HMV渋谷店3Fフロア・マネージャーの河野洋志氏、そしてアプレミディ・レコーズの制作担当ディレクターの稲葉昌太氏を交えて興味深いお話を聞くことができました。
(HMV商品本部ジャズ/ワールド担当バイヤー 山本勇樹)

吉本宏:このアルバム・ジャケットのアートワークとアルバム・タイトルの「Harmonie du soir/夕べのしらべ」がすべての世界観を象徴しているね。

稲葉昌太:ええ、橋本さんから“Chill-Out Mellow Beats”というコンセプトと選曲リストと、NujabesやCALMのアートワークも手がけてきたFJD藤田二郎さんにジャケットの絵をお願いしてみないか、というお話をいただいた瞬間に、すぐにそれで行こうと決めました。

橋本徹:そうだね。今回のコンピに関しては、去年からのいくつかの流れが必然的に統合されたところがあって。ひとつは去年、日本人アーティストによる『Mellow Beats, Friends & Lovers』のコンピをつくったとき意識したことなんだけど、いわゆるジャジー・ヒップホップのブーム以降にメロウ・ビーツのCDと同じ試聴機で並べられていたコンピが、自分の中でのメロウ・ビーツの世界観とは似て非なるものだなと感じていたんだ。それに対するひとつの答えが『Mellow Beats, Friends & Lovers』の選曲のテイストで提示できたなと感じていて、もっと、クロスオーヴァーで、“わびさび”のような世界にシフトできたというか。それと、去年の逗子「音霊」でのそのCDのリリース記念パーティーで、何をかけようかなと考えたときに、ジョー・クラウゼル関連のハウスの範疇に収まらない曲をかけるということが浮かび上がってきて。スピリチュアルで、メロウで、サウダージでというメロウ・ビーツのテイストともリンクするし、自分の好きな音楽を広くつないでいける存在だなと思って。それが『音楽のある風景〜冬から春へ〜』のオープニングのメンタル・レメディーの収録へとつながっていくんだけど。

山本:そのあたりから、アルゼンチンのアンドレス・ベエウサエルトやカルロス・アギーレの音楽にもつながっていきましたね。

橋本:HMV渋谷店の3階で展開されている「素晴らしきメランコリーの世界」や、「bar buenos aires」で、ジョー・クラウゼルから、カルロス・アギーレ、ガール・ウィズ・ザ・ガンとつなげて提案していったりすることも同じ流れの中にあることだと思うし、いろんなものが総合された集大成が今回の『Chill-Out Mellow Beats 〜 Harmonie du soir』だと言えるな。

山本:『美しき音楽のある風景〜素晴らしきメランコリーのアルゼンチン〜』もその流れの中で生まれてきましたね。

橋本:『音楽のある風景〜冬から春へ〜』のアンドレス・ベエウサエルト的な世界を広げたのが『素晴らしきメランコリーのアルゼンチン』とするなら、メンタル・レメディー的な世界をふくらませたのが、今回のコンピと言えるかな。ジョー・クラウゼルの音は、「音霊」のパーティーや「harmony」というイヴェントでかけていても、Nujabesやファラオ・サンダースの「Save Our Children」と同じように反応が素晴らしくて手ごたえを感じたし、そういう現場を何度も見てきたことで確信をもったというか。そして、「素晴らしきメランコリーの世界」から「harmony」までをつなぐ象徴的な言葉が「Harmonie du soir/夕べのしらべ」だったんだよね。ボードレールの詩に曲をつけたドビュッシーの曲名であり、“s”がつくとリストの曲名にもなる。

吉本:「Harmonie du soir/夕べのしらべ」というドビュッシーのタイトルを聞いたら、ライナーのイメージも一気にかたまったよ。

橋本:タイトルを決めたときに、その音楽性と、いままでCALMやハイドアウト・プロダクションズのジャケットで見てきたFJDの作品のヴィジュアル・イメージがすごく重なって、「Nujabesを偲ぶ会」でFJDの藤田くんがカフェ・アプレミディに来てくれたときに、「橋本さんと何か一緒に仕事をしたい」と言ってくれたこともあって、ほんとうにいろんな偶然と運命に導かれて、今回の作品が生まれたと思っているんだよね。

稲葉:そうですね。現場とか売場もその流れに連動していることを強く感じますね。

河野洋志:売場というのは、売り手側の都合でジャンルのくくりがあって、そのカテゴライズされたところに音楽が並べられていて、それがダイレクトにお客様にも伝わってしまっているという現状があります。でもお客様は、ほんとうはもっと自由で、ワールドだろうがジャズだろうがソウルだろうがヒップホップであろうが関係ないというのにもかかわらず、そういう音楽にめぐり合えないという現実があるんです。それを打破したいという思いがあって、ジャンルに関係なく、“いいものはいい”と言える「素晴らしきメランコリーの世界」のコーナーを立ち上げたんです。ですから、橋本さんの一連のコンピは売場サイドからみてもとても意義のあるものだと感じますね。

橋本:あの「素晴らしきメランコリーの世界」や「ボルヘスを殺せ」の売場がやっていることと発想的には同じだからね。

山本:特に『美しき音楽のある風景〜素晴らしきメランコリーのアルゼンチン〜』のお客様からの反応は深いものがあってすごいですよ。

河野:いままでにお客さまは、そういう音楽を欲していたのに探せなかったり、出会えなかったりしただけだと思うんですよ。そこにああいう売場を展開し、橋本さんのコンピなどを並べることによって、より売場からのメッセージが明確になりました。

Chill-Out Mellow Beats
〜Harmonie du soir
橋本徹(サバービア)監修の人気シリーズ「Mellow Beats」からスペシャル・イシュー。「夕べのしらべ」(Harmonie du soir = ドビュッシーの曲名)をテーマに、ドラマティックでロマンティックでスピリチュアルな心に迫る名曲が連なるチルアウト・メロウな一枚が登場!
profile

橋本徹 (SUBURBIA)

編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。サバービア・ファクトリー主宰。渋谷・公園通りの「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・グラン・クリュ」「アプレミディ・セレソン」店主。『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』シリーズなど、選曲を手がけたコンピCDは200枚を越える。NTTドコモ/au/ソフトバンクで携帯サイト「Apres-midi Mobile」、USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」を監修・制作。著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。

http://www.apres-midi.biz

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