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エリン・ボーディー インタビュー 2

Monday, October 20th 2008

無題ドキュメント
エリン・ボーディー
  「私」のこと、新作『The Little Garden』のこと




-----これまでカヴァー曲を多く録音され、その選曲のセンスの素晴らしさが話題になっていたようですが、新作『Little Garden』はほとんどがオリジナル曲です。どういった経緯・思いで今回はオリジナル曲中心になったのでしょうか?

Erin Bode   アルバムを重ねるごとにオリジナル曲を増やす、という考えは持っていません。今回はスタジオ入りする時に自分たち自身の言葉で表現したいことがたまたま多かった、ということです。でもオリジナル曲というものは音楽を通して自分たちを表現する一つの有効な方法ですので、その欲求は続くでしょうね。
私のヴォーカルからある種の感情、センチメンタルな部分ですとか、そのあたりは他のシンガーと似ているところがあるかもしれませんが、それはあくまでも声だけの話です。オリジナルの作曲テイストがそこに加わると、音楽的にもオリジナルな観点を示すことが出来るのでは、と思います。



----- 今回、唯一のカヴァー曲はポール・サイモンの「Born At The Right Time」だけですが、今回この曲をアルバムに収めた理由は?

Erin Bode   ポール・サイモンの歌をカヴァーしたのは、このレコードのソング・コレクション全体的なモードに合っていたためです。
カヴァーすべき歌については慎重にセレクトしました。何故ならそのカヴァーに何か自分たち自身のサムシングを加えることが重要だと考えたからです。つまり、ポール・サイモンの歌詞に何か違った観点を持たせる必要があったのです。私たち独自の音楽として。結構うまくできたと思いますよ(笑)。




----- 『Litte Garden』の制作期間はどの位でしたか?
初のカリフォルニア録音だそうですが、カリフォルニアの風土が作品に影響を与えた、ということはあったのでしょうか?

Erin Bode   レコーディングはだいたい10日間ぐらいです。ほぼ終日スタジオで過ごしました。
以前Max Jazzレーベルから発売した2枚はニューヨーク録音でした。ニューヨークは音楽を創造するには素晴らしい環境であることは間違いありません。
しかし、今回のNative Languageレーベルではカリフォルニア録音に変わったのですが、これはもう本当に素晴らしい“CHANGE”でした! カリフォルニアは本当に美しく天候も最高で、こうした環境だからこそ今回のレコーディングではフレッシュなアプローチが出来たと思います。





-----今回一緒に録音したメンバーの皆さんとは、以前もご一緒されていたようで、シンプルな演奏の中にもリラックスした温かい空気が伝わってきます。どのような雰囲気でレコーディングを進められたのでしょうか?何か印象深いエピソードもあれば、お聞かせください。

Erin Bode   おっしゃる通り、録音はリラックスした雰囲気で行われました。今回はレコーディング時間が以前よりかなりありましたので、スタジオ入りする前に全てのことを準備するのではなく、スタジオでより多くの決定をくだすことが出来ました。レコーディング現場で時間があるということは、その場のアイディアを反映することが出来るということです。だから今回はかなりフレッシュな感覚を入れられたと思います。
日本盤ではボーナス・トラックが加わりますが、 US 盤での最後の歌「グッドナイト」を収録した時が私にとって一番お気に入りの瞬間です。
この歌で私はいろいろな事柄に対して“おやすみなさい”と問いかけています。私の街、私の家、木々とそれらの葉、そして私の天使たち。というのも、私たちはまず最初に何人かの天使を必要としていたからです。このレコーディング・スタジオがある同じビルの中に不動産事務所があり、そこで多くのキュートな女性が働いていたんです。そこで「誰か歌を吹き込みたいと思っている人はいない ? 」と尋ねてみました。7人がイエスと答え、彼女たちはレコーディング・スタジオに降りてきました。私たちは彼女達にその歌のパートを教え、上手くいきますようにと祈りました。ところが彼女たちは一つのミスもなくそのパートを歌ってくれました。完全で素晴らしい出来ばえだったんです!そう、彼女たちはまさに天使でした。これは私にとってこのアルバムのお気に入りのパートになりました。だって予定していなかった素敵なことが起きたから!





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Erin Bode エリン・ボーディ   プロフィール
アメリカ・ミネソタ生まれ、現在はセントルイスで活動中。
あのレベッカ・マーティンもアルバムを残したマックス・ジャズ・レーベルからすでに2枚アルバムを発表(『Don't Take Your Time』2004、『Over And Over』2006)、2枚とも“アルバムの大半を占めるカヴァー曲の選曲センスが良い”“ジャズというよりもポップス的な歌唱と声質が新鮮”、といずれも輸入盤でありながら話題を集めた。
本作『Little Garden』ではカヴァーはポール・サイモン「Born At The Right Time」のみ、他は殆どが自作。さらにアコースティック・ギターも今まで以上に全面に出て「ジャジーなアコースティック・ポップ」といってもいいサウンド。シンガーから本格的なシンガー・ソングライターへと自然な転身を遂げた。
アメリカではノラ・ジョーンズ、そして特にエヴァ・キャシディあたりと並び評され、今回の現地オリジナル発売レーベルが“Native Language”(サラ・ガザレクの所属レーベル)ということも頷ける。
メロディアスなソングライティングと爽やかでクールな声質、それらが不思議とアメリカの郊外を思わせ、良い意味での中庸さをイメージさせる個性は、今後ますます期待が抱ける存在。

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Elin Bode

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