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Adrienne Hindmarsh インタビュー

Friday, May 30th 2008

無題ドキュメント
Adrienne Hindmarsh & Vipers interview

Adrienne Hindmarsh & The Vipers インタビュー
バンドの中心人物にしておしどり夫婦、Adrienne Hindmarsh(org,vo)と、Josh Hindmarsh(g)のお二人にお話を伺いました。


最後に残るのは、トレンドを意識した音ではなく、
優れた音楽だけだからね


--- ウェリントンを中心に活動しているということですが、エイドリーンさん、ジョシュさん、お二人ともそちらのご出身になるのですか?ジャズが非常に盛んな地域だそうですね?

Adrienne  ウェリントンは、音楽、特にジャズが盛り上がってる最高の街で、基本的にはウイークデーでも毎晩ライヴ・ミュージックが楽しめるわ。私は18歳のときに大学でトロンボーンを専攻するためにウェリントンに移り住んだの。後に、歌とハモンド・オルガンに路線替えして今に至ってるわけなんだけど・・・。ジョシュは、13歳のときからウェリントンに住み、ここで青年期を過ごして、ニュージーランドのジャズ・シーンの形成に貢献してきたのよ。

--- ジョシュさんは、マイク・ノック、アラン・ブロードベント、フィル・ブロードハーストといったところもニュージーランド出身ですが、確か、マイク・ノックと共演されたこともあるのですよね?

Josh  そうなんだ。僕は、何年か前に、マイク・ノックと共演する機会に恵まれたんだ。何が凄いって、僕がまだ少年だった頃、母が僕のために初めて編集してくれたジャズのテープがあったんだけど。擦り切れるほど聴いたそのテープに収録された何曲かは、マイク・ノックの作品でさ。コンサートで、マイク・ノックと顔を合わせた僕は、自分が最初に耳にしたジャズ・アーティストの一人が彼だったってことを伝えたんだよ。そうしたら、夢みたいな話だけど、僕はあの古いテープに収録された曲を実際にステージで彼と共にプレイすることになったんだ!

--- ニュージーランド全体の現在のジャズ・シーンというのは、どのような状況にあるとお感じでしょうか?

Adrienne     ニュージーランドのジャズ・シーンは、小さいけれど、活気に満ちてるわ。ニュージーランドの音楽にオリジナリティを求める声は依然として強いから、ジャズ・ミュージシャンとして渡り歩くにもそれ相応の心構えが必要なんだけど。現地では、内容の充実したジャズ・フェスティバルが数多く開催されていて、「トラディショナルな」ジャズ・ミュージシャンたちは、熱心なオーディエンスの前でプレイするチャンスをちゃんと得ているの。定期的にジャズの生演奏を入れるバーや、ワイナリーや、カフェもたくさんあって、ライヴ・ミュージックの発展に貢献してくれてるわ。

--- そういった状況の中、ニュージーランドの同世代、もしくは若いアーティストで、注目しているアーティストはいらっしゃいますか?

Josh     いつの時代だって、有望なミュージシャンが大きな可能性と共に台頭してくるよね。これから音楽業界へ進出しようとしている若手ミュージシャンへの、僕からのアドバイスは、常に自分の音楽と楽器にプライオリティを置くってことだね。ビジネス・サイドで立ち回らなければならないときも、まずは音楽が第一であることを覚えていて欲しい。やっぱり最後に残るのは、トレンドを意識した音ではなく、優れた音楽だけだからね。


Adrienne Hindmarsh & The Vipers


--- ニュージーランドのジャズ・シーンは、近隣のオーストラリアのジャズから影響を受けるということもあるのでしょうか?エイドリーンさんは、オーストラリアで活動をしていたこともあったそうですね?

Adrienne  ニュージーランドとオーストラリアのジャズ・シーンは、全く異なっているので、私としてはニュージーランドがオーストラリアのジャズ・シーンに影響されているとは思えないわ。マイク・ノックに代表されるオーストラリアのミュージシャンは、ニュージーランドにいても頻繁に観ることができるから不自由は感じないけど、もっとスケールの大きいオーストラリアのジャズ・シーンに拠点を移すニュージーランドのミュージシャンが多いことも確かだわ。

ジョシュと私は、ジャズ・シーンの「偵察」を兼ねて、年に2〜3回オーストラリアに出向くことにしてるの。これまでにブリスベンのジャズ・クラブや、メルボルンのハモンド・オルガン・サミットや、ノーフォーク島のジャズ・フェスティバルでプレイしてきたわ。ノーフォーク島は、太平洋に浮かぶ小島で、オーストラリアの一部なの。私たちのジャズへのアプローチやレパートリーは、オーストラリアのオーディエンスからも支持されていると感じてるわ。

--- 前作、今作でドラムを叩いているロジャー・セラーズとは、オーストラリアで出会ったのですよね?

Adrienne  ロジャーは、元々オーストラリア出身なんだけど、ロニー・スコッツのハウス・ドラマーをしていた関係で、アメリカとか、ロンドンに住んでいた期間が長いの。その後、もっとレイドバックしたライフ・スタイルを楽しもうと思い立って、ニュージーランドへと移住してきたわけ。そこで教鞭を執ることになったロジャーは、ジョシュが学んでいたマッセイ大学にドラム講師として赴任したの。そんな折、見事に奨学金を得たジョシュは、授賞式でロジャーと一緒にバンド演奏を披露することになったというわけ。その日を境に、ジョシュは、何年もロジャーとバンド活動を共にしているわ。今回のアルバムのレコーディング・メンバーとなったトリオもその延長線上にあるの。

--- お二人でコンビとして活動を始めたきっかけというのは?加えて、ヴァイパーズの結成はいつ頃だったのでしょうか?

Adrienne   1997年に結成されたヴァイパーズは、ギター2本にクラリネットという「ホット・クラブ・オブ・フランス」のスタイルを踏襲したバンドとして何度かメンバ・チェンジを繰り返すうちに、やがてリズム・セクションとヴォーカルとホーン3名という7人編成のバンドへと進化していったの。

大学でジョシュと知り合った私は、まずバンドに加わってトロンボーンを吹き始めたの。そんなある日、なかなか良いベース・プレイヤーに巡り会えないというジョシュの悩みを聞いた私は、「オルガンでベースラインをプレイするなら簡単よ」って提言したわ。程なくして、バンドでは私がオルガンを弾きながらヴォーカルも全て担当することになって、徐々にヴォーカル、ハモンド・オルガン、ギター、ドラムスという現在のトリオのスタイルに落ち着いたの。よほど特別な機会でもない限り、私たちはゲスト・ミュージシャンを交えてプレイしたりしないわ。


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エイドリーン・ハインドマーシュ&ザ・ヴァイパーズ
イギリスの植民地であったことから、ヨーロッパやアメリカの音楽の影響も受けて来たニュージーランドの音楽シーン。また各地域に根ざした音楽があり、ジャズが盛んなウェリントンを中心に活動するヴァイパーズ。オルガン/ヴォーカルのエイドリーン・ハインドマーシュは、1981年、ニュージーランドに生まれる。子供の頃から歌と鍵盤を始めた。ジャズ・オルガン勉強のため、オーストラリアやアメリカに渡り、オルガンの巨匠トニー・モナコに師事する。夫でもあり、ギタリストのジョシュア・ハインドマーシュは、1977年生まれ。ウェス・モンゴメリーやジョージ・ベンソソンに多大な影響を受けたという。マイク・ノックやトニー・モナコらと共演をしている。新作アルバム『Night & Day』には、ドラマーとして、ソニー・スティット、リッチー・コールらとの共演歴もあるオーストラリア出身のロジャー・セラーズが参加している。温かくもグルーヴィーなオルガン・トリオ・サウンドで、大人の贅沢空間を演出する1枚に仕上がっている。

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