Traincha 来日記念インタビュー
Thursday, May 1st 2008
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Traincha インタビュー
Traincha 実は、あの時が4回目だったの。キャンディ・ダルファーと12年前に来日したのが初めてよ。彼女のバンドでバックグラウンド・シンガーをやっていたの。 日本は大好きな国なので、自分のバンドでこうしてパフォーマンスをしに来れるというのは、とても嬉しいわ。 --- 東京以外の場所も訪れたことはありますか? Traincha ええ。大阪や名古屋にも行ったことがあるわ。大阪には、バカラックとも訪れたのだけれど、とても熱狂的なオーディエンスが多かったのを覚えているわ。 --- ちなみに、日本のジャズ作品は聴いたことがありますか?
Traincha いいえ、ないわ。クラシック系のヴァネッサ・メイ(※)なら聴いたことがあるのだけれど・・・日本人じゃないわよね(笑)。
Traincha そうね。1枚目の『Look of Love』は、一般的に知られている曲をあえて選んでいったのだけれど、今回はあまり知られていないような楽曲を取り上げてみたの。バカラックのキャリアの後半の方で書かれた曲だったりを意識的に選んでみたの。彼がエルヴィス・コステロと共作したもの(「Painted From Memory」、「God Give Me Strength」)は、かなり素晴らしいわよね。本当に特別なものよ。 --- 正直、選曲するだけでも大変だったのではないでしょうか? Traincha 贅沢な悩みよね(笑)。良い曲が本当に多いから。最初に曲を選ぶこと自体は、それほど大変ではないのだけれどね。でも、あらかじめ決めておいた40曲ぐらいを、さらに厳選して15曲にしぼるわけだから、本当に断腸の思いと言うか、あきらめざるを得ない曲については、少し切ない感じもあったわ。そういった意味では、大変だったわね。 --- バカラック作品との最初の出会いはいつ頃だったのでしょうか? Traincha う〜ん、記憶にもないぐらい幼い頃に、聴いたんじゃないかしら。多分6、7歳ぐらいに。「Do You Know Way To San Jose」とか、「I'll Never Fall In Love Again」のような、典型的なバカラック・ソングはその頃にはもう耳にしていたと思うわ。 でも、バカラックは、アメリカだと著名な作曲者としてもちろん知られているけれど、ヨーロッパの方だと、作品だけが有名で、案外、彼がどのような人かというのはあまり知られていないのよね。 --- そこには、音楽家であったお母様などの影響もあったのでしょうか? Traincha 私の母は、クラシックのバイオリン奏者だったので、全くポピュラー・ミュージックには関心がなかったのよ。だから、母からの影響ではないんじゃないかなって思うのだけれど。 子供の頃のポップ・ミュージックの影響って、必ずしも親からのものとは言い難いわよね。ラジオなどを通して、自分で色々と聴くようになって、自然と自分のスタイルを編み出していったんじゃないかしらね。 --- ラジオから色々と吸収するというのには、世代的なものもありますよね。最近の若いリスナーには、あまりラジオを聴く習慣がない人も多いのでしょうし。 Traincha そうよね。今では、ダウンロードしたりする人の方が多いのかもね。実際、私のショウや作品のリスナーというのは、私と同じぐらいの世代の人たちが多いから、当然、バカラック(によるオリジナル)の楽曲は知っている。逆に、若いリスナーは、このようなものを好んで聴いているとは思うのだけれど、ディオンヌ・ワーウィックやアレサ・フランクリンのヴァージョンは知っていても、(バカラックによる)オリジナルの楽曲を知らなかったりする場合が多いのよね。でも、バカラックの曲というのは、世代を越えて歌い継がれていくものだと思うし、きっと若い人たちも、今後、彼の歌を聴いて歌っていくんだと思うわ。普遍的な曲が多いからね。
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トレインチャ
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オランダのアムステルダム生まれ。本名は、トレインチャ・オースタルハウス。父親は、元牧師で教会音楽作詞家。母親はクラシックのヴァイオリン奏者。地元の先輩キャンディ・ダルファーと活動する間、兄ティエールとのグループ、トータル・タッチで96年にデビューを飾る。1st、2ndアルバムがトータル・セールスで100万枚を突破。8万枚売れれば大ヒットと言えるオランダで、数々の記録を塗り替えて国民的人気のトップ・アーティストに。その反響を受けてソロ・キャリアを歩み始めると、99年、スティーヴィー・ワンダー・ソングブック『For Once In My Life』もプラチナ・ディスクに。その後も八面六臂の活躍を見せ、ジャズ・フェス、音楽番組などで、パット・メセニー、ライオネル・リッチー、アンドレア・ボチェッリといった実力派と共演するなどして広くその美声を届けてきた。名門ブルーノートから昨年リリースしたバート・バカラック・ソングブック『The Look of Love』では、巨匠バカラックとのレコーディングも実現。再び巨匠と組んだソングブック第2集の最新作『Who'll Speak For Love』を引っさげ、初のソロ名義での来日を果たした。
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