Steve Tyrell 来日記念ロングインタビューB
Wednesday, June 18th 2008
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Steve Tyrell インタビュー
Steve もう何年も知っていて、何か一緒にやりたいなとお互い話していたんだ。今回のこのバート・バカラックとハル・デヴィッドの曲には、失恋をテーマにしたものが多いんだ。だから、デュエットというのはちょっと難しいんだ(笑)。男と女が、二人で失恋して嘆いているのは、ありえないだろ(笑)?「Alfie」を試してみたんだけれど、うまくいかなかったんだ。 この「Don't Make Me Over」は、パティ・オースティンが持ってきたアイデアなんだけど、男と女の会話みたいになっているから、うまくいくだろうって。「I Say A Little Prayer」は、私が初めてヒットさせた曲だったから、是非やりたかったんだけど、男性のシンガーがこの曲を歌ったのを今まで聴いたことがなかったし、特に最初のヴァースは、「メイクアップをして、今日はどんなドレスを着ようかしらって考える前にお祈りを捧げるの」っていうリリックだからね(笑)。 それをハル・デヴィッドに相談したら、「2つ単語を変えるだけで済むことだよ」って。つまり、自分がではなく、「君が」という言葉を付け加えれば、優しい旦那さんの視線で見た歌になるんだよ。そういう設定であれば、パティが入ってきても全く自然にできるようになったんだ。世界中のご主人が、奥さんに歌ってあげるべき素敵な曲に仕上がっているんだよ。ね、いいでしょ(笑)? --- では、僕も奥さんとケンカした後は、この曲を何気なくかけてみます(笑)。 Steve OK!奥さんは喜ぶと思うよ。「あなたがそんなに、スピリチュアルな面をもってるなんて思わなかったわ」って言うだろうね(笑)。
Steve このアルバムのように、時代を超越して、時代の流れに左右されないクラシック・チューンを、21世紀的に味付けをして送り出すレーベルと考えているんだ。コール・ポーターにしろ、ガーシュウィンにしろ、バカラックにしろ、どれも時代を超越した名曲なんだ。数多くあるけれど、若い人たちが知らない名曲というのはまだまだある。だから、そういった名曲を今風にアレンジして、若いリスナーにも受け入れられるようにするというのが、このレーベルのコンセプトなんだ。 --- 今回のバカラック曲にしろ、これまでのスタンダードにしろ、若いリスナーに特に聴いてほしいという思いは強いのですね? Steve 常にコンテンポラリーなものを送り出したいという考えはあるし、実際、私のショウは、10代から90歳代までと幅広い世代に楽しんでもらい、その音楽を理解してもらっているから、その点は成功していると言っていいと思う。一言で言えば、「Great American Songbook」と云われるぐらい、本当にいい曲がたくさん存在するんだ。アメリカがポップス界に果たしてきた貢献というものは計り知れないものがあると思う。現代では、ヒップホップといった新しい音楽カルチャーも生み出しているしね。そういったことを、アメリカは大事にしていくべきだと思うし、私自身もその一翼を担っていきたいと思っているんだ。 ジョン・レジェンドや、ジョン・メイヤーや、エイミー・ワインハウスや、アリシア・キーズといった若い人たちが作り出している音楽は、とても素晴らしいと思っているんだ。彼らのやっていることを尊重しつつ、私は、私なりの方法でやっていこうって。マイケル・ブーブレも若いけど、昔の名曲をよく理解して、自分のものにしているよね。 --- ちなみに、そういった若い世代のアーティストで、プロデュースしてみたいなと思う人は? Steve 今挙げたアーティストは、全員プロデュースしてみたいよ(笑)。全く無名な新人を発掘して、スターに育て上げるというのは、時間がかかりすぎるから、あまりやりたくはないんだけれどね。例えば、ジョン・レジェンドなんかが、映画の挿入曲を歌いたいなんてことがあれば、すぐにそういう状況を用意して、積極的に色々と計らってあげたいとは思っているよ。 ただ、例えば、全く無名な新人が、私の書いた曲を歌ってくれたらすごく良かった!なんてことになったら、それは気が変わるかもしれないけどね。若い人が、全く新しいことをやってることほど、すごく感動することはないからね。才能のある若い人に出会うというのは、やっぱり素晴らしいことだよね。
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スティーヴ・タイレル
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1999年『A New Standard』、50歳でデビューを飾った名スタンダード・シンガー、スティーヴ・タイレルは、フランク・シナトラ、フレッド・アステアらの系譜に名を連ねる。A&R〜音楽プロデューサーとしての豊富なキャリアに裏打ちされたセンスの良いサウンド作りと、南部出身らしい渋味と、イタリア系ならではの温かな陽気さを含んだ歌声が人気を呼び、2nd『Standard Time』は、本国USのジャズ・チャートで最高ランク2位、92週連続チャート・インのロング・セラーとなった。91年、タイレルは、映画「花嫁のパパ」のサウンド・トラックのプロデュースを手掛ける。この作品でケニー・ランキンのスタンダード「今宵の君は」を取り上げることとなり、タイレルは自身が歌ったデモを制作する。これを聴いた同映画のチャールズ・シャイアー監督らが彼の歌声を大いに気に入り、彼の歌ったデモはそのまま、映画のテーマ曲として劇中で使われることとなった。これが、50歳での遅咲きデビューの布石となったことは有名な話。その後も『This Time Of The Year』、『This Guy's In Love』、『Disney Standards』、『Songs Of Sinatra』といった古きアメリカの良心=「Great American Songbook」を今に伝える名スタンダード作品を発表。2008年には、かねてからの念願だったバート・バカラック集『Back To Bacharach』を発表し、人生最良の師であり仲間であると語るバカラックへの想いを歌に乗せる。
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