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Steve Tyrell 来日記念ロングインタビューC

Wednesday, June 18th 2008

無題ドキュメント
Steve Tyrell interview

Steve Tyrell インタビュー


アメリカがポップス界に果たしてきた貢献というものは
計り知れないものがあると思う


--- 今回のこうした「バカラック・ソングブック」を制作するアイデアというのは、以前からお持ちだったのでしょうか?

Steve  1stアルバム『A New Standard』を作ったきっかけは、映画『花嫁の父』だったんだけれど。あの時歌った3曲のスタンダードがサントラに収録されて、すごくヒットしたんだ。その反響がものすごく良かったから、最初のスタンダード・アルバムを作った。それが1999年。その当時アトランティックには、男性でスタンダードを歌うシンガーがいなかったんだ。ハリー・コニックJr.や、トニー・ベネットらはいたけど、彼らは逆に、スタンダードしか歌わないシンガーだから、なかなか他に新鮮なスタンダードを歌う男性シンガーというのはいなかったんだよ。

「Great American Songbook」を歌うことができた喜びはもちろんあったのだけれど、じゃあ次となると、やっぱりバカラック集を作りたいと思っていたんだ。なぜなら、バカラックこそが自分の音楽だと思っていたしね。しかも、バカラックの音楽というのは、シナトラ、コール・ポーター、ガーシュウィンというような時代の音楽と、ビリー・ジョエルやジェイムス・テイラーの時代の音楽との、ちょうど中間に位置するものなんだ。それはまさに、私自身がその場にいた時代であったわけだから、その時にバカラック集を作ろうと強く決心したんだ。

やりたい気持ちは常に強くて、コロムビア/ソニーと契約した時に、バカラック集の企画書を出して気に入ってもらえたものの、最初にスタンダード集がヒットしたから、「もう1枚、スタンダード集を作ってくれないか?」って。じゃあ、その次はいよいよと思って、制作にとりかかったところで、妻が癌の宣告を受けてしまってね。辛い闘病生活を送ることになってしまい、そのプロジェクトからは一旦手を引かざるをえない状況になって、最終的には立ち消えになってしまったんだよ。

だから、最終的に今回の企画が実現するまでには、6、7年かかってしまったんだ。でも、本当に最初からこのバカラック集は作りたかったんだよ。

--- 元々、19歳でバカラックと一緒に仕事をされていたわけですから、今こうして、あらためて彼の曲を歌うと、当時の若き日の思い出なども鮮明に甦ってくるのじゃないでしょうか?

Steve     もちろんだよ!ああいった思い出というのは、絶対にアタマを離れないものなんだよね。当時、本当に素晴らしいセッションに何度となく立ち会ったからね。特に、その当時はとてもアットホームな雰囲気でレコーディングを行なっていてね。ディオンヌがいると、そのバックには、シシー・ヒューストンがいて、その傍らにまだ小さい、娘のホイットニー、父親のジョンもいて、さらには、バカラックの両親も常にレコーディングに立ち会っていたり、ヴァレリー・シンプソンもいたりとね。

その時の写真が残っていて、私とバカラックとディオンヌが、レコーディングのプレイバックを聴いているものなんだけれど。今言ったような人たちが、みんな後の方に写っているっていうすごい写真なんだ。本当、素晴らしい思い出だよ。

     ロッド・スチュアートの『Great American Songbook Vol.3: Stardust』をプロデュースした時の話なんだけれど。彼は、レコーディング中に決して、コントロール・ルームに来てプレイ・バックを聴こうとしないんだ。レコーディングが完全に終わるまでは、絶対にスタジオから出てブースに入ってこようとしなかったんだ。それはロッドにとってのげん担ぎでね。だから、レコーディング中に彼と話をしたい時には、わざわざスタジオの方へ行って、話しかけないとだめだったんだ(笑)。

--- 貴重なお話しというか、それは意外ですね(笑)。
では、最後に、日本のファンの方々にメッセージをお願いします。

Steve     今回のアルバムは、今までで一番思い入れの強いアルバムなんだ。だから、日本の皆さんがこのアルバムを気に入ってくれることを願っているよ。日本のお客さんは、本当に素晴らしいから、その前でショウをやるというのはとても喜ばしいことだよ。できれば、毎年、日本に来てショウをやりたいと思っているぐらいなんだ。アルバムが売れたら、それも可能になるから(笑)、どうか皆さんサポート宜しくお願いします!

【取材協力:Victor Entertainment / Blue Note Tokyo】


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スティーヴ・タイレル
1999年『A New Standard』、50歳でデビューを飾った名スタンダード・シンガー、スティーヴ・タイレルは、フランク・シナトラ、フレッド・アステアらの系譜に名を連ねる。A&R〜音楽プロデューサーとしての豊富なキャリアに裏打ちされたセンスの良いサウンド作りと、南部出身らしい渋味と、イタリア系ならではの温かな陽気さを含んだ歌声が人気を呼び、2nd『Standard Time』は、本国USのジャズ・チャートで最高ランク2位、92週連続チャート・インのロング・セラーとなった。91年、タイレルは、映画「花嫁のパパ」のサウンド・トラックのプロデュースを手掛ける。この作品でケニー・ランキンのスタンダード「今宵の君は」を取り上げることとなり、タイレルは自身が歌ったデモを制作する。これを聴いた同映画のチャールズ・シャイアー監督らが彼の歌声を大いに気に入り、彼の歌ったデモはそのまま、映画のテーマ曲として劇中で使われることとなった。これが、50歳での遅咲きデビューの布石となったことは有名な話。その後も『This Time Of The Year』、『This Guy's In Love』、『Disney Standards』、『Songs Of Sinatra』といった古きアメリカの良心=「Great American Songbook」を今に伝える名スタンダード作品を発表。2008年には、かねてからの念願だったバート・バカラック集『Back To Bacharach』を発表し、人生最良の師であり仲間であると語るバカラックへの想いを歌に乗せる。

最新作『Back To Bacharach』詳細はこちら!



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