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Adrienne Hindmarsh & The Vipers インタビューA

Friday, May 30th 2008

無題ドキュメント
Adrienne Hindmarsh & The Vipers interview

Adrienne Hindmarsh & The Vipers インタビュー


レインボウ・ルームで観た素晴らしいギグに心を打たれ、
ハモンド・オルガンと恋に落ちてしまったの(笑)


--- エイドリーンさんが、オルガンに目覚めたきっかけというのは?

Adrienne  私は、レインボウ・ルーム(オーストラリアのメルボルンにあるバー)で観た素晴らしいギグに心を打たれ、ハモンド・オルガンと恋に落ちてしまったの(笑)。そのバンドのハモンド・オルガン奏者に釘付けとなった私は、ジョシュのほうへ向き直ると・・・私もあれが欲しい!って訴えたわ(笑)。だけど、調べてみたらハモンドは、ニュージーランド国内では手に入らないということがわかってね。私たちは、1年間節約してオルガン購入資金を作って、ブリスベンから取り寄せたのよ。事実、ニュージーランドにハモンド・オルガン奏者はそれまで一人もいなかったわ。だから、私は片っ端からレコードを聴いたり、ジミー・スミスのプレイを採譜したりしながら独学でプレイを学んだの。

歌に関しては、5歳から歌っていたし、歴代のバンドでもずっとヴォーカルだったわね。オルガンと歌とどちらが得意なのか、よく人から尋ねられるけど、私にとっては二本立てで行くのがごく自然みたい。

--- トニー・モナコの元でオルガンを学んだそうですね。素晴らしい経験だったかと思います。どのような手ほどきを受けたのでしょうか?

Adrienne  トニーは、伝統的なハモンド奏法に対する私の熱意を嬉々として受け止め、ある種の使命感を持って、後の世代にハモンド奏法を伝授してくれたわ・・・これってまるで聖火リレーみたいよね(笑)!

彼は多くの経験と知識を蓄えた素晴らしい師だわ。レッスン中、トニーが突然フル・ボリュームのオルガンで曲に割って入ってくることがあるの。ドロウバー全開状態ってやつよ(笑)。彼が、ハモンドとレズリーから発する情感とボリュームは、ただただ圧巻!時には畏怖の念さえ覚えたわ。聴く者の内面にまで訴えかけてくるのよ!

オーストラリアで開催されたハモンド・スペクタキュラーというコンサートに出演したトニーを観に行ったとき、私は最高の経験をさせてもらったわ。このコンサートは、ステージ上にハモンド・オルガンばかり8台も並べて、オーストラリアが誇るハモンド・オルガン奏者が全員出演するという面白いイベントでね。トニーが特別ゲストとして私をステージに呼んでくれたので、2、3曲一緒に演奏したの。あれは本当に楽しかったわ。オルガニストの中に紅一点だった私が、ハモンド・オルガンからガール・パワーを発するのを観て、オーディエンスも大喜びよ。予期せぬ展開だったんじゃないかしら(笑)。

--- 影響を受けたオルガン奏者は?オススメの作品があれば教えて下さい。

Adrienne     ジャック・マクダフ、ジョーイ・デフランセスコ、ジミー・スミス、ラリー・ヤング、そしてもちろん、トニー・モナコ。

私のフェイバリットのオルガン・アルバムは、ジョーイ・デフランセスコの『Good Fella's』、ジャック・マクダフの『Hot BBQ』、トニー・モナコの『East to West』、ジミー・スミスの『Back and the Chicken Shack』と、ラリー・ヤングがグラント・グリーンと共作したアルバムかな。


Adrienne Hindmarsh


--- では、ヴォーカリストとして影響を受けたシンガーは?こちらもオススメの作品があれば教えて下さい。

Adrienne     長い間ずっと歌ってきた私にとって、影響を受けたシンガーを特定するのは難しいわ(笑)。でも、好きなシンガーなら、シャーリー・ホーンや、オスカー・ピーターソンのバンドで歌っていたビル・ヘンダーソンとか、大勢いるわよ。特にオススメは、サラ・ヴォーンの『The Devine One』と、エリック・クラプトンの『アンプラグド』かしらね。

--- 今回の新作『Night & Day』は、「Great American Songbook」とも呼べるスタンダード集となっていますが、やはりこの時代のスイング・ジャズのスタンダードというのは、お二人にとって特別なものでしょうか?

Adrienne  私たちは二人とも、好んで優れた楽曲をレパートリーに選ぶタイプなのよ。だから、完成したアルバムは、自然と、「アメリカ名曲選」っていう感じになっちゃったの。

--- 「Night & Day」は、ドリーミーで少しポップなアレンジで、ジャズ以外のリスナーにも人気が出そうですね。アレンジは全てお二人の共同作業なのでしょうか?

Adrienne  ジョシュは、豊富にアレンジに関するアイデアを出してくれるんだけど、二人の同意がなければ物事は前に進まないことになってるわ。時には、ギグで何度も試した演奏スタイルがごく自然にアレンジとして定着してまうこともあるのよ。

--- アレンジを施す時に、最も注意を払っている点はどこですか?

Josh  学生の頃の僕は、ネルソン・リドルの編曲法の教則本や、ディック・グローヴの編曲法の教則本から学んだり、デューク・エリントンやギル・エヴァンスのコード譜を基にアレンジを採譜していたんだ。ここ最近、昔の曲をリメイクする際は、よりクリエティヴな思考で新しいテイストを盛り込んでいるけどね。

Adrienne  私たちは、キラリと光るイントロとエンディングの間で優れたアレンジを展開させ、曲にメリハリをつけるのが好きなの。アレンジ面では、フランク・シナトラの作品や、オスカー・ピーターソン・トリオのコンセプトから多大な影響を受けてるわ。


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エイドリーン・ハインドマーシュ&ザ・ヴァイパーズ
イギリスの植民地であったことから、ヨーロッパやアメリカの音楽の影響も受けて来たニュージーランドの音楽シーン。また各地域に根ざした音楽があり、ジャズが盛んなウェリントンを中心に活動するヴァイパーズ。オルガン/ヴォーカルのエイドリーン・ハインドマーシュは、1981年、ニュージーランドに生まれる。子供の頃から歌と鍵盤を始めた。ジャズ・オルガン勉強のため、オーストラリアやアメリカに渡り、オルガンの巨匠トニー・モナコに師事する。夫でもあり、ギタリストのジョシュア・ハインドマーシュは、1977年生まれ。ウェス・モンゴメリーやジョージ・ベンソソンに多大な影響を受けたという。マイク・ノックやトニー・モナコらと共演をしている。新作アルバム『Night & Day』には、ドラマーとして、ソニー・スティット、リッチー・コールらとの共演歴もあるオーストラリア出身のロジャー・セラーズが参加している。温かくもグルーヴィーなオルガン・トリオ・サウンドで、大人の贅沢空間を演出する1枚に仕上がっている。

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