TOP > Music CD・DVD > News > Jazz > Jazz Vocal > Adrienne Hindmarsh & The Vipers インタビューB

Adrienne Hindmarsh & The Vipers インタビューB

Friday, May 30th 2008

無題ドキュメント
Adrienne Hindmarsh & The Vipers interview

Adrienne Hindmarsh & The Vipers インタビュー


ジャズは、異文化交流の有効なツール。たとえ言葉が通じなくても、一緒にプレイすることで共通の言語が生まれる


--- 「The Girl From Ipanema」や「Corcovado」といったボッサ・チューンも、エイドリーンさんの歌声やヴァイパーズのサウンドにぴったりですね。こうしたボッサやブラジル音楽も、比較的多くレパートリーに取り上げているのですか?

Adrienne  ええ、私はこの音楽スタイルに夢中で、日夜、ポルトガル語の新曲を練習している身なんだもの(笑)。もちろん、私たちのレパートリーの中には、ほかにもジョビンのナンバーがあるわ。「Desifinado」とか、「Wave」とか、「Agua De Beber」とか・・・本当に素晴らしい曲ばかりね。私たちの夢は、ブラジルに行ってアルバムを録音することかしらね。

--- 「Pennies From Heaven」などでは、R&Bやソウルのフィーリングを感じとることができるのですが、そういった古いR&B、ソウル、ブルースからの影響もさぞ大きいのでしょうね?

Josh     僕たちは、R&Bやソウルのエッセンスを取り入れたジャズがとても好きなんだ。ルー・ロウルズやアーネスティン・アンダーソンといったシンガーたちはいい例だし、ハモンド・オルガンも、R&Bやソウルのフレーバーを与えてくれる楽器だよね。エリック・クラプトンやB.B.キングのブルースを聴くのも好きだから、将来的に僕らは、ブルース・アルバムを出す可能性もあるよ。

--- 『Caravan』は、セカンドライン・ファンク的なリズムを導入した面白いアレンジが施されていますね。

Josh     ニューオリンズからブラジルを経由し、カンザス・シティ・スウィングに至るまで、僕たちは、貪欲に異なるジャンルを独自のスタイルに組み入れようとしてるんだ。そのポリシーを貫いてこそ、僕らがレパートリーとしている往年の名曲が、バラエティに富んだものになる・・・そう、馴染み深い曲でありながら、初めての味わいになってるはずだよ。

--- 最後もデューク・エリントンの名曲ですね。このようなビッグバンド・サウンドをトリオ編成でアレンジし、スウィングさせるというのは、かなり難しいことなのではないでしょうか?

Josh     ハモンド・オルガンのトリオでアレンジを機能させるための秘訣とは、ずばり・・・イマジネーション。僕は、音大の学生だった頃からずっとデュークの大ファンだからね。せっかく大学で研究した彼の編曲テクニックを、自分のバンドで実践に移さない手はないよ。僕は、いくつかのアレンジのパターンを1つに統合して、テクニックのいいところだけを折衷案にして、そこへ更に自分自身のアイデアを加えるんだ。


Josh Hindmarsh


--- あなた方のような「オルガン・ギター・トリオ」の音世界の特徴は、どういったところにあるとご自身で感じられますか?

Josh     各々の楽器は、トリオの中で独自の役割を担っているから、いざ音を出すときにはそれぞれの楽器の特性を最大限まで引き出したプレイを心がける。リズム・ギターを例に取るなら、僕はカウント・ベイシー楽団のフレディ・グリーンのようなサウンドを目指し・・・。

Adrienne  私は、ワイルド・ビル・デイヴィスや、ジミー・スミスになったようなつもりでブロック・コードをプレイする。

Josh     そして、各々の音はちょうどいいバランスで調和しなければならないんだ。僕たちのようなハモンド・トリオは、演奏中に何度も主役が交替するんだけど、ここがなかなか大変なところでね(笑)!僕の役割もバッキングからフロントへ、コードからソロへ、シャウト気味のコーラスからリズム・ギターへ、と目まぐるしく変わるんだよ。

Adrienne  シンガーの私は、歌だけでなく、ハモンド・オルガンでのインプロヴィゼーションもこなすわけなんだけど、ここはとても集中力を要するの。いずれも、とても性質の異なる表現だから、切り替えはハードよ(笑)!

--- 日本に来られたことはありますか?日本の、特に若いジャズ・ファンの中には、あなた方が作り出すようなメロウなヴィンテージ・サウンドを好むリスナーがとても多いので、きっとホットな来日ステージになると思いますよ。

Adrienne     私の使っている新品のハモンド・オルガンは日本製よ。私は、世界一のジャズ・オルガンの製造元をこの目で見てみたいわ(笑)!

Josh     僕は、ニューヨーク在住のフクシ・タイナカっていうドラマーと、日本での共演について何度か話し合っているよ。日本はまだ未踏の地だから、ぜひ行ってみたいね!うまくいけば来年には実現するかな!

--- では最後に、日本のファンの方々にメッセージをお願いします。

Adrienne     ジャズは、異文化交流の有効なツールよ。たとえ言葉が通じなくても、一緒にプレイすることで共通の言語が生まれる。私たちの世界に与えられた、真の意味での「ユニバーサルな」言語なの!For Now You Can Listen To Us On CD、and We Hope To Play Live For You Soon In Japan!しばらくは、CDで私たちの音楽を楽しんでね。近いうちに日本でプレイできる日が来ることを願ってるわ!


< 前のページ    3 of 3    
エイドリーン・ハインドマーシュ&ザ・ヴァイパーズ
イギリスの植民地であったことから、ヨーロッパやアメリカの音楽の影響も受けて来たニュージーランドの音楽シーン。また各地域に根ざした音楽があり、ジャズが盛んなウェリントンを中心に活動するヴァイパーズ。オルガン/ヴォーカルのエイドリーン・ハインドマーシュは、1981年、ニュージーランドに生まれる。子供の頃から歌と鍵盤を始めた。ジャズ・オルガン勉強のため、オーストラリアやアメリカに渡り、オルガンの巨匠トニー・モナコに師事する。夫でもあり、ギタリストのジョシュア・ハインドマーシュは、1977年生まれ。ウェス・モンゴメリーやジョージ・ベンソソンに多大な影響を受けたという。マイク・ノックやトニー・モナコらと共演をしている。新作アルバム『Night & Day』には、ドラマーとして、ソニー・スティット、リッチー・コールらとの共演歴もあるオーストラリア出身のロジャー・セラーズが参加している。温かくもグルーヴィーなオルガン・トリオ・サウンドで、大人の贅沢空間を演出する1枚に仕上がっている。

最新作『Night & Day』詳細はこちら!



ページTopへ戻る

最新インタビュー

ジャパニーズポップス
 TOSHI
 スガ シカオ
ロック&ポップス
 Dave Mason
 From First To Last
ダンス&ソウル
 Hiroshi Watanabe
 9th Wonder & Buckshot
ジャズ/ワールド/イージーリスニング
 天平
 fulare_pad
TV & 映画
 『ゴールデンナナ色』緋田康人&大堀こういち
 『犬と私の10の約束』本木克英監督


Night & Day
 CD  Night & Day


Jazz VocalLatest Items / Tickets Information