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「アフガン ドキュメント」穴沢健郎&村山達哉インタビュー

Friday, February 8th 2008

無題ドキュメント
アフガン・ドキュメント

「アフガン ドキュメント」
穴沢健郎&村山達哉インタビュー

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「本当のアフガニスタンは?」(2/2)
(…続き)


--- 映像を観ていて、すごく熱を感じました。でもそういう空気が映像では切り取ることが出来るので、それが一番の映像の特性ですよね。

村山 本当にそうですよね。口で説明するより、1本目の、冒頭を観て頂くだけで伝わると思うんですよね。あれを悲惨だと思う人もいるだろうし、こんなにマーケットが賑わってるのって感じる人もいると思うんですよね。逆にどんどん失業者が集まってきちゃって、政府批判をのんきにするわけじゃないですか。
  あれ、日本だとニート集めても、政府を批判しないと思うんですよね。彼らはそれだけ、社会への参加意識とか政治意識が高いと思うんですよ。

--- 実際にアフガンで撮影されて、彼らの声を聞かれているわけですが、彼らが自分達の現状を政府に伝える術というのはないんですか

村山 今アフガニスタンでは、放送法っていう規制がないんですよ。なので、ある資本があれば放送局とか雑誌メディアとか、簡単に作れちゃうんですよ。
  で、民法がカブールだけで8局くらいあって、国営放送も入れると9局あるんですけど、民法で、街角テレビみたいなものをやってるんです。カメラが置いてあるので、そこに好きなことを言っていいと。「田舎から出てきて、カブールでいい生活が出来ると思ったら、なんでこんなに貧乏なんだ」みたいなことをそのまま放送しちゃったりしてるんです。
  なので、メディアが自由になった分、発言のチャンスが本当にあるんですよ。

--- それを受け取った政府などは、具体的に何かアクションをしているとか、彼らを支援をしていたりするんですか?

村山 うーん、それは追いついてないみたいですね。やらなきゃいけないことが腐るほどあるので。例えば、こういう時にあの地震来ちゃいましたよね、パキスタンの北部の地震で、あれは実はアフガニスタンでも莫大な被害があって。難民キャンプとかもめちゃめちゃになっちゃってるので・・・。

--- すっごくいろんなことを、「俺も言いたい、俺も・・・」って、カメラの前でみんな、割り込むくらいの勢いで発言していましたよね(笑)。今はそんな発言がどんどん自由になって・・・。

村山 それは本当に、自由です。いわゆる、イスラムに反することは規制されるんですけど、エンターテインメントチャンネルなんかは、普通に水着の女の子が歌うたってたりとか、ウズベクとかの番組をやってたり・・・。あと例えばテロが起きますよね、狙われて殺されちゃったりしてる姿を、カメラが現場に行って、死体を写しちゃったりするんですよ。そんなの日本じゃ出来ないじゃないですか(笑)。
 そういうのをわりと、リアルタイムで普通に流しちゃったりしているので・・・。

--- そうなると、これからもっともっと、メディアも発達していきますね。いろんなものが出てくる気がします。

村山 本当はいけないことなのに、著作権の概念は彼らにあんまりないので(笑)、欧米の映画を勝手に流したりとか、そんなことも多いですね。

--- 女性が選挙権を得て、社会的地位を確立するためにスキルを身に付けて、どんどん社会に進出していく姿がとても印象的だったんですけど、女性も抱いていたイメージとは違いましたか?

村山 布で顔を覆っているイメージで行ったんですけど、顔が普通に出てたりして、ちょっとびっくりしましたね。
 戦争で基本的に働き手が死んじゃってるので、女性を雇わないとやっていけないんですよね。なので、アフガンで一番始めに出来た、民法のテレビ局がアイナTVっていうんですけど、そこは6割が女性なんです。女の子がみんなディレクターやって、徹夜で編集とかやらされたりして、もう3日家に帰ってない、疲れたから辞めるみたいな(笑)そういうのがあったりとか。

--- 選挙権を得たということに対しての女性の喜びが、ものすごくありましたよね。今まで、いかに抑圧されてたかを強く感じました。

村山 あそこに出てくる映画監督の女の子は、ハザラ人っていう、アジア系の、モンゴル系って呼ばれてるような少数民族なんですけど、むかしだと、ハザラ人で女の人で映画監督をやってるなんて、あり得ないことなんですよね。女性というよりむしろ、少数民族がそういうメインフィールドに出てくるなんてなかったんですけどね。でもあの後、海外の映画祭で賞を獲ったらしいですよ。

--- 「映画を撮ることは天職だ」って言ってた女性ですよね?

村山 はい、彼女です。

--- 今後、あの彼女がどんな映画を撮るかも気になりますね。

村山 はい、その辺も知りたいと思いますね。

「一歩足を踏み出せば世界に近づける」に続く…

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