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「アフガン ドキュメント」穴沢健郎&村山達哉インタビュー

Friday, February 8th 2008

無題ドキュメント
アフガン・ドキュメント

「アフガン ドキュメント」
穴沢健郎&村山達哉インタビュー

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「40代の人に何が出来るか?」(1/3)


--- 「カブール・トライアングル」として発信していった時に、穴沢さんは「41歳、サラリーマン、アフガニスタン」で、 多大な影響を与えてくれた映画、音楽などのエンターテインメントたちに恩返しをするという気持ちを込めつつ、 間違いなく有限でしかない自分と社会の可能性を、ほかの誰かと足し算では物足りなくて、かけ算をしたいと書かれていましたが・・・。お2人に多大な影響を与えた映画や音楽などを、具体的に教えて頂けますか?

穴沢 音楽でいうと、イギリスのパンク、ニューウェイブを僕らが青春の頃はずっと聴いてましたね。ピストルズは音楽というよりも、出方ですね(笑)。こんな奴らがやっていいのかっていう(笑)。ちょうど中2の頃かな。その頃の衝撃は未だに覚えてますね。この間古本屋にいったらたまたま、30年前の「平凡パンチ」があって、思わず買っちゃったんですけど・・・(と言って、現物を持ってきて下さいました) 。
  ピストルズを「平凡パンチ」が独占インタビューしたものです。唾吐いたり、ビール呑んだり、屁をしたり(笑)、そんなイメージしかなかったんですけど、読んでみると意外とまともなことしゃべってるんですよ(笑)。こういうなんか、音ももちろんかっこいいんですけど、彼らの生き方とか社会に対するアンチテーゼの仕方は、ちょっと過激ですけどね、カルチャーに対して、既存をぶち壊して、自分達が主役であるみたいなところに非常に影響を受けました。その流れで、モリッシーがやってたスミスってバンドが好きでしたね。
 ロックっていうのは、ただかっこいいってイメージが自分の中ではあるんですけど、情けない、ホモっぽくて、くねくねしてて・・・、Gパンの後ろにグラジオラスなんか掲げちゃったりしてて(笑)なんていう、情けないけどかっこいいっていう、そういう美学みたいなものに惹かれましたね。
 映画では、ヴェンダースが好きですね。「都会のアリス」とか、あの起承転結のない、「あれが映画なの?」っていうようなものが好きです。あんまり、映画的なものは好きじゃないのかもしれないですね。文章化できるような映像が、自分の好みなんでしょうね。「まわり道」とかも好きです、ロードムービーなんですけど、小説家志望の30歳くらいの男がただ旅してるだけっていう(笑)。彼の周りにだんだん、ろくでもない人間が増えて行って、一緒に旅しているようなお話で。

--- ドラマチックなことは何も起こらない・・・みたいな作品が・・・。

穴沢 そうですね、人間ね、そんなに劇的なことは起こらないですからね。それを淡々と、だけどすごく、叙情的な感じがするのが好みですね。
 文学に関していえば、夏目漱石と太宰治は、未だに何度も繰り返して読みますし、この文章(「41歳、サラリーマン、アフガニスタン」)を書く時もやはり、何回も読み返して(笑)、その文体のイメージをいかに自分の技術として取り入れるかを考えました。
 深刻にならずに、いかにリズム感をつけるかを注意したりしてますね。20年前とか、30年前に自分達が好きだったものを、未だに引きずってますね(笑)。

村山 僕の場合は音楽的に言うと、自分の職業的なもので影響を受けたものと好みはまた別なんですけど、職業的に言いますと、ジョン・バリーですとか、バカラックとかの映画音楽から影響を受けていて、自分の仕事には直結してますね。それとは全く別で、カルチャーショックみたいなものですと、僕も彼と全く同じで、パンク、ニューウェイブですね。ピストルズの後のムーヴメントの流れで、ストラングラーズが三島由紀夫の曲をやったりしてて、あれには、「これはかっこいいな」と(笑)。あの頃、何枚買ったかわかんないですね、無駄な散財をして(笑)。特に、死ぬ程聴いたってなると、その後のニューオーダーに至るところが、一番自分ではハマっていたので、ハッピーマンデーズとか。その周辺にいるポップ・アーティスト、プリファブスプラウトだったり、ウォーターボーイズとか、あれは本当に聴きましたね。

穴沢 あげたら本当に、きりがないよね(笑)。

村山 ね、きりがない(笑)。どれって絞ることも難しいんですけど(笑)。サイキックTVとかね。
 映画に関しましては、映画のプロデュースを自分でやろうと思った場合の好みと、影響を受けたものはまた別なんですけど、今仕事にわりと近くてかつ好きなのは、邦画なんですよ。ニューセンチュリープロデュースとかがやってた、映画がだめだって言われていた頃の「櫻の園」だったりとか、「台風クラブ」とか、後期のATGとかで、視聴がなくなって、本当に淡々と人の在り方を行間で表現する・・・みたいな作品。映画業界が、「こんなの売れない、出資するかって言われるような作品を逆にどんどん作ってやろう」っていうのは、心に決めてるんですが(笑)。
 と言いながら、何が好きかっていうと、実はわりと絢爛豪華なエンターテインメントが好きで。ヴィスコンティの「山猫」とか。音楽が完璧に仕組まれていて、「いくらかかってんだ」っていうようなのが本当は好きですね。そのへんがちょっと矛盾がありますけど。行間で想像力を働かせるのが、映像のおもしろいところだと思うんですけど、もう今本当にそういうのを求められないので・・・。

続く…

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