シェーンベルク(1874-1951)
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シェーンベルク(1874-1951) レビュー一覧

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商品ユーザーレビュー

253件
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  • ウェーベルンを無機的に扱う演奏は多い。しかしウェー...

    投稿日:2009/09/23

    ウェーベルンを無機的に扱う演奏は多い。しかしウェーベルンの音型にここまで色彩を与え描き分けた例は無い。しかもその色彩が音楽的に明確な意味があるというところがシノーポリの天才的に凄いところ。「表層の色彩」の物凄さでは確かにカラヤンが凄い。でも「音色旋律」を考えるならばシノーポリが圧倒的。「音色旋律」を描いた演奏として画期的な録音だし、今シノーポリのような指揮が出来る人は皆無(しかもオケがドレスデン)。これほどのモノが今後出てくるとは考えにくい。ところでギーレンは基本「解決の論理と音楽の実体」の人で、全く方向性の違う音楽になるはずだ。私なら両方買う。ちなみに私の最も好きな新ウィーン楽派録音はロスバウトとブール、ヴァントあたりの厳格派です。

    蝉の抜殻 さん

    16
  • 価格を考えると、信じ難いお買い得セットである。新ウ...

    投稿日:2013/05/12

    価格を考えると、信じ難いお買い得セットである。新ウィーン学派については一家言あるという聴き手にも、そろそろ「現代音楽」というものに触れてみたいのでまずはその「出発点」あたりから、という聴き手にも、絶対の確信をもってお薦めできる。諸レビュアーもお書きのとおり、ドレスデンのオーケストラでこれだけの曲目を録音したことは奇跡に近いと思う。シノーポリも、フィルハーモニア(めんどくさくなると、「超一流のスタジオミュージシャン」に豹変して、技術的には文句をつけようがないが、音楽的には実に手を抜いた仕事をする)では、全曲に渡ってこのような濃密な音楽世界を描き出すことはできなかっただろう。

    ニャンコ先生 さん

    12
  • まもなくバイエルン州立歌劇場の『タンホイザー』が日...

    投稿日:2017/06/06

    まもなくバイエルン州立歌劇場の『タンホイザー』が日本でも観られるカステルッチの読み替え演出はそれなりに面白く見せつつも、作品の哲学的含意を重視した、なかなか高尚な舞台。冒頭、モーゼが神の啓示を受けるシーンでは空中でテープレコーダーが回り、そこから黒い磁気テープがモーゼのもとまで降りてくる。かつては最前衛だったが、今や時代遅れのテクノロジーになってしまったオープンリールのテープレコーダーを「十二音技法」の比喩と見れば面白い。ユダヤ・キリスト教もヨーロッパ知識人の間ではとっくに時代遅れなわけだけど。モーゼとアロンの出会い以降の場面では背景や紗幕に様々な言葉が文字として投影される。言葉それ自体が避けがたく形象、つまり「偶像」を招き寄せてしまうという最終場のテーマの先取り。アロンが幾つかの奇蹟を演じて見せる第1幕終盤(近未来風だけど実はアナログな、大きなペニスのような機械装置が持ち出される)はすべて紗幕の中で演じられ、モーゼ一人だけが紗幕の手前に出てしまう。彼だけが疎外されているという状況の鮮やかな視覚化。第2幕になるとアロンは磁気テープという時代遅れのイデオロギーで緊縛されて身動きできなくなり、人々は好き勝手に乱痴気騒ぎを始めてしまう。このシーンは白服の人々が黒い墨汁まみれになるという分かりやすいが、いささか陳腐な表象で表現され、全裸の女性(ただし一人だけ)や本物の雌牛(立派な乳房があるので雄牛ではない)は出てくるものの性的なモティーフはごく控えめ。ルール・トリエンナーレのデッカー演出のような露骨なものを期待すると、肩すかしを食う。 マイヤーとグラハム=ホール(後者はややリリックな声だが)の両主役は理想的な演唱。フィリップ・ジョルダン指揮のオケとコーラスはすこぶる精緻でありながら、オペラとしての「劇的」な面白みも十分。このコンビの近年の好調さがうかがわれる。

    村井 翔 さん |60代

    9
  • シノーポリの新ウィーン楽派の演奏は、20世紀前半の不...

    投稿日:2011/11/07

    シノーポリの新ウィーン楽派の演奏は、20世紀前半の不穏な状勢の中で奏でられる「夜の音楽」といった印象を持ちますが、この耽美でデカダンスな演奏に何とも言えぬ懐かしみを覚えるのは私だけではないと思うのですが、どうでしょうか。

    マンユー さん

    9
  • 作品21のグールドとか、その他ブーさん、マデルナ、...

    投稿日:2008/11/08

    作品21のグールドとか、その他ブーさん、マデルナ、ギーレン、ツェンダー、ヴァントといった仰天演奏が多い新ウィーン学派だが、トータルで集められたセットで、今のところ最強最高のセット。シノーポリの異常ギリギリの音色感覚がここまで爆発した録音群は無い。シェーンベルクが提唱した音色旋律がこれほどまでに実感できる録音は空前だろう。シノーポリの最高傑作にして20世紀を代表する名演奏。凡庸な無能やオケの整音すらできない論外でこの曲集は絶対に選んではいけない(冒涜的な録音多いけど)。

    犬くんくん さん

    8
  • ジャニーヌ・ヤンセンは今年で34歳になる若手女流ヴ...

    投稿日:2013/02/02

    ジャニーヌ・ヤンセンは今年で34歳になる若手女流ヴァイオリニストの旗手の一人とされる存在であり、ヴィヴァルディの四季やベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲など、超個性的でありながらも芸術性がしっかりと担保された圧倒的な名演を成し遂げるなど、着実に確固たるキャリアを積み重ねてきた。そして、今般、ジャニーヌ・ヤンセンの類まれなる芸術性の高さを証明するとともに、おそらくはジャニーヌ・ヤンセンのこれまでのCD中の最高傑作とも評価し得る決定的な名盤が発売される運びとなった。本盤に収録されているのは、シェーンベルクの浄められた夜とシューベルトの弦楽五重奏曲ハ長調。ジャニーヌ・ヤンセンが、「室内楽史上もっとも美しい2作品」と語る傑作だ。この両曲の組み合わせは、もちろんジャニーヌ・ヤンセンの言うとおりなのであるが、それ以上にセンス抜群の意味深いものと言えるのではないだろうか。シューベルトの弦楽五重奏曲ハ長調は、音楽史で言えば、前期ロマン派の作曲家に属するシューベルトの最高傑作の一つではあるが、最晩年の作品であるだけに、その後の作曲家の作品に繋がっていくような、当時としてはある種の革新性を有していたと言えるところだ。そして、それは新ウィーン派の作曲家の旗手として、十二音技法を生み出したシェーンベルクの作品にも繋がっているとも言えるところであり、それ故にこそ、この両曲の組み合わせは意味深長なものと考えられるところである。シューベルトの弦楽五重奏曲ハ長調の名演の一つとしてアルバン・ベルク弦楽四重奏団(第2チェロはハインリヒ・シフ)によるスタジオ録音(1982年)があるが、当該演奏は、同曲の美しい旋律を情感豊かに描き出す一方で、現代音楽にも繋がっていくようなある種の革新性も有していたが、本盤のジャニーヌ・ヤンセンによる演奏も、アルバン・ベルク弦楽四重奏団による演奏とは異なったアプローチではあるが、シューベルトの弦楽五重奏曲ハ長調の持つ革新性を希求するとともに、その延長線上において、シェーンベルクの浄められた夜を捉えるという考え方においては通底していると言えるだろう。それにしても、ジャニーヌ・ヤンセンとその仲間たちのアンサンブルによる演奏は素晴らしい。ヴィヴァルディの四季の演奏も、同様のアンサンブルによる個性的な超名演であったが、本盤の演奏もそれに勝るとも劣らない超個性的、そして芸術性の高い超名演を成し遂げていると言っても過言ではあるまい。シューベルトの弦楽五重奏曲ハ長調の清澄な美しさを情感豊かに歌い抜くという基本的なアプローチは維持しつつも、随所にジャニーヌ・ヤンセンならではのスパイスの効いた個性的な解釈が施されており、それがいささかもあざとさを感じさせることなく、格調の高い芸術性への奉仕に繋がっているのが見事であると言える。そして、時として聴かれる切れ味鋭いリズム感は、前述のような現代音楽に繋がる革新性を感じさせるものとして、かのアルバン・ベルク弦楽四重奏団の演奏を彷彿とさせるものとも言えるだろう。シェーンベルクの浄められた夜も、シューベルトの弦楽五重奏曲と同様のアプローチによる名演であり、単なる美しさのみならず、随所に聴かれる芸術性に裏打ちされた個性的な解釈は、本演奏を聴き飽きたというクラシック音楽ファンにも清新さを感じさせるものと言える。いずれにしても、本盤の両曲の演奏は、ジャニーヌ・ヤンセンの類まれなる芸術性と才能、そして今後の前途洋々たる将来性を感じさせる圧倒的な超名演と高く評価したいと考える。音質もSHM−CD盤であることもあって、鮮明で十分に満足し得るものとなっていることも付記しておきたい。

    つよしくん さん |40代

    7
  • ウィーンにはウィーン独特の音の出し方があるが、あの...

    投稿日:2010/08/04

    ウィーンにはウィーン独特の音の出し方があるが、あの独特の音の出し方には、当初、音楽的な理由があったのだ(うーん、クラシック市場の現状を見渡すと、説得力がない発言ですね(笑))。アーロンQは、今のところ、その音を音楽的に使いこなしているほとんど唯一の団体です。シェーンベルグは新ウィーン楽派と紹介されるけど、普通の団体で聴いていると「どこがウィーンやねん」と突っ込みを入れたくなるのだが、ところが、これが「ウィーンの音」と記憶されている傾向の音で処理されると、シェーンベルグから特異的で妖しく、甘美で退廃的なニュアンスが引き出されてくるから驚く。ラサールQなど現代音楽を得意とする団体ではこのような音楽を聴くことはできない(当然他の団体でも無理)。これは、例えばカルミナQの、圧倒的な表現力で描き尽くされた、うねるようなドラマを突きつけられるようなシェーンベルグとは違った魅力を持つシェーンベルグ。このような演奏をする若い団体にもっと注目が集まるべきだと考えるのだが。「ウィーンの香りと雰囲気を表現する団体」と紹介されると「実力もないくせに、宣伝費だけ使って無知の素人に付け込む上っ面だけの3流の団体か」と思われる人も多いと思うが(事実そんなのばかりだし、過去にそのような地雷を踏んでしまい後悔した人達にとって、それは仕方がないことだが)、このアーロンQに関してはそのようなことは全く無い(現時点では)。理想的な意味でウィーンの音という素材を使いこなしている。本当に素晴らしい団体だし、シェーンベルグのSQが好きな人は是非聴いてみるべきだと思う。

    ひのき饅頭 さん

    7
  • ショルティの回想録でも多くをさいて記述されていた、...

    投稿日:2008/01/26

    ショルティの回想録でも多くをさいて記述されていた、彼自身とても思い入れの強い作品。英初演を成功させた後、シカゴ、パリ、NYでの演奏会形式上演を経て満を持しての録音。とてつもない気合の入り方である。シカゴ響はその技術の高さから時に「ケッ楽勝だぜ」とお気楽にやることもあるがここでは目を血走らせ、本気になって演奏している。「オケコン」「ハルサイ」と並ぶ当コンビの最高傑作。歌手陣の充実はもちろん、録音の鮮明さにかけては比較するものがない。祝復活。

    鎌谷朝之 さん

    6
  • カラヤン・ファンのみならずアンチ・カラヤンの評論家...

    投稿日:2007/05/09

    カラヤン・ファンのみならずアンチ・カラヤンの評論家にも評価の高い『新ウィーン学派の管弦楽曲集』からの抜粋です。音楽之友社出版の「不滅の名盤」では、究極の名盤(名盤中の名盤ということ)に選ばれています。1000円盤でシェーンベルク、ベルク、ウェーベルンを同時に聴かれるとは!。とくに“浄夜”はとても官能的で、現代音楽が苦手な方にもお勧めです。

    ハモンド さん

    6
  • このところすっかり惚れ込んでいるのがこの一枚。輝か...

    投稿日:2016/01/16

    このところすっかり惚れ込んでいるのがこの一枚。輝かしいベートーヴェン全集の録音&録画でついに「世界に冠たる」クワルテットの座についたベルチャSQ。またレーベルを替えて新ウィーン楽派の作品集を出してきた。抒情組曲のカップリング曲と言えば、LP時代には同じベルクの弦楽四重奏曲 Op.3あたりと相場が決まっていたのだが、これは総演奏時間 80:32という盛り沢山なプログラム。新しい第2Vnのシャハーが「出」と「引っ込み」の呼吸を良く心得た人なので、かつてはエマーソンSQ似の双頭型クワルテットだったこの団体、結局は第1Vn主導、つまりはベルチャという名前通りの「女王様」主導の形に落ち着いた感があるが、持ち前の表現主義はもちろんまだ健在。このアルバムでは5つの楽章と抒情組曲の最後の二楽章が特に凄い。ヴェーベルンは無機的、冷たいというこの作曲家のイメージをくつがえすような演奏。何ともエロティックで、なまめかしい。抒情組曲はそもそも曲自体が、楽章が進むごとに表現の振幅が大きくなるように書かれているわけだが、この演奏では速い楽章はさらに速く、遅い楽章はさらに遅い。第6楽章「ラルゴ・デゾラート」は『ルル』の最終場みたいな陰鬱でクールな音楽という感触を持っていたのだが、これほど絶叫型の側面を見せるとは驚いた。ヴェーベルン、ベルクの後に置かれると『浄められた夜』はどうしても微温的に聴こえてしまうが、抒情組曲の最終楽章はまさしく「荒涼とした(デゾラート)」音楽なので、ちゃんとカタルシスの感じられる曲でアルバムを締めようとするのは仕方のないところ。もちろんこれも、きわめて起伏の大きい、濃密な演奏だ。

    村井 翔 さん |60代

    5

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