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まさやん さんのレビュー一覧 

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     2021/03/20

     コレッリとその影響を受けた1世代後のロッシとカルボネッリのVnソナタ6曲である。コレッリの作品5の3は気品のある名曲であるが、ロッジのVnソロは、早い楽章では強弱のアクセントを割と大きくつけて元気よく演奏しており、技巧的にも申し分ない。遅い楽章では情感たっぷりにVnを歌わせている。ロッシやカルボネッリのソナタでも同様である。これを支える通奏低音はハープシコードの他にヴィオローネやチェロ、リュートやバロックギターが加わって厚みがあり、時にソロVnと対等であるかのように音を前面に出してくる積極性も併せ持つ。CDの最後の曲はカルボネッリのソナタ第9番ホ短調の第4楽章「シチリアーナ」であるが、もの悲し気な美しいメロディーが聞く者の心にしみじみと迫ってくる名曲である。

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     2021/03/19

     ピリオッド楽器による19世紀初めのクラリネット五重奏曲集である。有名なウェーバーの曲はクラリネットがソロ楽器のように活躍し、時にオペラの1場面を見ているかのような気にもなる室内協奏曲的な作品である。ホープリッチのクラリネットは歌い手のようにメロディーを奏で、ロンドン・ハイドン四重奏団がそれをしっかりと支えている。第1楽章のドラマティックな展開、第2楽章のもの悲しいアリア、第3楽章の前衛的な音の響きと進行、第4楽章の少しおどけたところもある明るい軽やかさ、実に名曲の名演である。クロンマーの五重奏曲はクラリネットと弦楽のまさに五重奏作品となっており、ウェーバーの曲に勝るとも劣らない名作と言え、それを5人の奏者が息の合った緊密なアンサンブルで聞かせてくれる。特に第4楽章が印象に残る名演である。途中に挟まれたベルマンのアダージョはロマンティックな香りのする美しい曲であり、ホープリッチらが気持ちを込めて演奏している。

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     2021/03/18

     ピリオッド楽器によるベートーヴェンのチェロソナタ全集の録音はまだ少なく、この2人の演奏者も日本ではあまり知られていないが、演奏はとても良く、価格を考えたらコストパフォーマンスはかなり高いと思う。テストーリの弾く1820年製のチェロは現代チェロよりマイルドな音がし、低弦の残響は金属の冷たさを感じさせない温かみが感じられる。彼はC.コワンに師事しただけあってその腕前は確かである。マストロプリミアーノは前期・中期・後期のソナタに合わせて製作年代が異なる3つのフォルテピアノを使用するこだわりを見せ、その音色の違いが楽しめる。2人は自己主張しつつも息の合った演奏を全曲で聞かせてくれるが、特に第3番のソナタがベートーヴェン円熟期の作品であるせいもあり、気合の入った素晴らしい出来になっている。3つの変奏曲もおまけ的な演奏にはなっておらず、中でも「魔笛」の「恋人か女房か」の主題による変奏曲は生き生きとしていて聞きごたえがある。ベートーヴェンのチェロソナタの良さをこのCDで知ることができてよかった。

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     2021/03/16

     1784年、ホフマンが製作したクラヴィコードによるバッハのパルティータ全曲録音である。この歴史的クラヴィコードはチェンバロよりも音が小さく、中・高音は少しチェンバロに似た音がし、低音はビーンと響く独特な音がする。しかしいずれも打音であり、フォルテピアノほどのレンジの広さはないが音に強弱をつけられる。この特徴を十分に生かして、デルフトは実に表情豊かな演奏を繰り広げている。例えば、第1番5曲目のメヌエットUの天国的なふわっとした響き、6曲目のジーグの力強さと軽快さの両立、第6番5曲目のサラバンドの荘厳な歌、そして私が一番気に入っている第5番7曲目のジーグの可愛らしい第1主題のフーガとトリルを多用した第2主題のフーガ、そしてその二重フーガの絶妙な表現の素晴らしさ……。当然、録音された音も小さいので少しボリュームを上げて聞かなければならないが、上げすぎにはご注意を!やや小さい音量で耳を凝らしてじっくりと聞く方がこの演奏の良さが分かるだろう。

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     2021/03/15

     水の都として名高いヴェネツィアに深いかかわりを持つ7人のバロック音楽作曲家の木管楽器が主役の個性的な曲が集められたCDである。7曲中で最も新しい感じがするフェランディーニのソナタだけが1つのオーボエ用であるが、あとの6曲は2本ないし3本の管楽器かチェロ用で、それぞれ組み合わせが異なり、また長調の曲と短調の曲数のバランが良く、『アフィニタ』のセンスの良さがわかる。演奏はというと、ソロ楽器同士の気持ちのこもった掛合いが見事であり、ソロ楽器と通奏低音楽器との一体感もいい感じであるし、時に通奏低音楽器が自己主張することがあるのも一興であるし、しかも4曲で通奏低音としてヴィオローネ、リュート、チェンバロと3つも楽器が使用されるという贅沢さである。『アフィニタ』の親和的協奏が心地よい時間を聞く人に与えてくれるだろう。

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     2021/03/15

     日本ではあまり知られていないテッサリーニ(Vnが得意)であるが、作品9、14ともになかなかの良品である。作品14はFlでも演奏可能なせいもあって、Vnソロはわりと平明で技巧的な華やかさは薄いが、イタリアの地中海の輝きが感じられるような明るい響きがする。ただし、最後のソナタ第6番の両端楽章ではロジトは技巧的に華やかなソロを繰り広げ、第2楽章アンダンテではオペラのアリアのような歌を聞かせてくれる。ヴィオローネを弾くカレガリは伴奏に徹しているが、チェンバロを弾くゾルドは時に自己主張をするがそれもまた良い。途中挿入されているフェナローリのチェンバロ曲も可愛らしい。2つのVnと通奏低音のためのトリオ・ソナタ作品9は作品14よりもバロック的な響きがする。例えば、第4番の第3楽章はバッハとは違ういかにもイタリア人らしい聞きごたえのあるフーガ形式の秀曲である。第6番はコレッリ風のクリスマスソナタで、第3楽章のパストラルを聞き終えると何とも言えぬ穏やかな気分になれる。ロジトとペローネは、ヴィオローネとチェンバロがしっかりと支える中、息の合った美しい二重奏を奏でており、通奏低音なしの作品2の2曲でもそれは変わらない。2作品とも短い曲ばかりなので高級なBGMとして聞き流すこともできるが、何曲か選択してじっくりと耳を傾けた方がテッサリーニの曲の良さと演奏の良さがともによくわかるので良いと思う。

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     2021/03/14

     まず注目すべきはC.クロールの1776年製造の歴史的チェンバロの成熟した響きの美しさである。植山けいはこの響きをよく理解したうえで、バッハの名作、6つのパルティータを見事に弾きこなしている。早すぎず遅すぎず、中庸の落ち着いたテンポで1音1音を大切にしながら、理知的だが冷たくなく、上品なやさしさが感じられ、フォルテでもうるさくはならず、繰り返しのところでの装飾も少なめで、バッハの音楽がもつ構成美や有機的な音のつながりを壊すことはない。バッハの音楽に装飾過多の厚化粧は似合わない。むしろすっぴんに近い方が良い。とはいえ、よく聞くと植山さんは細かいニュアンスもちゃんとつけており、各曲の表情はけっこう豊かである。例えば、パルティータ第5番と6番のジーグはともにフーガ形式をとるが、短調と長調の主題とテンポの違いを的確にとらえて素晴らしい演奏となっている。植山さんの演奏スタイルは、そういえば、晩年のグスタフ・レオンハルトの演奏に似ているような気がする。

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     2021/03/13

     古楽器を使用したラビリンティ・アルモニチによるボンポルティ(ヴィヴァルディと同世代。)のCD第2弾、1696年に作曲された2つのVnと通奏低音のための教会ソナタ作品1である。作品2の室内ソナタと同様にコレッリの影響がかなりみられるが、ただ最後の第10番のソナタは少しはじけたボンポルティ節のような音が結構聞こえてくる。録音状態が良いせいか、ラビリンティ・アルモニチの息の合った美しいハーモーニーがまだ若き作曲家の作品のエネルギーを見事に再現している。作品2と同様に4〜7分と短い曲ばかりなので、全曲通してではなく、何曲か選んでじっくりと聞くようにするとよいと思う。ボンポルティはVn演奏が達者であったようであり、たくさんのVn曲を作曲しているので、日本でももっと彼の作品が聞けるようになってほしい。

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     2021/03/13

     日本ではあまり知られていないボンポルティ(ヴィヴァルディと同世代である。)が1698年に作曲した2つのVnと通奏低音のための室内ソナタ作品2全10曲のCDである。いずれも4〜7分と短い曲ばかりであり、コレッリの影響がかなりみられるが、2つのVnの掛け合いやチェロとの絡み方に時折ボンポルティの個性も感じられる。特にソナタ第1番の第3楽章の荘厳な響きや、ソナタ第10番チャコーナの華麗な響きとその終結部でのリリックなメロディーとピチカート2音でのジ・エンドは印象的である。古楽器を使ってラビリンティ・アルモニチはまだ若い作曲家のソナタを生き生きと現代に再現している。全曲通して聞くよりも、今日はこれとこれというように選択してじっくり聞くとよいと思う。

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     2021/03/13

     ヴィヴァルディのFl協奏曲ニ短調「ムガール皇帝」はいわくつきの異色作であり、その第2楽章はヴィヴァルディらしからぬ響きがするが、この響きこそがインドの「ムガール皇帝」という表題にふさわしい。第1楽章でイタリアを出発し、第2楽章でインドに着き、第3楽章でイタリアに戻ってくると思えば楽しく聞けるだろう。ペルゴレージ作とされるFl協奏曲ト長調は声楽曲が得意な彼らしく、歌心に溢れている。Vnが得意なルクレールのFl協奏曲ハ長調はフランスらしい上品さが感じられ、Flの装飾が華麗である。またオーケストラ伴奏部分が充実しており、Flソロと対等に感じる。この2曲は物悲しいアダージョをもつが、クイケンが繊細なソロでしみじみと聞かせる。Flの名手であったブラヴェのFl協奏曲イ短調はまさに名曲、クイケンのソロはもちろん、インディアナポリス・バロック管弦楽団もブラヴェのデリカシーを見事に再現している。この曲は第1楽章と第3楽章の終わりのところで短いカデンツァのようなものがあり、進歩的である。また、第2楽章が少しゆっくりとしたガヴォットになっているが、これは当時のフランスバロック音楽の保守的伝統に配慮したものであろう。テレマンのFl協奏曲二長調は4楽章構成をとり、ドイツ的な響きがする名曲である。第1楽章の美しく穏やかなメロディー、第2楽章の対位法的な音楽づくり、第3楽章の内省的Flソロ、軽やかな第4楽章、いずれも素晴らしい。しっかりとした技巧に裏打ちされたクイケンは落ち着いたテンポで上品に細かいところにも気を配り、心地よいFlソロを聞かせてくれる。インディアナポリス・バロック管弦楽団はそんなFlソロに対抗せず、クイケンと一心同体の演奏を成し遂げている。バロック期の代表的なFl協奏曲を集めたこのCDを多くの人に聞いてもらいたいと思う。

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     2021/03/12

     ドヴォルザーク、34歳の時の交響曲第5番ヘ長調はワーグナー、ベートーヴェンなどの影響を自分のものとして消化し、それを土台にしてスラヴ(チェコ)の民族性豊かな音楽を築き上げた、なかなかの傑作である。あちこちでドヴォルザークらしい力強い、あるいはどこか懐かしいメロディーが聞こえてくる。特に第3楽章スケルツァンドはドヴォルザークらしさに溢れている。ピリオッド楽器のムジカ・フロレアは、現代オーケストラと比べて弦の人数が少ないので厚みに欠けるが、その分管楽器の音がよく聞こえるし、金管楽器やティンパニーの強奏もうるさくならないのが良い。もちろん弦の真っすぐな響きは澄んで美しい。この特徴を生かしてシュトリンツルとムジカ・フロレアは今回も共感たっぷりに演奏している。もっとこの曲が多くの人に聞かれて良いと思う。序曲「オセロ」はドヴォルザーク、50歳の時の作で、悲劇的でドラマチックな感じの曲である。シュトリンツルとムジカ・フロレアの好演で楽しめる。

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     2021/03/10

     復元されたアルペジョーネ(24のフレット付き6弦楽器)の音を初めて聞いたが、チェロと比べて、音量は少し小さめで柔らかい音がする。その高音は少し線が細い音がし、低音は重々しくなくすっきりした音がし、その重音はチェロよりも響きが良い気がする。ピチカート音も軽やかである。チェロを男性的とすると、アルペジョーネは女性的と言えようか。ルーディンはこの特徴を生かして色彩豊かに演奏しており、ハッキネンのフォルテピアノがそれにぴったりと寄り添って、素晴らしい二重奏となった。シューベルト最晩年の大作のピアノ三重奏ではヘーバルトも加わって、3人が息の合った、力強く活気ある演奏を聴かせてくれる。特に、第3楽章スケルツァンドは3人のノリが良く、聞いているこちらまで身体が揺れてしまう。長大な第4楽章も表情の変化が絶妙で感動的である。

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     2021/03/09

     シュトリンツル指揮ムジカ・フロレアによるドヴォルザーク交響曲全集も残りあと1曲となった。今回は交響曲第3番であるが、悲劇的序曲同様にワーグナーの影響がかなり見られ、あちこちでワーグナー風の響きが聞こえてくる。スラヴ民族の音はあまりしないのでドヴォルザークの曲とは思えないだろう。しかし、2曲とも聞きごたえは十分で、なかなか名作といってよい。録音状態が良いせいもあって、ピリオッド楽器のまっすぐで澄んだ響きとそのハーモニーは相変わらず美しく、シュトリンツルとムジカ・フロレアの演奏は見事である。変ホ長調のポロネーズはポーランド風ではなく、まさにスラヴ(チェコ)風の曲となっており、共感たっぷりに演奏している。

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     2021/03/08

     バッハの真作のフルートソナタ集である。バロックフルートソナタの最高峰といえるロ短調のソナタをラザレヴィチはバロックフルートの音色をうまく生かして、あまり重々しくなく少し軽やかに吹いているが、このソナタの威厳は保たれている。ホ短調のソナタにリュートが使われるのは初めて聞くが、なかなか良い。特に第3楽章アンダンテはバッハが時に見せる繊細でやさしい歌うような曲をうまく表現している。無伴奏のイ短調ソナタではラザレヴィチは自由でのびのびと吹いているように感じる。ただ、1本の笛でバッハはポリフォニー音楽を作ろうとしたはずなので、繰り返しのところで少し装飾が多いかなと思う。ホ長調とイ長調ソナタもいい感じに演奏している。ガンバのブーランジェとチェンバロのロンド―は良く共演している。価格を下げての再販であるが、録音状態は良い。

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     2021/03/06

     17世紀後半、ルイ14世の寵愛を受けたリュリはフランスバロック音楽に革命的な変革をもたらしたが、その晩年の音楽悲劇「ロラン」からの組曲と、その影響を受けたムファットとマレの組曲が収録されたCDである。3つともリュリが確立した堂々としたフランス風序曲で始まり、その後に各種の舞曲が続く。マレの組曲「アリアンヌとバックス」はリュリと同じく、長大で華麗なシャコンヌで終わる。3つとも曲の雰囲気がよく似ており、いかにも品が良く優雅であるが、ムファットはより国際的であり、マレはより典雅である。クイケンの指導を受けたアメリカのインディアナポリス・バロック・オーケストラはその3者の音楽の特徴を的確にとらえ、柔らかく落ち着いた澄んだ響きで見事に現代に再現している。

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