Harcsa Veronika インタビュー

2008年3月31日 (月)

無題ドキュメント
Harcsa Veronika interview

Harcsa Veronika インタビュー


私の始めてのジャズの体験は、
アーチー・シェップ「ダウン・ホーム・ニューヨーク」だったわ


--- デビュー前は、ブダペストにあるジャズ・クラブ「コットン・クラブ」によく出演されていたそうですが、ブダペストは比較的ジャズが盛んな街なのでしょうか?ブダペストの音楽事情を教えてください。

Harcsa  ブダペストには、いくつかジャズクラブがあるし、あとは、もちろん多くの素晴らしいミュージシャンが住んでいるわ。街中で、ジャズが一番ポピュラーというわけではないのだけれど、音楽的には、いい環境よ。ジャズのライヴを聴きたくなると、「テイク・ファイヴ」っていう最近行きつけで、お気に入りのお店に出掛けるの。そこでは、いつも刺激的なステージが行なわれているの。

--- ハンガリー第2の都市デブレツェンでは、毎年「デブレツェン・ジャズ・デー」なるイベントが催されているそうですが、足を運んだことはありますか?相当大きな規模のイベントなのでしょうね?

Harcsa  いつも行ってみたいとは思っているんだけれど、そのイベントには行った事がないの。もちろん、それも大きいジャズ・イベントだけれど、他にも、ブダペストで9月に開催される「MOLジャズ・フェスティバル」や、ジェールという地域で行なわれている、現代即興音楽を中心とした「メディア・ウェーブ・フェスティバル」なんていうイベントもあるのよ。あとは、「Sziget Festival」でのジャズ・ステージ。毎年何十万もの人々が訪れる、ヨーロッパの大きい夏の音楽フェスティバルよ。

--- ハンガリー、特にブダペストの優秀なジャズ・ミュージシャンの中には、ロマ音楽にルーツを持っている人が多い、という話を聞いたことがあるのですが、あなたから見ていかがでしょうか?また、ロマ音楽の魅力とは?

Harcsa     多くの東中欧の国々のように、ハンガリーも、ルーマニア人の人口は5%以上とすごく大きい割合を占めているの。それに、ハンガリーのクラシックやジャズのシーンには、素晴らしいロマ音楽のミュージシャンがたくさんいるわ。伝統的なロマ音楽は、インプロヴィゼーションに満ちていて、メロディーは、ジャズのハーモニーとうまく組み合わせる事ができるのよね。だから、ハンガリーのジャズ・ミュージジャンが、よくロマ音楽を取り入れているというのは、ごく自然な事なのよ。

--- 当初は、クラシックの声楽のレッスンを受けていたそうですが、その当時ジャズには、さほど関心はなかったのでしょうか?また、ジャズに目覚めるきっかけは何だったのでしょうか?

Harcsa     私は、15才までジャズを聴いた事がなかったの。単純にジャズに出会う機会が無かったんだと思うけど。その当時、サキソフォンを習い始めたので、その楽器に関する事なら何でも知りたいと思っていて。CDショップに入って、黒人のサックス奏者がジャケットに映っている1枚のCDを何となしに買ったの。それが、私の始めてのジャズの体験で、アーチー・シェップの「ダウン・ホーム・ニューヨーク」だったわ。一聴して、すぐに気に入ってしまったわ。

--- バイオによると、今年の6月にブダペストの教育音楽大学を卒業する予定だそうですね。2005年に『Speak Low』をリリースした時は、ちょうど入学したばかりの時だったのでしょうか?学校へ通いながら、ツアーに出たりするのは、大変だったのではないでしょうか?

Harcsa  ええ、ファースト・アルバムをレコーディングしたのは、そのジャズ・アカデミーで1年生の時だったの。ミュージシャンはみんな私より年上で、経験も豊富。本当にたくさん助けてもらったわ。学校に通いながら制作するのは、決して簡単ではなかったわね。でも、有り難い事に、私の担任の教授は、たまに私が(音楽活動で)欠席していても、学校を怠けているわけじゃないというのを理解してくれていたの。


Harcsa Veronika


--- 2007年、日本のNature Blissレコードとの契約に至った経緯を教えて下さい。ご自身の作品(『Speak Low』)が、リリースから2年ほど経ってから、遠い日本の国でリリースされ、しかもヒットしたと聞いていかがでしたか?

Harcsa  突然やってきた夢物語のようだったわ。5月の東京公演でステージに立ったときに、始めて実感できることかもしれないわ(笑)。ある日、Nature Blissの担当の方から、ファースト・アルバム「スピーク・ロウ」を日本盤としてリリースしたいという1通のメールが届き、CDがリリースされたの。その評判は、ハンガリーでも話題になっているのよ。

--- 日本へ来られるのは初めてでしょうか?日本の印象は?どのようなところを訪れたいとお考えでしょうか?

Harcsa  初めてなんだけれど、とても楽しみよ。日本についての本を結構読んでいて、その独自な文化は、実に見事だと思うわ。滞在中は、ほとんど東京で過ごす事になると思うけれど、鎌倉や、富士山の周りの湖とか、素晴らしい場所をいろいろと巡ってみたいわ。


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ハルチャ・ヴェロニカ
1982年ハンガリーのブダペスト生まれ。7才でピアノを始める。中等学校に通う間に楽器をサックスに持ち替え、クラシックの声楽のレッスンも開始する。2000年には、ジャズを歌うことに目覚める。04年には、リスト音楽院のジャズ学科に入学。その後、ブダペストにあるジャズ・クラブ「コットン・クラブ」に隔週末ごとに出演することになり、そのとき出会ったメンバーと05年にハルチャ・ヴェロニカ・クァルテットを結成。同年10月に、デビュー・アルバム『Speak Low』をリリース。キュートな容姿と、爽やかでハートウォーミングな歌声は、ここ日本のヴォーカル・ファンのハートをも射止めた。全曲彼女自身の作詞・作曲によるオリジナルで纏められた最新作『You Don't Know It's You』では、彼女のソングライティングの資質の高さも伺うことができる。

最新作『You Don't Know It's You』詳細はこちら!

来日公演決定!
【Harcsa Veronika ニューアルバム発売記念来日コンサート】

Harcsa Veronika Quartet

2008年5月09日(金)
Club IKSPIARI/舞浜
18:30 - open / 20:00 - start / 22:00 - close
* 2ステージ制 / 入れ替えなし(90分)
¥ 4200(税込)

2008年5月10日(土)
JZ Brat/渋谷
18:00 - open / 19:30 - start / 21:30 - close
* 2ステージ制 / 入れ替えなし(90分)
¥ 4725(税込)



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