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ガーディナー・コレクション(30CD)

2013年1月16日 (水)


ザ・ジョン・エリオット・ガーディナー・コレクション(30CD)
ARCHIV・PHILIPS・DEUTSCHE GRAMMOPHON


この30枚組ボックスには、アルヒーフ、フィリップス、ドイツグラモフォンへのレコーディングから、各国で評価の高かった傑作が中心に収められています。
 それぞれのディスクはオリジナル・ジャケット・デザインによる紙ジャケットに封入されています。108ページの欧文ブックレット付き。

 ガーディナー デビュー前

1943年4月20日、イングランド南部のドーセットシャー州で生まれたジョン・エリオット・ガーディナーは幼少の頃に聖歌隊に入り、15歳からは聖歌隊の指揮者を務めていました。その後ケンブリッジ大学では、音楽に直接関係の無い歴史学とアラビア語を専攻していますが、サーストン・ダートやナディア・ブーランジェ、アンタル・ドラティなどに師事し、音楽の広範な専門知識を学んでもいます。そして、在学中に聴いたモンテヴェルディの『聖母マリアの夕べの祈り』がきっかけとなり、1964年にモンテヴェルディ合唱団を結成してプロの音楽家の道を歩むことになりました。

 デビュー

ガーディナーは1967年にモンテヴェルディ『聖母マリアの夕べの祈り』の演奏によって正式なデビューを飾っていますが、本格的な活動はモダン楽器によるモンテヴェルディ管弦楽団を設立した1968年からで、その年に初の演奏旅行をヨーロッパ各地で行い、BBCヘンリーウッド・プロムナード・コンサート(通称プロムス)に史上最年少の指揮者として出演するなど注目を集めました。翌年にはイングリッシュ・ナショナル・オペラで『魔笛』を指揮してオペラ・デビューも果たしています。

 レコーディング開始

1974年には念願とも言えるモンテヴェルディ『聖母マリアの夕べの祈り』の最初の録音を英デッカで行いますが、同年にロドリーゴ『アランフェス協奏曲』、翌年にバークリーの新作『ギター協奏曲』をジュリアン・ブリームと録音するなど、すでに彼の多彩なレパートリーの片鱗を覗かせています。

 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ創設

1977年にはモンテヴェルディ管弦楽団を改組し、オリジナル楽器によるイングリッシュ・バロック・ソロイスツを創設。録音活動も活発化し、アルヒーフやエラート・レーベルで、ヘンデルの『イェフタ』Disc8-10)などオラトリオやオペラを中心に、高い評価を受けたパーセル『妖精の女王』Disc3-4)など、斬新な試みに満ちたディスクを多数作り上げました。古楽以外でもマスネの『管弦楽曲集』など、録音に恵まれなかった作品における優れた録音を生み出してもいます。

 オペラに本格進出

また、1983年にはリヨン歌劇場の音楽監督に就任し、忘れられかけていた珍しいオペラ作品の上演に努め、その時期に、グルック:『タウリスのイフィゲニア』Disc11-12)、シャブリエ『エトワール』、オッフェンバック『山賊』、ロッシーニ『オリー伯爵』などの録音が残されました。

 バッハなどのバロック録音が続々登場

この頃からいよいよ本格的にバッハの録音に着手し、カール・リヒター亡き後のアルヒーフ・レーベルを代表するバッハ指揮者として、声楽大作のほか、カンタータやモテット、管弦楽組曲などで大活躍。1988年の『マタイ受難曲』Disc5-7)でも、重厚なリヒターの演奏とは対照的な、現代的センスによるスマートな『マタイ』像を鮮やかに打ち立て、洗練された美しい合唱と優秀なソリストたちにより清々しい美しさを引き出し感動的です。
 1989年にはモンテヴェルディ『聖母マリアの夕べの祈り』の2度目の録音を行いDisc1-2)、バロック音楽の録音はこの時点でひと区切りといった感じでした。
 この『聖母マリアの夕べの祈り』は、1991年度レコード・アカデミー賞大賞受賞の名盤として知られてもいます。「6声のマニフィカト」を含む全14曲が収録されており、細部の表現に一層磨きが掛けられた、現代において考え得る最も理想的な演奏を聴かせた演奏として評判になりました。チャンスやターフェルなど声楽陣も充実を極め、モンテヴェルディ合唱団と少年合唱の織り成す天国的な美しさが格別な感動をもたらします。

 古典派作品のピリオド録音

バロックから古典派へと進んだガーディナーは、1986年にモーツァルトのピアノ協奏曲第20&21番Disc16)、1989年にベートーヴェン:ミサ・ソレムニス(Disc21)、1990年にモーツァルト:『イドメネオ』Disc13-15)、ハイドン『四季』Disc17-18)などの録音を手がけ、イングリッシュ・バロック・ソロイスツのピリオド・オーケストラとしての実力を世に示してもいました。

 オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク創設

そのガーディナーが、1990年には、古典派以降の作品をオリジナル楽器でさら徹底した形で演奏するために「オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク」を組織し、ベルリオーズの幻想交響曲Disc22)、ベートーヴェン:『レオノーレ』全曲Disc19-20)、シューマン:『楽園とぺリ』、交響曲ほかDisc23-24)、ヴェルディ:レクィエムDisc26)などを録音してピリオド・アプローチでのレパートリーをロマン派にまで拡大。

 ウィーン・フィルとの録音

一方では、伝統的オーケストラの代表格であるウィーン・フィルを指揮して、レハール、シャブリエ、シューベルト、メンデルスゾーンのレコーディングもおこなって芸風の幅広さも見せており、中でも、1994年のレハールの『メリー・ウィドウ』Disc25)では、ガーディナーの豊富な経験を反映した多彩な表情の演奏が素晴らしく、1998年のエルガー管弦楽作品集Disc27)も抑えた中に複雑な響きの魅力を反映した見事な演奏を聴かせていたのが印象的です。

 その他のオケとの録音

同じ頃、1993年にはクルト・ワイルの『七つの大罪』全曲Disc29)を北ドイツ放送響と録音して、シニカルな作品での相性の良さもみせ、1995年にはガーディナー家とも関わりのあったパーシー・グレインジャーの作品Disc28)に本格的に取り組み、モンテヴェルディ管弦楽団の名前を復活させて合唱作品を録音するという力の入った録音で高い評価を獲得。また、1999年には、ロンドン交響楽団を指揮したストラヴィンスキーのアルバムDisc30)で、師ナディア・ブーランジェの実の妹で、若くして亡くなったリリ・ブーランジェの作品の心のこもった美しい演奏を聴かせていました。
 参考までに元々のジャケット画像を表示しておきます。(HMV)

 収録情報


Disc1-2
・モンテヴェルディ:聖母マリアの夕べの祈り

 アン・モノイオス(ソプラノ)
 マイケル・チャンス(カウンターテノール)
 ブリン・ターフェル(バリトン)
 アラステア・マイルズ(バス)、他
 モンテヴェルディ合唱団
 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
 録音時期:1989年5月、7月

Disc3-4
・パーセル:歌劇『妖精の女王』全曲

 ジェニファー・スミス(ソプラノ)
 ジュディス・ネルソン(ソプラノ)
 エリザベス・プライデイ(ソプラノ)
 ティモシー・ペンローズ(カウンターテノール)
 アシュレイ・スタッフォード(カウンターテノール)
 ウィンフォード・エヴァンス(テノール)
 マーティン・ヒル(テノール)
 スティーヴン・ヴァーコー(バス)
 デイヴィッド・トーマス(バス)
 モンテヴェルディ合唱団
 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
 録音時期:1981年6月

Disc5-7
・バッハ:マタイ受難曲 BWV.244

 バーバラ・ボニー(ソプラノ)
 アン・モノイオス(ソプラノ)
 アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(メゾ・ソプラノ)
 マイケル・チャンス(カウンターテノール)
 ハワード・クルック(テノール)
 オラフ・ベーア(バリトン)
 コルネリウス・ハウプトマン(バス)
 モンテヴェルディ合唱団
 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
 録音時期:1988年4月

Disc8-10
・ヘンデル:オラトリオ『イェフタ』

 ナイジェル・ロブソン(テノール)
 リン・ドーソン(ソプラノ)
 アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(メゾ・ソプラノ)
 マイケル・チャンス(カウンターテノール)
 スティーヴン・ヴァーコー(バリトン)
 ルース・ホルトン(ソプラノ)
 モンテヴェルディ合唱団
 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
 録音時期:1988年6月(ライヴ)
 音源:PHILIPS

Disc11-12
・グルック:歌劇『タウリスのイフィゲニア』全曲

 ナンシー・アージェンタ(ソプラノ)
 コレット・アリオット=ルーガス(ソプラノ)
 ダニエル・ボルスト(ソプラノ)
 ダイアナ・モンタギュー(メゾ・ソプラノ)
 ゾフィー・ブーリン(メゾ・ソプラノ)
 ジョン・エイラー(テノール)
 トーマス・アレン(バリトン)
 ルネ・マシス(バス)
 ルネ・シラー(バス)
 モンテヴェルディ合唱団
 リヨン歌劇場管弦楽団
 録音時期:1985年1月、2月
 音源:PHILIPS

Disc13-15
・モーツァルト:歌劇『イドメネオ』全曲

 シルヴィア・マクネアー(ソプラノ)
 アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(メゾ・ソプラノ)
 アントニー・ロルフ・ジョンソン(テノール)、他
 モンテヴェルディ合唱団
 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
 録音時期:1990年

Disc16
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467

 マルコム・ビルソン(フォルテピアノ)
 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
 録音時期:1986年

Disc17-18
・ハイドン:オラトリオ『四季』

 バーバラ・ボニー(ソプラノ)
 アントニー・ロルフ・ジョンソン(テノール)
 アンドレアス・シュミット(バス)
 モンテヴェルディ合唱団
 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
 録音時期:1990年

Disc19-20
・ベートーヴェン:歌劇『レオノーレ』全曲

 ヒレヴィ・マルティンペルト(ソプラノ)
 キム・ベグリー(テノール)
 マシュー・ベスト(バリトン)
 アラステア・マイルズ(バス)、他
 モンテヴェルディ合唱団
 オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
 録音時期:1996年9月

Disc21
・ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス ニ長調 Op.123

 シャルロット・マルギオーノ(ソプラノ)
 キャサリン・ロビン(メゾ・ソプラノ)
 ウィルアム・ケンドール(テノール)
 アラステア・マイルズ(バス)
 モンテヴェルディ合唱団
 イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
 録音時期:1989年11月

Disc22
・ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14a

 オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
 録音時期:1991年9月
 音源:PHILIPS

Disc23-24
・シューマン:ミニョンのためのレクィエム Op.98b
・シューマン:楽園とぺリ
・シューマン:夜の歌 Op.108
・シューマン:交響曲第4番ニ短調(1841年オリジナル版)

 バーバラ・ボニー(ソプラノ)
 ベルナルダ・フィンク(メゾ・ソプラノ)
 ニール・アーチャー(テノール)
 ヴォルフガング・ブレンデル(バリトン)
 ジェラルド・フィンリー(バス)
 クリストフ・プレガルディエン(テノール)
 コルネリウス・ハウプトマン(バス)、他
 モンテヴェルディ合唱団
 オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
 録音時期:1997年

Disc25
・レハール:喜歌劇『メリー・ウィドウ』全曲

 シェリル・ステューダー(ソプラノ)
 バーバラ・ボニー(ソプラノ)
 ライナー・トロースト(テノール)
 ウーヴェ・ペパー(テノール)
 ハインツ・ツェドニク(テノール)
 ブリン・ターフェル(バリトン)
 ボー・スコウフス(バリトン)
 カール・マグヌス・フレドリクソン(バリトン)
 モンテヴェルディ合唱団
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 録音時期:1994年

Disc26
・ヴェルディ:レクィエム

 リューバ・オルゴナソーヴァ(ソプラノ)
 アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(メゾ・ソプラノ)
 ルカ・カノニチ(テノール)
 アラステア・マイルズ(バス)
 モンテヴェルディ合唱団
 オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
 録音時期:1992年
 音源:PHILIPS

Disc27
・エルガー:序曲『南国にて』
・エルガー:序奏とアレグロ Op.47
・エルガー:ため息 Op.70(弦楽、ハープとオルガンのためのアダージョ)
・エルガー:エニグマ(謎)変奏曲 Op.36

 キュッヒル弦楽四重奏団
 ライナー・コイシュニヒ(オルガン)
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 録音時期:1998年

Disc28
グレインジャー:合唱作品集
・『日曜日になればわたしは17歳』
・『ブリッグの定期市』
・『ソロモンの雅歌〜愛の詩』
・『愉快な婚礼〜祝宴の踊り』
・『シャロー・ブラウン〜船乗りのシーシャンティ』
・『父と娘』
・『わが黒髪の乙女』
・『花嫁の悲劇』
・『アイルランド、デリー州の調べ』
・『スコットランドのストラススペイとリール』
・『行方不明のお嬢さんが見つかった』
・『三羽のからす』
・『ダニー・ディーヴァー』
・『フォスターに捧ぐ〜草競馬にもとづいて』

 モンテヴェルディ合唱団&管弦楽団
 録音時期:1995-96年
 音源:PHILIPS

Disc29
ヴァイル:
・『七つの大罪』全曲
・『闇の女』より(マイ・シップ/人生は一度だけ)
・ピアノ伴奏の2つの歌(夜勤シフトの相棒に/ナナの歌)
・『ハッピー・エンド』より(ビルバオ・ソング/スラバヤ・ジョニー/難儀の歌)
・ピアノ伴奏の3つの歌(あんたを愛してないわ/シッケルグルーバー/別れの手紙)
・『ワン・タッチ・オブ・ヴィーナス』より(愚かな心/スピーク・ロウ/私自分が他人みたい)

 アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(メゾ・ソプラノ)
 ベンクト・フォシュベリ(ピアノ)、他
 北ドイツ放送交響楽団
 録音時期:1993年

Disc30
・ストラヴィンスキー:詩篇交響曲
・ブーランジェ:詩篇第24番
・ブーランジェ:詩篇第129番
・ブーランジェ:古い仏教の祈り
・ブーランジェ:詩篇『深き淵より』(詩篇第130番)

 ジュリアン・ポッジャー(テノール)
 サリー・ブルース=ペイン(メゾ・ソプラノ)
 モンテヴェルディ合唱団
 ロンドン交響楽団
 録音時期:1999年

 サー・ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮)

 録音方式:ステレオ(デジタル)
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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ザ・ジョン・エリオット・ガーディナー・コレクション(30CD)

CD 輸入盤

ザ・ジョン・エリオット・ガーディナー・コレクション(30CD)

ユーザー評価 : 5点 (1件のレビュー) ★★★★★

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発売日:2013年03月15日
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