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gairo さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/01/02

    異次元のベートーヴェンがここにある。並の奏者ならベトの大海を時に大波に揺すられ危うくなりながら周遊して回る趣なのにたいし、こちらはベトという大海を根こそぎ動かすような力感に溢れている。打鍵の力強さと明晰さもさることながら、あらゆる部分がその最深部まで掘り起こされ、曲進行の浸透性の強さは前代未聞。しかも演奏の基本は厳格なインテンポと未曾有の端正さにあるというのだから、これは真に驚くべき演奏と言わなくてはならない。例えば「悲愴」冒頭のグラーベがどんな形をしているか、これまでそれらしい思い入れの演奏はあったかもしれないが、その全体像はリルを聴かなければわからないかもしれない。情的なものに左右されることなく、はっきり見えている到達点に向かって大地の感触を確かめながらすべての一歩を刻むというのがリルの作法であり、これほど意志に貫かれた演奏はかつてなかった。なら情緒に不足するのかといえば実際は逆。大地を揺るがす怒りから天上の慰めまで、その透明なレンジの広大さに聴き手は驚き、心底からの慰撫を得るだろう。それこそベトの音楽に内包されていたものにほかならないのだが。リルを聴かずしてベートーヴェンは語れない。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/12/09

    驚きそしていつになく楽しめた。驚きはそのあまりにも正統的である点。音を溜め、解放し、次々とバトンタッチしていく、その方法は正統派の王道を行くものだ。ノリントンはその際、鮮やかなフットワークと鋭敏かつ強靭な感性で臨み、実際これでまで誰もがなし得なかった見事な成果を挙げている。N響の指揮ぶりをみて、こんな楽しい指揮者がいたのかというショックを受けたが、この全集はもっと早く接しているべき全集だった。まだの人は早めに。ただ残念な点がひとつ。楽章の終わりが余韻なくすぐにフェイドアウトしまう。楽章ごとにノリントンの描く別世界から一挙に現実に連れ戻される感じで、白けることはなはだしい。一体どうなってるんだ、関係者は出てこい!!!

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/12/08

    驚くべき演奏。超絶技巧は言うに及ばず、むせ返るよう色香を放ちながら、どこまでも高貴なたたずまいは崩れることなく、音楽は熱と湿り気を帯びながら上昇していく。リコーダー1本による、またリコーダー1本でしかなし得ない音楽の桃源郷、すべての音楽ファン必聴の名盤!!。

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  • 11人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/06/10

    購入してほぼ1年経過、現在3周回目。LP全集に比べたら便利このうえなし(LP全集の対訳が今生きている)。演奏(録音も)は理想的、これ以上はないだろうし自分には必要もない。言葉と音楽の不思議、それは人間の不思議にほかならないが、聴くたびに感嘆し、生きているありがたさを噛みしめている。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/05/26

    絶賛の嵐ということで一言。尋常を超えたひらめきで勝負がアルゲリッチの持ち味だが、それだけでは音楽は広がっていかない。視野の狭さに最近は興味を失っていたが、昔の名演を確認したくてこのセットを購入、改めて聞き直すとやはりそう(もちろんいいところはたくさんあるけれど)。中域を強調したヴィルトハーゲンによる録音もLP当時は珍重されたのだろうが、今となっては奏者の弱点を強調する要素にしかなっていない。これが歴史というものか。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/05/25

    とにかくものすごい内容なので、一挙に聴き通すのは自分には無理。それでもショパンはようやく2回聴いた。ショパンに限って言うと、曲の立ち姿は過去の名演に比べ二次元的にも三次元的にも拡大され、壮麗な全体像が現れると同時にどの細部もクリスタル的に輝いているのは驚き。ルービンシュタインもアルゲリッチも子供の演奏のように聴こえてしまう。でもとがった演奏では全然ない。生命の大地から生まれたような呼吸の深さ、それは最もリアルであり、かつ深い慰撫をもたらすものなのだ。

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