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まさやん さんのレビュー一覧 

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     2022/03/02

     エーベルルの若い頃と円熟期(晩年)の作品を取り上げた好企画で、若い頃の3つの作品はモーツァルトの影響が色濃く、モーツァルト好きには好感が持たれると思う。ト短調とハ長調のソナタは感情表現豊かな充実した作品で聞きごたえがある。残響が少し多めな録音であるが、強奏してもうるさくならず、豊かな音色と美しい響きのするフォルテピアノを駆使した名越さんの演奏は聴いてる人に感動をあたえてくれる。エーベルルの作品がもっと知られるようになってほしいと思った。

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     2021/09/27

     サウリのマンドリン組曲の各曲はいずれも短い曲がほとんどで、上下する波のごとくにメロディーが流れていき、聞いていて心地よく、しかも各舞曲の性格がきちんと表現されているのがよい。他の5曲も佳曲である。フェレッラのマンドリンは少し硬く乾いた音がするが、明るくキレが良く、なかなか美しい音を出している。ただ、録音マイクが楽器に近すぎるのか(?)ウオンというハウリングのような音が時々聞こえるのが残念である。また、サラバンドのようなゆっくりした曲ではもう少ししっとりとした音が出せないものであろうか。

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     2021/09/22

     スウェーデンのモーツァルトという異名で呼ばれることもあるクラウスのピアノ曲は全般的に明るく軽い感じがするが、主題と変奏での短調の変奏はほの暗く聞きごたえがあり、ソナタホ長調(1788年)の終楽章の長大な変奏でも短調の変奏は何か悲劇的で心を揺さぶるものがある。そういえば、クラウスの短調の交響曲もそんな感じがする。クラウスが短調のピアノソナタを作曲しなかったのが残念である。このソナタホ長調の他の楽章も充実しており、特に第2、第3楽章のアダージョは絶品である。知る人ぞ知るフォルテピアノの名手マストロプリミアーノはフォルテピアノの柔らかく豊かな音色、とりわけ、クリアで美しい響きの高音をうまく生かしてクラウスの作品の良さを現代に伝えてくれている。

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     2021/08/17

     三星たまさんのマンガは初めて読んだが、まず、表紙の絵がとてもかわいい!色使いもいい感じです。8話とも個性的で、文字のセリフが全くない「魔法使いと弟子」は超ユニーク。どのお話もピュアで真っすぐな情愛に溢れており、誰しも青年期の前半に経験しているのではないかな……老若男女それぞれが楽しめる短編集である。ただ、「ゼラニウウムの庭」は異色な作品で内容に深みがあり、三星たまさんの作風を広げる可能性が感じられる傑作であると思う。

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     2021/07/30

    フリッシュのチェンバロはオリジナルのコピー楽器であるが、録音の良さもあって、残響がやや長めで実に美しく響く。例えば、有名なハ長調のプレリュードと明るく力強いフーガ(特に最後の和音!)、嬰ヘ長調のプレリュードとフーガの軽やかな歩みと抒情性にその美しい響きが十二分に生かされている。最後のロ短調のプレリュードにおける沈思するようなほの暗い流れ、威厳のある確固たる歩みの長大なフーガの演奏も素晴らしい出来である。性格が異なる24曲(48曲か…)をチェンバロの持つ能力を最大限に引き出して表現しきったフリッシュの知性・感性・技に感嘆した。このCDはトップクラスの名演である。多くの人に推薦したいと思う。

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     2021/07/28

     交響曲第1番ハ短調はまだ15歳のメンデルスゾーンの若さ溢れる劇的な作品であるが、長調の部分(第2楽章や第3楽章のトリオ)は穏やかで田園の情景や牧歌的な雰囲気となり、この短調と長調の対比がユニークである。終楽章では展開部の対位法的処理が緊張感を高めており、突如としての力強い長調のコーダも若さを感じさせる。カサド指揮のFBOはメンデルスゾーンのこの若さをやや早めのテンポの切れの良い音でぐいぐい押していき、若きメンデルスゾーンを活写していて見事である。ピアノ協奏曲第2番ニ短調は円熟期に入った作品で、両端楽章の引き締まった表情と第2楽章のロマンティックなメロディーが魅力の傑作である。(もっと演奏されてもよい曲だと思う。)ベズイデンホウトのひくエラール(1837年製、時代ピアノ)は古典派のフォルテピアノや現代ピアノとは違う独特な音色と良く響く音を奏で、前期ロマン派のピアノ協奏曲の本来の姿を私たちに示してくれる。カサド指揮のFBOは交響曲第1番と基本的に変わりない演奏でピアノとしっかりと協奏している。古楽が好きな人には時代楽器によるロマン派の演奏にも耳を傾けてほしいし、現代楽器の好きな人には昔はこうだったんだと視野を広げてもらえたらなと思う。

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     2021/07/27

     マンハイム学派の中では伝統を重んじ保守的な作風のリヒターの交響曲は聴いたことがあるが、このCDの曲は初めて聴いた。Fl協奏曲はクヴァンツのような華やかな技巧は見られないが、堅実で品の良い陰りのあるメロディーが印象的である。トリオ・ソナタは形式的にはバロック音楽だが、メロディーは少しエレガントで抒情的である。2つのハープシコード・トリオはピアノ三重奏の先駆的作品で、主役のハープシコードの音量が大きくないせいもあってか、Vn、Vcが対等に活躍して聴きごたえ十分である。とはいえ、マンハイム学派の主・ヨハン・シュターミッツのFl協奏曲を聴くと、やはりリヒターは少し古風かなと思うが、それがリヒターの個性であって、個人的には好感が持てる。セメラードヴァーのトラヴェルソは技巧的に問題はなく、柔らかく美しい音がする。アンサンブル・カストールは早い楽章では時には各パートが自己主張もしながら生き生きと、遅い楽章では気持ちを込めてゆったりとメロディーを歌う。リヒターの曲のCDはまだ少ないが、多くの人に聞いて欲しいと思う。

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     2021/07/24

     ハイドンの疾風怒濤期の傑作の1つが弦楽四重奏曲集OP17である。色々実験的試行錯誤を重ねながら、自身の持つ知性と感性をフルに活用して生み出された6曲はいずれもよくできている。やや遅いテンポの第1楽章は多彩な表情の変化が聴き所で、第2楽章のメヌエットは軽やかに美しく流れていく。第3楽章のアダージョとラルゴは深々とした上質な感情表現が素晴らしく、特に第5番ト長調の「レチタチーヴォ」はオペラセリアの一場面のようで、感動的である。終楽章はハイドンらしい急速で元気のいい曲だが、第1番、5番、6番のそれは進んできた歩みを止めるように静かに終わるので、「うん?」と思いつつ、不思議な余韻が残る。どれも良い曲だが、あえて挙げれば、第4番ハ短調と第5番ト長調が最高の出来であると思う。古楽器と古楽器奏法を自然体でパフォーマンスしているロンドン・ハイドン四重奏団の柔らかく真っすぐでピュアな音がハイドンのあるべき本来の姿を私たちに示してくれる。もうすぐ彼らによるハイドンの弦楽四重奏曲全集が完成するだろう。楽しみである。

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     2021/07/23

     久しぶりのアニメ「夏目友人帳」である。まずは「石起こし」、ミツミが可愛らしくて、小さくて弱っちいのに頑張り屋で…愛すべきキャラである。ヒノエ、ちょび、中級妖怪の2人もいつもよりも少しコミカルな感じ、最後の酒宴へ向かう場面もなんとなく幸せな気分になる。感覚的に古いかもしれないが、「松竹新喜劇」の精神と似ている作品に仕上がっているという気がする。「怪しき訪問者」はいつものシリアスなストーリー展開で見ごたえ満点、水の美しいシーンも印象的である。田村と夏目、ササメとミスズの心の絡み合いがストーリーに深みを与えている。Anlyさんが歌うエンディング曲「星瞬」がとても良く、2つの物語が終わった後の余韻を豊かにしてくれている。「夏目友人帳」ファンだけでなく、不思議な話のアニメが好きな人にも見て欲しい。

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     2021/07/23

     谷和野さんの短編集「リリリライト」、変なタイトルだなあと思って読んでみると、内容が結構複雑で不思議なお話、でもリリリ・ライトではなく、リ・リ・リライトか!と気づくと納得できた。(勝手な解釈かもしれないが…)そのエピソード編「ピクニックの前」の谷さんの感性は素晴らしい。他の6つの短編も味わい深い作品である。中でも「坂の上の窓」の驚くべき落ちは実にシュールで、谷さんにしては珍しいのではないか。今回もこの短編集のおかげでよい時間を過ごせた。

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     2021/07/22

     Vnの名手でフランスバロック音楽にイタリア様式を取り入れたルクレールのVn協奏曲集の第2巻である。OP7の方がイタリア様式の影響が濃く、それはOP7の1ニ短調の第1楽章やOP7の3ハ長調の第2楽章を聞くとよくわかるだろう。とはいえOP7の3ハ長調の第1楽章のエレガントさはまさにフランスならである。OP10はイタリア様式をすっかり消化した新しいフランスバロック音楽となっており、シャイエークのソロVnの流れるような優しい優雅さがたまらない。そんな中、OP10の1変ロ長調の第2楽章のほの暗くもの悲しいメロディーをシャイエークが上品に心を込めて弾いているのが印象的である。第3巻が出ればVn協奏曲集は完結するので待ち遠しい限りである。

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     2021/07/22

     天使のようにヴィオラ・ダ・ガンバを演奏したことで知られるマラン・マレの教え子の1人、ジャック・モレルのヴィオール曲集第1巻で、第1、3、4組曲は世界初録音という。この曲集は1709年に出版され、マレに献呈されたもので、当然ながらマレの音楽の影響を受けており、実際聞いてみると、そんな感じがする。とはいえ、マレよりも1世代若いモレルの音楽には若者らしいエネルギーや情緒表現も所々で感じられ、やはり新しさも持つ音楽であることが分かる。マリアスのヴィオラ・ダ・ガンバ(ソロ)は全般的に意欲的で力強く、ゆっくりとした楽章ではガンバをよく歌わせているし、通奏低音の2人の奏者も彼をしっかりと支えている。最後の曲であるシャコンヌ・エ・トリオでは2人のマリアスのガンバとフルート・トラヴェルソが危ういバランスの中、見事な掛け合いを貫き、フランスバロック音楽の醍醐味を味わせてくれる。ジャック・モレルの作品は初めて聞いたが、なかなかよい印象を受けた。

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     2021/07/20

     モーツァルトを生涯敬愛していたフンメルの時代楽器によるピアノ協奏曲集第2巻である。ピアノ協奏曲イ長調はフンメル20歳前後の作品で、モーツアルトの作品に似た趣味の良さが感じられる。特に第2楽章ロマンツェの若々しく優しい美しさが魅力的である。ラ・ガランテの演奏はまあまあだが、コッメッラートのフォルテピアノは音にメリハリがあり、またよく歌う。ピアノ協奏曲ト長調はフンメル27歳の時の作品で、同世代と言えるベートーベンの個性的作風とは異なるが、いかにも古典派の作品と感じられる曲で、ソロのピアノとVnの掛け合いが楽しい。ミラノ・クラシカも標準以上の演奏で2人のソロを支えている。なお、第3楽章のカデンツァはコッメッラート自身によるものだが、その最後の所で金属棒を叩くような音がして驚かされるが、解説を見ると、janissaryの音であるという。モーツアルトの有名なトルコ行進曲をピアノで演奏する際にも使われることがあった当時の流行りの楽器である。コッメッラートは面白いことをするなあと感心した。

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     2021/07/19

     多分、世界初のピリオッド楽器によるグリーグのピアノ協奏曲と小品集である。1849年製のエラールは、現代ピアノのやや乾いた硬い鋼鉄製のピアノ線の音とは異なり、響きが柔らかく音色の変化もあり、鍵盤を叩いた後の残響の余韻が美しく、また最強奏してもうるさくはない。ズーエフはこの特徴をしっかりと押さえて第1、第3楽章は繊細な音色を生かしつつ生き生きとピアノを弾いているし、第2楽章ではうっとりするような豊かな感性で優しくピアノを歌わせている。18世紀オーケストラも良く共感したパフォーマンスをしている。ライブ録音にしては音も良い。表題のついた小品はいずれも詩的な感興に溢れた演奏であり、最後の1854年製のプレイエルによるバラードも聞きごたえがあった。ピリオッド楽器によるロマン派の作品がもっと演奏・録音されることを願う。

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     2021/07/18

     時代楽器による「幻想交響曲」はガーディーナー指揮ORRよる演奏が最初で、そのCDを聞いて感動したことをまだ覚えているが、ロト&レ・シエクルの演奏はそれに勝るとも劣らない名演である。まず録音がとても良いので各楽器の音が生々しく細部まで明瞭に聞こえる。ロトの理知的なコントロールにレ・シクエルもしっかりと応じ、素晴らしい音響空間・世界を現出している。第1楽章を聞き始めると、次の楽章が自然と聞きたくなり、終楽章まで聞き通してしまった。なお、終楽章の終結の盛り上がってのオーケストラの全楽器の爆発的ユニゾンがこの曲の最後の聴き所で感動的であるが、現代楽器オーケストラと異なり、2つのコルネットの響きだけが混ざり溶け切らないが、これもベルリオーズの意図に沿っているのだろう。時代楽器による「幻想交響曲」のトップ名盤が誕生した。

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