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ねも さんのレビュー一覧 

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     2019/01/08

    大富豪ヨーク・ハッタ―の死体がニューヨークの港に浮かぶ。それを皮切りに、ハッター家では、毒殺未遂、さらにマンドリンによる撲殺事件が続けて起る…
    エラリー・クイーンの代表作の一つ。常に海外ミステリーのオールタイムベストで常にベスト3に入るほどの人気作だが、今ではクイーンファンの中での評価は今一つ。まがまがしい雰囲気、意外な犯人、緻密な構成が本作の魅力だが、あまりの知名度の高さと時代の流れ故に、犯人に意外性が感じられなくなったこと、リアル指向といったものが強くなったからだろう。しかし、これほど緻密な構成を持つミステリは多くはないし、ちょっと違った意味で“意外な犯人”であるし、恐るべき“犯人”とも言える。

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     2019/01/07

    大島弓子は、最も好きなマンガ家だ。「24年組」の他の作家の才能も認めるし、手塚治虫は神様だし、岡田史子はとんでもない“天才”だと思うけど、それでも、私にとって大事なマンガ家は大島弓子だ。
    本書刊行時点(2015年)でマンガ家歴47年の大島弓子のすべてを208ページに収めるのは不可能なので、本書に対して不満を抱く熱烈ファンもいるだろう。しかし、大島弓子に関して、これだけまとまった形のものはこれまでなかった。だから、多少物足らなかったとしても、本書には十分な価値がある。
    ファンになりたての人は、本書を通じて、大島弓子の深い世界を知って欲しい。

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     2019/01/07

    密室の帝王とも称されるカーの代表作の一つ。発表当初よりも、後年になるにしたがって評価の高まった作品である。
    デスパード家の当主が急死。当初は病死と思われたものの、毒殺ではないかという疑いが持ち上がる。使用人がその夜、当主の部屋で女性を目撃したと証言したのだ。しかし、その女性は部屋から消失したように見えたとも証言する。真相を確かめるべく、当主の死体を改めようとするが、遺体は忽然と消えていた…
    カーのオカルト趣味と密室トリックがちょうどいい具合でまざりあった作品。ラストに不思議な余韻が残る快作。

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     2019/01/07

    「国名シリーズ」第5作。最初に読んだとき、かなり真相に迫れた作品なので強く記憶に残っている作品。
    クリスマスの朝、T字路のT字型の道標に、首を切られT字型に吊るされた死体が発見された。エラリーは捜査に乗り出すものの暗礁に。それから半年後、T字型の殺人死体が、次々に発見される。エラリーはいぜんとして犯人を指摘することができないものの、第4の殺人事件が起きると…
    本作では舞台がニューヨークを離れ、クイーン警視もほとんど登場しないので、これまでの国名シリーズとかなりイメージが変わる。
    本作を国名シリーズ中最高傑作とする人もいるほどの傑作。

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     2019/01/07

    著者の「国名シリーズ」第6作。ニューヨークの競技場、二万人の大観衆が見つめるロデオショーの最中に、銃声が鳴り響き、ロデオスターのバック・ホーンが撃たれる。しかし、競技場内には、ホーンの銃も含め、凶器となった銃が見つからない。客席にいたエラリーとクイーン警視が捜査に乗り出す。ショーのため臨時に雇われたミラーを含め、疑わしい人物が浮き上がるが…。
    「国名シリーズ」の中では評価の分かれる作品。分量的にも質的にも、この作品の前々作『ギリシア棺の謎』、前作『エジプト十字架の謎』には及ばないと私は思っている。

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     2019/01/07

    小学校時代から飼っている愛猫タイガーの視点から描かれた、著者の自伝的な作品。舞台は1960年代後半から1974年なので、全体にかなりノスタルジック。作者の分身・ユウコはSF好き、さらにはマンガ好きがこうじて、自身もSFマンガを描き出す。「作画グループ」の同人となり、プロのマンガ家たちと知り合うなど、徐々にマンガの世界にのめりこむ姿が、何とも言えない。高校時代の1970年代は少女マンガの隆盛期なので、そういった部分の話も実に楽しい。本書は「青春編」ということなので、高校卒業後が描かれる続編(WEBマンガで連載中)も楽しみである。

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     2019/01/06

    刑務所で知り合った3人が、新生活を始める資金のために、紀州和歌山一番の大金持ちである柳川家当主、柳川とし子刀自の誘拐を企てる。入念な計画のもと、誘拐に成功するものの、洞察力にも優れ、度胸のすわったとし子に言い負かされ、身代金を5千万円から100億円にあげさせられる。さらに、とし子は計画のあれこれに口を出し始め、誘拐計画そのものを操りだす…。政府への批判を含むとし子の独特な道徳感、強烈なキャラクターが面白い。ユーモアミステリーの傑作であり、読後も爽やかだ。第三十二回日本推理作家協会賞受賞作でもある。

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     2019/01/06

    作家である著者が襲われた強烈な腰痛。ありとあらゆる治療法、治療薬を試しても、どうしてもおさまらず、時には「死」を考えるほど、追い詰められる。そして、最後に辿り着いた治療法と、あっけないような痛みからの解放。これら3年間にわたる苦悩が、丁寧に描かれている。腰痛に限らず、身体の不可思議な痛みに苦しんでいる人は、一度手に取ってもらいたい。必ずしも、確たる原因がない場合もあり、その場合は、治療法も含め、発想の転換も必要なことが理解できるだろう。

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     2019/01/05

    『殺人者の顔』からヴァーランダーシリーズはスタートするが、本書は、同作登場以前のヴァーランダーが描かれた作品が集められている。20代、マルメ署時代の「ナイフの一突き」「裂け目」、イースタ署での「海辺の男」「写真家の死」「ピラミッド」の計5作。5作で600ページ以上なので、かなりのボリュームがある。ヴァーランダーが刑事として、どのように成長してきたのかが分かりやすい。また、スウェーデンの地方を舞台にしながら、現代の先進国のほとんどが抱える問題を浮き彫りにしている。ヴァーランダーが女性との距離感が微妙なのは、若き日から変わらないことも分かり、そこも面白さの一つ。

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     2019/01/05

    壇ノ浦の戦いで生き残った平家の姫・さよ。奥州藤原氏配下の武士・清原良任のもとに身を寄せ、源義経に復讐すべく、弓などの稽古に励んでいた。ふとしたことから、兄・頼朝に追われ、都から落ちのび、藤原泰衡の館に滞在している義経の子・千歳丸の遊び相手となる。最初は、義経にも千歳丸にも嫌悪をいだいていたさよだが、徐々に彼らが持つ人間的な側面に触れるにつれ、気持ちに変化が起きてくる。それでも、亡くなった父や乳母のことを考えると、仇討ちを諦める気にはならない。迷うさよだが、頼朝にせっつかれた泰衡が義経を襲ってくる。こういった状況で変化する、さよの気持ちが丁寧に描かれているとともに、義経や千歳丸が背負わなければならない宿命の悲しさが胸をうつ。

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     2019/01/05

    パーソナルゲノム医療の嚆矢となった症例について書かれている。
    2007年、食事をするたびに腸に穴があき、それが皮膚表面にもつながり、便が漏れるという2歳の男の子が病院にやってくる。医師たちは、あらゆる可能性を考慮に入れながら、検査と治療を重ねていくが、決定的な要因も治療法も見つからない。そこで、医師たちは、それまでに試みられたことがないゲノム解析によって原因を特定することを決める。しかし、原因遺伝子が特定されるとは限らず、また、特定されたとしても治療法が見つかるかどうかも不明。また、明らかになった結果によっては、男の子の父母や姉妹たちに、厳しい現実を告げることになる可能性もあった。それでも、目の前で危機に瀕している命を救うために、一歩を踏み出した医師たちの姿が感動的。

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     2019/01/01

    冒頭、女性編集者が『カササギ殺人事件』の原稿をプリントアウトしたものを手にしたところから物語は始まる。しかし、主人公は、すでにそれを読み終えている。
    そして、同書が自分の人生を変えたこと、著者のアラン・コンウェイの人なりにも触れている。
    そして、すぐに『カササギ殺人事件』は始まる。私たち読者は、主人公となる女性編集者が最初にこの原稿を読んだ時と同じ目線で、この原稿を読むことができる。いや、冒頭で主人公が“警告”を発している以上、やや有利な立場でスタートをきれるのだ。
    地方のパイ屋敷で働く家政婦の葬儀から物語は始まる。当初は事故死と思われていたが、葬儀の夜、屋敷に泥棒が入ったこと。後日、屋敷の主が首を切られて殺されたことで、その小さな村の人間関係が徐々に露わになっていく。
    下巻では、作中作である『カササギ殺人事件』が、主人公の女性編勇者を含め多くの人々を巻き込んだ現実世界の話が描かれる。
    作中作の『カササギ殺人事件』の犯人は誰か? 現実世界で起きた事件の犯人は誰か?
    本格ミステリーの醍醐味とも言える、フーダニットを十分に堪能できる快作。

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     2018/12/24

    面白いのは面白いけど、好みは分かれるかもしれない。
    本書は、ベートーヴェンの「会話帳」―聴覚を失ったベートーヴェンがコミュニケーションを取るために使っていた筆談用のノート―の捏造を行ったとされるベートーヴェンの秘書、アントン・フェリックス・シンドラーの生涯、その捏造などをひもとき、シンドラーが捏造に手を染めた心理に迫ったもの。
    微妙なのは、「会話帳」をSNSにたとえたりすることも含め、当時の事象を現代の事象に置き換えようとしているところ。読みやすい反面。軽く感じてしまう。
    捏造や贋作制作などの心理は、当事者以外では計り知れない部分があるものの、本書が示したものはシンドラーの心に迫っている気がする。

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     2018/12/24

    全体は6章に分かれていて、池澤夏樹、吉岡忍、鹿島茂、大高保二郎、宮崎駿、高志の国文学館が執筆を担当している(宮崎の場合は、講演)。一応、堀田の若い頃から順に人生を辿る形になっている。ただ、高志の国文学館が担当した終章は、「堀田善衞 二〇のことば」で、堀田の作品からの引用とその解説になっている。
    それぞれ堀田と関わりの深かった人だが、印象に残るのは吉岡と大高が担当した章。前者はベ平連、後者は『ゴヤ』の執筆時期のことだが、執筆した二人が直接関わっていたことので、極めてヴィヴィッドである。
    巻末には全集未収録原稿「『路上の人』から『ミシェル 城館の人』まで、それから…」が収録されている。
    年表「堀田善衞の足跡」もあるので、堀田という人物に興味を持った人には最適な一冊である。

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     2018/12/22

    薬物やアルコールへの依存が「物質依存」で、万引きや痴漢、ギャンブルへの依存が「行為・プロセス依存」。今後は後者が増えていく、という著者の推測は怖ろしい。
    様々な万引き依存症の症例を見ると、自分の家族は絶対に大丈夫と言い切れる人がどれほどいるのだろうか。きっかけは、ある意味で些細なことが多いし、家族が遠因となっていると周囲の人たちが強く出られないのも分からないでもない。
    印象に残ったのは、治療過程のある種の“寛容さ”だ。単純な叱責や攻撃は「依存症」に役に立たないのだろう。ただ、一方で、当人の治療への意志、周囲の協力と気長な努力によっては回復が可能であることを考えると、希望は持てる。
    社会的なストレスが減少するようにも思えず、高齢者もますます増えることを考えると、万引き依存症が減ることはほとんど考えられない。損失金額などを考えると、医療的な面も含め、抜本的な対策をうたないと、日本の経済にとってマイナスになることは間違いない。

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