ラフマニノフ・イヤーに「Biddulph」から貴重な初出音源が登場!
「Biddulph」からラフマニノフの交響曲第3番英国初演時のライヴ録音ほかが登場。両曲にとって音に残された最古の演奏記録で、ビーチャムとウッドのラフマニノフ録音が世に出るのは初です。
交響曲第3番はイギリス及びヨーロッパ初演時のライヴ。1936年に作曲された第3番は同年11月6日にストコフスキー指揮のフィラデルフィア管弦楽団によって初演されましたが、欧州での初演は翌37年11月18日まで待たねばなりませんでした。その大任を務めたのがビーチャム率いるロンドン・フィル。速めのテンポと強い推進力を土台に時に激しい情熱を感じさせる演奏を繰り広げます。ビーチャムはこの演奏の翌月、マンチェスターでハレ管を指揮して第3番を演奏しましたが、なぜかその後は指揮することがなく、ラフマニノフ作品の録音も残されていません。この音源は第3番の演奏記録として最初のもので、またビーチャム唯一のラフマニノフ録音ということになります。
BBCプロムスの創設者で指揮者のヘンリー・ウッドはラフマニノフと親交があり、1921年にはリヴァプールでラフマニノフの合唱交響曲『鐘』をイギリス初演しています。その際にウッドは特に第3楽章の演奏が非常に難しかったとラフマニノフに伝えましたが、これはウッドが英語の詞で上演したことと関係があるとみられます。15年後の1936年10月、ウッドはラフマニノフをシェフィールド音楽祭に招き、前半にはラフマニノフ自身のソロでピアノ協奏曲第2番を演奏、後半に『鐘』を演奏しました。その時のスコアはラフマニノフがウッドの意見をいれて第3楽章の声楽パートを全面的に書き直したもので、ここに収録された1937年の演奏でも使われています。ウッドはラフマニノフの作品を熱心にとりあげましたが録音は残されておらず、この音源がウッド唯一のラフマニノフ録音となります。また『鐘』の録音としても最初のもので、いくつもの観点から貴重な記録と言えるでしょう。
これらの音源はBBCの放送をロシア音楽の熱心なファンだったHarold Vincent Marrotが個人的にディスク録音したもので、Marrotからディスクを相続したマイク・セルが大英図書館サウンド・アーカイヴに遺贈、同館クラシック音楽部門学芸員のジョナサン・サマーズの協力の元で復刻されました。尚、交響曲第3番第2楽章9分52秒から10分04秒にかけて、放送受信時に入ったとみられるノイズによるお聞き苦しい箇所があります。(輸入元情報)(写真 輸入元提供)
【収録情報】
ラフマニノフ:
● 交響曲第3番イ短調 Op.44 (1936)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・トマス・ビーチャム(指揮)
録音時期:1937年11月18日
録音場所:ロンドン、クイーンズ・ホール
録音方式:モノラル(ライヴ)
● 合唱交響曲『鐘』 Op.35 (1913)(英語歌唱、第3楽章は1936年改訂版)
イソベル・ベイリー(ソプラノ)
パリー・ジョーンズ(テノール)
ロイ・ヘンダーソン(バリトン)
フィルハーモニック合唱団
BBC交響楽団
サー・ヘンリー・ウッド(指揮)
録音時期:1937年2月10日
録音場所:ロンドン、クイーンズ・ホール
録音方式:モノラル(ライヴ)
復刻プロデューサー:Eric Wen
復刻エンジニア&マスタリング:Rick Torres
※BBCの放送を個人が録音したディスク(大英図書館蔵)からの復刻。交響曲第3番第2楽章9:52から10:04にかけて、放送受信時に入ったとみられるノイズによるお聞き苦しい箇所があります。(輸入元情報)