日本のシンガーTOP30 - 第14位

2005年12月13日 (火)

その声は一度聴くと忘れない...

どこかクールで、どこかユーモラス、そして極めて日本人的。矢野顕子とはそんな存在ではないだろうか？

音符の上を自由奔放に跳ね回るような独特の跳ねた歌唱と、ピアノだけでも奏でられる変幻自在かつ緻密な音楽性、そして何よりそれらを繊細に、時に大胆に表現する卓越した才能。彼女の持つもの、それは日本だけでなく世界的に高く評価されているのもうなずける。

若くして才能を開花させた矢野顕子。

1955年東京生まれ・青森育ち。青森市で過ごした幼少時よりピアノを始める（3歳よりピア始めたという話も！）。

青山学院高等部在学中よりジャズクラブ等で演奏、72年頃よりティンパン・アレイ系のセッションメンバーとして活動を始め、ニューミュージック黎明期の欠かせない顔となる。

79-80年、YMOの2度のワールドツアーにサポートメンバーとして同行。81年には、シングル「春咲小紅」が大ヒット！ 以後も、普遍的な「愛」をテーマに、神出鬼没のピアノ弾き語り「出前コンサート」、児童詩・童謡とのジョイントや、ジャズ・ロックからクラシックまでの幅広いミュージシャン達との交流を持ち、ポップスのフィールドに居ながらも常にジャンルにとらわれない自由・ユニークで質の高い活動を続け、評価を得ている。若い世代のミュージシャンからの支持も多い。

そのオリジナリティは、ますます磨きがかかり、唯一無二の境地へ。

90年、一家でアメリカ/ニューヨーク州へ移住、15年目を迎える。 国際的に活躍するミュージシャン、妻、母、と様々な顔を持ち、新しい女性の生き方のモデルとしても多くの人々に敬愛されている。

現在までに24枚（欧米では3枚）のオリジナル・アルバムを発表。他に、ベストアルバム『ひとつだけ』（96年）、『ピヤノアキコ。』（03年）も発表。また大貫妙子、奥田民生、鈴木慶一、宮沢和史らと敢行したツアーのライブ盤『LIVE Beautiful Songs』、音楽を手がけたスタジオジブリのアニメ映画「ホーホケキョとなりの山田くん」サウンドトラック盤、クラシックのオムニバスアルバム「気分で聴く」シリーズの監修等がある。

また彼女の楽曲というのはタイアップにより強い印象を残すことが多い。以下、彼女の有名なタイアップでは....

1980 『春咲小紅』 カネボウキャンペーンCM曲
1994.4〜6 『夢のヒヨコ』フジテレビ 系「ポンキッキーズメロディ」
1995〜 『二人のハーモニー』ネスレ「ブライト」CMキャラクター＆楽曲
1997〜 『Oui Oui』デビアス「シンプルダイヤモンド」キャンペーンソング
1997 『クリームシチュー』ハウス「シチューミクス」CM楽曲
1999.7 『ひとりぼっちはやめた』映画「ホーホケキョとなりの山田くん」主題歌

また、客演録音としては、パット・メセニー/Secret Story、チーフタンズ/Tears of Stone 等。

この他に92年、弾き語りアルバムのレコーディングを記録したドキュメンタリー映画「Super Folk Song〜ピアノが愛した女。」がある。

日本での公演活動は、毎年秋の帰国コンサートを定例化し「さとがえるコンサート」と名付けて続けられている。また、98年からは渡米に伴い中断されていた「出前コンサート」を再開、01年には「ヤノ・ラボ」と題されたピアノの弾き語りコンサートを日替わりのゲストを迎えて開催。アメリカ、ヨーロッパでの公演活動も継続し、評判を呼んでいる。