第12回新井賞レティシア・コロンバニ『彼女たちの部屋』に決定!著者から受賞コメント到着!

2020年07月15日 (水) 20:45

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絵/寄藤文平

新井賞とは
本屋の新井が作った賞です。
この半年で、いちばんおもしろかった本をたった一人で選び、勝手に表彰します。
偶然ですが、芥川賞・直木賞と同じ日に発表です。賞金はありません。

新井見枝香プロフィール

1980年生まれ。書店員。2019年4月まで三省堂書店に勤務。2019年5月よりHMV&BOOKS HIBIYA COTTAGEに勤務。 著書に『探してるものはそう遠くはないのかもしれない』(秀和システム)、『本屋の新井』(講談社)など。

◇第12回 新井賞


  • レティシア・コロンバニ『彼女たちの部屋』
新井評:
人生で初めて、自分を臆病だと思いました。
彼女たちの部屋に足を踏み入れることは、自分の心の奥底を覗き込むような心地です。
物語がこれほど面白くなければ、私はどこまでも逃げ続けたでしょう。

著者から新井賞受賞コメントも!

新井賞 受賞コメント
新井賞を2度も受賞したことを光栄に思います! 昨年、日本の読者のみなさんが『三つ編み』を熱心に読んでくださったと知って感激しました。今年、『彼女たちの部屋』でふたたび奇跡が起きています。本当にびっくりです! この新しい本も、勇敢な女性たちに捧げています。彼女たちはいつもわたしを勇気づけてくれます。 新井見枝香さん、早川書房、そして日本の読者のみなさんに、心からの感謝をこめて。

レティシア・コロンバニ

作品紹介


(C)網中いづる

『彼女たちの部屋』
著 レティシア・コロンバニ
訳 齋藤 可津子
あらすじ
現代、パリ。 大きな挫折のあと、弁護士のソレーヌは ある保護施設で代書人のボランティアをはじめた。 「女性会館」というその施設には、暴力や貧困、 差別のせいで住居を追われた人々が暮らしている。 自分とはまるで異なる境遇にいる居住者たちの 思いがけない依頼に、ソレーヌは戸惑った。 それでも、一人ひとりと話して、手紙を綴るなかで、 ソレーヌと居住者たちの人生は交わっていく。 ここで自分の役割を見つけたと思った矢先、事件は起きた。

約100年前、パリ。 救世軍のブランシュは街中の貧困と闘っていた。 路頭に迷うすべての女性と子供が身を寄せられる施設をつくる―― 彼女の計画は、ついに政治家・財界人も動かしつつあったが……。

ブレイディみかこ氏、推薦
(保育士、ライター、コラムニスト、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』著者)
「この苦難の時代にこそ読んでほしい、シスターフッドと希望の書」

『三つ編み』著者の最新長篇小説
人生の危機に直面した弁護士は
その部屋で初めて居場所を見つけた。


過去の新井賞作品

2020年
第11回:小川糸:『ライオンのおやつ』

○新井評:悲しくて、くやしくて、誰とも分かち合えない怒りが、瀬戸内の島にあるホスピス「ライオンの家」で、何か別のものに変わりました。だから、新井賞に選びました。ごく、個人的な理由です。

2019年
第10回:レティシア・コロンバニ :『三つ編み』

○新井評:私は今、何にだってなれるような気がしている。
シングルマザーのサラは、カナダの権威ある法律事務所で、女性初の地位にのぼりつめた優秀な弁護士だ。シングルマザーであるがゆえに、必要以上の努力を要したそのキャリアにおいて、やりがいのある今の仕事は絶対に手放したくない。しかしそんなサラを、女性ならではの病魔が襲う。女性であるがゆえに、なぜこうも苦しみ、当たり前のように奪われなければならないのか。サラの絶望は計り知れない。 インドで人間として扱われないほど低い身分に生まれたスミタは、娘を同じ目に遭わせたくないと、命懸けの行動に出る。イタリアに暮らすジュリアは、父親が事故に遭い、倒産寸前の会社をひとりで背負うことになる。遠く離れた地で、それぞれの運命と闘う3人の女性の人生が、順々に編まれていく。そうして完成された物語は、日本に暮らす私たちに何を伝えたかったのか。私たちが絶対に負けてはいけない相手は、何なのか。

2018年
第9回:はるな檸檬 『ダルちゃん』
○新井評:自分はひとりである、ということの、輝かしさみたいなもの。うまく言葉にできない、漫画だけに。

2017年
第8回:三浦しをん 『ののはな通信』
○新井評:ののとはなが交わした書簡を、ののでもはなでもない私が読んでしまったのだ。ののとはなの知らないうちに。

第7回:桜木紫乃 『砂上』
○新井評:小説を書く、といことはこれほどのことなのか。少なくとも「砂上」を書いた人にとっては、そうなのだろう。


2016年
第6回:芦沢 央 『貘の耳たぶ』
○新井評:どうしてそんな酷いことができるのか、という犯罪には、どうしてそんなことをしてしまったのか、を考え続けたい。

第5回:彩瀬まる 『やがて海へと届く』(文庫)
○新井評:もう二度と帰ってこない大切な人を、勝手にあんたらの仏様にしないでほしいんだ。



2015年
第4回:角田光代 『坂の途中の家』
○新井評:たまたま殺さずに済んで、たまたま殺されずに生きているだけなのだと思えてくる。

第3回:辻村深月 『朝が来る』
○新井評:読みたかったのは、血の繋がらない親子の「いい話」でも「悲しい話」でもなくて、これだった。


2014年
第2回:早見和真 『イノセント・デイズ』(文庫)
○新井評:この小説を書き上げた早見さんは、すっかりやつれて別人のようになっていた。

第1回:千早 茜 『男ともだち』(文庫)
○新井評:ハセオのような男が現実にいるかいないかなんてどうでもいい。カンナにはいた。それだけ。



新井見枝香

芥川賞・直木賞

第163回芥川賞・直木賞

第163回芥川賞は『首里の馬』『破局』の2作が受賞、直木賞は『少年と犬』が受賞!

HMV&BOOKS online-文芸|2020年07月15日 (水) 16:30


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