第10回新井賞発表

2019年07月17日 (水) 21:00

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絵/寄藤文平

新井賞とは
本屋の新井が作った賞です。
この半年で、いちばんおもしろかった本をたった一人で選び、勝手に表彰します。
偶然ですが、芥川賞・直木賞と同じ日に発表です。賞金はありません。

新井見枝香プロフィール

1980年生まれ。書店員。2019年4月まで三省堂書店に勤務。2019年5月よりHMV&BOOKS HIBIYA COTTAGEに勤務。 著書に『探してるものはそう遠くはないのかもしれない』(秀和システム)、『本屋の新井』(講談社)など。

◇第10回 新井賞


  • レティシア・コロンバニ 『三つ編み』
「私は今、何にだってなれるような気がしている。」

シングルマザーのサラは、カナダの権威ある法律事務所で、女性初の地位にのぼりつめた優秀な弁護士だ。シングルマザーであるがゆえに、必要以上の努力を要したそのキャリアにおいて、やりがいのある今の仕事は絶対に手放したくない。しかしそんなサラを、女性ならではの病魔が襲う。女性であるがゆえに、なぜこうも苦しみ、当たり前のように奪われなければならないのか。サラの絶望は計り知れない。 インドで人間として扱われないほど低い身分に生まれたスミタは、娘を同じ目に遭わせたくないと、命懸けの行動に出る。イタリアに暮らすジュリアは、父親が事故に遭い、倒産寸前の会社をひとりで背負うことになる。遠く離れた地で、それぞれの運命と闘う3人の女性の人生が、順々に編まれていく。そうして完成された物語は、日本に暮らす私たちに何を伝えたかったのか。私たちが絶対に負けてはいけない相手は、何なのか。



過去の新井賞作品

2014年
第1回:千早 茜 『男ともだち』(文庫)
○新井評:ハセオのような男が現実にいるかいないかなんてどうでもいい。カンナにはいた。それだけ。

第2回:早見和真 『イノセント・デイズ』(文庫)
○新井評:この小説を書き上げた早見さんは、すっかりやつれて別人のようになっていた。

2015年
第3回:辻村深月 『朝が来る』
○新井評:読みたかったのは、血の繋がらない親子の「いい話」でも「悲しい話」でもなくて、これだった。

第4回:角田光代 『坂の途中の家』
○新井評:たまたま殺さずに済んで、たまたま殺されずに生きているだけなのだと思えてくる。

2016年
第5回:彩瀬まる 『やがて海へと届く』(文庫)
○新井評:もう二度と帰ってこない大切な人を、勝手にあんたらの仏様にしないでほしいんだ。

第6回:芦沢 央 『貘の耳たぶ』
○新井評:どうしてそんな酷いことができるのか、という犯罪には、どうしてそんなことをしてしまったのか、を考え続けたい。

2017年
第7回:桜木紫乃 『砂上』
○新井評:小説を書く、といことはこれほどのことなのか。少なくとも「砂上」を書いた人にとっては、そうなのだろう。

第8回:三浦しをん 『ののはな通信』
○新井評:ののとはなが交わした書簡を、ののでもはなでもない私が読んでしまったのだ。ののとはなの知らないうちに。

2018年
第9回:はるな檸檬 『ダルちゃん』

○新井評:自分はひとりである、ということの、輝かしさみたいなもの。うまく言葉にできない、漫画だけに。


新井見枝香

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