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Review List of eroicka 

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  • 2 people agree with this review
     2011/09/23

    「未完成」は原譜の「<、>」記号を、従来の「クレッシェンド・ディミヌエンド」(ワルター、ベーム、カラヤンなどほとんどはこっち)という理解ではなく、「アクセント」と解釈する演奏の走りとなったものだ。今ではアーノンクールら古楽系指揮者では普通にみられるスタイルだが、このLPが出た1980年頃には驚きをもって受け止められたことを覚えている。ウィーンフィルの美しいサウンドが懐かしいが、ここでのカルロスはむしろ、そのグラマラスな響きに頼るメロドラマ的な予定調和を拒み、鋭角的なサウンドで挑発的に仕掛けてくる。一見、明暗のコントラストがはっきりしたテンポの速い爽やかな演奏という風に思えるが、何度か聴きこむうちに、軽やかな装いの下に、どす黒く暗い情念があるのに気づかされる。この一枚がなければアーノンクール・コンセルトヘボウの名盤も出てこなかったかもしれないと思わされる画期的な1枚だ。一方、ブラームスの4番はウィーンフィルのグラマーな響きを最大限に生かし、踊りたくなるような美しく生命感にあふれた演奏になっている。晩年のブラームスの寂寥感や冬のドイツの風景、重厚といったこの曲について回るイメージを拒否して、あくまで独自のVividな音楽づくりに徹している。そこが好みを分かつところだろう。いずれも貧乏中学生の頃初めてFMで聴いた時「なんじゃ?」と違和感をもったものだが、歳を重ねるにつれ、妙に好きになってくる演奏の一つだ。

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  • 8 people agree with this review
     2011/09/19

    LP時代のDG・rezonance盤から親しんだもの。テンポは極めて遅く2曲とも51分程度だ。ここ数年聴いていなかったが、久しぶりに聴くと、特に1番の両端楽章の凄まじさに舌を巻く。ゴールウエイ、ブラウやシュタインス、コッホ、ザイフェルトらを擁したカラヤンのヴィルトオーゾオケから、渋い音色と重戦車のような迫力を、ヨッフムは引き出している。ギレリスのピアノはポリーニやワイセンベルクにも近い粒だった硬質なクリアーなタッチが特徴だが、彼らとの最大の違いは「泣き」だ。例えば、第一番第2楽章のモノローグの悲痛な響きはあたかも演歌の「泣き」をも思わせる感情移入だ。曲想が泣きに入るとギレリスの紡ぎ出すサウンドも泣きモードにかわっていく。ヨッフム・ベルリンフィルの暗いサウンドもあいまって、ブラームスの慟哭が聴こえるようだ。2番は幾分曲想から見ると重すぎるようだが、これもこの曲を語るには不可欠な1枚だ。2番に関しては、ギレリスとヨッフムはコンセルトヘボウともライヴ録音を残しており、個人的にはそちらが好ましい。

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  • 6 people agree with this review
     2011/09/19

    チャイコフスキーコンクール優勝後間もないアシュケナージが録音した十八番。昔、LP末期から廉価盤で出ていて、人口に膾炙しきった、今更説明するのもばかばかしいような名盤だ。3年ぶりぐらいに聴いて、クオリティの高さに改めて驚かされた次第。当然、決して衒学的ではないのだが冴えるテクニック、甘口な中にもギロりと怜悧な感性が光る。この録音の前後、自由を求めて、ソ連を出て西側に移住したこともあってか、ギラギラした強い覇気と集中力は後年の彼には感じられないものだ。オケは2番のコンドラシン・モスクワフィルより3番のフィストラーリ・ロンドン交響楽団の方が優れている。本場物という意味合いでソ連のオケを起用したのだろうが、コンドラシンの覇気のある指揮ぶりはともかく、図らずもDeccaの優れた録音がオーケストラの粗さをあぶりだしてしまっている。昔はこの豪放さ野性味も魅力と感じたものだが、歳をとったせいなのか、洗練されたアシュケナージの芸風にはいささか合っていないように感じる。

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  • 3 people agree with this review
     2011/09/14

    このバーンスタイン=ウィーンフィルによるベートーヴェン交響曲全集は往年のウィーンフィルの最後の芳香を堪能できる一枚だ。少年時代、少ない小遣いで楽しみに新譜LPを買ったのが思い出深いが、中でも一番よく聴いたのはこの「田園」だ。優美な弦の旋律の深い緑の中に、艶やかな木管のさえずりが生き生きと浮かび上がるような趣だ。自然のくっきりとした描写の中に、癒し・恐れ・喜びという人間の心がリアルに息づく。オーディオプレイヤーを携え、電車で帰宅するとき、人間賛歌というべき終楽章の豊麗な旋律を懐かしみ聴きながら、「ああ青春時代の青雲の志はどこへ行ってしまったのか」と寂しく住宅街の夜空を見上げてしまった。8番もシャルクやワインガルトナーのSP録音以来の伝統の系譜に連なるウィーンの管楽器の饗宴が美しい。この70年代末〜80年代初頭ごろまではウィーンフィルの響きは独特の芳香・輝きを放っていたのに、いまや「花の色は移りにけりな」であるのはなぜだろうか。

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  • 4 people agree with this review
     2011/09/12

    小生にとって最大の興味は。LP化で起こった「女声混入」問題の50年録音のベートーヴェン7番の音質。この盤では最近発見された「別のテープ」を使用したそうだが、やはり声の混入したものであった。しかし、この盤では、注意深く聴かないと、単なる微かなノイズにしか聴こえないほど、目立たないよう処理されている。ベートーヴェンはイタリアEMIの全集より派手さはないが、誇張のない範囲で比較的メリハリの効いた音質になっている。ブラームスやモーツアルト、ハイドン、オペラなども同じ傾向だ。誇張的なステレオプレゼンスがなく、オケの音色も漂白化されてなく、きちんと鮮度を感じさせる音が聴き取れる。愛好者のサイトでは必ずしも評価は高くないようだが、価格を考えると、演奏は勿論、音質でも十二分におつりのくるクオリティの復刻だ。特に54年の録音は全体的に改善が著しいような気がする。欲を言えばデザインをオリジナルジャケットにすれば、などと思ってしまうが、全体として良心的なアンソロジーであり、売っているうちに購入されることを奨めます。

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  • 1 people agree with this review
     2011/09/09

    1954年12月16日にカーネギーホールであった演奏会の録音だそうだが、不思議なぐらい客席ノイズが少ない。演奏は後半にいくにつれ燃焼していくのが手に取るようにわかるが、こもった録音のせいで感銘が今ひとつ伝わらない。しかも、余計なエコーやステレオプレゼンスが音のクリアーさを損なっている。コーラスは精度や言語表現が今ひとつで、冒頭ではドイツ語か英語か分からなかったほどだ(ワルターNYPには1952年の英語版によるライヴもある)。この54年ライヴは昔、イタリアの海賊版メーカーMoviment musicaから出たきりだったと思われ、貴重度をかんがみると、珍しい音源だけに評価はあまり低くはしないが、おせっかいな味付けはもともとの音楽を損なうだけだ。この4日後にCBSがセッション録音をしており、そちらの方が一般には勧められる。

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  • 2 people agree with this review
     2011/08/21

    チェリビダッケとしてはまだ大人しい演奏をしていた時代のものだが、微細なテンポの動きとオーケストラの音色の変化だけで人生の春秋まで雄弁に語る様な趣だ。特に3番の第3楽章や第4楽章の終幕の寂寥感は秀逸だ。ライヴだけに高揚すると時折、巨匠の例のうなり声や叫び声が聴こえるのはご愛嬌だが、弦や木管のサウンドの変化、表情付けの巧さには瞠目させられる。地方の放送交響楽団からベルリンフィルにも劣らないレベルの音響美を引き出すとは、どれほどまで血のにじむような特訓があったのか。フルトヴェングラーやクレンペラー、ジュリーニ、バルビローリ、ベームなど、人生の春夏秋冬を表現しつくすようなブラームスの交響曲の名盤は少なくないのだが、これもまた格別な味わいだ。以前買ったものを久しぶりに取り出してみて再び聴いたのだが、歳をとったせいか以前にまして、ブラームスの3番と4番を聴いたらなぜか寂しい気分になった。本当に人生の苦節、そしてほろ苦さを実にさらりと味わい深く表現している。まだ晩年の遅いテンポとなる前の演奏でクナッパーツブッシュばりの凄まじい呪縛感はないのだが、(E社から出ていた晩年の名演シリーズのように)廃盤の憂き目には遭わぬようにだけはしてほしいと切に願うばかりだ。

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  • 3 people agree with this review
     2011/07/15

    VHSやLD時代からなじみの映像で、D社発売のDVDシリーズ本を持っているが、ホフマン、アームストロングともに悪くない。ホフマンはロック歌手に転向したりしているうちにパーキンソン病になり、昨秋死去した。ホフマンのローエングリンといえば、他にレヴァインの指揮METのライヴがあり、総合的にはそちらが優っているが、このバイロイトの映像は、光と影をモチーフに登場人物の力関係を暗喩する鬼才、ゲッツ・フリードリヒの演出(もはやいまでは斬新ではなくなっているが)が見もの。ローエングリンの衣装が宝○少女歌劇みたいで、今となってはダサいのが欠点ではあるが。ネルソンの指揮は雄弁ではないが、自然な音楽の流れを大事にし、テンポも速すぎないのが好ましい。音だけのCDもSONYから出ている。

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  • 3 people agree with this review
     2011/07/12

    この値段なら、ファーストチョイスにはぴったりだろう。いすれもこの2曲を語る上では外せない名演だ。シューベルトは旋律重視で構成力がとかく薄めになりがちだが、この演奏は起承転結を意識した昔ながらの演奏。堂々たる威容、響きの香りや気品は巨匠最晩年、80年前後のウィーンフィル盤(未完成)、ドレスデン盤(グレート)に譲る部分も大きいが、カラヤンがシェフになってサウンドが徐々に明るく豊麗なものに変化する過渡期にあるベルリンフィルから、フルヴェン時代以来の重厚な響きを引き出している。このシューベルトはもちろん、モーツアルトの交響曲全集やセレナード集、ブラームス1番、英雄など一連の録音は、質実剛健な独逸のマイスターといった感じで、後年のウィーン再録音と違った筋肉質な音楽を聴かせる。堅く辛口な演奏だけに「息苦しい」という批判が出るのも致し方ないが、この当時のベームの充実ぶりは、最後のドイツのマイスター時代の遺産といえようか。

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  • 5 people agree with this review
     2011/07/12

    シューベルトは旋律重視で構成力がとかく薄めになりがちだが、この演奏は起承転結を意識した昔ながらの演奏。堂々たる威容、響きの香りや気品は巨匠最晩年、80年前後のウィーンフィル盤(5、未完成)、ドレスデン盤(グレート)に譲る部分も大きいが、ベルリンフィルらしく強い覇気と強靭なアンサンブル、独逸のマイスター風といったゴツゴツした重厚な響きと構成感が素晴しい。この頃のベルリンフィルは、カラヤンがシェフになってサウンドが徐々にカラヤン風な明るく豊麗なものに変化する過渡期にあり、このシューベルトはもちろん、モーツアルトの交響曲全集やセレナード集、ブラームス1番、英雄など一連の録音は、質実剛健な独逸のマイスターといった感じで、後年のウィーン再録音と違った筋肉質な音楽を聴かせる。スクエアで辛口な演奏だけに「息苦しい」という批判が出るのも致し方ないが、この当時のベームの充実ぶりは、最後のドイツのマイスター時代の遺産といえようか。少し後の世代でこの伝統を共有した巨匠・名匠はヴァントやクルト・ザンデルリンク、シュタイン、マズアぐらいしかいないだろう。いまや伝統の中で育ったはずのティーレマンですらこの伝統とは目指すものが違い、個を消した職人芸より、個性を前面に出した音楽作りを追求している。時代は変わったのだ。こうした個性を前面に出さずまずは作品自体に語らしめようとする職人指揮者は、いまや過去の遺物になりつつあるが、我々、LP世代には忘れじの存在であることには違いがない。

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  • 1 people agree with this review
     2011/07/12

    昔、寒い冬の日曜日の朝、吉田秀和氏のFM番組でこの演奏のLPが放送されたとき、中学生だった私はせっせとエアチェック(テープに録音、死語)したものだ。今でも妙に生々しく覚えている。吉田氏の新聞の文化面のコラム記事は読んでいなかったが、この1949.6.10のヴィースバーデンでのライヴは、吉田氏が番組でも絶賛していたように記憶する。しかし、音がさえないせいか一部マニアにしか人気がなかなか出ず、2年前発売された仏・THARAのFURT2007はすでに廃盤だ。確かにフルヴェンのブラ4といえば、EMIなどから出ている48年10月の2種類の演奏や1943年のライヴ盤の方が有名で、自分も音質を考えるとフルヴェンのブラームスビギナーの人にはそちらを勧めるが、マニアを自認する人はこの1949.6.10の演奏も当然持っていて然るべきだろう。FURT2007には入っていないプフィッツナーも含まれ、この日の演奏会のすべてが聴けるという意味では貴重だ。

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  • 3 people agree with this review
     2011/07/11

    このブラ3は、少年時代、キングレコードの1000円盤LPで聴いていた。その直後に新譜でDGのベーム・ウィーンフィルのブラームス交響曲全集が出て、迷った挙句買いなおし、少ない小遣いを出費した思い出がある。新旧のブラ3、覇気と構成力をとるならこの旧盤、録音の良さとメロウな響きと枯淡の境地の自然さを楽しむなら新盤だろう。いずれも甲乙つけがたい魅力がある。余白の序曲も生き生きした名演ばかりで、改めてオペラ指揮者の側面にも気づかされる。モノラル時代のdeccaサウンドは楽器の分離は良いが、くすんだ響きがあまり好みではなかった。この旧録音は大人になって買いなおしたLPを持っており、1000円盤とは違うしっかりした音を楽しんできたが、CDが出てしまうと、やはりこちらに手が伸びてしまう。くすんだサウンドも多少は改善されているようだ。国内盤CDが10年以上前に出ていた頃は見向きもしなかったのだが、カタログから消えてしまうと、不思議とさびしく思うもので、今回の復活には敬意を表したい。

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  • 4 people agree with this review
     2011/07/11

    大編成の響きで起承転結を意識した昔ながらの演奏。香りや気品は後年のウィーンフィル盤に譲る部分も大きいが、ベルリンフィルらしく強い覇気と強靭なアンサンブル、独逸風のゴツゴツした重厚な響きと構成感が素晴しい。この頃のベルリンフィルは、カラヤンがシェフになってサウンドが徐々にカラヤン風な明るく豊麗なものに変化しつつある時期だったのだが、モーツアルトの交響曲全集やセレナード集、ブラームス1番、英雄など、このころのベームの一連の録音は、質実剛健な独逸のマイスターといった感じで、後年のウィーン再録音と違った筋肉質な音楽を聴かせる。スクエアで辛口な演奏だけに「息苦しい」という批判が出るのも致し方ないが、この当時のベームの充実ぶりは、様々な演奏を幅広く聴きこんだうえで、筋金入りのリスナーになってみてから再び聴いてみると分かってくるだろう。古楽器マニアにはもはや古臭いと言われるスタイルで、ベームのモーツアルトはいまや過去の遺物になりつつあるが、我々、LP後期に育った世代には忘れじの巨匠であることには違いがない。

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  • 3 people agree with this review
     2011/07/11

    強い覇気と強靭なアンサンブル、独逸風のゴツゴツした重厚な響きと構成感が素晴しい。この頃のベルリンフィルは、カラヤンがシェフになって、サウンドが徐々にカラヤン風な明るく豊麗なものに変化しつつある時期だったのだが、モーツアルトの交響曲全集やセレナード集、ブラームス1番、英雄など、このころのベームの一連の録音は、後年のウィーン再録音と違った筋肉質な音楽を聴かせる。特にこのブラ1は、ライヴでないのに、激しい情熱がストレートに伝わり、聴くものを熱くさせる。スクエアで辛口な演奏だけに、「息苦しい」という批判が出るのも致し方ないが、この当時のベームの充実ぶりは、様々な演奏を幅広く聴きこんだうえで、筋金入りのリスナーになって再び聴いてみると分かってくるだろう。いまや過去の人になりつつあるが、我々、LP後期に育った世代には忘れじの巨匠であることには違いがない。SACDは値段が高いのが玉に瑕で既に所有している音源に関してはなかなか手が出ないが、60年代のDGの録音は質が高く、聞いてみたいような気はする。

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  • 3 people agree with this review
     2011/07/11

    強い覇気と強靭なアンサンブル、独逸風のゴツゴツした重厚な響きと構成感が素晴しい。この頃のベルリンフィルは、カラヤンがシェフになって、サウンドが徐々にカラヤン風な明るく豊麗なものに変化しつつある時期だったのだが、モーツアルトの交響曲全集やセレナード集、ブラームス1番、英雄など、このころのベームの一連の録音は、後年のウィーン再録音と違った筋肉質な音楽を聴かせる。特にこのブラ1は、ライヴでないのに、激しい情熱がストレートに伝わり、聴くものを熱くさせる。スクエアで辛口な演奏だけに、「息苦しい」という批判が出るのも致し方ないが、この当時のベームの充実ぶりは、様々な演奏を幅広く聴きこんだうえで、筋金入りのリスナーになって再び聴いてみると分かってくるだろう。いまや過去の人になりつつあるが、我々、LP後期に育った世代には忘れじの巨匠であることには違いがない。

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