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Review List of レインボー 

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     2021/02/20

    ルネ・レイボヴィッツが、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を振って、リーダーズダイジェストに録音したベートーヴェン交響曲全集。
    これはそれから第1番と第3番を収録したもの。
    このレイボヴィッツによる全集はベートーヴェンの書いたメトロノーム記号に出来うる限り従った初めての全集として知られる。
    全体的にテンポは速めだが、細部の明晰さと綺麗な音色、無駄のないメリハリのついた進行と、両曲とも聴かせてくれる。
    またロイヤル・フィルも大変に上手く、特に金管楽器に上手い奏者が揃っている。
    チェスキーによる復刻はオリジナルのウィルキンソンのキラキラした録音をしっかり伝えてくれる。

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     2021/02/19

    クレメンス・クラウス指揮、バイエルン放送交響楽団と録音したリヒャルト・シュトラウスの歌劇『カプリッチョ』の全曲盤。
    この歌劇はシュトラウスの最後の作品であると同時に、台本をシュトラウスとクラウスが手がけたというもので、初演もクラウス自身による物。
    初演間もない時期の録音もあるが、これは最晩年の1953年に録音された物である。
    歌手には当時のスター級が揃っており、R.シュトラウスやワーグナー歌いで知られた歌手が揃っているのも特徴だ。
    オペラだから、聴きどころは歌なのだろうが、1番良いなと思ったのは、月光の音楽で、旋律の美しさはもちろんだが、オケの音色の美しさは見事である。
    年代の割に音もまずまず良い方。
    カプリッチョの録音は幾つかあるがこれは名盤の1つだろう。

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     2021/02/18

    このCDはノルウェーのソプラノ、キルステン・フラグスタートがキューバのハバナでの南米ツアーでのライヴ録音で、ウィーンの巨匠、クレメンス・クラウスと当地のオケ、ハバナ・フィルハーモニー管弦楽団、スウェーデン出身のセット・スヴァンホルムと共演したものである。
    ベートーヴェンが一曲ある以外はワーグナーの作品ばかりで、ワーグナー歌手としても知られた両歌手に相応しい選曲です。
    ハバナ・フィルも意外というと失礼かもしれないがまずまずレベルは高い。
    しかし何分音質は悪く、基本的歌手のファンでも無ければおすすめはしないアルバムです。

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     2021/02/17

    フランスの指揮者、ジャン・マルティノンが残した録音より、ドヴォルザークのスラヴ舞曲と、マイアベーアのスケートをする人々、マスネのル・シッドを収録した音源である。
    ドヴォルザークはロンドン交響楽団の演奏で1959年に録音されたもの。
    あまり民族色はないが、わかりやすい音楽で構築感も推進力もあって聴きやすい。
    マイアベーアとマスネは、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏。
    マルティノンがイスラエル・フィルの音楽監督時代に残した貴重な音源。
    ともに明晰な演奏と、しっかりと構築された力強い演奏と、イスラエル・フィルからフランス・オケのような繊細なサウンドを引き出したなかなかの好演。
    録音も年代を考えれば良い。

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     2021/02/16

    このCDはデッカがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を起用して制作したアルバムで、2人の指揮者によるベートーヴェン作品集となっている。
    メインは、エーリヒ・クライバーの交響曲第3番『英雄』である。
    エーリヒ・クライバーは同曲を得意としていたのか、幾つかの録音があり、デッカにもこの盤を入れる2年前にコンセルトヘボウとも入れている。
    そこでも凄い演奏であったが、ここでは解釈そのままにウィーン・フィルの豊かな音色が聴きどころ。
    ちょっと息子カルロスに比べれば地味に思えるこの指揮者がいかにも当時凄かったがよくわかる一枚。
    余白はクレメンス・クラウスによる序曲集。
    これが初CD化らしい。
    レオノーレとフィデリオを収録。
    クラウスらしいエレガンスなベートーヴェンで、フィデリオが往年のウィーン・フィルの豊かな音色が美しく良い演奏だと思います。
    年代を考えれば録音はこんなものでしょう。

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     2021/02/15

    フレデリック・フェネル指揮、イーストマン・ウィンド・アンサンブルによるこのCD、吹奏楽のために書かれたオリジナル曲を中心に選曲された内容となっています。
    アメリカの団体だけあって、パーシケッティやC.ウィリアムズら当時アメリカで活躍した作曲家の作品が収録されていますが、同時代にソヴィエトで活躍したハチャトゥリアンのアルメニアの踊りというマイナーな作品も収録されています。
    この頃のフェネルの演奏は後年のものより勢いとメリハリがあり、加えてオケの楽曲の読む力も凄く、なかなかの演奏です。
    年代の割に録音も良好。

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     2021/02/14

    キング・レコードが出したオーケストラの名曲集。
    序曲を中心に選曲されたもので、いかにもこの手のアルバムらしいとりあえず有名な曲を集めましたよと言った選曲である。
    演奏者も幾つかいるが最も多いのはフィリップ・ギブソン指揮、ロンドン交響楽団である。
    アレクサンダー・ギブソンなる指揮者はいたが、フィリップ・ギブソンという人物は初めて聴く。
    一応実在らしいが詳細は不明。
    演奏はメリハリがついた演奏もあり悪くないのもあるのだが、ロンドン交響楽団がだいぶ頑張っており、残念ながら一流の指揮者とは言えないようだ。
    とはいえくせの少ない演奏であるので聴きやすく入門には最適かもしれない。

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     2021/02/13

    ヴァーツラフ・ターリヒが、モーツァルトの作品を振ったアルバム。
    オケはチェコ・フィルハーモニー管弦楽団と、スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団(スロヴァキア・フィルハーモニー室内管弦楽団)です。
    ターリヒのレパートリーはチェコ音楽が主流ですがモーツァルトもいくつかあります。
    この盤はスプラフォンに録音されたものから、オペラの序曲と交響曲を集めたもので、38番といった有名な曲に混じり、33番というマイナーな曲が収録されているのが特徴です。
    演奏は格調高いターリヒならではの演奏で、聴けばモーツァルトでも高い評価を受けたのが分かります。
    最後はチャイコフスキーの組曲第4番で、モーツァルトの作品ではないですが、モーツァルトの作品をチャイコフスキーが編曲した作品なので、ここに収録されたのでしょう。
    録音は年代を考えれば、ありと言った所ですが、やはり古さはあります。

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     2021/02/12

    ハイドンの交響曲第88番と第93番を収録したCD。
    クレメンス・クラウス指揮、バイエルン放送交響楽団の演奏で収録されたもの。
    クラウスの得意レパートリーの一つであったハイドンだけに、きめ細やかなその演奏は確かなもの。
    オケがバイエルン放送交響楽団とウィーンのオケではないので、ちょっと音が硬く聴こえるのは残念な事ではありますが。
    またボーナスとして収録されているのはウィーン交響楽団を振ったメンデルスゾーンの真夏の夜の夢。
    ここでは抜粋ですが、その美しい音色と、充実した演奏は隠れた名演と言って良いもの。

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     2021/02/10

    ドヴォルザークのスラヴ舞曲作品46、作品72を、ヴァーツラフ・ターリヒ指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で収録したCD。
    ターリヒは戦前にもチェコ・フィルと録音を残しているがこれは戦後に録音された新しい方の音源である。
    チェコ・フィルハーモニー管弦楽団にとってドヴォルザークは重要なレパートリーであり、新世界交響曲や、このスラヴ舞曲は幾人の指揮者と録音があるが、このターリヒ盤、古風で素朴な演奏が魅力。
    オケも独特のサウンドが残っていた時代の演奏で、こんにちではなかなか聴く事のできない演奏だ。
    録音は年代を考えればこんなもの
    だろうか。

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     2021/02/09

    この盤はカール・ベームが、ドイツエレクトーラに、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団と録音した音源を復刻したもの。
    シリーズは4巻あり、これは1巻目、モーツァルトとベートーヴェンの作品を収録した内容である。
    1枚目はモーツァルトの作品集で、ヴァイオリン協奏曲第5番、ホルン協奏曲第3番、アイネ・クライネ・ナハトムジーク、フィガロの結婚、後宮からの逃走を収録。
    この中ではオケの首席奏者、マックス・ツィモロングを独奏に迎えたホルン協奏曲が1番良い演奏。
    ベームのサポートも良し。
    ベーム単独のフィガロの結婚と後宮からの逃走の両序曲、アイネ・クライネは後年の名録音を残しているだけあって、これも中々のもの。
    2枚目はベートーヴェンの交響曲第9番。
    独唱陣は当時のドレスデンで活躍した人。
    ライヴのような燃え上がる演奏だが、ソリストの歌い方が時代を感じさせる。
    可もなく不可もなしと言ったところである。
    3枚目はヴァイオリン協奏曲とピアノ協奏曲第4番。
    ギーゼキングをソリストに迎えたピアノ協奏曲も良いけど、シュトルーブをソリストに迎えたヴァイオリン協奏曲も面白い。
    この人の録音は殆どCDになってないだろうに貴重である。
    4枚目はピアノ協奏曲第3番と第5番。
    このうちフィッシャーと入れた5番は一連の協奏曲の録音でも有名で、5番はフルトヴェングラーと共演による後年盤もあるが、ソロだけならこちらの方が良いと思う。
    また3番のコレッサは当時美貌で知られた女流ピアニスト。
    録音の少ない彼女の唯一知られた音源がこれで、独特の味がある演奏である。
    SP時代の録音なので音質は正直イマイチなのが惜しい。

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     2021/02/08

    ウィリアム・スタインバーグ指揮、ピッツバーグ交響楽団の演奏で録音されたブラームスの交響曲第4番。
    スタインバーグはコマンドにもこの曲を録音しましたが、このCDはエヴェレスト原盤です。
    スタインバーグがドイツ出身だったこともあり当時の同オケは、ドイツのオケのようにがっしりしたサウンドが特徴的で、ドイツ系の曲に良い演奏が多い気がします。
    このCDでも、グイグイと曲の世界に引っ張るスタインバーグの演奏、中々見事。
    スタインバーグを伴奏指揮者としてのイメージしてる人はこの録音を聴くとイメージが変わります。

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     2021/02/07

    このCDはターラが発売した、ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮、北ドイツ放送交響楽団の放送音源をCD化したアルバムである。
    本CDのメインは恐らくブルックナーの交響曲第9番であるのだが、それよりおすすめなのがハイドンの交響曲第103番とパッヘルベルのカノンとジーク。
    前者はドイツのオケらしい重厚なサウンド、ドイツ的な質実剛健な音作り、カノンはしっかりとジークまで演奏を美しく味わい深い演奏を聴かせてくれます。
    この2曲が聴けるだけで元は取れるでしょう。
    音質は録音年代相応と言ったところでしょうか。

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     2021/02/06

    ヴァーツラフ・ターリヒ指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で収録された、チャイコフスキーの交響曲第6番。
    チェコ音楽が録音の多数を占めるターリヒの珍しいロシア音楽の録音になるが、これが中々素晴らしい。
    ターリヒの録音では珍しく、テンポの振り幅が激しい情熱的な演奏で、最後まで聴かせてくれます。
    悲愴の録音の中ではこれといって話題になる事は少ない音源だと思いますが、隠れた良い演奏です。
    ワーグナーも悪くはないですが、チャイコフスキーの前では少し大人しめに感じてしまいます。
    録音は古さを感じますが、これは仕方ないでしょう。

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     2021/02/05

    ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮、北ドイツ放送交響楽団演奏による、ドヴォルザークのセレナーデ集である。
    1枚目の弦楽セレナーデは、この分野で、チャイコフスキーと並ぶ傑作であり、実際に2曲カップリングで演奏される事も多い。
    このイッセルシュテットの演奏は自身が鍛え上げた北ドイツ響の弦楽セクションを存分に使い隅々まで手のいきとどいた好演である。
    カップリングは管楽セレナーデ。
    弦楽セレナーデに比べれば知名度も格段に落ちてしまうこの曲、なかなか悪くないのだが、録音はやはり少なめ。
    その中でもこのイッセルシュテットの演奏は音楽の流れや音色の美しさから名演といってよく、このCDの聴きどころである。
    古い録音だが音はまずまず。

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