matthias tanzmann

--- 楽曲を制作する上で、一番重要なこととはどんなことですか？

matthias tanzmann　　うーん、なんだろう？よく分からないけど、重要なことはきっと、インスピレーションの部分なんだと思う。新しい音を聴いているときや制作をしている時に突然、マジック・モーメント（魔法のような瞬間）がやってきて、頭の中に何かが降ってくることがある。

それがとっかかりになって曲のスペシャルなエレメントを発見したり、良いアイデアがわいて、トラックを作り上げるときがあるよ。いつも他の音楽から影響を受けるけど、エレクトロニック・ミュージックそのものに影響を受けるね。

--- 今回、日本盤には2005年にリリースされた『Five Years Of Moon Harbour』というMix CDも付くそうですが、こちらの作品の一番の聴き所をおしえてください

matthias tanzmann　　このCDは僕が2年前につくったもので、自分の大学の卒業証書みたいなものでもあるんだ。僕は大学でメディアデザインを学んでいて、このCDはその卒業制作の一つでもある。だからこれは僕の人生において大学生時代を象徴するものだし、5年間のレーベルの歴史でもあるから、レーベルにも僕自身にとっても、とても重要なものだよ。

--- 日本のクラブ・シーンについて、なにか気付いた点があったらおしえてください

matthias tanzmann　　これまでに2回日本に行っているけれど、本当に感銘を受けたよ。他の知っているヨーロッパの国と比べても、明らかに違う文化だし、日本はとても好きだ。東京の他に、大阪や京都にも行くチャンスもあってね。 クラブ・シーンもすごく気に入ったよ。

みんなとても音楽が好きだということが分かったし、レコードショップもたくさんあって、みんな音楽に夢中でたくさんの人が色々な事を理解している。前回の日本では、いくら感謝すればいいのか分からないくらいだったよ。「マイクロオフィス」へ行った時にも、みんな音楽に対してとてもリスペクトしていて、それら全てに感動したよ。

日本人はエレクトロニック・ミュージックシーンをすごく理解していると思う！またいつでも日本へ行きたいと思っているよ。プレイするのを本当に楽しみにしている。

--- ドイツ人と日本人は、よく精神性が似ていると言われたりしますが、その点についてどう思いますか？

matthias tanzmann　　どうなんだろう？分からないけれどたぶん、、、似ている所と言ったら、例えば日本人もドイツ人も約束の時間を守るところとか、何でも几帳面にこなすところとかかな。

けれど、バックグラウンドは大きく違うからね。まあ、分からないけれど、他の西洋の国の人に比べたら、ドイツ人の方が近い部分があるのかもしれないね。

--- 今後の予定について教えていただけますか？

matthias tanzmann　　まずはこのアルバムのリリースを控えていて、その後５月か６月末くらいにはこのアルバムのリミックスアルバムを出す予定だよ。６曲のリミックスを2枚のレコードでリリースする予定になっている。リミキサーは、Guido Schneider、Samim、CadenzaレーベルのPetre Inspirescu、Reboot、他。

これから僕はアルバムのリリースツアーで、北京や東京などアジアにも行くよ。ツアーは５月末か６月位まで続く。今の段階でわかっている近い予定としては、そんな感じだね。

--- 日本のファンへのメッセージをお願いします

matthias tanzmann　　 日本で moon harbour のすべてのアーティスト、音楽をサポートしてくれている人達にありがとう、と言いたいです。プレイを聴きに来てくれた人達へも、ありがとう。僕達の音楽を楽しんでもらえるとうれしいです。

（インタビュー：2008年2月20日）　訳：玉手ゆみ子